ミニチュアカー ミュージアム

NEW MODEL 新製品情報 2013

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■新製品情報  2014/1~ 2013年の情報  2012年の情報  2011年の情報  2010年の情報

以下は最近3ヶ月に発売された全ジャンルのミニカー一覧です。(最新の物が上に表示されます) 車名、メーカー名、縮尺で検索ができ、websearch(又は画像)をクリックすることで発売されたミニカーの詳細情報が簡単にWEB検索できます。 (2014年12月25日更新 データベース 27件追加)
それ以前のミニカーや昔の絶版品はこちらのデーターベースさらに詳しく検索できます。

 

メーカー
情報更新
概要
WEBリンク
hpi racing 2013年12月 12月20日付でミニカー事業から撤退するとのこと 予約もすべてキャンセルとのこと 詳細は→ HPI WEB SITE
       
アシェット コレクション 2013年12月

フェラーリ F1 コレクション 60号 F430 GTC (2009) 12/04 発売、61号 375F1 F.ゴンザレス (1951) 12/18 発売 60号からGTカーが追加された 国産名車同様の抱き合わせ商法です 

F1 COLLECTION WEB SITE
2013年12月

国産名車コレクション 207号 メルセデス ベンツ 190 2.3-16 (1984) 12/11 発売、208号 トヨタ マーク ⅡワゴンLG (1988) 12/25 発売 250号まで延長されてます 201号から外車を輸入車?ということで追加 ようするに抱き合わせ商法

JPCARS WEB SITE
       

デアゴスティーニ

2013年12月 隔週刊 ラリーカー コレクション 8号 プジョー 206 WRC (2002) 12/10 発売、9号 ランチア デルタ S4 (1985) 12/24 発売 RALLY CAR COLLECTION
       
ミニチャンプス

2013年第50週

ベントレー コンチネンタル R、VW シャラン、フォード フィエスタ RS WRC、ロータス F1 チーム ルノー E20など

PMA WEB SITE
       
トミカ 2013年12月

No.59 イスズ エルフ 佐川急便、No.104 ロータス エヴォーラ GTE、No.140 三菱 フォークリフト エレトラック ニチユ 12/21 発売

ドリームトミカ コリラックマ、くまモン 12/27 発売

ギフトセット 緊急車両セット5 12月発売、福々トミカ 12月発売

トイズドリーム 10thセレクション2nd 12/7 発売、トイザらスオリジナル スバル ワールドラリーチーム トランスポーター 12/6 発売

TOMICA WEB SITE
トミカ リミテッド

2013年12月

リミテッドシリーズは販売終了

TOMICA WEB SITE

トミカ リミテッド ヴィンテージ

トミカ リミテッド NEO

2013年12月

LV-138a/b ダットサン ブルーバード 1800SSS (茶/緑) 12月発売

TOMYTEC WEB SITE

LV-NEO 西部警察08 グロリア/ローレル パトロールカー 2台セット 12月発売

TOMYTEC WEB SITE

トミカ リミテッド 43 2013年12月 LV-N43-05a 日産 グロリア 2000 スーパーデラックス (銀) 1/43 12月発売 TOMYTEC WEB SITE

トミーテック

バス コレクション

2013年12月

ザ バス コレクション 中央高速バス 5台セットA 12月発売

TOMYTEC WEB SITE

トミーテック

カーコレクション

2013年12月 ザ カーコレクション 基本セットL1 三菱ふそう キャンター パネルバン、トヨタ ダイナ タンクローリー、トヨタ ランドクルーザー FJ56V 消防車、トヨタ カローラ 30 バン 12月発売 TOMYTEC WEB SITE
       
京商 2013年12月 マテル、Jコレクション、京商オリジナル、ミニチャンプス、ルックスマートなど KYOUSHO WEBSITE
2013年12月 京商50周年特別企画 ランボルギーニ ヴェネーノミニカーコレクション 12/3 発売 KYOUSHO WEBSITE
2013年12月

第63弾 フェラーリ ミニカーコレクション 9 24種類+α 12/17 発売

KYOUSHO WEBSITE
       
エブロ 2013年12月 フィアット アバルト 595 SS、 ウェッズ スポーツ アドバン SC430 スーパーGT500 2013 、 ホンダ F-1 RA302 1968 、 ファルケン スカイライン 2004 Nurburgring など EBBRO WEB SITE
       
