Sorry Japanese Only
フォード リンカーン コンチネンタル MK V アメリカ 1977年
1969年にリンカーン コンチネンタル MK IIを引き継ぐコンチネンタル MK IIIが登場しました。コンチネンタル MK IIIという名前の車は1958年に既に登場していました。しかしこのコンチネンタル MK III 1958年式は、MK IIまでのコンチネンタルの路線(2ドア パーソナルカー)とは異なる4ドアセダン系にもMK IIIの名前を使っていたことから、正当なコンチネンタル MK IIIではなかったとされました。そんなわけでこの新しいコンチネンタル MK IIIは2ドアパーソナルカーのみで、スペアタイヤをリアにマウントした伝統のスタイルが復活しました。(実車画像→ フォード リンカーン コンチネンタル MK III)
コンチネンタル MK IIIはセダンのホイールベースを少し短くしたシャーシに豪華な2ドアハードトップボディを載せ、V型8気筒7.5L(365HP)エンジンを搭載していました。コンチネンタル 4ドア セダンより2割ほど高価なリンカーン ブランドの最上級車でしたが、MK IIのような限定生産車というわけではありませんでした。それでも人気が高く、ライバルであったGM キャディラック エルドラドと2ドア パーソナルカーとしての人気を二分していました。
1972年にコンチネンタル MK IVにモデルチェンジしました。デザインは先代のイメージを踏襲し、ハードトップに楕円形のオペラウインドーが追加されました。ボディは全長×全幅が5.7m×2mと大きくなり、アメリカ車がコンパクトになる前のでかくてかっこいいアメリカ車でした。コスト削減のため、サンダーバート 6代目とシャーシや部品を共用していたので、そのサンダーバードと雰囲気がよく似ていました。(実車画像→ フォード リンカーン コンチネンタル MK IV) 1977年にコンチネンタル MK Vにモデルチェンジしました。
MK VはMK IVと同じシャーシを使い外観もテールライト以外はほとんど同じでした。(デザインをややシャープにしていたらしいですが) 従来のV型8気筒7.5L(208HP)エンジンはオプションとなり、標準はV型8気筒6.6L(180HP)エンジンが搭載され、3段自動変速、最高速190km/hの性能でした。アメリカでは1971年頃からエンジン出力がグロス表示からネット表示に変わったので、どのメーカーも表示馬力が激減しました。1970年のV型8気筒7.5Lエンジンは345HPの表示だったのが、1979年には224HPに激減しています。(グロス表示馬力が過大すぎたのですが)
1980年にコンチネンタル MK VIにモデルチェンジしましたが、燃費対策で全長5.6mと一回りサイズダウンされました。(実車画像→ フォード リンカーン コンチネンタル MK VI) さらに1983年に登場したコンチネンタル MK VIIでは全長5.1mとずいぶん小さくなってしまいました。そんなわけでコンチネンタル MK Vはサイズダウンされる前の最後の大きくて派手だったコンチネンタル MK シリーズでした。
ミニカーは1978年に発売されたダイヤペット製の当時物で、コンチネンタル MK Vをモデル化しています。ダイヤペットは1970年代後半のスーパーカーブームに乗じて1977年頃から外国車を積極的にモデル化していましたが、これもその流れでモデル化されたダイヤペットの意欲作でした。プロポーションが良く大柄で派手なコンチネンタル MK Vがうまく再現されていて、ダイヤペットの外国車ミニカーの中では抜群に良い出来ばえでした。ボンネット/ドア/トランクの開閉、スライディングルーフの開閉、格納式ヘッドライトの開閉ギミックが付いていました。またこの型を流用して非常に凝った造りの和風霊柩車仕様が1980年に発売されました。これ以外のコンチネンタル MK IV/Vの当時物ミニカーはトミカのコンチネンタル MK IV、マッチボックスのコンチネンタル MK Vがありました。最近の物ではイクソのコンチネンタル MK V、NEO(レジン製)やBOS MODELS(レジン製)のコンチネンタル MK IV/V、AUTO WORLDのコンチネンタル MK V(1/64)などがあります。 以下はフロント/格納式ヘッドライト開閉の画像とリア/トランク開閉の画像です。ヘッドライトの開閉は底板のレバーで操作します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=412
GM シボレー コルベット C3 アメリカ 1978年
前述したGM シボレー コルベット C3型は1978年のマイナーチェンジでスティングレイの名前が外されました。外観も大きな変更があり、直立していたリアウインドウがルーフからボディ後半部を覆う大きなものになり、安全規制からバンパーが衝撃吸収機能をもつ5マイル バンパーに変わりました。なお後部バンパーは1974年にこのデザインに変更されていました。
