ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FIAT MULTIPLA 1998 ITALY

FIAT MULTIPLA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT MULTIPLA


SOLIDO 1547 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.99m 全幅約1.87m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.6L 103HP 5段変速変速
性能: 最高速170km/h  データーベースでフィアット ムルティプラ のミニカー検索

フィアット ムルティプラ  イタリア 1998年

 

 1950年代に登場した小型ワンボックス車フィアット 600 ムルティプラの2代目が1998年に登場しました。フロントウインドの下に段差があるなどこの車の外観は極めて個性的(奇抜)で、実際に市販されたことが不思議なくらいでした。なおAピラーの下のグリルのように見える穴はヘッドライト(ハイビーム)です。バカンス等で使うフェリーボートの料金が安くなるということで全長を4m以下に抑えていました。全長を抑えたかわりに全幅を1.87mと大きくして3人掛けシートの2列で6人乗りとしシート背後に広い荷室も確保していました。横置きエンジンの前輪駆動車で、当初のエンジンはDOHC 4気筒1.6L(103HP)、4気筒1.9L(105HP)ターボディーゼルでした。

 

 さすがにこのデザインは不評だったのでしょう。2004年のマイナーチェンジで、フロントウインド下の段差をなくした一般的なデザインに変更されました。その際に全長が4mを超え、初期のメリットが無くなりました。2010年まで生産され、後継車は2012年に登場したミニバン 500Lになるようです。(実車画像→ フィアット ムルティプラ 2004) (実車画像→ フィアット 500L)

 ムルティプラのデザインは全長が4m以下という点も含めて、2001年に発売されたホンダ モビリオによく似ていました。モビリオはヨーロッパに輸出されているので同じような発想だったのかも知れません。また2列シートの6人乗りの国産車としては2004年発売のホンダ エディックス(全幅約1.795m)がありました。(実車画像→ ホンダ モビリオ) (実車画像→ ホンダ エディックス)

 

 

 ミニカーは1999年に発売されたソリドの当時物です。ソリドの型番15**の1500シリーズはどちらかというと廉価版ミニカーの類なのですが、このムルティプラは個性的なボディが見事に再現されていて良く出来ています。ヘッドライト(ハイビーム)がデカール仕上げなのはやや残念ですが、室内の3人掛けシートやインパネなどの細部は結構リアルに再現されています。ソリドは現在ヨーロッパ最大の玩具グループのSIMBA DICKIEグループの傘下ですが、同じグループ内のマジョレットからもこの型を流用したほとんど同じ物が販売されていました。ソリドは2004年にデザイン変更された後期型もモデル化していて、そのマジョレット版もあります。なおソリド/マジョレット以外のムルティプラ 2代目の量産ミニカーは2022年現在でもないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT MULTIPLA 1
FIAT MULTIPLA 2

 以下は2000年頃に発売されたマジョレット製のフィアット ムルティプラ (1/43 型番5913348)の画像です。上記ソリド製とほとんど同じものですが、よく見るとこちらはフリーホイール(回転し易い構造のホイール)が採用されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT MULTIPLA 3
FIAT MULTIPLA 4

 以下は2005年頃に発売されたマジョレット製のフィアット ムルティプラ 2004 (1/43 型番50906138)の画像です。マイナーチェンジで一般的なデザインに変更された後期型をモデル化しています。変更されたフロント周りの造形とテールライトがきちんと再現されています。これはマジョレット製ですのでフリーホイールとなっていますが、同じ型を使ったソリド製(型番15106)はフリーホイールではありませんでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT MULTIPLA 5
FIAT MULTIPLA 6

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FIAT STILO 2001 ITALY

FIAT STILO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT STILO


NOREV 771012 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.18m 全幅約1.78m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.8L 133HP 5段変速変速
性能: 最高速200km/h  データーベースでフィアット スティーロのミニカー検索

フィアット スティーロ イタリア 2001年

 

