Sorry Japanese Only
ポルシェ 911 (996) カレラ 4 ドイツ 1998年
ポルシェ 911の5代目 996が1997年に登場しました。最大の変更点は従来の空冷エンジンが水冷化されたことで、これは北米市場の排ガス規制に対応したものでした。さらにエンジンはDOHC化(可変吸気バルブのヴァリオカム付)されたことで完全な新設計となりました。ボディは大きくなり、前述したボクスターに採用された涙目型ヘッドライトとフロントバンパーが流用され、フロントウィンドーが従来より寝かされたことで空力的に改良されました。ボディの拡大で室内は広くなり、メーターパネルもボクスターの物が流用されたようです。
先代の993と同様に2WDのカレラ2とフルタイム4WDのカレラ4、ガラス製サンルーフのタルガが設定されました。1999年にフルオープンのカブリオレが追加され、これには安全対策として転倒時にロールーバーが飛び出す機構が付いていました。1999年にレース仕様のGT3、2000年にフルタイム4WDのターボが追加され、これらの高性能版は排気量が3.6Lに拡大されました。ターボでは評判の良くなかった涙目型ヘッドライトの形状が変更されました。2002年のマイナーチェンジで後期型となり、ターボと同じヘッドライトが全車に適用されました。
ミニカーは2000年に発売されたビテス製の当時物です。ビテスが経営破綻する直前の一番出来が良かったころのミニカーで、ポルシェ 996 前期型の1/43量産ミニカーとしては現時点(2023年)でもかなり良く出来ていると思います。評判の悪かったヘッドライト形状や綺麗に塗り分けられた室内のインパネなどの細部もリアルに再現されています。(ただAピラーが太目なのだけはいまいちですが) ビテスはバリエーションでターボ、GT3もモデル化していました。ビテス以外の996のミニカーはカレラ2/4、タルガ、カブリオレ、GT2/GT3とそのレース仕様も含めて約500台とたくさんあります。主なブランドはミニチャンプス、オートアートの1/18、ブラーゴ、シュコー、ヘルパの1/87、オニキスとスパーク(レジン製)のレース仕様などです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1134
オペル アストラ G ハッチバック ドイツ 1998年
オペル アストラの2代目アストラ Gは1998年に登場しました。先代のシンプルな造形から少し個性的なデザインに変わりました。ボディ形式は5ドアハッチバック、4ドアセダン、5ドアワゴン(キャラバン)、2ドアクーペ(2000年追加 ベルトーネのデザイン)、2ドアカブリオレ(2001年追加 ベルトーネのデザイン)と多く、特にハッチバックのデザインはユニークでした。エンジンも4気筒1.2L/1.4L/1.6L/1.8L/2L、4気筒1.7L/1.2Lディーゼルとたくさんありました。(実車画像→ オペル アストラ G カブリオレ 2001)
2001年以降に全エンジンが新型に変わり、性能が向上しました。2001年にスポーツ仕様にDOHC 4気筒2.2L(147HP)エンジンが追加されました。2002年のマイナーチェンジで、フロント/リアのライトなどの意匠が少し変更されました。OPC(オペル パフォーマンス センター)が開発した高性能車(従来はGSi)の第一弾がアストラ G OPCで、DOHC 4気筒2L(160HP)エンジンを搭載し2002年に登場しました。またクーペにV型8気筒4Lエンジン(キャディラック製)を搭載したレース仕様車で2000年からDTMに参戦し、初年度にはマニファクチャーズタイトルを獲得しています。2004年にアストラ Hにモデルチェンジしました。(実車画像→ オペル アストラ H 2004)
ミニカーは1999年に発売されたシュコー製の当時物です。シュコーは1970年代に一度倒産しましたが、1990年代にブランドが復活しました。深みのあるしっかりした塗装で、リアルながらも少し癖のある独特の作風が新生シュコーの特徴でした。このアストラ Gも個性的なデザインがうまく再現されていてとても良く出来ていました。灯火類や室内などの細部も良く再現されています。シュコーはセダンとキャラバンもモデル化していました。これ以外のアストラ Gのミニカーはミニチャンプスのクーペとカブリオレがありますので、オペルがモデル化ライセンス供与でシュコーとミニチャンプスにミニカーを作り分けさせたのだと思われます。なおV8 クーペ レース仕様はミニチャンプスとシュコー(1/43と1/87)で約60種類もモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1211
フォード フォーカス MK I ドイツ 1998年
1998年にフォード エスコートの後継車 フォーカスが登場しました。フォードがシエラから続けてきた丸みのあるエアロルックデザインから鋭角的なラインを特徴とするニューエッジデザインにかわり、個性的なヘッドライト/リアライトで雰囲気が一変しました。ボディ形状は3/5ドアハッチバック、5ドアワゴン、4ドアセダンの構成でした。当初のエンジンは、4気筒1.4L、DOHC 4気筒1.6L/1.8L/2L(130HP)、4気筒1.8L(75HP)ディーゼルがありました。新設計されたシャーシは走行性能に優れ専門家の評価も高く、1999年ヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
2001年のマイナーチェンジで、ヘッドライトまわりの意匠が少し変わりました。2002年にコスワースがチューンした4気筒2L(167HP)エンジンを搭載したスポーツ仕様のST170が設定され、2002年に4気筒2L(212HP)ターボ エンジンを搭載した高性能版 RSが限定生産されました。またエスコートのラリー仕様車の後継として、フォーカス RS WRCが1999年に登場し、ラリーで活躍しました。フォーカスはヨーロッパで大ヒットし、アメリカ、南アメリカ、ロシアなど世界中で生産されました。2005年に2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード フォーカス MK II 2005)
