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ランチア ディアロゴス イタリア 1998年
ランチア ディアロゴスは1998年のトリノ モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。販売が低迷していたランチアが自社の新しいアイデンティティーを確立する為に企画した車で、エンジンは搭載していないモックアップでした。戦前のアプリリアや戦後のアウレリアなどのイメージをランチア デザインセンターが現代風にアレンジしたレトロな雰囲気のデザインでした。室内も上質で常識的なものでしたが、いくつかのアイデアが提案されていました。まずドアはアウレリアのような観音開きの4ドアで、ドアハンドルが無くカードキーで開閉します。
次に前席が回転することで、乗降を楽にしていました。前席は180度回転して後席と対面もできました。前席の背面には2つの平面ディスプレーが設けてありました。U字型のステアリングホイールは停車時は中央にあり、運転時に左または右に移動できました。このステアリングホイール移動のアイデア以外はその後のランチア車で実用化されています。2001年にディアロゴスと同じ盾型フロントグリルとヘッドライトを持つテージスが登場しましたが、テージスはあまり売れませんでした。その後のイプシロン、デルタなどにもディアロゴスのデザインが反映されていました。(実車画像→ ランチア イプシロン 2002)
ミニカーは2000年に発売されたソリド製の当時物です。実車と同じカラーリングで、プロポーションが良く室内も良く再現された非常に素晴らしい出来ばえでした。また実車の特徴的な機能を凝ったギミックで再現してあり、当時の定価2000円は値段をつけ間違えたのではないかと思うほどの出来ばえでした。まず観音開き式の4ドアが開閉し、前席が回転します。(実車は前席が個別に回転しますが、ミニカーは前席全体が回転) 次にステアリングホイール位置が右/中央/左に移動できます。(ステアリングホイールの位置は底板の操作ノブで動かすようになってます) 最近の1/43サイズのミニカーではこのようなギミックが軽視されていますが、ギミックも実車をリアルに再現する手段です。このミニカーでは実車の最大の特徴をギミック化していますから、単なるお遊びだけではなく実車の機能を知ることができる面白いものになっていました。すぐに壊れるような細かなパーツを付けるよりも、こんな具合にしゃれたギミックを工夫して付けてもらいたいものです。なおディアロゴスのミニカーは2023年現在でもこれしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー セラフ リムジン イギリス 1998年
ロールス ロイス社は航空機エンジン部門の不振により1971年に倒産しました。ロールス ロイス社の自動車部門は新しくロールス ロイス社として独立しましたが、メルセデス ベンツなどの新興高級車メーカーに押されて業績が悪化し1992年にはBMWと提携しました。1998年には親会社のビッカース社がロールス ロイスのブランド売却を決定し、BMWとフォルクス ワーゲンがこのブランドの争奪戦を行い最終的にはロールス ロイスのブランド使用権をBMWが取得し、フォルクス ワーゲンはロールス ロイスの会社とベントレーのブランドを取得しました。
1980年にシルバー シャドウ II/シルバー レイス IIの後継車としてシルバー スピリット(1995年からはシルバー ドーンに改名)/シルバー スパーが発表されました。その頃からヘッドライトが丸形4灯から角形に変更されました。BMWがロールス ロイス ブランドを取得した1998年にシルバードーン/シルバー スパーの後継車として新設計されたシルバー セラフが登場しました。エンジンは2002年までBMWが製造し、フォルクスワーゲンがロールス ロイスの生産/販売を行ないました。(この間のブランドの商標権はBMWからフォルクスワーゲンに貸し出されました) 最終的にフォルクスワーゲンはロールス ロイスの製造/販売を中止し、シルバー セラフも2002年に生産中止となりました。なおベントレーはフォルクスワーゲン傘下のアウディで製造/販売されています。
シルバー セラフは伝統的な大型グリルやバンパーを備えたデザインで、ボディ全体に丸みが付いていました。ボディはアルミ製からスチールに変更され、ハンドメイドだったボディ製造工程は一部が機械化されたようです。BMW製V型12気筒5.4L(326HP)エンジンを搭載し、電子制御サスペンションなど最新の電子機器を装備していました。姉妹車としてBMW製V型8気筒ツインターボ エンジンを搭載するベントレー アルナージがありました。BMW傘下で2003年に後継車のファントムにモデルチェンジしました。