 フィアット ブラーボ/ブラーバの後継車として2001年にスティーロが登場しました。 フォルクスワーゲン ゴルフのようなデザインで、本国でもドイツ風だと批判されたようですが、個人的にはゴルフよりセンスが良いように思います。当初は3/5ドアハッチバックだけで、2002年にブラーボのワゴン仕様であったマレア ウィークエンドを後継する車として5ドアワゴンが追加されました。エンジンは4気筒1.2L/1.4L、DOHC4気筒1.6L(113HP)/1.8L(133HP)、アバルト仕様用の5気筒2.4L(170HP)、4気筒1.9L(116HP)ターボディーゼルなどが搭載されました。

 

 2006年のマイナーチェンジでフロントグリルが変更されました。スティーロは発売当初は売れたようですが、故障が多いことで評判を落とし販売は芳しくありませんでした。売れなくなったスティーロは失敗作と評価されて一代限りで名前が消え、2007年には先代の名前を復活させた後継車のブラーボにモデルチェンジしました。(実車画像→ フィアット ブラーボ 2007)

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたノレブ製の当時物です。ノレブは1990年代中頃からレベルの高いミニカーを作るようになりましたが、このスティーロも同時期のミニチャンプス製のようなそつのない良い出来ばえです。室内などの細部もそこそこ良く再現されています。ノレブは2ドアとワゴンなどバリエーションを含めて約10種類をモデル化しています。実車が不人気だったからでしょうか、2022年現在でもノレブ以外ではスティーロの量産ミニカーが無いようです。なおイタリアのミニカー付雑誌「フィアット ストーリー コレクション」のNo.19(3ドア)とNo.44(5ドアワゴン)でもモデル化されていますが、それもノレブ製のようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT STILO 1
FIAT STILO 2

 以下は2002年に発売された同じノレブ製の当時物 フィアット スティーロ 2001(1/43 型番771004)の画像です。これは上記と基本的には同じものですが、廉価版として販売された物になります。スティーロは標準版と廉価版の両方を購入していましたので、その仕上げの違いを比較してみました。(なお特にスティーロが好きで両方とも買ったわけではなく、たまたまダブって買っただけです) 定価は標準版は5500円で廉価版は1500円ほどでかなり大きな違いがあります。標準版は透明プラスチック製上蓋の付いたディスプレーケース台座に固定され大きめの箱に入っていますが、廉価版はブリスターパッケージの簡素な箱です。ミニカーの仕上げの違いは標準版はナンバープレートとリアの車名ロゴが付いていますが、廉価版にはありません。室内の仕上げでは標準版はインパネが彩色されていますが、廉価版は無彩色です。さらにドアミラーのアルミ箔の有無、前後ワイパー部分の塗装の有無、リアウィンドー枠の塗装の有無、バンパーとボディ側面のモールの有無、床下部分の排気管の銀塗装の有無が違います。この仕上げの違いだけでずいぶん価格差があるのですが、要するに標準版はしっかり儲けているということです。ただ使っている型は同じですので、実車の雰囲気だけでよければ廉価版でも十分です。昔の素朴なミニカーに慣れている私は廉価版でも十分楽しめます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT STILO 3
FIAT STILO 4

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FIAT PANDA II 2003 ITALY

FIAT PANDA II
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT PANDA II


NOREV 773084 1/43 82mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.54m 全幅約1.59m エンジン 変速機: 4気筒 1.2L 60HP 5段変速
性能: 最高速155km/h   データーベースでフィアット パンダのミニカー検索

フィアット パンダ II イタリア 2003年

 