コルベットはC2型からC5型まで格納式ヘッドライトを採用していました。C2型の格納式ヘッドライトはヘッドライト全体が回転する独特なものでした。(参照→ C2型の格納式ヘッドライトの動作動画) しかしC3型で採用されたリトラクタブル ヘッドライトは先端が立ち上がる一般的なものでした。
1970年代になると排ガス規制が厳しくなり、かつてのような高性能エンジンが作れなくなりました。さらに1972年からエンジン馬力表示がグロス値からネット値に変わった為、エンジン出力は標準的なV型8気筒5.7Lで300HPが200HP程度になり、馬力表示値が大幅にダウンしました。この時期からアメリカ車全体が小型/低燃費化されていくのですが、その流れでコルベットはGTカー的な趣向が強くなっていきました。1984年にコルベット 4代目(C4型)にモデルチェンジしました。
ミニカーは1992年に発売されたフランクリンミント製です。前述したフランクリンミント製のC3型1968年式と同じ1/24のコルベット コレクションの1台でした。1978年式をモデル化しているので、前後バンパーやリアウインドーなどが大きく変更されていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きでし、エンジンやサスペンションなどのメカ部分や室内もリアルに再現されていました。ただしC3型1968年式と同じ指摘ですが、このサイズで格納式ヘッドライトが可動しないのはいただけませんでした。(C3型はC2型のような回転する構造ではないので、作るのは簡単だと思うのですが) 1978年以降の外観変更されたC3型のミニカーは、イクソ、オートアートの1/18、トップモデル、ウェリー(WELLY)などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=405
GM ポンティアック ファイアーバード トランザム アメリカ 1979年
GM ポンティアッ ファイアーバード 2代目が1970年に登場しました。先代同様に2代目もシボレー カマロの兄弟車で、大きなBピラーを持つクーペスタイルに変わりました。安全基準が強化されたことで、オープン仕様のカブリオレがなくなりました。エンジンは標準で6気筒4.1L、中級グレードのエスプリとフォーミュラーのV型8気筒5L/5.8L/6.5L、最上級の高性能版トランザムのV型8気筒6.6L/7.5L(372HP レース仕様540HP))などがありました。このV型8気筒7.5L(455CI)エンジンはマッスルカー時代の最強のエンジンでした。(実車画像→ ポンティアック ファイアーバード 1971)
1974年のマイナーチェンジで、安全基準に対応した大型バンパーが採用されシャベルノーズと呼ばれる傾斜したフロントに変わり、テールライトが幅広のデザインに変わりました。1975年にリアウィンドーがラップラウンド式の大きなものに変わりました。1976年にポンティアック 50周年記念モデルとして黒ボディに金色のアクセントが付いた特別仕様車が登場しました。(実車画像→ ポンティアック ファイアーバード 1974)
1977年のマイナーチェンジでヘッドライトが角形4灯式に変更されました。1979年にフロントのデザインが変更され、ヘッドライトが独立した角形4灯式になりました。(実車画像→ ポンティアック ファイアーバード 1977) 1980年に排ガス規制の強化で5L以上の大排気量エンジンが廃止され、1982年にファイアーバード 3代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2007年に発売されたヤトミン製です。1979年型にはボンネットにファイアーバード(火の鳥=不死鳥)のイラストを大きく描いた実に印象的なモデルがあり、ミニカーはこの車のTバールーフ仕様をモデル化しています。ヤトミンのアメリカ車の1/43シリーズは定価1500円程と安価ながら、結構良く出来ていました。このファイアーバードも1977年のマイナーチェンジで採用されたフロントやテールライトの造形が良く再現されていて、ボンネットのファイアーバードのイラストも綺麗です。このイラストが付いた1/43のファイアーバードが欲しかったので気に入っています。色違いで黒のボディに金色のイラストもありました。ファイアーバード 2代目のミニカーはウェリー(WELLY)の1/18、アーテル(ERTL)の1/18、フランクリン ミントの1/24、グリーンライトの1/24と1/64、マッチボックス、ジョニーライトニングの1/64、ブッシュの1/87、国産ではサクラの1/43、トミカの1/68、ダイヤペットの1/53などたくさんあります。 以下はフロント(ファイアーバード イラスト拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=383
GM キャディラック セビル エレガンテ アメリカ 1980年
