Sorry Japanese Only
スタッツ ブラックホーク I 型 クーペ アメリカ 1971年
1971年にスタッツ ブラックホークが登場しました。1920年代の有名なスポーツカー スタッツ ブラックホークと同じ名前ですが、このスタッツは1930年代に破産したスタッツ社(Stutz Motor Car Company of America)を1968年に復活させたスタッツ社 (Stutz Motor Car of America)の高級車でした。基本のドライブトレーンはGM ポンティアック グランプリ 2代目(1969年)をベースにしており、クライスラーのデザイナー V.エクスナーがボディをデザインしていました。縦型のフロントグリルと大きなヘッドライト、リアに背負ったスペアタイヤなどややノスタルジックなデザインが特徴で、ボディはイタリアのギア社で架装されました。(実車画像→ GM ポンティアック グランプリ 1969)
ブラックホークは豪華な内装や高度な装備を持つ非常に高価な車で、オーナーにはエルヴィス プレスリーやフランク シナトラなどの有名人がいました。当初はクーペだけでしたが、後にセダンやベアキャットと呼ばれるコンバーチブルも追加されました。ベースとしていたGMのポンティアックのモデルチェンジに合わせてブラックホークも変更され、1980年代まで生産されました。スタッツ社は量産車をベースにした高級車を1995年まで少量生産していたようですが、現在は活動していないようです。1995年までの総生産台数は約600台でした。(実車画像→ スタッツ ベアキャット 1988)
ミニカーは2013年に発売されたイクソの別ブランド プレミアムX製です。スペアタイヤを後方に張り出した(バンパーの代わりらしい)、初期のI型のクーペをモデル化しています。実車のレトロで派手なデザインがうまく再現してあり、室内もリアルな造形で良く出来ていました。プレミアムXにはコンバーチブルとそのハードトップ仕様など6種類ほどのバリエーションがありました。これ以外のブラックホークのミニカーはホットホイールの1/64、グリーンライトのエルヴィス プレスリー仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1692
メルセデス ベンツ 350SL (R107) ドイツ 1971年
メルセデス ベンツ 350SLは前述した280SLの後継車として1971年に登場しました。コンパクト メルセデス 初代 (W114)のシャーシにSクラスのV型8気筒3.5L(195HP)エンジンを搭載した2シータ車で、脱着できるハードトップ又はソフトトップを備えていました。同時にホイールベースを254mm延長した4シータークーペ(トップは固定式)の350SLC(C107)も登場しました。このSLCはSクラス クーペ(W111)の後継車でもありました。
SLクラスは現在もスポーツカーとして続いていますが、SLCはSクラスのクーペ(高級パーソナルカー)といった性格の車(1990年代まで続いたSEC)に変わっていきました。1973年にはV型8気筒4.5L(225HP)、1974年には廉価版の6気筒2.8L(185HP)エンジンが追加されました。この車は1989年まで生産され、18年間の総生産台数は約24万台でした。1989年にSLシリーズ4代目(R129)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1971年に発売されたメルクリン製の当時物です。メルクリンは鉄道模型の老舗ですが、かつてはダイキャスト製ミニカーも作っていました。メルクリンらしい肉厚の薄いシャープな造形で、当時物ミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。(ホイールが当時流行だったフリーホイールになっているのが、今ひとつでしたが) ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、ドアを開くと見える室内(インパネ)はあまり再現されていませんでした。これ以外の当時物ミニカーはコーギー、ノレブ、マッチボックスなどがありました。当時物以外では、ミニチャンプス、イクソ、デルプラドの世界の名車シリーズなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=487
ポルシェ 917K ドイツ 1971年
1969年のレギュレーション変更で排気量5Lのグループ4(スポーツカー)の認証に必要な生産台数が50台から25台に緩和されました。そこでポルシェはグループ4への進出を決め、908の8気筒エンジンをベースにして開発した水平対向12気筒4.5L(520HP)エンジンを搭載した917が1969年に登場しました。シャーシはアルミ合金のスペースフレーム構造で、ボディはFRP製でした。908と同じサスペンション連動のテールフラップを持つクーペスタイルで、ショートテールの917(1970年から917Kと呼ぶ)とロングテールの917 LHがありました。
デビュー戦は1969年のスパで、たった1周でリタイアしました。このシーズンのルマンもリタイアで、オーストリアで1勝しただけでした。これはハイパワー過ぎて操縦性に問題があったからでした。1970年のポルシェはワークス活動を休止し、JWオートモーティブにレース活動を委託しました。エンジンが4.9Lに拡大され、917のショートテールはテール後端を跳ね上げてダウンフォースを得るデザインに変更され917Kとなりました。この改良で917Kは操縦性が向上し、10戦で7勝する強さを発揮しました。ルマンではポルシェ初の総合優勝を遂げ、メイクスチャンピオンも連覇しました。
