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モーリス マイナー 1000 イギリス 1956年
第2次世界大戦が終わると、モーリスは戦前型の小型車エイト(EIGHT 4気筒918㏄エンジン搭載)とテン(TEN 4気筒1.1Lエンジン搭載)の生産を再開しました。モーリス マイナーがこれら戦前型の後継車として登場したのは、モーリスがBMCに統合される前の1948年でした。このマイナーという車名は1928年に登場した小型車(MINOR 4気筒847㏄エンジン搭載)で一度使われていた車名の復活でした。
後にミニを設計したことで知られているアレック イシゴニスの設計で、モノコックボディに前輪独立懸架という当時としては先進的な設計の車でした。最初のMM シリーズは2/4ドアセダンとコンバーチブルがあり、4気筒918cc(27HP)エンジンを搭載し、最高速は95km/hの性能でした。MMシリーズは1953年まで生産されました。
1952年にはフロントグリルを近代化し4気筒803cc(30HP)エンジンを搭載したシリーズ 2に発展しました。1953年にワゴンのトラベラーや商用車のバンが追加されました。1956年には4気筒948cc(37HP)エンジンを搭載したモーリス 1000(シリーズ 3)となり、4段変速で最高速は120km/hに向上しました。1962年にエンジンが1.1L(48HP)に変更された最終型になりました。1971年に生産中止となり23年間に約136万台が生産された超ロングセラーの車でした。
ミニカーは1998年頃に発売されたコーギー製で、1000をモデル化しています。マニア向けの「MOTORING MEMORIES」というシリーズの1台です。昔のミニカー風のレトロな仕上げとなっていますが、プロポーションはしっかりしていて良い出来ばえです。マイナーはミニカーが一般的でなかった時代の車だったので当時物ミニカーはありません。最近ではブレキナの1/87、オックスフォード、コーギー、バンガーズなどでたくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス ミニ マイナー イギリス 1959年
1956年に第2次中東戦争(スエズ動乱)が勃発し石油価格が高騰しました。この状況に対応した経済的な新しいコンセプトの小型車として、BMCの開発コードでADO15(ADO :Austin Design Officeの略)と呼ばれたミニが開発されました。ミニは1959年にオースチン セブンとモーリス ミニ マイナーの名前で登場しました。1962年にオースチン セブンは オースチン ミニに、1967年にモーリス ミニ マイナーはモーリス ミニに名称変更されました。また1968年にBMCがBLMCになると、モーリスとオースチンの区別が無くなりました。
ミニはそれまでになかった2ボックス スタイルの斬新な小型車で、それを実現したのは横置きエンジンによる前輪駆動方式とゴムを用いたラバーコーン サスペンションでした。BMCの主任技術者アレック イシゴニスはエンジンの下にギヤボックスを配置するというイシゴニス方式を考案し、この方式で実用車に4気筒エンジンを横置き搭載した前輪駆動車はミニが世界初でした。オースチン製の4気筒848cc(34HP)エンジンを搭載し、約650kgの小型軽量ボディで4段変速、最高速125km/hの性能でした。
ミニカーはディンキー(英)の当時物で、1966年に発売されました。1/43より少し大きめの1/40でプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。メタル製のグリルなど少しごついですが、その辺がディンキー(英)らしいところです。ディンキー(英)は同じ型を使ったポリス仕様やワゴンのトラベラー/商用バンもモデル化していました。これ以外の当時物ミニカーはコーギー、スポットオン、ポリトーイなどがありました。当時物以外ではビテス、ブレキナ、コーギー、エリゴール、エブロ、イクソ、京商、ノレブ、オックスフォード、シュコーなど様々なサイズで非常にたくさんあります。
以下はディンキー(英)のフロント/リアの拡大画像とボンネットを開いたエンジン部/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス オックスフォード MK VI イギリス 1961年
ピニンファリーナ デザインを採用したBMC車はファリーナ サルーンと呼ばれ、1958年に中型車が登場し、1959年には大型車が登場しました。中型車はモーリス オックスフォード MK V、MG マグネット MK III、オースチン A55 ケンブリッジ MK II、ウーズレー 15/16などで、大型車(6気筒エンジン搭載)はオースチン A99 ウエストミンスター、ウーズレー 6/100、バンデン プラ プリンセスなどがありました。
