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スマート シティ クーペ (W450) ドイツ 1998年
「スウォッチ」ブランドの腕時計を製造するスイスのスウォッチ グループは幅広い事業分野を持つ複合企業で、簡便な超小型車を開発し販売することを企画しました。当初はフォルクスワーゲンとの提携を考えていましたが、競合する小型車を持つフォルクスワーゲンとの提携はかなわず、小型車を持たないダイムラー ベンツとの合弁にてMCC(Micro Car Corporation)社が設立されました。
MCC社は1998年に2人乗り超小型車 スマート シティ クーペを発売しました。この車の特徴は2階建て構造のフレームで、床下にエンジンや変速機などが収められ、その上に客室が載っていました。これは1997年に登場したメルセデス ベンツ Aクラスと同じ構造で、小型車の衝突安全性を高めることができました。なおスマートは「トリディオン セーフティ セル」と称する鋼鉄製の頑丈な枠(側面画像の黒い部分)で室内が囲まれていることでも安全性を確保していました。
ただしこの構造は必然的に車高が高くなり、重心位置が上がりました。これは横転しやすいことになり、スマートもAクラスも発売当初はこのことが問題となりました。車体と操縦性制御システムを改良してこの問題は解決されましたが、多大なコストが掛りました。スマートは期待したほど売れず事業は赤字で、スウォッチは2000年に事業から撤退し、MMCはダイムラー クライスラー(ベンツ)の100%子会社となりました。スマートは2002年のマイナーチェンジでライトの形状が変更され、エンジンが698ccに拡大されました。2004年に4人乗りのフォーフォー(FORFOUR)が登場した際に、シティ クーペは名前がフォーツー(FORTWO)に変わりました。
ミニカーはヘルパ製で1998年に発売された当時物です。現在のヘルパは1/87のプラスチック製ミニカーが主流ですが、1990年代には1/43のダイキャスト製ミニカーも手がけていました。このスマートもその1台で、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていてかなり良い出来ばえでした。小さいながら内装もそこそこ良く再現されていました。カラーバリエーションが多く、たぶん実車の販促用ノベルティとしても使われたようです。これ以外のスマート 初代のミニカーはミニチャンプスやブッシュ(BUSCH 1/87)などがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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BMW 325i (E46) ドイツ 1998年
BMW 3シリーズの4代目(E46)が1998年に登場しました。先代のスタイルを引き継ぎ、全体的に丸みを帯びたデザインとなっていました。当初はセダンのみで、エンジンは新開発のバランスシャフト付4気筒1.9L(318i)、6気筒2L/2.3L/2.8Lでした。1999年にクーペとツーリング(ワゴン)が、2000年にカブリオレが追加されました。(クーペはモデル名にCが追加されるようになった)
2000年に6気筒エンジンが新型になり、2002年のマイナーチェンジでセダンとツーリングが、2003年のマイナーチェンジでクーペとカブリオレがフロント/バンパーなどの意匠が変更されました。2000年にE46ベースのM3(クーペ/カブリオレ)が登場し、非常に高性能なDOHC 6気筒3.2L(343HP)エンジンを搭載していました。レース車のストリート仕様(DOHC V型8気筒4Lエンジン)M3 GTRも2001年に限定生産されました。E46ベースのコンパクト(モデル名 Ti)は2001年に設定されました。エンジンは4気筒1.8L/2L(318ti)、6気筒2.5Lでした。E46は多くのバリエーション展開がなされ、2006年まで生産されました。2005年に3シリーズの5代目(E90)にモデルチェンジしました。(実車画像→ BMW 3シリーズ (E90))
ミニカーは1998年頃に発売されたシュコー製の当時物です。これはBMW特注品として販売されたもので、フロントグリルの造形などレベルの高い出来ばえで、とても良く出来ています。(特注品でないカタログモデルもあります) この頃のシュコーはドア開閉などのギミックがなくなりつつありましたが、この325i(E46)にはまだボンネット開閉のギミックが付いています。エンジンルームにはBMWのロゴが付いたエンジンがリアルに再現されています。シュコーはカブリオレもモデル化しています。これ以外の3シリーズ(E46)のミニカーはミニチャンプスがセダン以外の全モデル(ツーリング/クーペ/カブリオレ/コンパクト/M3 クーペ/M3 カブリオレ/M3 GTR)、ヘルパのセダン/ツーリング/カブリオレ/コンパクト、京商のコンパクト/カブリオレ/GTR、スパーク(レジン製)のセダンなどたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォルクスワーゲン ルポ ドイツ 1998年
1998年にフォルクスワーゲン ポロより小さな車として、ルポが登場しました。ボディは3ドアハッチバックのみで、デザイン的にはポロの小型版で丸型ヘッドライトの愛嬌のある顔つきでした。当初のエンジンは4気筒1L/1.4L(DOHC版もある)と4気筒1.2L/1.4Lターボディーゼル/1.7Lディーゼルがありました。特に1.2Lターボディーゼルを積む3L TDIはボディ軽量化、低転がり抵抗タイヤ、アイドリングストップシステムなどの低燃費設計がなされていて、3Lカー(100kmを3Lで走る低燃費車)を達成していました。また小型車ながらヨーロッパ自動車衝突安全性テストで4星を得るなど安全性も優れていました。
