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フォード リンカーン プレミア (コンチネンタル MK III) アメリカ 1958年
1952年に廉価版のリンカーン スタンダードが廃止され、リンカーンは高級指向が強くなりました。1958年には全長5.8mと当時最大のボディに当時最強のV型8気筒7L(375HP)エンジンを搭載したリンカーン プレミア 2代目が登場しました。つり目になった4灯式ヘッドライト、クリフカット式(リアのCピラーが逆スラントしている)のルーフと独特なデザインをしていました。当時のリンカーンのラインナップには最上級のコンチネンタル、タウンカー、プレミア、ベース仕様のカプリの4モデルがありました。
コンチネンタル MK IIの解説に記載したように1957年にコンチネンタル部門はヨーロッパ風高級車ではなく、GM キャディラックなどに対抗する高級車を担当する部門にかわりました。その方針に沿って1958年に最上級のコンチネンタル MK III が登場しました。ライバルと同等の価格とする為、40%のコストダウンが必要とされ、もはや手作業での製造はできなくなりました。ボディはリンカーン プレミアと同じボディを使い、従来のコンチネンタルの路線(2ドアのパーソナルカー)とは異なる4ドアセダン系にもコンチネンタル MK IIIという名前が使われました。この流れで、1959年にコンチネンタル MK IV、1960年にコンチネンタル MK Vが登場しました。ただこのコンチネンタル シリーズは不評で、1960年にコンチネンタル部門は廃止され、全く新しいデザインのリンカーン 4代目が1961年に登場することになりました。
ミニカーは1959年に発売されたディンキーの当時物です。これは私の保有するミニカーの中でも一番古いもので、オークションで入手しました。60年以上前に作られたミニカーですが、保存状態が良くオリジナルの状態を保っています。(タイヤはきれいすぎるので、別売りされていたスぺア品に交換されているかもしれません) 1950年代のビンテージミニカーですので素朴な作りですが、プロポーションが良く、特徴的なフロント/リア周りなども結構良く作りこんであります。なおこの当時のミニカーは室内を再現しておらず、室内はがらんどうです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード エドセル サイテーション コンバーチブル アメリカ 1958年
フォードは大衆車フォードと高級車リンカーンの間を埋めるブランドとして1938年にマーキュリーを設定しました。マーキュリーは1950年頃にはリンカーンに近い価格帯の車となりました。そこでGMの中級車(ビュイックやオールズモービル)に対抗する車でフォードとマーキュリーの間を埋める新しいブランドとしてエドセルが1958年に登場しました。エドセルという名前は創業者ヘンリー フォードの息子で2代目社長であったエドセル フォードの名前にちなんだもので、フォード家は名前を使うことには反対だったそうですが、新ブランド推進者の意向で押し切られたそうです。
エドセルはフォード/マーキュリー ブランドの車をベースにしてデザインを変える従来通りの手法で設計されました。エドセルにはセダンがグレード順にレンジャー/ペーサー/コルセア/サイテーション、ステーションワゴンがラウンドアップ/ヴィレジャー/バミューダの計7モデルがありました。エンジンは6気筒3.7L、V型8気筒4.8L/5.8L/6.7Lなどがあり、ステアリングホイール中央に配置された自動変速機の押ボタン式セレクター、回転ドラム式スピードメータ-、標準装備されたシートベルトなど先進的な技術が採用されていました。大々的なキャンペーンを経て登場したエドセルの初年度の販売台数は約6.3万台で、フォードの予想を大幅に下回りました。1959年のエドセルはフォードをベースにした低グレードのレンジャーとコルセア、レンジャーのワゴン ヴィレジャーだけとなり、販売台数は約4.5万台でした。1960年にはごく少数が生産されただけでエドセルは生産中止となりました。