1980年から1990年代のロールス ロイスはミニカーがあまりありません。実車が変わりばえしなかったのとロールス ロイスの威光が下落したことが原因でしょうか。このミニカーはシルバー セラフのストレッチ リムジンで、ロールス ロイスの100周年記念として2004年に限定品(5000台?)として販売されたものです。実車がでかいのでミニカーも全長150㎜と大きいです。メーカーは中国のPMCというブランドですが、前輪がステアするギミックが付いているので、そのギミックを採用することが多いオートアート系のメーカーが設計したと推察します。100周年記念でロールス ロイスが監修していることもあって、プロポーションが良く室内などの細部もリアルに再現されていて、かなり良い出来ばえでした。シルバー セラフのミニカーはフランクリン ミントの1/24ぐらいしかないので、車種的にかなり貴重です。(ダイキャスト製で値段も約1万円ほどと、レジン製のようには高くはなかったです) 以下はフロント(エンブレム拡大と前輪操舵ギミック動作)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XJ8 (X308) イギリス 1998年
ジャガー XJ シリーズは1986年に2代目のXJ40系にモデルチェンジしました。ボディは大きくなり、基本的なスタイルは継承していましたが直線的でモダンなデザインになりました。上級仕様のソブリンは角形ヘッドライトを採用していました。(オプション設定で丸型4灯式もありました) エンジンは新型の6気筒2.9L/DOHC 6気筒3.6L(221HP)でした。XJ40系のディムラー版はディムラー 3.6として設定されました。1990年のマイナーチェンジで、エンジンが3.2L/4Lに変更されました。1993年には併売していた初代XJシリーズ IIIの12気筒版が生産中止となり、後継としてV型12気筒6L(318HP)エンジン搭載のXJ40系のXJ12とディムラー ダブルシックスが設定されました。(実車画像→ ジャガー XJ40 ソブリン)
1994年に全XJシリーズ(ディムラー含む)がX300系に変わりました。構造的にはXJ40系がベースでしたが、初代のXJシリーズ独特の丸形4灯式ヘッドライトのフロントが復活しました。(角形ヘッドライトは廃止されました) エンジンは同じ排気量ながら新設計された物に変わりました。また6気筒4Lエンジンをスーパーチャージャーで326HPにパワーアップし足回りを固めたスポーツ仕様のXJR6(市販車初のスーパーチャージャー搭載車)が追加されました。(実車画像→ ジャガー X300系)
1997年のマイナーチェンジでXJシリーズはX308系のXJ8(ディムラー 8)に変わりました。インパネが変更されましたが、外観はほとんど同じでした。6気筒エンジンが新型のDOHC V型8気筒3.2L/4L(294HP)に変わり、12気筒エンジンが無くなりました。足回りを固めた高性能版のXJR(ディムラー版は スーパー V8)にはスーパーチャージャー付4L(375HP)エンジンが搭載されました。2003年にXJシリーズは3代目のX350系にモデルチェンジしました。(実車画像→ ジャガー X350系)
ミニカーは2001年に発売されたオートアート製です。ジャガー X308系のXJ8をモデル化しています。実車がでかいのでミニカーも大柄ですが、プロポーションが良く細部の仕上げなども非常に良く出来ていました。(特に立体感があるインパネのメーター類は秀逸です) オートアートの1/43ミニカーには前輪がステアするギミックが付いていることが多く、このXJ8も前輪操作ギミック付きで底板部分のドライブトレーンやサスペンションも細かく再現されていました。オートアートはバリエーションでXJRも型番53601でモデル化しています。2代目以降のXJシリーズのミニカーは少なくて、XJ40系はNEOのディムラー ソブリン、X300系はCULT MODELS(レジン製)、X308系はこのオートアートとイクソぐらいしか無いようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ジャガー XK8 (X100) コンバーチブル イギリス 1998年
