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シトロエン ID 19 ブレーク (ワゴン) フランス 1958年
シトロエン DSの最大の技術的特徴は空気と油を使ったハイドロニューマチック システムによる高度なサスペンション制御でした。これは密封した窒素ガスを使うエア サスペンションにオイルポンプ油圧による車高調整を加えたサスペンション システムで、この油圧はパワー ステアリング、トランスミッション、ブレーキの制御にも使われていました。この複雑なシステムはコンピュータなどない時代ですから、全て機械式のメカ(バルブなど)で制御されていました。優れた設計でしたが、複雑な構造でしたので、油圧系の故障が付き物だったようです。
1956年にシトロエン DSの廉価版としてIDが設定されました。IDはエンジン出力がDSよりやや小さく、クラッチとステアリングの油圧アシストが付いていませんでした。1958年にワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称した) ブレークのリアゲートは上下2分割式で標準仕様は商用バンでしたが、乗用車仕様で3列シートを持つファミリアーレもありました。またブレークのルーフはルーフラックを取り付けるので強度アップの為、FRP製からスチール製に変更されていました。
ミニカーは1993年に発売されたリオ製で、ルーフラックの付いた ID 19 ブレークをモデル化しています。やや複雑な造形のルーフやテールエンドがリアルに再現されていて、ID ブレークのミニカーとしてはかなり良い出来ばえです。ドアが開閉するギミック付きで、室内も一本スポークのステアリングホイールなどそこそこ再現されています。リオはこれ以外にも消防車、救急車、霊柩車など30数種類のID/DS ブレークをモデル化しています。ID/DS ブレークの当時物ミニカーはディンキー、ノレブ、コーギーなどがありました。当時物以外ではノレブ、ソリド、ブレキナなどがID/DS ブレークをたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン DS 19 霊柩車 フランス 1958年
昔の話ですが、イギリス人は誰でも一生に一度はロールス ロイスに乗ると言われていました。この一度乗る車とはロールス ロイスの霊柩車のことです。ロールス ロイスの霊柩車ロールス ロイスはシャーシが長持ちするので、イギリスの霊柩車は古いロールス ロイスを改装したものが多かったとのことです。霊柩車はメルセデス ベンツやキャディラックなどの高級車やそのステーションワゴンを改造したものが多いです。日本の霊柩車も同様ですが、日本には神社や寺院を模した棺室を有する日本独自の宮型霊柩車があります。
一般的に日本では霊柩車は縁起が悪いというイメージがあり、霊柩車の国産ミニカーはダイヤペットが作った宮型霊柩車の1台しかありません。しかし海外では霊柩車にそういったこだわりがあまりないようで、海外のミニカーメーカーは霊柩車のミニカーを結構作っています。このミニカーはリオ製のDS 19 ブレークの霊柩車で、1996年に発売されました。リアウインドーに花輪が添えられていて、いかにもそれらしいミニカーに仕上がっています。リオはこのモデルのバリエーションを数種類と、DS 21の特別な霊柩車、メルセデス ベンツ 300Dの霊柩車、フィアット 519の霊柩車など10数種類をモデル化しています。
以下はDS 19 霊柩車のフロント/リアの拡大画像と後部の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します。
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シトロエン ID 19 モンテ カルロ フランス 1959年
優れた乗用車であったDS/IDは大柄のボディに非力な4気筒エンジンを積んでいたので高性能とは言えず、モータースポーツには無関係の車のように思えます。しかしDS/IDはその優れた操縦性を生かしてラリーでも活躍しています。1956年からプライベータがモンテ カルロ ラリーに参戦しており、1959年にはID 19が総合優勝しています。当時のラリーはまだ市販車そのままの車が活躍できる状況だったのです。
1960年からワークスがDS 19で参戦するようになり、1961年のコルシカ ラリーや1962年の1000湖ラリーで優勝するなど活躍しています。1966年にはパワーアップしたDS21が投入され、モンテ カルロ ラリーで優勝しています。なおこの勝利は1-3位で完走したミニ クーパーが失格になったことで、4位からの繰り上げ優勝でした。その後も動力性能よりも耐久性が重視されるサファリ ラリーなどに参戦しています。1969年にはホイールベースを短縮し軽量化したラリー専用のDS 21が開発され、この車は1969年と1970年のモロッコ ラリーで優勝しています。