イクソ 2013年12月

ドライエ 235 コーチ、イスズ アスカ、ランドローバー ディスカバリー、ロールスロイス ゴースト、ジャガー XJなど

WEB_SITEで2013年のカタログがダウンロード出来ます

IXO WEB SITE

2013 CATALOG

       
ブルム 2013年12月

フィアット 500、ポルシェ 550、ベントレー スピードシックス、フェラーリ 512M など
WEB_SITEで2013年のカタログがダウンロード出来ます

BRUMM WEBDSITE
       
マイスト 2013年05月 WEB_SITEで2013年のカタログがダウンロード出来ます MAISTO WEBSITE
ブラーゴ 2013年03月 WEB_SITEで2013年のカタログがダウンロード出来ます BBURAGO WEB SITE
       

 

 

■新製品レビュー

以下は08/19 作成

IXO CLC240P  TOYOTA TOYOPET CORONA 1967 1/43

toyota corona
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります
クリックするとフロントウインドー部分の拡大画像に変わります
 イクソの新製品トヨタ コロナ RT40型です。実車を簡単に説明します。コロナは1960年代に日産のブルーバードと「BC戦争」と呼ばれた販売競争を繰り広げたトヨタの代表的な大衆車でした。(現在どちらも車名が消えていますが) 3代目コロナ RT40型は1964年に登場し、アローラインと名付けられた傾斜したフロント ノーズが特徴でした。4気筒1.5L(70HP)R型エンジンを搭載し、3段変速(2段オート トヨグライド)で最高速140km/hの性能でした。開通したばかりの名神高速道路で10万km連続高速走行公開テストを実施し、高速性能と耐久性をアピールし、2代目にあった耐久性不足のイメージを払拭しました。1965年には国内販売台数1位を達成し、その後もトヨタの主力車種でした。

 

ミニカーの箱には1964年式と記されていますが、フロントウインカーがバンパーの下にあることから、1967年にマイナーチェンジされた後期型をモデル化しています。ただこのミニカーはナンバープレートの形状やフェンダーミラーの取り付け穴が埋められていることなどから、輸出仕様車(TIARA(ティアラ))をモデル化していると思われます。右ハンドルですから、当時CKD輸出していたオーストラリアのオーストラリアン モーター インダストリーズ社で生産された車をモデル化したのではないでしょうか。
  トヨタ コロナ 実車の画像
toyota corona
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります

クリックすると底板の拡大画像に変わります
 コロナの知名度から言って、これは日本向けのミニカーだと考えられます。イクソは京商のJコレクションを製造しているようなので、日本車をモデル化するのは不思議ではありません。ただ何故国産仕様ではなく輸出仕様なのかは疑問ですし、ミニカーの底板に「COROLLA」(カローラ)と表記されていることもあって、モデル化対象の実車がよく分かりません。

 

出来映えはイクソの標準的なものです。基本的なプロポーションに問題はなく、フロントグリルなどの細部もそこそこです。エッティングパーツを使ったワイパーはイクソの良いところです。室内もメータ類がきちんと印刷されているのですが、このミニカーの場合窓が開いていないこともあって、室内はほとんど見えません。(ペンライトで中を照らすと見えます) さらにこの車の場合リアライトが大きくよく目立つので、メッキパーツ上の塗装でライトを表現するイクソ流はやや見劣りがします。リアのエンブレムが剥がれかかっていたのも、この個体だけの問題ですが、やや残念です。
   
 RT40型コロナのセダンのミニカーはモデルペットのレア物とトミカ リミッテドがあります。私はセダンが欲しかったので今回購入したわけですが、フロントグリルが後期型でさらに輸出仕様ということで、満足度はいまひとつです。底板に「カローラ」と誤記?している点など、イクソの通常モデルの流れからは少し外れているような気がします。コロナの変わり種としては面白いですが、国産車のミニカーとしてはあまりお勧めできません。
以下は08/15 作成

IXO MUS049  VOISIN C25 AERODYNE 1934 1/43

voisin c25
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります
クリックすると屋根の拡大画像に変わります
 イクソの新製品ヴォアザン C25 アエロディーヌです。ヴォアザンについて簡単に説明します。ガブリエル ヴォアザンはフランスにおける航空機開発のパイオニアで、彼が興したヴォアザン飛行機会社の軍用機は第一次世界大戦で活躍しました。戦後は自動車メーカーに転身し、独創的な技術を取り入れた高級車を製造していました。1930年代末に自動車生産から撤退しています。

 

C25はヴォアザン後期のモデルで、直列6気筒3L(104HP)スリーブ バルブ式エンジンを搭載し、3段変速で最高速130km/hの性能でした。アエロディーヌはヴォアザンが流線型デザインを最初に適用した車ということです。ただヴォアザン流の流線型とは角ばったフロントグリルと円弧を描いた屋根を持つキャビンが同居する奇抜なデザインで、これを本格的な流線型というのにはやや無理があります。流線型というコンセプトに沿ったデザイン的な遊びと考えるのが良さそうです。