 大ヒットしたフィアット パンダの2代目が2003年に登場しました。当初は1998年に登場したフィアット 600の後継車として開発され別の名前が付く予定だったようですが、結局パンダとなりました。車高の高いキャビン部分のデザインはフィアット ムルティプラと似ていて、フロント部分も2004年のマイナーチェンジ後のムルティプラとよく似ていました。(大きな縦長のリアライトが異なりますが) 小さなボディながら5ドアハッチバックだけの前輪駆動車で、先代同様に4輪駆動の4X4も設定されました。当初のエンジンは4気筒1.1L/1.2L、4気筒1.3Lディーゼルがありました。2004年のEU カー オブ ザ イヤーを受賞しています。

 

 2005年のマイナーチェンジで、ABSや助手席エアバックが標準装備になりました。2007年にはDOHC 4気筒1.4L(100HP)エンジンをを搭載し足回りを固めた高性能版の100HPが追加されました。パンダ2代目は2005年までの2年間で50万台以上を生産する大ヒットとなり、財政状況の良くなかったフィアットを救いました。さらに2007年に発売されたフィアット 500 3代目のベースにもなりました。2011年にパンダ 3代目にモデルチェンジしました。総生産台数は約216万台でした。(実車画像→ フィアット パンダ 2011)

 

 

 ミニカーは2004年頃に発売されたノレブ製です。ノレブのパンダには標準仕様(定価約7000円)と標準仕様の1/3ほどの値段(約1500円)の安価な廉価版があり、これは廉価版です。廉価版ゆえにワイパーやバックミラーがフロントウィンドー一体整形でトリムラインの塗装処理などが省略されています。細部の仕上げは簡素ですが、キャビン造形や縦長リアライトなどの実車の特徴的な部分は良く再現されているので、財布の軽い私にとってはパンダ 2代目のミニカーはこの廉価版で十分です。(シンプルな造形のビンテージミニカーに慣れているので)これ以外のパンダ 2代目のミニカーはノレブの標準仕様、Bブラーゴの廉価版、ソリドの4X4などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT PANDA II 1
FIAT PANDA II 2

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FIAT GRANDE PUNTO 2005 ITALY

FIAT GRANDE PUNTO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT GRANDE PUNTO


MONDO MOTORS 53011 1/43 94㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.03m 全幅約1.69m エンジン 変速機: 4気筒 1.4L 77HP 6段変速/5段半自動変速
性能: 最高速165km/h  データーベースでフィアット プントのミニカー検索

フィアット グランデ プント イタリア 2005年

 

 1999年にフィアット プント 2代目が登場しました。プント 初代のグリルの無いフロントや縦長テールライトなどのデザインを踏襲した3/5ドアハッチバックでした。エンジンはDOHC 4気筒1.2L/1.4Lと4気筒1.3L/1.9Lターボディーゼルなどで、高性能版のアバルト仕様はDOHC 1.8L(130HP)が搭載されました。2003年のマイナーチェンジで、フロントにグリルが付きヘッドライトが大型化されました。2005年に後継車のグランデ プントが登場しましたが、2010年まで併売されました。(実車画像→ フィアット プント 1999)

 

 フィアット プント 3代目はグランデ プントとして2005年に登場しました。(グランデ プントとは大きなプントの意でボディが大きくなっていました) イタル デザインによる3/5ドアハッチバックのボディは、従来のイメージを発展させた感じでした。フィアット グループのアルファ ロメオ ミトと同じプラットフォームを使用する前輪駆動車で、エンジンは4気筒1.2L/1.4L(77HP)と4気筒1.3L/1.6L/1.9L(130HP)ターボディーゼルなどで、高性能版のアバルト仕様にはDOHC 4気筒1.4L(155-180HP)エンジンが搭載されました。2009年のマイナーチェンジでフロントの意匠を小変更し、名前をプント エヴォ(EVO)に変更しました。2012年のマイナーチェンジでフロントの意匠を小変更し、名前がプントに戻りました。2018年に生産中止となりました。(後継車は無い)

 

 

