Sorry Japanese Only
フォード フォーカス MK I ドイツ 1998年
1998年にフォード エスコートの後継車 フォーカスが登場しました。フォードがシエラから続けてきた丸みのあるエアロルックデザインから鋭角的なラインを特徴とするニューエッジデザインにかわり、個性的なヘッドライト/リアライトで雰囲気が一変しました。ボディ形状は3/5ドアハッチバック、5ドアワゴン、4ドアセダンの構成でした。当初のエンジンは、4気筒1.4L、DOHC 4気筒1.6L/1.8L/2L(130HP)、4気筒1.8L(75HP)ディーゼルがありました。新設計されたシャーシは走行性能に優れ専門家の評価も高く、1999年ヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。
2001年のマイナーチェンジで、ヘッドライトまわりの意匠が少し変わりました。2002年にコスワースがチューンした4気筒2L(167HP)エンジンを搭載したスポーツ仕様のST170が設定され、2002年に4気筒2L(212HP)ターボ エンジンを搭載した高性能版 RSが限定生産されました。またエスコートのラリー仕様車の後継として、フォーカス RS WRCが1999年に登場し、ラリーで活躍しました。フォーカスはヨーロッパで大ヒットし、アメリカ、南アメリカ、ロシアなど世界中で生産されました。2005年に2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード フォーカス MK II 2005)
ミニカーは1999年頃に発売されたミニチャンプス製の当時物です。初期型の5ドアハッチバックをモデル化しています。ミニチャンプスらしいそつのないリアルな造形で、個性的なボディがうまく再現され良く出来ていました。実車に即したカラーリング、ホイールや室内などの細部もリアルに再現されています。(ただテールライトが少し大きめかなと思いますが) ミニチャンプスはマイナーチェンジ前後の3/5ドア、ワゴン、ラリー仕様など40種類以上のバリエーションを作っています。(ミニチャンプスが1/43のモデル化の権利をほぼ独占していたようです) それ以外のフォーカス 初代のミニカーはラリー仕様が多いですが、オートアートの1/18、Bブラーゴの1/24と1/43、ビテス、イクソ、リーツェの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1294
ルノー カングー I フランス 1998年
小型商用車のルノー 4 フルゴネットやその後継車のエクスプレスを代替する車として、カングーが1997年に登場しました。(実車画像→ ルノー エクスプレス 1985) カングーはクリオ Iのシャーシをベースにしてホイールベースを延長していました。先代のエクスプレスは乗用車とボディ前半分を共有していましたが、カングーは4/5ドア(商用3ドア)ハッチバックの専用ボディでした。ただ乗用車仕様のカングーと商用車仕様のカングー エクスプレスがあり、乗用車としても通用する走行性能/装備となっていました。エンジンは4気筒1L/1.2L/1.4L/DOHC 1.6L(95HP)、4気筒1.5L/1.9Lディーゼルがありました。
カングーには両側スライドドア仕様、車高を高くしたパンパ(PAMPA)、四輪駆動仕様の4X4、荷室部分を延長したマキシ、ピックアップトラック仕様、アジア地域向けの3列シート7人乗りなどのバリーエーションが追加されました。2003年のマイナーチェンジで、グリル/リアの意匠を変更しフェーズ IIになりました。2007年に2代目のカングーが登場しましたが、2010年まで生産されました。カングーが乗用車としての機能性が評価され大ヒットしたことで、その後シトロエン ベルランゴやフォルクスワーゲン キャディ IIIなど同じようなジャンルの車が登場することになりました。(実車画像→ ルノー カングー II 2007、シトロエン ベルランゴ 1996、フォルクスワーゲン キャディ III 2003)
ミニカーは1998年に発売されたビテス製の当時物です。同じビテスのメガーヌなどの解説で記載したように、この当時のビテスのミニカーは非常に出来が良かったです。このカングーもレベルの高い出来ばえで、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。灯火類や室内など細部の造形もリアルで、さらに立て付けの良いドアが開閉するギミックも付いていました。(本物同様のナンバープレートが付いているのも凝ってました) ビテスはこれ以外にもパンパや商用車のエクスプレスもモデル化していました。ビテス以外ではソリド/べレムの商用車、ノレブの4X4と商用車、リーツェの商用車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1318
プジョー 206 XT プレミアム フランス 1998年
1998年にプジョー 205の後継車として206が登場しました。極端な吊り目ヘッドライトとそれに呼応したテールライトは社内デザインだったそうで、このスタイルがその後のプジョーの特徴となりました。横置きエンジンの前輪駆動車で、当初ボディは3/5ドアハッチバックのみでした。当初のエンジンは4気筒1.1L/1.4L/1.6L、高性能版GTI(S16)用のDOHC 4気筒2L(137HP)、4気筒1.9Lディーゼルがありました。
GTIをベースにして4WD化した206 WRCが開発され、プジョーは1999年からラリー選手権に参戦しました。206 WRCは2000年から3年連続で総合優勝していて、圧倒的に強かったようです。2003年には206のラリーでの活躍を記念して、GTIをさらに177HPまでチューンしたRCが設定されました。
2001年には1.6LエンジンがDOHC化され、電動開閉式ハードトップを持つカブリオレのCC、ステーションワゴンのSWが追加されました。2006年にイラン コードロ(Iran Khodro)社と共同開発したノッチバックの4ドアセダンが中東/中国/ロシア地域などで追加されました。2009年にブラジルで開発された206の改良版が206+という名前でフランスでも2012年まで販売されました。このように206は世界中で大ヒットし、プジョーのベストセラーカーとなりました。後継車の207が2006年に登場した後も、フランスでは2010年まで生産されました。(総生産は約800万台以上とのこと)