1940年代の名車ジャガー XKの名前を復活させたジャガー XK8はXJSの後継車として1996年に登場しました。E タイプを思い起こさせる長いフロントノーズに低いルーフのクーペスタイルを組み合わせた優雅なデザインでした。全輪独立懸架サスペンションのシャーシはXJSを改良した物で、ボディ形式は2+2座のクーペと電動ソフトトップを備えるコンバーチブルの2タイプでした。エンジンは新設計のDOHC 8気筒4L(294HP)で、1999年に追加された高性能版のXKRはスーパーチャージャーを追加して375HPにパワーアップしていました。
2002年にエンジンが4.2L(304HP/スーパーチャージャー付 406HP)に拡大され、変速機が6段自動変速に変わりました。2004年のマイナーチェンジで、フロントグリルの下にインテークが追加されるなどフロント/リアの意匠が変更されました。2006年に2代目 XK(X150)にモデルチェンジしました。高性能で美しいXK8は人気が高く10年間で約9万台が生産され、ジャガーのスポーツカーとして大ヒットしました。
ミニカーは1998年に発売されたビテス製の当時物です。XK8 コンバーチブル ソフトトップ仕様をモデル化しています。特徴的なフロント周りの雰囲気がうまく再現され、室内もそこそこリアルで全体的に良い出来ばえでした。(ただウエストラインより上の部分がすこし小さめかなとも思いますが) ビテスはバリエーションでクーペやXKRなどを約20種類ほどモデル化していました。これ以外のXK8のミニカーはオートアート、マイストのカブリオレ、シュコーのカブリオレなどがあります。XKRのミニカーはオートアート、コーギーのXKR ボンドカー仕様、ミニチャンプスのXKR ボンドカー仕様、オックスフォードのXKR 1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー フリーランダー イギリス 1998年
ランドローバーのエントリーモデルとして、小型SUVのフリーランダーが1997年に登場しました。トヨタ RAV4やホンダのCR-Vと同じジャンルの車で、横置エンジンの前輪駆動車をベースにしたフルタイム4WD車でした。個性的なフロントを持つ目新しいデザインで、5ドアとリアキャビン部が開閉できるソフトトップを持つ3ドアの2タイプがありました。エンジンは4気筒1.8L(120HP)、V型6気筒2.5L(177HP)、4気筒2Lターボディーゼルなどがあり、5段自動変速で最高速187km/h(2.5L)の性能でした。2003年のマイナーチェンジでフロントとリアの意匠が変更され、3ドアが廃止されました。当時のヨーロッパでは4WD車のベストセラーカーとして大ヒットしました。
2006年にモデルチェンジして、2代目のフリーランダー 2(北米ではLR2)となりました。デザインは先代のフロントのイメージを踏襲していましたが、ボディは5ドアだけとなりました。フォード グループ内のボルボ S80(2代目)と同じプラットフォームを使い、エンジンはボルボの6気筒3.2L(233HP)とフォード/PSAグループの4気筒2.2L(160HP)ディーゼルを搭載していました。ランドローバーが開発した走行モードを切り替える「テレインレスポンス」システムを装備し、オフロード性能も優れていました。(実車画像→ ランドローバー フリーランダー 2) 2011年のマイナーチェンジで、フロントグリルがレンジローバー風のデザインに変わりました。2014年に生産中止となり、2015年に登場したディスカバリー スポーツが後継車となりました。(実車画像→ ランドローバー ディスカバリー スポーツ)
ミニカーは2001年頃に発売されたカララマ製の当時物で、フリーランダー 初代 3ドアの初期型をモデル化しています。カララマはホンウェルのブランドで、1/43の安価なダイキャスト製ミニカーを作っていました。安価ながらも基本のプロポーションはしっかりしていて結構良い出来ばえのものがありました。このフリーランダーもヘッドライトが小さめですが、樹脂バンパーを使った独特のフロント周りなど実車の雰囲気が良く再現されていました。ドアとリアゲートが開閉するギミック付きです。なおリアゲートは透明なプラスチックパーツが経年劣化で変形し、きちんと閉まらない状態になっています。同じ物がシュコー ジュニア ブランドでも発売されていました。これ以外のフリーランダー初代のミニカーは、カララマのマイナーチェンジ後の5ドア、ユニバーサルホビーの3ドア、Bブラーゴの3ドアなどがあります。フリーランダー 2のミニカーはブラーゴとオックスフォードなどがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアゲートの開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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