GM キャディラック セビル 2代目が1980年に登場しました。1930年代のイギリス製高級車に見られたリア/トランクのデザイン(レザーエッジと呼ばれる)を取り入れた懐古調スタイルが外観上の特徴でした。(レザーエッジ 実車画像→ ロールス ロイス ファントム 25/30) 全長5.2mX全幅1.8mとトヨタのセンチュリー並の大きさで、前輪駆動方式が採用されました。アメリカ車としては珍しいことに燃費対策でV型8気筒5.7L(105HP)ディーゼルエンジンを標準エンジンとしていました。(ガソリンエンジンはオプション) ボディは4ドアセダンのみで4段自動変速で最高速180km/hの性能でした。
1982年からはV型8気筒4.1L(125HP)ガソリンエンジンが標準となり、ディーゼル エンジンはオプションとなりました。セビル 初代同様にキャディラックの中でも高価な車でしたが、個性的なスタイルが好評で、初代同様に成功しました。1986年にセビル 3代目が登場しました。ボディが小型化され、当時のGM車に共通したリアウインドーがほぼ直立したキャビンを持つデザインとなりました。1992年にセビル 4代目が登場しました。ボディが大きくなり欧州のオペル車のような雰囲気のおとなしいデザインに変わりました。1998年に登場したセビル 5代目は4代目のデザインを踏襲していました。 (実車画像→ GM キャディラック セビル 3代目、実車画像→ GM キャディラック セビル 4代目、実車画像→ GM キャディラック セビル 5代目)
ミニカーは2013年に発売されたイクソのプレミアムX製です。上級グレードのエレガンテをモデル化しています。2009年に登場したプレミアムX ブランドの初期のミニカーはレジン製でしたが、これはダイキャスト製です。実車に即したツートンカラーで、セビル 2代目のスタイルをうまく再現していて非常に良い出来ばえでした。またリアルなフロントグリル、その上に付いた凝った造りのエンブレム、ナンバープレート、室内の造形などの細部も良く再現されていました。1970年代後半以降のサイズダウンされたアメリカ車はあまり人気がないので、セビル 2代目のミニカーはトミカの外国車シリーズ(型番F45 1/69)の当時物ぐらいしかありませんでした。その後2009年頃にネオ(NEO レジン製)がセビル 初代と2代目をモデル化しています。 以下はフロント/フロントグリルのエンブレム拡大画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1124
デロリアン DMC-12 アメリカ 1981年
GMの副会長であったジョン デロリアン(John DeLorean)は、自分の理想の車を作るために1975年にデロリアン モーター カンパニー(DMC)を設立しました。1975年にイタルデザインのG.ジウジアーロがデザインしたDMC-12のプロトタイプが発表され、実際に製品化されたのは1981年でした。ロータスが設計に協力し同社の得意とするバックボーンフレームにFRP製ボディーを載せる構造となっていました。プジョー/ルノー/ボルボが共同開発したPRV型V型6気筒2.85Lエンジンをリア(ミドシップではない)に搭載していました。ガルウイング式ドアと未塗装ヘアライン仕上げのステンレスパネルを張ったボディが特徴でした。
発売初年度に約6500台が販売されましたが、高額(約1600万円)だったのですぐに販売不振となり、DMCは資金繰りの悪化で1982年に倒産しました。総生産台数は約8000台でした。ここまでなら不運な車ということで終わりでしたが、1985年の映画「Back to the Future(バック トゥ ザ フューチャー)」でタイムマシンを搭載した劇中車に採用され、この映画の大ヒットとともにデロリアンはたちまち有名になりました。映画はパート3まで制作され、すべてにデロリアン改造車が登場することで今でも人気のある車です。2012年にはDMC-12を電気自動車化したDMC EVが開発されていて、2022年現在も後継EVが開発途中のようです。
ミニカーは2003年に発売されたビテス製です。プロポーションが良く灯火類などの細部もリアルで、実車がうまく再現されています。特筆すべきはボディの質感で、ヘアライン仕上げのステンレスパネルがそれらしく再現されているといった凝った作りです。またガルウイング式ドアが開閉し、室内も細部まで良く再現されています。ビテスは映画 Back to the Future Part1からPart3までの劇中車も全てモデル化しています。ビテスの親会社のサンスターでは1/18と1/43でもデロリアンを発売しています。これ以外のデロリアンのミニカーは劇中車のモデル化が多いですが、オートアートの1/18、ミニチャンプスの1/43、コーギーの劇中車仕様 1/36、アオシマの劇中車仕様 1/43、WELLYの劇中車仕様 1/24、マテルの劇中車仕様 1/64と1/43と/18などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とガルウイングドアの開閉ギミック画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)