1971年も917Kの勢いは続き11戦で7勝(ルマンは連覇)し、メイクスチャンピオンを3連覇しました。917があまりに強かったのでレースが成立しなくなり、1972年にメイクスチャンピオンの対象が排気量3Lまでのオープントップ プロトタイプカーに限定され、917は参戦できなくなりました。そこでポルシェはカンナム(CAN-AM:カナディアン アメリカン チャレンジカップ)に軸足を移し、ターボチャージャーで1000HPにパワーアップした917/10Kを開発しました。1972年には917/30Kを追加し1972年と1973年のカンナム シリーズチャンピオンとなりました。(参照画像→ ポルシェ 917/30K)
ミニカーは1994年に発売されたブルム製です。1971年モンザの優勝車をモデル化しています。プロポーションは良いのですが、現在的な感覚でみるとテールフィンなどが分厚いなどやや大味なところがありました、ただ当時のミニカーとしては結構良い出来ばえでした。ブルムは917だけで約50種類のバリエーションを作っていました。917のミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではソリドの917Kと917/10、コーギーの917Kと917/10(1/36)、マーキュリー、ポリトーイ、メーベトイなど当時の老舗ブランドのほとんどがモデル化していました。当時物以外ではミニチャンプス、オートアート、ノレブ、エブロなど約270種類がモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1765
ルノー 17 TS フランス 1971年
スポーティーカーのルノー フロリード/カラベルの後継車として1971年にルノー 15/17が登場しました。ルノー 12をベースにした前輪駆動車で、ボディはファーストバックの2ドア クーペのみでした。ハッチバックのように見えますが、独立したトランクを持ちトランクリッドがありました。17は15の上級車で、15は角形2灯式ヘッドライトに全面ガラスのリアクオーター、17は丸形4灯式ヘッドライトにルーバーの付いたリアクオーターと外観が変えられていました。
エンジンは4気筒1.3L(60HP)と1.6L(90HP)があり、17には1.6Lが搭載され15は1976年以降は1.3Lだけとなりました。最高速は145/km/h(1.3L)、170/km/h(1.6L)でした。17にはインジェクション仕様エンジン(108HP)搭載の高性能版TSがあり、TSは1975年にゴルディーニに改名されました。1976年のマイナーチェンジで、フロントグリルを囲むクロームモールがボディカラーと同色化されるなどデザインが変更されました。1979年に生産中止となり、後継車のフエゴが1980年に登場しました。総生産台数は約9万台でした。
ミニカーは1972年に発売されたソリド製の当時物です。高性能版のTSをモデル化しているので、ボンネットにパワーバルジが付いています。ソリドらしいシャープな造形で、ルノー 17の特徴的なフロントグリルやリアクオーターがうまく再現されていました。当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえで、購入した時は実にかっこいいと思いました。ドアが開閉するギミック付きです。ソリドはラリー仕様もモデル化していました。これ以外の15/17の当時物ミニカーはソリドの別ブランドのべレムの15、ソリドをコピーしたオートピレンの17、ノレブの15/17、ポリスティルのRJシリーズの15 1/55、マッチボックスの17などがありました。当時物以外ではイクソ、ノスタルジー、ノレブ(当時物をリファインした物など)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=584
シトロエン GS フランス 1971年
前述したシトロエン アミ 8の後継車でより上級な車として、1971年に登場したのがGSでした。ハイドロニューマチック システムを使ったサスペンションとブレーキ、空力に優れたボディなどDSの技術を盛り込んだ高度な内容の車で、シトロエンとして初めてヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しました。当初のボディは2ボックスでしたがハッチバックではなく、リアには独立したトランクを持っていました。空冷水平対向4気筒1015cc(56HP)エンジンを搭載し、最高速147km/hの性能でした。(実車画像→ トランクを開いた実車画像)
1971年にワゴンのブレークと2ドアのバンが追加されました。1972年には1.2L(60HP)エンジンが追加され、1973年にはロータリーエンジンを搭載したビロトールが追加されました。(ビロトールはほとんど売れませんでしたが) GSは商業的に成功し、1979年にはボディがハッチバック化され1.3L(64HP)エンジンを搭載したGSAに発展し、1986年まで生産されました。総生産台数はGSが約190万台、GSAが約58万台でした。(実車画像→ シトロエン GSA 1984)
ミニカーは1972年に発売されたソリドの当時物です。ソリド最盛期の製品でしたので、プロポーションが良いソリドらしいシャープな造形でかなり良い出来ばえでした。実車の雰囲気の再現では当時物ミニカーでベストの出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きで、1本スポークのステアリングホイールなど室内もそこそこ良く再現されていました。GSの当時物ミニカーとしてはノレブ、ポリトーイ、ルーソトイ(LUSO TOYS ポルトガル製)のブレークなどがありました。最近の物ではノレブの新作 1/43と1/18、イクソ、ユニバーサルホビーなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)