 

昨年同じコンセプトを持つスパーク製のヴォアザン C27 アエロスポールを紹介しましたが、アエロディーヌはアエロスポールより先に発表された車だと思われます。屋根が円弧に沿って後方にスライドしてオープントップ状態になり、その際に屋根の丸窓がリアウインドーの役目をするといったアイデアはこのアエロディーヌで最初に実現されたようです。(屋根のスライドはトランク内の吸引ポンプによる負圧で行うといった凝りようです)
  ヴォアザン C25 エアロダイン 実車の画像
voisin c25
マウスカーソルを画像上に載せると後方からの画像に変わります
クリックするとフロントグリルの拡大画像に変わります
 ぺブルビーチのコンコース デ エレガンスで2011年に優勝した車とミニカーのナンバープレートが同じことから、モデル化のベースとなったのはこの車だと思われます。ただカラーリングについては赤と黒が印象的な別の車をモデルにしています。このカラーリングにしたのはミニカーの見栄えを優先したのでしょう。イクソは既にMUS041でヴォアザン C28をモデル化していますが、このC25ではキャビン部分などの型を大幅に変更しています。フロントグリルではバンパーの取り付け位置が変えてあり、バンパー下に左右のフェンダーを連結した板が追加されています。この板にはクロームのトリムがついていて、このトリムはサイドとリアにもありボディを一周しています。このトリムはこの車の特徴ですが、イクソ得意のメッキ塗装でうまく表現しています。(同じようなトリムはスパークのC27にもあります)

 

 ヴォアザンの特徴である鳥のマスコットはスパークのように繊細ではなく、全体的に少しごつ過ぎるのですが、少し触っても壊れないということで大目に見ましょう。またグリル上部に緑色のエンブレムが追加されてますが、実車は青紫色をしています。丸い窓のついた屋根はリアリティがあり、いかにもスライドしそうですが実際には動きません。3連式ワイパーはメッキ塗装で、このシリーズで標準的に使われているエッチングパーツは使われていません。室内はメーターパネルやシフトレバーなどがそこそこ再現されていて、運転席側の窓が開いているのは良いですが、窓が小さいので中はあまり良く見えません。実車についているフェンダーミラーは省略されています。

 

 以上 今回のヴォアザン C25も、イクソのMUSシリーズの標準的な出来栄えです。マスコットやフェンダーに伸びるステーをもう少し繊細なものにしてくれれば言うことはないのですが、この辺は今後に期待しましょう。なおミニチャンプスでも最近C25 アエロディーヌをモデル化しています。型番437119160で屋根の窓の形状が異なる別の車をモデル化していますが、1948台限定で定価が16000円とずいぶん高価なミニカーです。WEBで画像を見ましたが値段に見合った物ではなく、ミニチャンプスの殿様商売もここまで来たかといった感があります。ミニチャンプスのように値段を上げるブランドが多い中で、値段を据え置いて良質で安定した品質のミニカーを作り続けているイクソ系ブランドにエールを送りたいと思います。
 
以下は08/04 作成

OXFORD AHT002 AUSTIN HEAVY TWELVE 1933 1/43

austin heavy 12
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クリックするとウインドスクリーンの拡大画像に変わります
 オックスフォードの新製品 オースチン ヘビー 12です。WEB上のミニカーショップなどではオースチン ヒーリーと間違った名前で記載されていますが、英語で「HEAVY」ですから「ヒーリー」ではありません。実車について簡単に説明すると、オースチンは戦前の小型車7(セブン)で有名なイギリスの老舗自動車メーカーで、12(トゥエルブ)は1921年から生産された中型車でした。(7や12はエンジンの課税馬力数を表しています) 1931年から生産された6気筒エンジンを搭載する派生車がライト(LIGHT) 12と呼ばれたので、それと区別するために古い12をヘビー(HEAVY) 12と呼んだようです。(あだ名であって正式名称ではない) 

 

 モデル化されているヘビー 12は、4気筒1.6/1.8L(27HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速が95㎞/hほどの性能でした。ボディ形式としては、箱型セダン、幌式のセダン、クーペ、商用バン、タクシーなどバリエーションがあったようです。オックスフォードのWEBサイトの解説では、ホイールがディスクからスポークに切り替わった1933年型あたりをモデル化しているとのことです。

 