販売不振でたったの2年間しか販売されず生産中止となったエドセルは、商業的な失敗事例を象徴する代名詞となりました。エドセルの失敗の原因はマーケッティングの問題(ブランドの位置づけが不明確だった)、景気低迷による低価格車志向、デザインの奇抜さなどがいわれています。奇抜なデザインとはHORSE COLLAR(馬車馬の首輪)とあだ名された縦長ラジエターグリルのことです。この当時のアメリカ車のデザインは派手なものが多いのですが、エドセルのこのデザインは派手を通り越して奇抜で品が良くないです。車の売れ行きにはデザインの影響が大きいので、個人的にはこのデザインが一番の原因ではないかと思います。
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製で、1950年代のアメリカ車をモデル化した1950年代シリーズの1台です。エドセルの最上級グレードのサイテーショのコンバーチブルをモデル化しています。この1950年代シリーズはヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風のミニカーでしたが、その作風が1950年代の古い車の雰囲気にうまくマッチしていました。実車がでかいのでミニカーも大きく、実車に即したピンク/白のツートンカラーで仕上げられています。プロポーションが良く、エドセルの特徴である奇抜なフロントグリル造形や灯火類などの細部もうまく再現され良く出来ています。ボンネット/ドアが開閉し、エンジン/サスペンションや室内も結構リアルに再現されています。これ以外のエドセルのミニカーは同じフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントのワゴン 1/24、ジク(SIKU)の当時物 1/60、ミニチャンプスのワゴン、ホワイトボックス(イクソ)、オックスフォードの1/76などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード アメリカ 1958年
フォード サンダーバードの2代目が1958年に登場しました。ボディが一回り大型化され、2シーターから4シーターに変わりました。デザインの特徴は当時のセダンとしては低い車高(1.34m)で、これを達成するために変速機とドライブシャフトを収める長いセンターコンソールが前後シートの間に設けれていました。ヒサシのついたような4灯式ヘッドライトは2灯式から4灯式に切り替わる時期の過渡的なデザインで、GM ビュイックやクライスラー ニューヨーカーなど同時期のアメリカ車によくみられるデザインでした。ハードトップとコンバーチブルがありました。
エンジンはV型8気筒5.8L(300HP)で、後に新型のV型8気筒7L(350HP)が少数ながら設定されました。市場調査で初代は2シーター車ゆえに販売が伸び悩んでいることが判明して4シーター化されたのですが、この戦略が成功しました。総販売台数は約20万台と初代の4倍弱となり、高級パーソナルカー市場を拡大させる車となりました。1961年にサンダーバード 3代目にモデルチェンジしました。
ミニカーはフランクリンミント製で、1990年頃に発売されていた1/43のシリーズ物の一つです。フランクリンミントの1/43は、当時としては非常に精巧なミニカーで、ドアやボンネットが開閉し、室内だけではなくエンジンやサスペンションなどもリアルに再現されていました。(エンジンルーム内はラジエーターファン、エアフィルターなどがはっきりわかるレベルで再現されています) 壊れにくい金属製パーツを主体的に使っているので、作風が少しレトロな雰囲気になっていました。このフランクリンミントの昔懐かしい感じの作風が私は好きです。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マッセイ ファーガソン 780 コンバイン ハーベスター アメリカ 1958年
カナダのダニエル マッセイ(Daniel Massey)が設立した農機具工場は、麦の収穫機(バインダー)を開発し、1891年に同業のハリス社と合併しマッセイ ハリス社となりました。同社は1918年にトラクターを開発し世界的な農機会社となり、1938年に世界初の自走式収穫機(コンバイン)を開発しました。
北アイルランドのハリー ファーガソン(Harry Ferguson)は1930年代後半に近代的な農業用トラクターのファーガソン システム(鋤を後部に取付けたトラクターで、鋤が障害物に引掛かった際にトラクターの転倒を防ぐ油圧システム)を開発しました。ハリー ファーガソン社は1940年代にイギリスとアメリカでこのトラクターを大量生産しました。