 ミニカーはモンドモータース製で2008年に購入しました。プント 2代目の後期型をモデル化しています。モンド モータースはイタリアの玩具メーカーのブランドで、2006年頃から比較的安価な1/43、1/24、1/18のダイキャスト製ミニカーを発売していて、このプントも定価約1000円の安価なミニカーでした。プロポーションは良く細部もまあまあなのですが、ドアミラーの取付け位置が実車と違っています。実車のドアミラーはサイドウインドウの前端ではなく、サイドウインドウ下のドア部分に付いています。ドアミラーをドアと一体成型してコストダウンするという廉価版ミニカーで良く見られる手法ですが、実車と見た目が変わるのであまり良い手法ではありません。モンドモータースは1/18と1/24でアバルト仕様もモデル化しています。これ以外のグランデ プントのミニカーはノレブの3/5ドアとエヴォ、イクソのレース仕様S2000のラリー仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT GRANDE PUNTO 1
FIAT GRANDE PUNTO 2

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FIAT 500 2007 ITALY

FIAT 500
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500


NOREV 770030 1/43 82mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.55m 全幅約1.63m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1.4L 100HP 5段変速/5段半自動変速
性能: 最高速182km/h   データーベースでフィアット 500 3代目のミニカー検索

フィアット 500 イタリア 2007年

 

 1950-1960年代の名車フィアット 500の3代目が2007年に登場しました。名前は500ですが500㏄のリアエンジン車というわけではなく、前述したパンダ 2代目をベースにした前輪駆動車でした。ただ1950-1960年代の500のフロント/リアをイメージさせるデザインになっており、このデザインとしたことがこの車の成功を約束したようなものでした。(イタリアだけではなく日本も含め世界的にヒットしています) 当初のエンジンは4気筒1.2L/1.4L、高性能版アバルト用のDOHC 4気筒1.4Lターボ(135HP)、4気筒1.3L(75HP)ディーゼルターボなどがありました。2008年のEU カー オブ ザ イヤーを受賞しました。

 

 2009年にソフトトップ仕様の500 カブリオレが設定されました。2010年に新開発の2気筒875ccインタークーラー付ターボ(88HP)エンジンを搭載するツインエア(TWIN AIR)が追加されました。このエンジンは吸気バルブの開閉を油圧で無段階に制御するもので、極めて高性能/低燃費の画期的なエンジンでした。これ以外にも160HPのアバルト 595、180HPのアバルト 695 トリブート フェラーリ(Tributo Ferrari)など多くのの限定仕様車が設定されました。2012年にムルティプラの後継車として、プント 3代目をベースにした5ドアハッチバックが500Lの名前で登場しました。(実車画像→ フィアット 500L 2012)
 2016年にフロントグリルとヘッドライトのデザインが変更され、2020年に電気自動車の500eが追加されました。(実車画像→ フィアット 500 EV 2020)

 

 

 ミニカーは2007年に発売されたノレブ製の当時物です。実車のイメージをうまく再現したノレブらしいそつのない良い出来ばえです。ノレブのフィアット 500のミニカーには1/18の大スケール版と1/43の標準版/廉価版と1/87の3インチ版があります。これは1/43の廉価版で標準版の定価5250円に対して定価3700円と安価でした。標準版と廉価版の違いはドアミラーの取付け位置で、廉価版はコストダウンでドアミラーをサイドウィンドー先端に取り付けていますが、標準版では実車同様にドアに付いています。(このコストダウンのやり方は実車と違う外観となるのであまり好ましくないですが) それ以外ではワイパーがフロントウィンドーと一体成型されているなど廉価版は仕上げが簡素になっています。ノレブはカブリオレ仕様もモデル化しています。ノレブ以外ではモンドモータースのアバルト仕様や、ミニチャンプスの1/64、ブラーゴの1/18、京商の1/64、トミカの500e 1/59などがあります。 ちなみに新旧500のサイズをミニカーで比較してみましたので、そのページもご覧ください。→ 新旧500のサイズをミニカーで比較  以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 500 1
FIAT 500 2

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