ミニカーは2002年に発売されたノレブ製の当時物です。2000年頃からノレブは高品質なミニカーを発売するようになりました。老舗だけあって腕利きの型職人がいるようで、プロポーションから細部の仕上げまでレベルの高い良い出来ばえになっています。(ただしその分当時はやや高価でしたが) この206もプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。室内などの細部も良く仕上げてあり、とても良い出来ばえです。ノレブはこのXT(ベーシック仕様)以外にも、CC、SW、RC、WRC、206+など20種類以上をモデル化していました。特にCCはハードトップが実車同様に開閉する高度なギミックが付いていました。ノレブ以外の206のミニカーはソリドの206 CC、ホンウェルやAWMの小スケール、イクソやビテスのラリー仕様などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1262
フィアット ムルティプラ イタリア 1998年
1950年代に登場した小型ワンボックス車フィアット 600 ムルティプラの2代目が1998年に登場しました。フロントウインドの下に段差があるなどこの車の外観は極めて個性的(奇抜)で、実際に市販されたことが不思議なくらいでした。なおAピラーの下のグリルのように見える穴はヘッドライト(ハイビーム)です。バカンス等で使うフェリーボートの料金が安くなるということで全長を4m以下に抑えていました。全長を抑えたかわりに全幅を1.87mと大きくして3人掛けシートの2列で6人乗りとしシート背後に広い荷室も確保していました。横置きエンジンの前輪駆動車で、当初のエンジンはDOHC 4気筒1.6L(103HP)、4気筒1.9L(105HP)ターボディーゼルでした。
さすがにこのデザインは不評だったのでしょう。2004年のマイナーチェンジで、フロントウインド下の段差をなくした一般的なデザインに変更されました。その際に全長が4.08mとなり、初期型のフェリー積載料金のメリットが無くなりました。2010年まで生産され、後継車は2012年に登場したミニバン 500Lのようです。(実車画像→ フィアット ムルティプラ 2004、フィアット 500L)
ムルティプラのデザインは全長が4m以下という点も含めて、2001年に発売されたホンダ モビリオによく似ていました。モビリオはヨーロッパに輸出されていたので同じような発想だったのかも知れません。また2列シートの6人乗りの国産車としては2004年発売のホンダ エディックス(全幅約1.795m)がありました。(実車画像→ ホンダ モビリオ、ホンダ エディックス)
ミニカーは1999年に発売されたソリドの当時物です。ソリドの型番15**の1500シリーズはどちらかというと廉価版ミニカーの類でしたが、このムルティプラは個性的なボディがうまく再現されていて良く出来ていました。ヘッドライト(ハイビーム)がデカール仕上げなのはやや残念ですが、室内の3人掛けシートやインパネなどの細部は結構リアルに再現されていました。ソリドは現在ヨーロッパ最大の玩具グループのSIMBA DICKIEグループの傘下ですが、同じグループ内のマジョレットからもこの型を流用したほとんど同じ物が販売されていました。ソリドは2004年にデザイン変更された後期型もモデル化していて、そのマジョレット版もありました。なおソリド/マジョレット以外のムルティプラ 2代目の量産ミニカーは2023年現在でもないようです。(2024年にOTTO MOBILEがレジン製で前期型をモデル化しました) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1260
ランチア ディアロゴス イタリア 1998年
ランチア ディアロゴスは1998年のトリノ モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。販売が低迷していたランチアが自社の新しいアイデンティティーを確立する為に企画した車で、エンジンは搭載していないモックアップでした。戦前のアプリリアや戦後のアウレリアなどのイメージをランチア デザインセンターが現代風にアレンジしたレトロな雰囲気のデザインでした。室内も上質で常識的なものでしたが、いくつかのアイデアが提案されていました。まずドアはアウレリアのような観音開きの4ドアで、ドアハンドルが無くカードキーで開閉します。
次に前席が回転することで、乗降を楽にしていました。前席は180度回転して後席と対面もできました。また前席の背面には2つの平面ディスプレーが設けてありました。U字型のステアリングホイールは停車時は中央にあり、運転時に左または右に移動できました。このステアリングホイールを移動させること以外のアイデアはその後のランチア車で実用化されました。2001年にディアロゴスと同じ盾型フロントグリルとヘッドライトを持つテージスが登場しましたが、テージスはあまり売れませんでした。その後のイプシロン、デルタ 3代目などにもディアロゴスのデザインが反映されていました。(実車画像→ ランチア イプシロン 2002)
ミニカーは2000年に発売されたソリド製の当時物です。実車に即したカラーリングで、プロポーションが良く室内も良く再現されていて、非常に素晴らしい出来ばえでした。また実車の特徴的な機能を凝ったギミックで再現してあり、当時の定価2000円は値段をつけ間違えたのではないかと思うほどで安価でした。特徴的な機能のギミックとしては観音開き式の4ドアが開閉し、前席が回転します。(実車は前席が個別に回転しますが、ミニカーは前席全体が回転) 次にステアリングホイール位置が右/中央/左に移動できます。(ステアリングホイールの位置は底板の操作ノブで動かすようになっています) 最近の1/43サイズのミニカーではこのようなギミックが軽視されていますが、ギミックも実車をリアルに再現するものです。このミニカーでは実車の最大の特徴をギミック化していますから、単なるお遊びだけではなく実車の機能を知ることができる面白いものになっていました。最近のミニカーには触るとすぐに壊れるような細かなパーツが付いていますが、そんなパーツよりもこんな具合のしゃれたギミックを工夫して付けてもらいたいものです。なおディアロゴスのミニカーは2024年現在でもこれしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1831
ページ « 前へ 1...310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 ...373 次へ »
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2025 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.