 この時代の普通の乗用車がミニカーになるのは珍しいのですが、12は7についで成功した車でしたからモデル化は納得できます。またイギリスの戦前のロンドンタクシーとして有名なオースチン ローローダーは 、12をベースにして開発されています。 ローローダーもオックスフォードがミニカーにしていますので、そのバリエーションとしてモデル化したと考えることもできます。

  オースチン ヘビー 12 実車の画像
austin hewavy 12
マウスカーソルを画像上に載せると後方からの画像に変わります
クリックすると室内の拡大画像に変わります
  クラシックカーに興味のない方は、このような地味な車のどこが面白いのかと思われるでしょうが、ある時代に一番ポピュラーであった車はその時代の車の使われ方や技術動向を反映していて興味深いのです。派手なスポーツカーや高級車のミニカーに比べると需要は少ないでしょうが、オックスフォードはこのような渋いミニカーが好きな人向けのブランドです。イギリスにはそういう嗜好のコレクターが結構いるようです。

ミニカーは格別に凝ったところもなく、非常にオーソドックな出来栄えです。実車の画像と見比べると、全体的な雰囲気はうまくできているようです。AUSTINロゴの付いたフロントグリル、灯火類、ドアのハンドルなど細かいところも、そこそこ再現してあります。ウインドスクリーン上にはワイパーの表現があり、右横にはサイドミラーがついています。(スクリーン上にはワイパーを塗装した際についたと思われる塗装の汚れがあります) 室内はそれらしいシートとドア内装が表現され、メータ類も印刷されています。いかにも実用車らしい濃茶のカラーリングも似合っています。

 

定価は3500円で、やたらと高いミニカーが幅を利かせる最近では、実にリーズナブルなミニカーといえます。ただ値段が安いからと言って雑誌に付くミニカーのような安っぽい作りではなく、コレクター向けの本格的な物です。ちょうど1960年代のコーギー型番9000番代のクラシックカーシリーズを思わせる味のあるミニカーですので、この辺のクラシックカーが好きな方にはおすすめできます。青の色違いと幌を閉じた紺のオープン仕様もあります。
 
以下は07/15 作成

KYOSHO K05541DBK  ROLLS ROYCE PHANTOM EXTENDED WHEELBASE 2005 1/43

rolls royce phantom
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります

 ロールス ロイス ファントム 京商の新製品です。まず実車の概要です。ロールス ロイス社は航空機エンジンの不振により1971年に倒産し、自動車部門は新ロールス ロイス社として独立しました。その後VWに買収され、2003年からはBMWがロールス ロイスの製造権を得ました。BMW傘下で2003年に新型車として登場したのが、ファントムです。ファントムという名前は1925年のファントム IからVIまで続いた由緒ある名前です。

 

 新型ファントムは伝統的なラジエーターグリルを引き継いだ古典的なデザインで、シュートホイールベース仕様でも、全長5835mm全幅1990mm車高1655mmの大型セダンです。エンジンはBMW製のV型12気筒48バルブ6.8L(460HP)で、電子制御6段自動変速、最高速度は

,240km/hの性能です。昔の高級車に使われた観音開きのドアが採用されています。2005年にはエクステンディッド ホイールベースという名前でロングホイールベース仕様(全長6085㎜)が追加され、その後ドロップヘッド クーペ(オープンカー)、クーペも追加されています。

 

 ミニカーはそのエクステンディッド ホイールベースをモデル化したもので、白、黒/銀、青の3色があります。またドロップヘッド クーペとクーペも京商からモデル化される予定のようです。

   ロールス ロイス ファントム 実車の画像
rollsroycesideview
マウスカーソルを画像上に載せると実車の外形線が表示されます
クリックすると実車のタイヤが表示されます
 このミニカーはまず最初にずいぶんりっぱな紙箱に入っていることに感心します。京商の少し高いミニカーはこの手の紙箱に入っていることが多いのですが、場所をとるのであまり有難くありません。紙箱の中には全長約14cmの大きさでずっしりと重いミニカーがプラスチックケース台座に固定されて収まっています。この時点で、結構高いミニカーを買ったことを実感できます。

 

