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フォード グラン トリノ スポーツ アメリカ 1972年
フォードの中型乗用車トリノの初代は1968年に登場したフェアレーン 6代目の最上級モデルとして設定されました。名前はイタリアのトリノ市にちなんだものでした。フェアレーン 6代目はフロント全面をグリルとしてそこに4灯式ヘッドライトを配置したのが特徴のシンプルなデザインの車でした。エンジンは6気筒4.1L、V型8気筒4.9L/5.8L/6.4L/7Lなどが搭載されました。4ドアセダン、4ドアステーションワゴン、2ドアハードトップ、2ドアファーストバック、2ドアコンバーチブルとボディ形式は何でもありでした。スポーツ仕様としてトリノ GTや高性能版のトリノ コブラが設定されました。
1970年にトリノは2代目にモデルチェンジしましたが、その際にフェアレーンはトリノのサブブランドに変わり、トリノが主力車種に変わりました。特徴的なフロントグリルを踏襲していましたが、ボディはコークボトルラインを取り入れたダイナミックなデザインとなりました。グリル内にヘッドライトを格納するハイダウエイ(HIDEAWAY)ヘッドライトを採用した上級仕様車のフロントデザインはかっこよかったです。エンジンは6気筒4.1L、V型8気筒4.9L/5.8L/7Lなどが搭載されました。(実車画像→ フォード トリノ 1970目、ハイダウエイヘッドライトを採用した2ドアファーストバック)
1972年に登場した3代目は、大きな楕円形のグリルが特徴で、ロングノーズ/ショートデッキの派手でダイナミックなデザインでした。4ドアセダン、4ドアワゴン、2ドアハードトップ、2ドアファーストバックの4タイプがあり、トリノ コブラの設定はなく先代のトリノ GTがグラン トリノ スポーツの名前に代わり、一番高性能でした。3代目のなかでも1972年式はハンドリングなどの性能評価が高く、大ヒットしました。また1972年式のグラン トリノ スポーツはクリント イーストウッドが監督/主演した映画「グラン トリノ」で主人公の愛車として登場していました。
ミニカーはイクソ プレミアムX製で、2013年に発売されました。高性能版のグラン トリノ スポーツをモデル化しています。プロポーションが良く、特徴的なフロントグリルの造形は実車のイメージをうまく再現していて良く出来ていました。フロリダ州のナンバープレートやホワイトレター付のワイドタイヤが当時のアメリカ車の雰囲気を出しています。さらにイクソお得意のメッキ風塗装が、アメリカ車のクロームモールをうまく再現しています。これ以外のトリノのミニカーとしてはグリーンライトやM2 マシーンなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー ベガ イェンコ スティンガー クーペ アメリカ 1972年
1950年代にヨーロッパ製の小型乗用車がアメリカに輸入され、セカンドカーとして使われました。この小型車需要に対応してGM シボレーは1960年にコルベアを発売しました。コルベアは欠陥車問題などを起こし1969年に生産中止となりました。シボレーは次世代小型車の開発に取り組み、1970年に小型車シボレー ベガが登場しました。ベガはコルベアよりも小さなシンプルなデザインのコンパクトカーで、ノッチバックの2ドアセダン、ハッチバッククーペ、ワゴン、パネルバンがありました。専用設計されたアルミ合金シリンダーブロックの4気筒2.3L(80HP)エンジンを搭載した後輪駆動車で、3段自動変速で、最高速度140㎞/hの性能でした。新設計されたエンジンなどに問題があり改良されましたが、あまり品質がよくなかったようで、1977年に生産中止となりました。
車名のイェンコ(YENKO)とはペンシルバニア州にあったシボレーのディーラーの名前でした。1982年まで営業していたこのディーラーは、1960年代後半頃にカスタマイズしたスポーツカーを販売していたことで最もよく知られていました。このベガ イェンコ スティンガー クーペもその1台で、4気筒2.3Lターボエンジン(155HP)を搭載した高性能版のカスタムカーで、フロントとリアにスポイラーが追加され、専用のカラーリングが施されていました。なおターボはEPA認証がされなかったので車両販売時には未装着で、アフターマーケットのターボ キットで後付けする必要がありました。販売されたのは約200台ほどの希少なモデルでした。
ミニカーは2023年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションです。シボレー ベガの高性能版イエンコ スティンガーをモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、実車に即したカスタマイズされたスポイラーやカラーリングが再現されていて、とても良く出来ています。定価が2200円ほどの安価なミニカーながら、室内の造形もリアルに再現されています。このアメリカンカー コレクション シリーズがこのレベルの上質なミニカーを安価で発売できるのは、このシリーズがアメリカ本国で大量に売れているからでしょう。(現在でも大量生産すればこの価格で発売できるのです) これ以外のシボレー ベガのミニカーはアーテルのクーペ 1/18、ジョニーライトニングのイェンコ スティンガーとワゴン 1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 350SE (W116) ドイツ 1972年
1972年にメルセデス ベンツ 350SE (W116)が登場しました。350SE (W116)はSクラスという名前が正式に採用され、そのSクラスの名声を確立させた車でした。幅広のフロントグリル、サイドマーカー付横長角形ライトの特徴的なフロントデザインは、高級車の代表としてずいぶん他社からコピーされました。先代よりボディは大きくなりましたが、新しい安全基準の採用で室内は狭くなりました。W116は4ドアセダンのみで、クーペやカブリオレの設定はありませんでした。
当時開発されていた安全実験車の安全技術(世界初のABS、衝突時の衝撃をボディ前後で吸収する構造、汚れても視認性の良い段差付大型テールライトなど)が採用されていました。1974年のEU カー オブ ザ イヤーを受賞しています。当初のエンジンは6気筒2.8L(185HP)、V型8気筒3.5L(200HP)の2つでしたが、翌年にはV型8気筒4.5L(225HP)が追加されました。1975年に300SEL 6.3(W109)の後継者450SEL 6.9が登場しました。1979年にW126にモデルチェンジしました。W116の総生産台数は約47万台でした。