ミニカーは1999年頃に発売されたミニチャンプス製の当時物です。初期型の5ドアハッチバックをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのないリアルな造形で、個性的なボディがうまく再現され良く出来ていました。実車に即したカラーリング、ホイールや室内などの細部もリアルに再現されています。(ただテールライトが少し大きめかなと思いますが) ミニチャンプスはマイナーチェンジ前後の3/5ドア、ワゴン、ラリー仕様など40種類以上のバリエーションを作っています。(ミニチャンプスが1/43のモデル化の権利をほぼ独占していたようです) それ以外のフォーカス 初代のミニカーはラリー仕様が多いですが、オートアートの1/18、Bブラーゴの1/24と1/43、ビテス、イクソ、リーツェの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1294
ルノー カングー I フランス 1998年
小型商用車のルノー 4 フルゴネットやその後継車のエクスプレスを代替する車として、カングーが1997年に登場しました。(実車画像→ ルノー エクスプレス 1985) カングーはクリオ Iのシャーシをベースにしてホイールベースを延長していました。先代のエクスプレスは乗用車とボディ前半分を共有していましたが、カングーは4/5ドア(商用3ドア)ハッチバックの専用ボディでした。ただ乗用車仕様のカングーと商用車仕様のカングー エクスプレスがあり、乗用車としても通用する走行性能/装備となっていました。エンジンは4気筒1L/1.2L/1.4L/DOHC 1.6L(95HP)、4気筒1.5L/1.9Lディーゼルがありました。
カングーには両側スライドドア仕様、車高を高くしたパンパ(PAMPA)、四輪駆動仕様の4X4、荷室部分を延長したマキシ、ピックアップトラック仕様、アジア地域向けの3列シート7人乗りなどのバリーエーションが追加されました。2003年のマイナーチェンジで、グリル/リアの意匠を変更しフェーズ IIになりました。2007年に2代目のカングーが登場しましたが、2010年まで生産されました。カングーが乗用車としての機能性が評価され大ヒットしたことで、その後シトロエン ベルランゴやフォルクスワーゲン キャディ IIIなど同じようなジャンルの車が登場することになりました。(実車画像→ ルノー カングー II 2007、シトロエン ベルランゴ 1996、フォルクスワーゲン キャディ III 2003)
ミニカーは1998年に発売されたビテス製の当時物です。同じビテスのメガーヌなどの解説で記載したように、この当時のビテスのミニカーは非常に出来が良かったです。このカングーもレベルの高い出来ばえで、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。灯火類や室内など細部の造形もリアルで、さらに立て付けの良いドアが開閉するギミックも付いていました。(本物同様のナンバープレートが付いているのも凝ってました) ビテスはこれ以外にもパンパや商用車のエクスプレスもモデル化していました。ビテス以外ではソリド/べレムの商用車、ノレブの4X4と商用車、リーツェの商用車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1318
プジョー 206 XT プレミアム フランス 1998年
1998年にプジョー 205の後継車として206が登場しました。極端な吊り目ヘッドライトとそれに呼応したテールライトは社内デザインだったそうで、このスタイルがその後のプジョーの特徴となりました。横置きエンジンの前輪駆動車で、当初ボディは3/5ドアハッチバックのみでした。当初のエンジンは4気筒1.1L/1.4L/1.6L、高性能版GTI(S16)用のDOHC 4気筒2L(137HP)、4気筒1.9Lディーゼルがありました。
GTIをベースにして4WD化した206 WRCが開発され、プジョーは1999年からラリー選手権に参戦しました。206 WRCは2000年から3年連続で総合優勝していて、圧倒的に強かったようです。2003年には206のラリーでの活躍を記念して、GTIをさらに177HPまでチューンしたRCが設定されました。
2001年には1.6LエンジンがDOHC化され、電動開閉式ハードトップを持つカブリオレのCC、ステーションワゴンのSWが追加されました。2006年にイラン コードロ(Iran Khodro)社と共同開発したノッチバックの4ドアセダンが中東/中国/ロシア地域などで追加されました。2009年にブラジルで開発された206の改良版が206+という名前でフランスでも2012年まで販売されました。このように206は世界中で大ヒットし、プジョーのベストセラーカーとなりました。後継車の207が2006年に登場した後も、フランスでは2010年まで生産されました。(総生産は約800万台以上とのこと)
ミニカーは2002年に発売されたノレブ製の当時物です。2000年頃からノレブは高品質なミニカーを発売するようになりました。老舗だけあって腕利きの型職人がいるようで、プロポーションから細部の仕上げまでレベルの高い良い出来ばえになっています。(ただしその分当時はやや高価でしたが) この206もプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。室内などの細部も良く仕上げてあり、とても良い出来ばえです。ノレブはこのXT(ベーシック仕様)以外にも、CC、SW、RC、WRC、206+など20種類以上をモデル化していました。特にCCはハードトップが実車同様に開閉する高度なギミックが付いていました。ノレブ以外の206のミニカーはソリドの206 CC、ホンウェルやAWMの小スケール、イクソやビテスのラリー仕様などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)