 ミニカーの出来栄えですが、まず基本的なプロポーションにはあまり問題はありません。左の側面画像にカーソルを載せると実車側面画像から抜き出した輪郭線(赤)が表示されます。次に画像をクリックすると実車タイヤ画像が表示されますが、ミニカーのタイヤ(特にホイール)が大き目にできていることがわかります。ホイールが大きすぎるので、ボディに対するバランスが悪く、なんとなくタイヤに違和感がある出来栄えとなっています。側面から見た場合、タイヤのサイズや取り付け位置は重要な要素です。

rolls royce phantom
マウスカーソルを画像上に載せると室内の拡大画像に変わります
クリックするとにフロントグリルの拡大画像に変わります

 この手の大きな車をミニカーにすると概ね大雑把な感じになりますが、それを引き締めるのがフロントやリアのディテールです。このミニカーの場合は一番重要なフロントの顔つきが実車の精緻なイメージから少し外れています。それは角形ヘッドライトのレンズ面が実車より奥に引っ込んでいて、さらに角のメリハリが甘いのが原因だと思います。フロントグリルとその上のマスコット(スピリット オブ エクスタシー)はそこそこの出来ですが、マスコットは少し大きめにつくるといった遊びのセンスが欲しいですね。

 

 室内ですが、ローズウッド仕上げの木目パネルやレザー張りシートなどがそれらしく彩色してありますが、よく見えません。せっかくきちんと彩色してあるのですから、多少コストがかかるでしょうが、室内がよく見えるように運転席側のウインドーを下ろした状態とするなどの配慮をしてくれるとうれしいのですが。というわけで、このミニカーは京商としては標準レベルの出来栄えですが、値段を考えるとあまりお勧めできるレベルではありません。クーペやカブリオレも予定されているようですが、上記が改良されることを期待しています。

 
 以上少し厳しい評価を書いたついでに以前から指摘したいと思っていたことも書いておきます。それは京商のミニカーが実車年式をほとんど明記しないことです。ミニチャンプスやノレブなど最近のメジャーなブランドは、実車年式を明確に表示しています。ミニカーには必ず対象とした実車があるはずで、年式をきちんと表示することはモデルカーを作っているメーカーとして基本的な姿勢だと思うのです。京商さん 国産メジャーブランドとして年式表示について前向きな検討をお願いいたします。
 
以下は06/10 作成

IXO MUS047  BUGATTI T101 COUPE 1951 1/43

bugatti t101
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クリックすると後方からの画像に変わります

 イクソの ブガッティ T101 クーペ 久しぶりのMUSシリーズ新製品です。実車はブガッティ親子が亡くなった後に製造された、ブガッティ社最後の車です。戦前の傑作車T57のシャーシをベースにして開発された車で、たったの9台しか生産されていません。4/2ドア セダン、クーペ、カブリオレなどの様々なボディが架装されましたが、これはシャーシNo.57454にコーチビルダー ガングロフ(GANGLOFF)が2ドア クーペ ボディを架装し1951年のパリ サロンで公開された車です。2ドアながら全長約5.2m全幅約1.6mの大柄な車で、直列8気筒DOHC3.3L(135HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速160km/hの性能でした。実車はフランス国立自動車博物館(シュルンプ コレクション)に展示されています。なお現在のブガッティ社はブガッティの商標権を買い取って設立された別の会社です。

 

 戦後のフランスには戦前のような高級スポーツカーが生き残る市場がなく、このブガッティ もほとんど売れませんでした。デザインがあまり魅力的ではありませんので、ブガッティとしては有名な車ではなく、量産ミニカーとしてモデル化されたのはこれが初めてと思われます。元々はフランスのミニカー付雑誌「Voitures Françaises d'Autrefois(フランスの名車)」シリーズ用に作られたミニカーで、それをリファインしてイクソのカタログモデルとしたものです。したがって以前からネットオークションで売られていましたが、仕上げのレベルが全く別物なのでオークションで落札すると後悔することになります。(カタログモデルを待つべきです)

  ブガッティ T101 クーペ 実車の画像
bugatti t101
マウスカーソルを画像上に載せると室内の拡大画像に変わります
クリックするとワイパー周りの拡大画像に変わります

 実車がでかいので、全長12cm超の大柄なミニカーとなっています。上記リンク先の実車と見比べると、ボディカラーから小さなアンテナ(ラジオ用)まで、実に忠実にモデル化されていることがわかります。実車を見たわけではないですが、基本的なプロポーションに問題なく、フロントグリル周りも実車のイメージどうりです。(ややルーフ部分が小さ目な気もしますが) 仕上げのレベルはいつものイクソ流で安定しています。フロントグリル上のブガッティの赤いエンブレム、クロームモール類のメッキ塗装、精緻なエッチング材を使ったスポークホイールとワイパー、塗装処理したテールライトなどです。今回は触るとすぐに折れそうなぐらい細いアンテナがついており、台座から外す際は注意する必要があります。

 