ルポにもゴルフ同様の高性能版GTIが2000年に設定されました。DOHC 4気筒1.6L(125HP)エンジンを搭載し、専用ヘッドライトやアロイホイールなどで外観も差別化され、6段変速で最高速205km/hの性能でした。GTIをベースにしたワンメイクレース「ルポ GTI カップ」も開催されました。2004年に後継車のフォックスが登場し、ルポは一代限りで2006年に生産中止となりました。総生産台数は約49万台でした。 (実車画像→ フォルクスワーゲン フォックス)
ミニカーは2002年頃に発売されたミニチャンプス製です。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。内装などの細部もリアルに再現されています。ミニチャンプスの1/43サイズのミニカーはこの頃が最盛期で、当時のミニカーのほとんどはそつのない良い出来ばえで、コスト/パフォーマンス的に最良のものだったと言えます。(2023年現在でも細部の仕上げは最高だったといえます) しかし最近のミニチャンプスは平凡な乗用車は全くモデル化しなくなりましたし、高価な新製品のミニカーはとても買う気がしません。これ以外のルポのミニカーはシュコーの1/24、AWMの1/87、スパーク(レジン製)のGTIやレース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アウディ TT ドイツ 1998年
1998年に2ドア クーペのアウディ TTが登場しました。TTとはツーリスト トロフィーの略で、イギリスのマン島で開催されたレースに因んだ名前でした。1995年のフランクフルトショーに出展されたアメリカ人デザイナーによるショーカーを市販化した物で、半円をモチーフにした独創的なデザインでした。デザインを重視していた為後席は狭く2+2的なシートでした。シャーシはアウディ A3がベースで、DOHC 4気筒1.8Lターボ (180-225HP)エンジンを横置き搭載する前輪駆動車です。クワトロシステムによるフルタイム4WD仕様も設定されました。
初期型はボディ形状のせいで高速域でのリフトが問題となり、対策として小さなリアスポイラーの追加やサスペンションの変更が行なわれました。2000年にこれらの対策を盛り込んだマイナーチェンジが行われ、フロントグリルなどが小変更され、電動ソフトトップを備えたロードスターが追加されました。2003年には6気筒3.2L(250HP) VR6エンジンが追加されました。2005年に240HPにパワーアップし軽量化したクワトロ スポーツ(クラブ スポーツ)が限定生産されました。またドイツのチューナー ABT(アプト)が開発したレースカー ABT アウディ TT-RがDTMで活躍しました。2006年に2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ アウディ TT 2007)
ミニカーは1999年頃に発売されたミニチャンプスの当時物です。リアスポイラーのない初期型をモデル化しています。ミニチャンプスらしいうまい造形で独創的なボディが良く再現されていました。灯火類や室内などの細部もリアルな仕上げで良く出来ていました。ミニチャンプスはリアスポイラー付のクーペ、ロードスター、ABT TT-Rなど20数種類をモデル化しています。ミニチャンプス以外ではシュコーがクーペ、ロードスター、ABT TT-Rを20数種類ほど、リーツェの1/87、ホンウェルの1/72などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ポルシェ 911 (996) カレラ 4 ドイツ 1998年
ポルシェ 911の5代目 996が1997年に登場しました。最大の変更点は従来の空冷エンジンが水冷化されたことで、これは北米市場の排ガス規制に対応したものでした。さらにエンジンはDOHC化(可変吸気バルブのヴァリオカム付)されたことで完全な新設計となりました。ボディは大きくなり、前述したボクスターに採用された涙目型ヘッドライトとフロントバンパーが流用され、フロントウィンドーが従来より寝かされたことで空力的に改良されました。ボディの拡大で室内は広くなり、メーターパネルもボクスターの物が流用されたようです。
先代の993と同様に2WDのカレラ2とフルタイム4WDのカレラ4、ガラス製サンルーフのタルガが設定されました。1999年にフルオープンのカブリオレが追加され、これには安全対策として転倒時にロールーバーが飛び出す機構が付いていました。1999年にレース仕様のGT3、2000年にフルタイム4WDのターボが追加され、これらの高性能版は排気量が3.6Lに拡大されました。ターボでは評判の良くなかった涙目型ヘッドライトの形状が変更されました。2002年のマイナーチェンジで後期型となり、ターボと同じヘッドライトが全車に適用されました。
ミニカーは2000年に発売されたビテス製の当時物です。ビテスが経営破綻する直前の一番出来が良かったころのミニカーで、ポルシェ 996 前期型の1/43量産ミニカーとしては現時点(2023年)でもかなり良く出来ていると思います。評判の悪かったヘッドライト形状や綺麗に塗り分けられた室内のインパネなどの細部もリアルに再現されています。(ただAピラーが太目なのだけはいまいちですが) ビテスはバリエーションでターボ、GT3もモデル化していました。ビテス以外の996のミニカーはカレラ2/4、タルガ、カブリオレ、GT2/GT3とそのレース仕様も含めて約500台とたくさんあります。主なブランドはミニチャンプス、オートアートの1/18、ブラーゴ、シュコー、ヘルパの1/87、オニキスとスパーク(レジン製)のレース仕様などです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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