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ボルグワルド (ボルクヴァルト) イザベラ ドイツ 1958年
カール ボルグワルド(Carl F. W. Borgward)が1920年に設立したドイツの自動車メーカー ボルグワルド(ボルクヴァルト)社は、同業のハンザ(HANSA)、ロイト(LLOYD)社、ゴリアテ(ゴリアート)(GOLIATH)社などを合併し、ハンザ、ロイト、ゴリアテを生産するボルグワルド グループを第2次大戦前に作り上げました。第2次大戦中は軍用トラックや爆薬運搬車(ゴリアテ)などを製造していました。(実車画像→ ゴリアテ 爆薬運搬車 1942) 第2次大戦後の1949年に4気筒1.5Lエンジンを搭載したボルグワルド ハンザ 1500が登場しました。フラッシュサーフェスの戦後型デザインを採用したボディは当時としては極めて斬新でした。1952年に1.8Lエンジン搭載のハンザ 1800が登場しました。(実車画像→ ボルグワルド ハンザ 1500 1950)
ハンザ 1800の後継車としてボルグワルドではもっとも有名な車イザベラが1954年に登場しました。モノコックボディに全輪独立懸架を持つ進歩的な構造の車で、4気筒1.5L(60HP)エンジンを搭載し、最高速は135km/hの性能でした。イザベラにはクーペ、カブリオレ、ワゴンが追加され、また高性能(75HP)エンジンが搭載されるなどして、フォルクスワーゲンやオペルよりも高級な乗用車として人気があったそうです。1954年頃からレースに参入し、1955年のミッレ ミリアでクラス優勝するなど成果を上げました。さらに1955年には6気筒2.3Lエンジンを搭載する高級車ハンザ 2400が登場しました。しかしボルグワルド社の躍進もここまでで、主力のイザベラが旧態化すると販売不振で資金繰りが悪化し、高級車路線も成功せず1961年に倒産しました。
ミニカーは1994年頃に発売されたフランスのSE MODEL製です。フロントグリル中央のロゴが小さくなった後期型のセダンをモデル化しています。ボディはレジン製で、プロポーションがしっかりしていて灯火類や室内などの細部もリアルに仕上げてあり、かなり良い出来ばえでした。SE MODELというブランドがどのようなメーカなのか良くわからないのですが、ボルグワルドのミニカーを10種類ほど(クーペ、カブリオレ、コンビワゴン、ピックアップ)しか作っていないようです。またプラスチック製の箱がソリドの物と同じであることと作風が似ていることから、ソリドの特注品のブランドのようです。これ以外のイザベラのミニカーはメルクリンの当時物、ディンキー(英)の当時物のクーペ、ヘルパとヴィーキングのセダン/クーペ/ワゴン 1/87、ノレブのセダン/クーペ/カブリオレ/ワゴン、ミニチャンプスのクーペ/カブリオレ/ワゴンなど人気が高いようでたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロイト 600 アレクサンダー TS ドイツ 1958年
ロイトは1906年に設立されたドイツの自動車会社で、1914年にハンザ社と合併しハンザ ロイトとなり、1929年からはボルグワルド社の傘下となっています。ロイトの車としてよく知られているのは第2次大戦後の1950年から発売された超小型の前輪駆動車です。空冷2気筒293ccエンジン(10HP)を搭載した全長3.2mの300というモデルは、当時の終戦後の社会情勢に見合った車だったのでよく売れたそうです。
その後1953年に2気筒386㏄(13HP)エンジン搭載の400、1956年に2気筒250cc(11HP)エンジン搭載のの250、1955年に2気筒596㏄(19HP)エンジン搭載の600が登場しました。600は4人乗り2ドアセダンで、3段変速で最高速97km/hの性能でした。1957年に600に上級車の600 アレクサンダーが設定されました。外観はほとんど同じでしたがリアにトランクリッドが追加され、4段変速仕様になっていました。1958年にはエンジンを25HPにパワーアップしたアレクサンダー TSが追加されました。(アレクサンダー TSはフロントグリルが少し変更されて差別化されていました) 600は1961年まで生産され、総生産台数は約18万台でした。
1959年には全長3.8mで4気筒897cc(38HP)エンジンを搭載した小型車 アラベラ(ARABELLA)が発売されました。親会社のボルグワルド社は1961年に倒産しましたが、アラベラは在庫部品で1963年まで生産されたそうです。(実車画像→ ロイト アラベラ)
ミニカーは1995年に発売されたシュコー製です。ロイト 600で一番高性能であったアレクサンダー TSをモデル化しています。同じシュコー製のゴッゴモビルと同様に小さいながらも、実車がうまく再現されていて良くできていました。全体的なスタイルは普通の自動車のような形をしていますが、ボディが小さい分やたらにタイヤが大きく見えます。(ミニカー自体もタイヤが少し大き目でややアンバランスな感じがしますが) 前開きのドアが開閉でき室内がそこそこ再現されています。左側ドアの手前に小さなバックミラーが付いていますが、これはミニカーの箱に添付されていて自分で取り付けるものでした。(取付けは結構面倒でした) これ以外のロイトのミニカーはテクノの当時物、ジク(SIKU)の当時物、最近の物ではネオ(レジン製)の300/600バン/アラベラ、BUBの600 バンなどがあります 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オペル レコード (レコルト) P1 ドイツ 1958年
前述したように戦前に登場したオペル オリンピアは戦後の1953年にフラッシュサーフェースボディの戦後型に変わり、名前がオリンピア レコード(レコード 初代)に変わりました。1957年にレコードの2代目としてオリンピア レコード P1が登場しました。ボディが大型化し、側面まで回り込んだラップラウンド ウインドウ、サイドのモールディング、テールフィンなど当時のアメリカ車風のデザインが採用されました。オペルはGM系列でしたので、当時のシボレーなどとよく似ていました。全長約4.4mの中型車で4気筒1.5L(45HP)エンジンを搭載し、最高速は128km/hの性能でした。