 室内もいつも通りで、メーター印刷、ハンドル周りの塗装などそこそこに仕上げてあり、それが見えるよう運転席のサイドウインドーは下ろした状態です。底板には排気管のモールド以外何も再現されていないのはいつも通りですが、右前フェンダー内のスペアタイヤ格納部分にはタイヤのでっぱりがちゃんとモールドされていました。ウインドスクリーン、ワイパー、アンテナ周りの造形を見ると、もっと値段の高いミニカーにも引けを取らない仕上げですから、イクソのミニカーはコストパファーマンスの高い良質なミニカーであると言えます。最後に苦言をひとつ、ライトを黄色くしてくれればフランス車らしくなったのに。

以下は04/24 作成

PREMIUMX (IXO) PRD125  AMC PACER 1975 1/43

amc pacer1
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 プレミアムXの3台目はAMC ペーサー 1975年式です。1954年に創業したAMC(アメリカン モーターズ)はコンパクトカーに注力したアメリカの自動車メーカーでしたが、1960年代にはBIG3(GM、フォード、クライスラー)もコンパクトカーを発売するようになりました。BIG3の攻勢に対抗するために、AMCは斬新なスタイルのグレムリンを1970年に登場させました。グレムリンはヒットし、1975年にはグレムリンのコンセプトをさらに発展させたペーサーが登場します。

 

既存コンパクトカーホーネットのテールをカットした成り立ちのグレムリンに対して、ペーサーは最初からこのスタイルで開発された車で、全長は4.1mとコンパクトカーサイズながら、全幅は1.79mとキャディラック並みです。ノーズは低く抑えられており、キャビンは大きな曲面ガラスを使った大胆なものです。開発段階ではロータリーエンジンを搭載した前輪駆動車とする野心的な計画もあったようですが、結局は6気筒3.8/4.2L(95HP)エンジンによる後輪駆動車となりました。3段AT/4段MTで、最高速170km/hの性能でした。

 

奇抜なデザインでしたが、発売当初は女性に人気があり、大ヒットしたそうです。1977年にはリアを延長したステーション ワゴンが追加されています。斬新だった2ボックス スタイルも、しばらくすると似たような車が出てきたことで優位性がなくなりました。AMCは1979年にルノー傘下になり、1980年にペーサーは生産中止となりました。
  AMC ペーサー 実車の画像
amc pacer1
マウスカーソルを画像上に載せるとリアエンドの画像に変わります
クリックすると運転席周りの拡大画像に変わります
 ペーサーの当時物ミニカーは、トミカが外国車シリーズで作っています。またコーギーが1/36で作っていますが、これ以外は最近までミニカーがありませんでした。2011年になってNEOがモデル化し、今回プレミアムXからも発売されました。私はこのような個性的な(変わった)車が好きなので、早速ミニカーを購入しました。

 

このミニカーもイクソの標準的なレベルに仕上げられています。プロポーションは良く、写真しか見たことがありませんが、実車のイメージに合っています。(実車の写真と比べると、特徴的なキャビン全体の形状がやや丸みを帯びすぎているような気もしますが) フロントの少し奥まった位置のヘッドライトとその横のマーカーライトの造形もうまくできています。マーカーライト/テールライトの処理がメッキ上の塗装なのはイクソの標準的な処理です。エッチングパーツのワイパーは以前からイクソの長所だといってきましたが、このペーサーのものはワイパーレバーとブレードの組合わせで出来ていて、実にリアルです。繊細なパーツなので組み付けるのが大変だと思うのですが、イクソはなぜかこだわっています。

 

室内がよく見えるので、メータパネルあたりしか着色していない室内は少し物足りない気もします。色違いとして黄色と、青のツートンの’リーバイス エディション’があります。どちらも実車に即したカラーリングで、内装色、側面のロゴ、ホイール、ナンバープレートを変えてあるなど手が込んでいます。
   
pacer compare
 ペーサーはNEO(レジン製)が先にモデル化していますので、出来映えを比較してみます。(NEOのミニカーは持っていませんので、ネット上の画像を使わせてもらいました) 今回もプロポーションを評価する為、実車とミニカーの側面画像を比べてみました。プレミアムXは上述したようにキャビン形状がやや丸みを帯びている気がします。NEOはキャビン全体が少し潰れ気味で、ドアサイドウインドーが実車より小さく見えます。これは窓のクロームトリムが必要以上に太く目立ちすぎているのも原因です。さらにフロントバンパーの位置が前に出過ぎている点も気になります。

 