マッセイ ファーガソン(Massey Ferguson Limited)社はコンバインを開発したマッセイ ハリス社とファーガソン システムを開発したハリー ファーガソン社が合併して1953年にできたアメリカの農業機械メーカーです。(当初はマッセイ ハリス ファーガソン社でした) 同社は様々な農業用機器を開発し、世界の市場で大きなシェアを持っていました。特にトラクターのシェアは世界一でした。1995年からアメリカの農業機械メーカーAGCOの傘下になっています。
コンバイン (ハーベスター)は穀物(麦/米/トウモロコシなど)の収穫(刈り取り)、脱穀、選別を行う自走式の農業機械です。日本でも最近では米を収穫するコンバインを見かけますが、このマッセイ ファーガソンのコンバインは1950年代のビンテージ物のコンバインです。実際にこのコンバインがどのような作業をするのかについては、コンバインが作業している動画がありますので、それをご覧ください。→ (実車のYoutube動画→ マッセイ ファーガソン 780 コンバイン)
ミニカーは1968年に発売されたコーギー製の当時物です。1958年に登場したマッセイ ファーガソンの780 コンバイン ハーベスターをモデル化しています。このミニカーは最初は1959年に発売されましたが、これはドライバーフィギュアを追加するなど変更された2nd仕様品です。実車動画と見比べると良くわかりますが、実車を忠実にモデル化していて細部までとても良く出来ています。ミニカーを前進させると先端にある刈り取り部が回転するギミックがついています。ギミック動作の動画→ (コンバインの刈り取り動作の動画) タイヤの回転を輪ゴムを介して刈り取り部に伝達している簡単な構造です。なお購入時に付いていたオリジナルの黄色の輪ゴムは既によれよれの状態でしたが、この動画を撮ったあとに寿命で切れてしまいました。刈り取り部にある黄色の丸ハンドル(実物にはありませんが)を回すことで刈り取り部を上下させることが出来ます。コーギーはこれ以外にマッセイ ファーガソンとフォードの農耕トラクターもモデル化しています。それらのミニカーはどちらかというと子供向けではなくマニア向けだったこともあって、当時のミニカーとしてはかなりリアルに出来ていました。これ以外のマッセイ ファーガソン コンバインのミニカーはオックスフォードが同じ780 コンバインを1/76でモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と刈り取り部の上下動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 220SE カブリオレ (W128) ドイツ 1958年
1958年に高級セダンメルセデス ベンツ 220Sに燃料噴射を採用して115HPにパワーアップした220SE セダン (W128) セダンが登場しました。(Eはドイツ語のEinspitz(噴射)の意味) 220SEはボディとフレームの一体化構造で、全輪独立懸架サスペンションを採用していました。セダンと同時に戦後型のポントン ボディ(フラッシュ サーフェス ボディ)として初めてのパーソナルなカブリオレ/クーペ(ハードトップ)が設定されました。ホイールベースを120mm短縮してテールの長いスポーティなスタイルとしていましたが、座席数は4/5座で後席がありました。、オ
カブリオレの内装は本物の木を使ったダッシュボードやドアパネル、本革張りのシートなど豪華で、上級車の300S カブリオレ(W188)に準じた装備になっていました。W128は1960年まで生産され、総生産台数は約4000台(クーペ/カブリオレは約2000台)でした。後継車は220SE (W111)でした。
ミニカーは2005年に発売されたビテス製で、220SE カブリオレをモデル化しています。プロポーションが良く赤のカラーリングが実車のイメージに合っています。フロントグリル/灯火類や室内がリアルに再現されていて良く出来ています。ビテスはハードトップの付いたクーペなど約20種類ほどをモデル化していました。ビテス以外のW128のミニカーは、ビテスの親会社のサンスターのカブリオレ 1/18がありますが、W128のセダンはどこもモデル化していないようです。(セダンは外観がW180と同じだからでしょう) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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