当初は2ドアセダンだけでしたが、1958年に4ドアセダンと3ドアワゴン/バンが追加されました。同時に1.2Lエンジン搭載の廉価版オリンピアが追加されました。1959年に標準モデルの名前はオリンピアが外れて単にレコードに、廉価版オリンピアは1200に変更されました。1959年に1.7L(55HP)エンジンが追加されました。1960年に後継車のレコード P2が登場し1962年まで生産されました。レコード P1は大ヒットし総生産台数は約30万台でした。(実車画像→ オペル レコード P2 1960)
なお車名の読み方ですが、現在はレコルトと呼ぶのが一般的なようですが、私は昔風の英語読みのほうがなじんでいるので当サイトではレコードと記載しています。
ミニカーは2001年頃に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえで、実車がうまく再現されていました。灯火類や室内などの細部もリアルに仕上げてありました。(インパネのメーター形状も分かります) ミニチャンプスはワゴンのキャラバンもモデル化していました。実車は平凡なセダンですから、ドイツ本国以外ではあまり売れない車種だと思いますが、このような地味な車種もモデル化していたのがミニチャンプスの良いところでした。(2023年現在では、その良いところはなくなりました) これ以外のレコード P1のミニカーはジク(SIKU)の当時物、ガマの当時物、テクノの当時物、ブレキナの1/87などがあります。オリンピア レコードのミニカーはテクノの当時物、ジクの当時物、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー フロリード クーペ フランス 1958年
ルノー フロリードはドーフィンをベースにした2+2座のスポーティーカーで、1958年に発表されました。クーペとカブリオレの2タイプがあり、イタリアのピエトロ フルアがデザインした小粋なスタイルで人気がありました。フロリードという名前はアメリカのフロリダ州にちなんだものでしたが、北米とイギリスではカラベル(CARAVELLE)という名前で発売されました。リアに搭載したエンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様(37HP)と同じで、走行性能はドーフィンより少しだけスポーティでしたが見た目重視の車でした。
1962年にエンジンがルノー 8用の4気筒1L(48HP)に変更され4輪ディスクブレーキが採用されました。1962年以降は全市場で名前がカラベルに統一されました。1964年にエンジンが1.1L(55HP)に拡大されて最高速が158km/hに向上し、性能的にもスポーツカーらしくなりました。しかし1960年代後半になると見た目的にも時代遅れになり、1968年に生産中止となりました。総生産台数は約12万台でした。
ミニカーは1959年に発売されたコーギーの当時物です。1950年代後半のミニカーですのでヘッドライトやバンパーは塗装処理の素朴な作りです。縮尺1/46と1/43より少し小さめに作られていますが、プロポーションが良く実車の雰囲気がしっかり再現されています。なおこのミニカーは室内の造形がされていてスプリング サスペンションのギミックが付いていましたが、当時のミニカーにはまだ室内の造形がないがらんどうの物もありました。これ以外でもソリド、CIJ、ノレブ、ディンキー、スポットオン、ガマなど当時の老舗ブランドが揃ってモデル化していましたので、実車の人気が高かったことが分かります。最近の物ではノレブの1/18と1/43があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン ID 19 ブレーク (ワゴン) フランス 1958年
シトロエン DSの最大の技術的特徴は空気と油を使ったハイドロニューマチック システムによる高度なサスペンション制御でした。これは密封した窒素ガスを使うエア サスペンションにオイルポンプ油圧による車高調整を加えたサスペンション システムで、この油圧はパワー ステアリング、トランスミッション、ブレーキの制御にも使われていました。この複雑なシステムはコンピュータなどない時代ですから、全て機械式のメカ(バルブなど)で制御されていました。優れた設計でしたが、複雑な構造でしたので、油圧系の故障が付き物だったようです。
1956年にシトロエン DSの廉価版としてIDが設定されました。IDはエンジン出力がDSよりやや小さく、クラッチとステアリングの油圧アシストが付いていませんでした。1958年にワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称した) ブレークのリアゲートは上下2分割式で標準仕様は商用バンでしたが、乗用車仕様で3列シートを持つファミリアーレもありました。またブレークのルーフはルーフラックを取り付けるので強度アップの為、FRP製からスチール製に変更されていました。
ミニカーは1993年に発売されたリオ製で、ルーフラックの付いた ID 19 ブレークをモデル化しています。やや複雑な造形のルーフやテールエンドがリアルに再現されていて、ID ブレークのミニカーとしてはかなり良い出来ばえです。ドアが開閉するギミック付きで、室内も一本スポークのステアリングホイールなどそこそこ再現されています。リオはこれ以外にも消防車、救急車、霊柩車など30数種類のID/DS ブレークをモデル化しています。ID/DS ブレークの当時物ミニカーはディンキー、ノレブ、コーギーなどがありました。当時物以外ではノレブ、ソリド、ブレキナなどがID/DS ブレークをたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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