ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ISO GRIFO 7L 1968 ITALY

ISO GRIFO 7L
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISO GRIFO 7L


MINICHAMPS 436128220 1/43 105mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.43m 全幅約1.77m エンジン 変速機: V型8気筒 7.4L 440HP 4段変速
性能: 最高速300km/h  データーベースでイソのミニカー検索

イソ グリフォ 7L イタリア 1968年

 

 前述したイソ リボルタの販売が順調だったので、さらなる高性能モデルとしてグリフォが1965年に追加されました。リボルタをベースにしてホイールベースを短縮し、同じG.ジウジアーロのデザインによる魅力的な2座クーペが架装されました。当初はシボレー製のV型8気筒5.7L(300HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速は250km/hでした。1968年にはコルベット用の7.4L(440HP)エンジンを搭載した高性能版が追加され、最高速は300km/hに向上しこれは当時最速でした。1970年にヘッドライトが半格納式となったシリーズIIに発展し1974年までに生産されました。総生産台数は約400台でした。(実車画像→ イソ グリフォ シリーズII)

 

 1967年にはリボルタのホイールベースを延長した4ドア セダンのS4 フィディア(FIDIA)、1969年にはリボルタのボディを一新したレーレ(LELE)が登場しました。ただこの頃からイソ社の経営は下り坂となり、オイルショックによる販売不振もあって1974年に倒産して自動車生産を終えました。 (実車画像→ イソ リボルタ レーレ 1969)

 

 

 ミニカーは2003年に発売されたミニチャンプス製です。ボンネット上にエアスクープが付いた7Lエンジン搭載のグリフォをモデル化しています。これはミニチャンプス通常のプラスチックケースではなく大きな専用の紙箱に収納されていて、実車の解説書が付いている特別仕様品でした。ミニチャンプスらしいそつのない造形で、室内などの細部もリアルに再現されています。またボンネットの開閉ギミック付でエンジンも再現されています。(ただアメリカ製V8エンジンはあまり面白くはありませんが) ミニチャンプスは車高を下げてモデル化するのが常ですが、これもやや車高短ぎみです。グリフォの当時物ミニカーはポリトーイ、エディルトイ、マッチボックス、コーギーなどがありました。当時物以外ではNEO(レジン製)、TECNO MODEL(レジン製)の1/18などがあります。  以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ISO GRIFO 7L 1
ISO GRIFO 7L 2

 以下は1970年に発売されたコーギー製の当時物 イソ グリフォ 7L 1968 (1/43 型番301)の画像です。これもエアスクープが付いた7Lエンジン搭載のグリフォをモデル化しています。(右ハンドルなのでイギリス仕様です) コーギーらしいセンスの良い造形で少しかっこよくデフォルメされていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。ラインストーン(ガラス玉)を使ったヘッドライトと金属製の金色のステアリングホイールは当時のコーギーの特徴でした。惜しむらくは当時流行りであった安っぽいフリーホイールが使われている点が今一つです。ボンネット/ドアの開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISO GRIFO 7L 3
ISO GRIFO 7L 4

 以下は1968年に発売されたポリトーイ製の当時物 イソ グリフォ 1965 (1/43 型番553)の画像です。これは初期のグリフォをモデル化しています。ポリトーイの型番500シリーズの後期の物で、コストダウンでバンパーとフロントグリルを一体化するなどの簡略化がされた廉価版でした。ただボディの造形は悪くなく実車のイメージがそこそこ再現されホイールもフリーホイールではないメタル製なので、全体としてはまずまずの出来ばえです。ドア開閉ギミック付です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ISO GRIFO 7L 5
ISO GRIFO 7L 6

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PANTHER BERTONE 1968 ITALY

PANTHER BERTONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PANTHER BERTONE


POLITOYS 564 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m? 全幅約1.7m? エンジン 変速機: 6気筒3L? 
性能: 最高速 不詳  データーベースでパンサー ベルトーネのミニカー検索

パンサー ベルトーネ イタリア 1968年

 