ミニカーはリオ製で、1992年に発売されました。1959年モンテ カルロ ラリー優勝車をモデル化しています。実車に即したカラーリングで補助灯が付いていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえです。リオはこれ以外にもDS 19のミッレ ミリア、DS 21のモンテ カルロ、DS 21のサファリ、DS 21のモロッコ ラリーなど約20種類のレース仕様車をモデル化しています。リオ以外ではモンテ カルロやサファリ ラリー仕様車をビテスなどがモデル化しています。なお当時物ミニカーとしてはコーギーの1965年モンテ カルロ ラリー仕様車だけしかないようで、これはかなりのレア物です。 以下はリオの1965年 サファリ ラリー仕様 #30(型番SL031)と1967年 モンテ カルロ ラリー仕様 #134(型番SL069)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン ID 19 サファリ アルペン 救助車 フランス 1960年
1958年にDSシリーズにワゴン形式のブレークが追加されました。(アメリカではワゴン、イギリスではサファリ又はエステートと称する) ブレークのリアゲートは上下2分割式で、折り畳める後席の背後に横向き対座補助席2座が付いた7/8人乗りです。補助席が無い商用車仕様はコメルシアル(COMMERCIALE)と呼ばれ、後席を畳むことで3人乗りで500kgが積載できる広い荷室になります。3-3-2座の3列シートで8人乗りのファミリアール(FAMILIALE)は家族向け乗用仕様で、中央の2列目は個別に折り畳める補助席になっていました。
当初は廉価版のIDだけでしたが、後にDSにもブレークが設定されています。DS/IDのブレークは全長が約5mもあるので荷室が広く、乗用車としての性能も優れていたので人気がありました。油圧式の自動車高調整機能は荷重による姿勢変化が無く、停車中は車高が下がるので荷物が積み易いというメリットもありました。また前席2座、後席1座の3人乗りでストレッチャーを積載できる救急車仕様もありました。
ミニカーはコーギー製の当時物です。イギリス名のサファリで、アルペン山岳救助車をモデル化しています。屋根にスキーと雪ソリが積んであり、救助隊員と救助犬(セントバーナード)の良くできたフィギュアが付いています。コーギーが最初にブレークをモデル化したのは1963年の型番436のサファリで、ブレークの特徴である折り畳める後席を再現したギミック(底板のダイヤルで操作する)がついています。その後スキーヤーのフィギュアを付けた冬季オリンピック仕様(1964年インスブルックと1968年グルノーブル)などがバリエーションとして作られ、このアルペン 救助車は1970年に作られた最後のバリエーションでした。全てのバリエーションを合わせると約150万台以上が作られています。(昔のミニカーは生産台数が多いのです) 以下は後席を折りたたむギミック動作とフィギュア/ルーフの装備の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン H 1200kg フィリップス 販促車 フランス 1960年
シトロエン Hの標準的なボディーはバンとピックアップの2タイプでした。前輪駆動方式を採用しているので荷室部の後輪は簡単な構造にできました。したがって広大なスペースの荷室は様々なボディを自由に架装でき、各種貨物車をはじめ救急車、消防車、ポリス、レッカー車、ピックアップ トラック、移動販売車、マイクロバスなどたくさんのバリエーションがありました。 フランスでは「豚の鼻」の愛称で呼ばれていました。
シトロエン Hはミニカーでも様々な種類の商用車がモデル化されています。 画像はディンキー(仏)製で、家電メーカー「フィリップス」の移動販促車をモデル化したものです。フロントウインドーが2分割の初期型なので、1960年頃の車と思います。右サイドとリアのゲートが大きく開き、荷室内には冷蔵庫やトースターらしき家電品が並べられています。当時こんな風に凝った商用車のミニカーは珍しかったので人気がありました。(程度の良いものは今でも数万円はします) 同じ型のディンキー(仏)のポリス仕様も人気があります。
シトロエン Hの当時物ミニカーとしてはディンキー(仏)、CIJ、JRDあたりが有名です。(なおCIJやJRDは滅多にお目にかかれないレア物ですが。。。) 新しいものとしてはマッチボックスのYTFシリーズ、エリゴール、ノレブ(1/43、1/18)、ソリド(1/43、1/18)、ブッシュ(1/87)などたくさんあります。日本のものではトミカや前述したトミカ ダンディの外国車シリーズのH バンがあり、どちらも販促用特注品などのバリエーションがたくさんありました。毛色の変わったものとしては、ポピー製のルパン 3世のキャラクター物があり、これも結構面白いです。 以下はディンキー(仏)のフロント/リアの拡大画像と右側面の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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