ミニカーはドイツのシュコー製で、1973年に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するのは当時のシュコーの特徴でこの点はややレトロでしたが、当時のシュコーの1/43のミニカーは素晴らしい出来ばえでした。精密に鋳造されたダイキャストボディは肉が薄く、ドア/ボンネット等の開閉ギミックも立て付け精度が高かったです。またエンジンや室内の造形も当時としてはかなりリアルでした。この350SEはその代表的なモデルで、実車の雰囲気が良く再現されています。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きです。これ以外のW116の当時物ミニカーはガマの350/450SE、マッチボックスの450SE、トミカの450SELなどがありました。当時物以外ではミニチャンプス、ブレキナ、ノレブの1/18、イクソなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW ターボ ドイツ 1972年
BMW ターボは1972年に開催されたミュンヘン オリンピックを記念してBMWが開発したコンセプトカーでした。BMW 2002のシャーシをベースにした未来的なスポーツカーで、大胆なくさび形の2ドアクーペボディにガルウィングドア、リトラクタブルヘッドライトを採用していました。ボディと一体化した大きな前後バンパーは衝撃を吸収する発泡材を充填していました。ミドシップ横置き搭載された4気筒2L(280HP)エンジンは後に登場した2002 ターボ用(170HP)を先取りしたものでした。0-100km/h加速が6.6秒、最高時速は250km/hの性能でした。
未来的な外観に合わせて、室内のコクピットも横長のスピードメーターなど目新しいデザインでした。また最新技術としてレーダーを使用して前方の車との車間距離を測定し室内のセンターコンソールのディスプレイに表示し、車間距離が設定レベルを下回った場合にドライバーへ警告する制動距離モニターを備えていました。BMW ターボは2台だけ製造され、オリンピックのパレード車両として採用されました。この車のイメージを踏襲した後継車として1978年にBMW M1が登場しました。
ミニカーは1975年に発売されたシュコー製の当時物です。シュコーの型番301***の1/43サイズのミニカーは、当時かなりレベルの高い出来ばえでした。このBMW ターボもプロポーションが良く、実車の特徴的なくさび形ボディがうまく再現されています。フロントパネル/ガルウィングドア/リアパネルが開閉するギミック付きで、室内は横長のスピードメーターがそこそこリアルに再現されています。ただ残念なことに、当時のシュコーには塗装品質が良くない物があり、このBMW ターボのボディ塗装はかなり劣化しています。ただし何故かバンパーの塗装は劣化していません。(ボディの下地処理が不十分だったのか、塗装そのものが良くないのでしょう) これ以外のBMW ターボのミニカーは、同じシュコーの当時物 1/66と最近のレジン製1/43、ノレブのJETCARシリーズの当時物、国産のマルシン ミニスターシリーズの当時物などがあります。以下はフロント/フロントパネルを開いた状態の画像とリア/リアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアパネル下にはBMWのロゴが付いたエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アウディ 80 GL (B1) ドイツ 1972年
前述したように1965年に復活したアウディの最初のモデルはDKW F102をベースとしたアウディ 75 (F103)で、縦置きエンジンによる前輪駆動車でした。1972年に登場したアウディ 80はそのアウディ 75の後継車で、4気筒1.3L/1.5Lエンジンを縦置き搭載した前輪駆動の小型車でした。この車はフォルクスワーゲンが次世代の主力モデルとして開発し1973年に登場したフォルクスワーゲン パサートのベースとなった車でした。アウディ 80は一般的なノッチバック セダンでしたが、パサートはハッチバック セダンでした。
デザインはイタルデザインのG.ジウジアーロによるもので、シンプルな面構成でバランスの良いデザインでした。2ドア/4ドアセダンと5ドアワゴンがありました。エンジンは4気筒1.3L/1.5L(85HP)が搭載され、標準モデルは2灯式で上級グレードは4灯式ヘッドライトでした。1973年に1.6L(100HP)エンジン搭載の高性能版80GTが追加されました。1973年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。1977年のマイナーチェンジでヘッドライトが角形に変更されました。1978年に2代目(B2)にモデルチェンジしました。(実車画像→ アウディ 80 1978)
ミニカーは1973年に発売されたシュコー製の当時物です。シュコーはドイツの老舗玩具メーカーで1950年代のぜんまい仕掛けの精巧なブリキ製自動車玩具で有名でした。1960年代にダイキャスト製の小スケールミニカーを発売し、1970年代には1/43のミニカーも発売しました。その1/43のダイキャスト製ミニカーはこのアウディ 80あたりから始まったもので、フロントグリル全体をメッキしたプラスチックパーツで造形する当時のシュコー独特の作風は、斬新で目新しい出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、可動部の隙間は小さく動作はスムーズでドイツ流の緻密な作りになっていました。(なお初期の物は塗装の質が良くないものがありました) アウディ 80の当時物ミニカーはこれぐらいしかなく、当時物以外ではミニチャンプス、ブレキナの1/87、Bブラーゴの1/24などがあります。 以下はフロン/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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