 パンサー ベルトーネは1968年のジュネーブ ショーで公開されたコンセプトカーです。イタリアのレーシングチーム ブレッチア(SCUDERIA BRESCIA CORSE)の依頼で、グループ6のレーシングカーをベルトーネがデザインしました。ベルトーネらしい空力的に洗練されたデザインですが、当時のグループ6のレーシングカーとしては(例えばフェラーリ 312Pなど) 格別に変わったデザインではありません。ただボディ中央の高い位置にある油圧で角度を変えられる大きなスポイラーは、グループ6のレーシングカーとしては目新しいもので、この車の最大の特徴でした。(このような高い位置のスポイラーは1969年に禁止されましたが)

 

 この車にはサスペンション、チューブレスタイヤ、24V電装システムなど先進的なアイデアも盛り込まれていたようです。当初はBRMのV型8気筒3Lエンジンが使われる予定でしたが、後にマセラティの3Lエンジンが使われることになりました。ただし、ブレッチアはグループ6のレースに参戦する準備が整わず、結局この車がレースに出場することはなかったとのことです。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたポリトーイ製の当時物です。廉価版として作られたエクスポート(EXPORT)シリーズの物なので細部の仕上げは簡素ですが、プロポーションはまずまずで、初期型なのでリアルなメタル製ホイールが付いています。(初期型以外は見た目の良くないフリーホイールがついています) またドアが可動するギミックが付いています。これ以外のパンサー ベルトーネの当時物ミニカーはマーキュリー、マーキュリーをコピーしたナコラル、マジョレー(1/65)の物がありました。なお実車がほとんど知られていないので、最近のミニカーはないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像とドア開閉ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PANTHER BERTONE 1
PANTHER BERTONE 2

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FERVES RANGER 1969 ITALY

FERVES RANGER
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FERVES RANGER


MERCURY 21 1/43 66㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.63m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 2気筒 499cc 22HP 4段変速 RR/4WD
性能: 最高速80km/h  

フェルベス レンジャー イタリア 1969年

 

 フェルベス レンジャーはコーチビルダーのフェルベスが1966年から生産していた小型のオフロード多目的車でした。オープンの軽便なボディは愛嬌のあるデザインで、4座の簡単なシートが付いています。前席より後ろを荷台にしたカーゴ仕様(積載量300㎏)もありました。オフロード車の為車高が高く、当初は後輪駆動仕様だけでしたが、すぐに超低速ローギアとデフロック機能が付いた本格的な4WD仕様が追加されました。小型でも本格派のオフロード車だったようです。

 

 プラスチック製のフロントウインドーは可倒式で、ドアは取り外すことができました。画像のような4座全体を覆う幌を付けることもできました。エンジン/変速機はフィアット 500、サスペンション/ブレーキはフィット 600、リアライトはフィアット 850などフィアット車の部品を流用して作られていました。1970年まで生産され、総生産台数は約600台でした。なおフェルベス(FERVES)とは「Ferrari Veicoli Speciali」の略で意味は「フェラーリ特殊車両」です。この会社はスポーツカーのフェラーリとは何の関係もなく、フェラーリはイタリアでは一般的な名字だそうです。

 

 

 ミニカーは1970年頃に発売されたマーキュリー製の当時物です。不整地用タイヤを履いているので、乗用車タイプの4WD仕様をモデル化しているようです。実車のゴロンとした雰囲気がうまく再現されています。小さいながら、ドアが開閉しフロントウインドーを倒し幌を外すこともできます。なお厳密なことをいうとドアが小さめなど実車と違っている点もあるのですが、このミニカーはそんな細かいことは言わずに見て触って楽しむ類のミニカーです。フェルベス レンジャーはあまり知られていない車なので、ミニカーはこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FERVES RANGER 1
FERVES RANGER 2

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FIAT 130 1969 ITALY

FIAT 130
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FIAT 130


STARLINE 510349 1/43 110㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.75m 全幅約1.81m エンジン 変速機: V型6気筒 2.9L 140HP 5段変速/3段自動変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでフィアット 130のミニカー検索

フィアット 130 イタリア 1969年

 

 戦後のフィアットの最上級車は1961年に登場した6気筒2.3Lエンジン搭載の2300でしたが、3Lクラスの新型最上級車130が1969年に登場しました。130は125を大きくしたようなビジネスライクなスタイルで、全幅は1.8m有りましたが全長は4.75mとさほど大きくありませんでした。新設計のV型6気筒2.9L(140HP)エンジンを搭載し、ボルグワーナー製の3段自動変速機を介して1.5tのボディを最高速180km/hで走らせました。