このバンパー位置のせいだけではありませんが、NEOのフロントは実車のイメージから少し外れているように感じます。一番肝心なフロント部がいまひとつということで、NEOのパーサーの出来映えはあまり良いとは言えません。ついでにいうとNEOはワイパーを省略していますし、リアフェンダーのサイドモールも何故か省略しています。

 

型にあまりお金がかからないことがレジン製ミニカーのメリットですが、これはあくまで作る側のメリットで、買う側にとっては何のメリットもありません。ではなぜレジン製ミニカーが存在するかというと、量産ミニカーではとても対応できないようなハンドメイド仕上げの精密ミニカー(スケールモデル)向けの素材としては最適だからです。

 

したがってダイキャスト製で対応できるような品質レベルのミニカーをレジンで製作するのは実におかしな話です。その証拠に昔からの老舗ミニカーブランドはレジン製ミニカーを全く作っていません。また普通のコレクターはミニカーをレジンで作ってほしいとは思っていません。販売台数が見込めないマニアックな車種なので、やむなくレジン製にしましたというのであれば一応は理解できます。ただ現在のレジン製ミニカーの大半はそれに該当せず、「とりあえず型が安いレジンで作っておけ」といった安易なものが多いように思います。そのような安易な発想で作られたミニカーは、出来映えもそれなりになるものです。
   
以下は04/11 作成

PREMIUMX (IXO) PRD015  STUTZ BLACKHAWK COUPE 1971 1/43

stutz blackhawk coupe
マウスカーソルを画像上に載せると正面からの画像に変わります
クリックするとフロントの拡大画像に変わります

 プレミアムXの2台目はスタッツ ブラックホーク 1971年式です。スタッツ ブラックホークという名前は1930年代にレースで活躍したアメリカ製スポーツカーが有名です。この車の名前はそれにちなんだものと思われますが、元祖のスタッツ社(1935年に倒産)とは関係がありません。1971年に登場したスタッツ ブラックホークは既存の車に特別なボディを載せた特注の高級車でした。最初のブラックホークは、1969年式のGM ポンティアック グランプリの車台に、クライスラーのデザイナーであったヴァージル エクスナーがデザインしたボディをイタリアのギア系のカロッツェリアが架装していました。

 

 ヴァージル エクスナーはクライスラー時代にイタリアのギアと協力してギア L6.4などの特注車を開発していて、このブラックホークもその流れに沿ったデザインとなっています。突き出したフロントグリルと独立したヘッドライト、リアに取り付けたスペアタイヤなどやや奇抜なデザインです。全長5.76m全幅2m V型8気筒7.5L(200HP)エンジンを搭載し、自動変速機仕様で、最高速210km/hの性能でした。クーペ以外にコンバーチブル、セダンもありました。

 

 豪華な内装で最新装備を完備した特注の高級車でしたので、オーナーにはエルヴィス プレスリー、ディーン マーティンなど当時の有名人が名前を連ねています。1987年まで、外観を少しづつ変えながら生産されました。途中でベースとなるGM車がサイズダウンしているので、ブラックホークも車体が小さくなっています。生産台数はトータルで500台程でした。

  スタッツ ブラックホーク 実車の画像
stutz blackhawk coupe
マウスカーソルを画像上に載せるとリアエンドの画像に変わります
クリックすると運転席周りの拡大画像に変わります
 あまり知られていないマイナーな存在のスタッツ ブラックホークのミニカーは唯一ホットホイールのものがありましたが、量産品の1/43ではこれが初めてのモデル化のはずです。プレミアムXでは当初(かなり前に)レジン製で発売するとアナウンスされていましたが、今回方針転換してダイキャスト製で発売されました。(たぶん生産台数が見込めたのでしょう) このクーペ以外に、銀色の色違い、コンバーチブルとハードトップ付コンバーチブルのバリエーションがあります。

 

 ミニカーの出来映えはこれも最近のイクソの標準的なものです。実車画像と比べてみて、プロポーションも悪くないとおもいますし、独特のフロント/リアのデザインも実車のイメージをうまく再現しています。車体側面をぐるりと取り巻くクロームモールもそこそこうまくできてます。エッチングパーツで出来た繊細で目立たないワイパーもイクソの良い点です。ホイールが単なるディスホイールなのはやや味気ないですが、そのような実車もあったのでしょう。

 

 室内はメーターなどが表現されていますが、このモデルは窓が閉じた状態となってます。テールライトやサイドマーカーがメッキパーツ上の塗装処理なのもイクソの標準です。ツボを押さえた手堅い作りで、定価4725円ですから、1/43サイズのミニカーとしては及第点以上のミニカーです。