それぞれ同じようなデザインのボディでしたが、エンジンや内装が変えられていて、いわゆるバッジ エンジニアリングの車でした。これらの車は1961年にボディがマイナーチェンジされ、1968年頃まで生産されました。なおファリーナ サルーンの中/大型車は同じようなデザインになったことで各ブランドの独自性が損なわれ、あまり好評では無かったそうです。なおモーリス オックスフォード MK VI(1961年マイナーチェンジ版)は1971年まで生産されました。後継車はADO17シリーズのモーリス 1800(オースチン 1800の姉妹車)でした。
ミニカーは2002年に発売されたバンガーズ製です。ファリーナ サルーンの中型車の代表であるモーリス オックスフォード MK VIをモデル化しています。ピニンファリーナによる同時期のフランスのプジョー 404とそっくり同じデザインとなっています。エッチング材のワイパーやフェンダーミラーなど細部をリアルに仕上げている反面ヘッドライトにダイヤカットしたガラス球を使うなど昔のコーギー流で仕上げたところもあり、私のようなロートル コレクターが懐かしさを感じる良い出来ばえです。これ以外のファリーナ サルーンは適当なミニカーがありませんが、外観的にグリルが違うだけでいずれも同じようなデザインです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス 1100 イギリス 1962年
ミニの成功に続いて主任技術者アレック イシゴニスが手がけたのは開発番号ADO16と呼ばれるミニの上級車でした。横置エンジンの前輪駆動方式でボディの4隅にタイヤを配したスペース効率の高い基本設計はミニを踏襲していました。サスペンションはゴムのスプリングに液圧式の前後輪関連懸架機能を追加した、ハイドロ ラスティック方式というユニークな方式でした。
ボディはピニンファリーナのデザインで、イギリス車らしいオーソドックスなフロントとテールフィンの付いた独特なリアがうまく融合したシンプルながら美しいデザインでした。最初のADO16はモーリス 1100で、1962年にデビューしました。BMC Aタイプと呼ばれる4気筒1.1L(50HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。1967年にはテールフィン部分を変更したMK IIにマイナーチェンジし、1.3Lエンジンが追加されるなどして1971年頃まで生産されました。優れた操縦性、居住性も相まって、ADO16シリーズはミニ同様に大ヒットしました。
ミニカーはビテス製で1998年頃に発売されました。ビテスはモーリス、オースチン、MGなどADO16シリーズを20種類ほどモデル化しています。ビテスのADO16シリーズはプロポーションが良く、グリルやホイールなど各ブランドの違いをきちんと作り分けてあるので、集めると楽しいシリーズです。当サイトではモーリス、オースチン、MG、バンデン プラを紹介しています。モーリス 1100の当時物ミニカーとしてはディンキー、スポットオン、テクノなどがありました。最近の物ではヴァンガーズがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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モーリス マリーナ クーペ イギリス 1971年
モーリス マリーナはBMCのADO15からADO17シリーズの前輪駆動車の流れから外れた後輪駆動車で、1971年に登場しました。中型車オックスフォードの後継車としてボディが大きくなり、フォードやヴォクスホールなどのアメリカ系ブランドのオーソドックスなFR車に対抗する車でした。画像はクーペですが、4ドア セダン、5ドア ワゴン、2ドア バンもありました。4気筒1.3L(60HP)/1.8L(82HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速153km/h(1.8L)の性能でした。
旧式のサスペンションで操縦性に難があり、見た目もあまりぱっとしないのですが、このクラスにはこの手のオーソドックスな車を好むユーザーが多かったようで、商業的には成功しています。1975年にMK IIに発展し、1980年にジュジアーロがデザインした角張ったデザインのボディに一新し、アイタル(Ital)と改名しました。(参照画像→モーリス アイタル) アイタルは1984年まで生産され、この車がモーリス ブランドの最後の車となりました。
ミニカーは1971年に発売されたコーギーの当時物です。1/43サイズのビンテージ物のコーギーとしては最後の頃のミニカーです。当時の流行りだったスピードホイールがやや興覚めですが、室内やラインストーンのヘッドライトはコーギー流の作風で、コーギーらしい良い出来ばえです。ボンネットとドアの開閉ギミック付です。マリーナの当時物ミニカーはこれしかありませんが、最近の物ではバンガーズとオックスフォードが4ドアセダンをモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内/ボンネットを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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