 

 4輪独立懸架サスペンション、4輪ディスクブレーキ、パワーステアリング、リミテッドスリップデフの標準装備など当時としては進歩的な技術を採用していました。1971年にV型6気筒3.2L(165HP)エンジンを搭載しピニンファリーナ製の美しいデザインの130 クーペが追加されました。同じエンジンはセダンにも搭載されました。フィアット グループの高級車の位置づけがランチアに移ったことでランチア ガンマが後継者となり、1976年に生産中止となりました。総生産台数は約19000台でそのなかでクーペは約4000台でした。

 

 

 ミニカーは2009年に発売されたスターライン製です。スターライン(STARLINE MODELS)はドイツのメーカーですが、1960-1970年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車をたくさんモデル化していました。(最近は活動していないようですが) このフィアット 130はシンプルな造形で、ビジネスライクな実車の雰囲気が良く再現されています。定価は3000円程と安価でしたが、フロントグリルや室内などの細部も値段相応以上の造りになっています。なおこれ以外の130のミニカーとしてはレア物ですがマーキュリー製の当時物がありました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 130 1
FIAT 130 2

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FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1969 ITALY

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE
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FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE


DINKY (FRANCE) 1430 1/43 88㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.78m 全幅約1.78m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2L 220HP 5段変速
性能: 最高速275km/h  データーベースでアバルト ピニンファリーナのミニカー検索

フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ スコルピオーネ イタリア 1969年

 

 フィアット アバルト 2000は1969年のブリュッセル モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。アバルトのレースカー(2000SP)をベースにしてピニンファリーナがデザインしたスポーツカーのランニング プロトタイプで、ルーフまで連なった大きなリアカウルが特徴でした。このカウルはキャビン横のエアインテークを形成しています。この車のエンジンは後車軸の上に縦置き配置されていてラジエータ等の冷却系もリアにありますので、エアインテークはエンジン冷却用です。

 

 通常のドアはなく、ウインドとルーフがキャノピーのように前方をヒンジにして開くのでそこから乗り降りします。当時のピニンファリーナのデザインに共通する低いノーズの先端には6灯のライトを一体化したライトユニットがあります。名前のスコルピオーネとはサソリの意で、サソリはアバルトのシンボルです。(リアカウルにそのサソリのロゴが表示されています) この車のフロントノーズ左右のインテークはサソリの前足の爪、リアの上方に突き出た排気管はサソリの尻尾をイメージしたものだそうです。そのつもりでこの車を見るとなにやらそんな風に見えてきます。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)は昔のメーカーながらスケールモデル的なリアルな造形が特徴で、このアバルト 2000も特徴的なリアカウルの黒いルーバーパネルやサソリのロゴなどかなりリアルな造形でとても良い出来ばえです。リアカウルが開閉するギミック付きで、カウル下にはエンジンが再現されてます。ただリアカウルの建付けが悪くルーフとスムーズにつながっていないのがやや残念なところです。これ以外の当時物ミニカーとしては同じ型を使ったディンキー(英)、ポリトーイ、ガマ、マルシンのミニスターシリーズ、中嶋製作所 DREAMCARシリーズなどがありました。当時物以外の量産ミニカーは2022年現在でもないようです。 以下はフロント/リアの拡外画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 1
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA SCORPIONE 2

 以下は1971年に発売されたポリトーイ製の当時物 フィアット アバルト 2000 ピニンファリーナ (1/43 型番M12)の画像です。これもプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されています。(ウィンドーのAピラーが目立つのはやや雰囲気を壊していますが) これはポリトーイの廉価版ミニカーの初期物ですので、部品点数を減らしテールライトの塗装処理などを省略するなどコストダウンがされています。廉価版ながらキャノピーとリアカウルの開閉ギミック付きで、室内の造形は簡単ですがリアカウル下のエンジンが結構リアルに造形されているのはポリトーイらしいところです。なお当時流行りであったフリーホイールが使われています。フリーホイールはスムーズに回転するよう車軸に細いピアノ線などを使いタイヤは硬質プラスチック製です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 3
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。リアカウル前端はルーフとうまくつながっています。ただリアカウルのウィンドー部分はディンキー(仏)製より簡単な造形です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 5
FIAT ABARTH 2000 PININFARINA 6

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