   
以下は04/08 作成

PREMIUMX (IXO) PRD110  GM CADILLAC SEVILLE ELEGANTE  1980 1/43

cadillac seville 1980
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 イクソのプレミアムXの新製品を数台購入しましたので、レビューします。1台目はキャディラック セビル 1980年式です。キャディラック セビルは1970年代のオイルショックでアメリカ車がサイズダウンを強いられた時代に登場したキャディラック初のコンパクトカーでした。初代は1975年に登場し、コンパクトながら豪華装備を満載した高価格車で、ベンツやBMWなどのヨーロッパ製高級車に対抗する車として2004年までキャディラックの主力車種でした。

 

 ミニカーは1980年式の2代目のセビルで、1930年代のロールス ロイスのリアのレザーエッジ デザインを模したリア トランク部分のデザインが特徴で、前輪駆動方式を採用していました。全長5.2m全幅1.8mとトヨタのセンチュリー並の大きさで、アメリカ車としては珍しいことに標準でV型8気筒5.7L(105HP)ディーゼル エンジンを搭載していました。(V型8気筒6L(145HP)ガソリンエンジンはオプション) ボディは4ドアセダンのみで、4段自動変速で、最高速180km/hの性能でした。なお1982年からはV型8気筒4.1L(125HP)ガソリンエンジンが標準となり、ディーゼル エンジンはオプションとなりました。

 
キャディラック セビル 実車の画像
cadillac seville 1980
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 サイズダウンされたアメリカ車は当時はあまり人気がなくミニカーがほとんどありません。セビルは初代がデルプラドの世界の自動車シリーズ(EAGLE RACE製)、2代目がトミカの外国車シリーズから出ているぐらいでした。最近この時代のアメリカ車が見直されてミニカー化され、NEO(レジン製)が初代と2代目をモデル化しています。このプレミアムXもその流れに沿ったモデル化です。

 

 ミニカーの出来映えは最近のイクソの標準的なもので、プロポーション的にもかなり正確で実車の雰囲気がよく再現されてます。特にフロントグリルはメッキ処理したグリルとエッチングパーツの組み合わせで、キャディラックの顔をうまく作っています。さらにグリル上のエンブレムはよく見ると着色してあり、実に手が込んでいます。エンブレムはわざと大きめに作ってあり、ミニカーの見せ所を熟知したいいセンスです。 テールライトやフロントのコーナーライトなどはメッキパーツの上の塗装処理で済ましていますが、別部品で構成したのと見た目はほとんど変わりません (うまくコストダウンしています)

 

 室内ではメーターやハンドルが彩色されていて、そこが見えるよう前ドアの窓は下ろされた状態になっています。カラーリングは実車に即したツートンカラーで、色違いとして 紺色もあります。(ナンバープレートも凝ってます) 以上全般的な評価としては、1/43サイズとして特別に精密な訳ではありませんが、セビルのミニカーとしては現状で一番良い出来映えです。

   
seville compare

 少し先に登場したNEO(レジン製)のミニカーと比較してみます。基本的なプロポーションについて評価する為、実車とミニカーの側面の画像を並べてみました。(NEOの実物は持っていませんので、ネット上の画像を利用させてもらいました) プレミアムXの側面のプロポーションはかなり正確であることがわかります。これに対してNEOはウエストラインより上のキャビン部分が小さめに出来ています。これはデフォルメと考えてもいいのですが、センスの良いデフォルメではありません。(実車の雰囲気に合わないから)

 

 フロントグリルやクロームモールなど細かいところはほぼ同等ですが、NEOのフロントグリルはエッチングパーツだけで構成されているのでグリル全体のボリューム感がいまひとつです。室内の出来映えは画像ではよくわかりませんが、ドアの部分に着色してあるなどNEOのほうが少しだけ手が込んでいるようです。ホイールもNEOのほうが少しだけ手が込んでいるように思われます。お値段ですが、NEOは定価で9240円 プレミアムXは4725円です。購入するなら耐久性の問題があるレジン製のNEOよりも、均一な出来映えでプロポーションの良いプレミアムXをお勧めします。

 

 「ダイキャストよりレジンのほうが忠実にモデル化できる」などと宣伝されていますが、これはおかしな論理だと思います。モデルの出来映えは材質で決まるものではありません。どれだけセンスの良い型(モデル化)が作れるかに係っているのです。ただレジン製は後加工ができるので、細かいところを手作業でより精密に仕上げることができるというのは本当です。(但しNEOレベルの値段でその辺を望むのは無理、もっと高価で本物の職人が作業しているレジン製モデルの話です 誤解なきように)

   
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