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スズキ セルボ 日本 1982年
1970年にスズキ フロンテは3代目にモデルチェンジしました。(実車画像→スズキ フロンテ 1970) 先代の曲面を多用したデザインから直線的な2ボックスのデザインとなりました。エンジンは先代と同じ空冷2サイクル3気筒356㏄(31-36HP)で、1971年に水冷エンジンが追加されました。1971年にフロントをベースにした2シーターのスポーツカー フロンテ クーペが登場しました。(実車画像→スズキ フロンテ クーペ 1971)
フロンテ クーペの最大の特徴はそのデザインで、低い車高に低いノーズ、それに合わせた角形ヘッドライト、深く傾斜したフロントウィンドー/ファーストバックのスタイルは軽自動車ながらかっこよくセンスの良いデザインでした。これはイタル デザインのG.ジウジアーロが提案したワンボックス車のプロトタイプをベースにして、スズキのデザイナーがアレンジしたそうです。(実車画像→ ワンボックス プロトタイプ) 外観だけではなく室内もバケット式のシート、6連の丸形メーターが並ぶインパネ、温度計付きのオーバーヘッドコンソールとスポーツカーそのものでした。リアに搭載されたエンジンは2ストローク3気筒356㏄(37HP)で、最高速は130㎞/hを超えたそうで結構早かったようです。1972年に4人乗りの2+2が設定され2+2に人気が集まったので2シーターは廃止されました。1976年に排ガス規制が強化され軽自動車の排気量が550㏄に変更されたので、フロンテ クーペは生産中止となりました。
1977年に軽自動車規格変更に対応した後継車のセルボが登場しました。ボディはひとまわり大きくなりましたが、基本的なデザインは踏襲されました。室内が広くなりリアシートが大きくなってリアウィンドーがハッチバック化されました。外観としてはヘッドライトが丸形に変更され、バンパーが大型化されました。エンジンは539㏄に拡大されましたが、排ガス対策で28HPとパワーダウンしました。先代はコアなスポーツカー志向でしたが、セルボは女性ユーザーをターゲットにしたおしゃれなクーペに路線変更しました。ただ内装は先代同様と中途半端で、当時の軽自動車の売れ筋はスズキ アルトに代表される軽ボンネットバンだったので、セルボはあまり売れませんでした。1982年にセルボ 2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→スズキ セルボ 1982年)
ミニカーは2010年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製でメーカーはノレブです。セルボ 初代の1982年式をモデル化しています。個人的にはセルボではなくフロンテ クーペをモデル化してほしかったのですが、このセルボでも実車のかっこいいデザインがうまく再現されています。またリアのスリットに墨入れ処理(タンポ印刷)がされているなど細部も丁寧な仕上げがされていて雑誌付きミニカーとしては非常に良い出来ばえです。フロンテ クーペのミニカーはダイヤペットの1/30、京商のポリストーン製 1/43、コナミの1/64がありました。セルボ 初代のミニカーは国産名車コレクション 1/24で2018年にモデル化されましたが、それ以外は2019年現在でもありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スズキ マイティボーイ 日本 1985年
スズキの軽トラック マイティボーイが1983年に登場しました。フロンテ クーペの後継車であったセルボ 2代目をベースにして後部に荷台を取り付けたピックアップトラックでした。(実車画像→ スズキ セルボ 1982) 商用トラックですが、アメリカのピックアップトラック(参照→フォード F-150)のような使い方をするスポーティな遊び車といったコンセプトの車でした。したがってセルボをベースにしたボディはスポーティなデザインではありました。室内は広くリクライニング可能なシートなどで、2人乗りとしての居住性は優れていました。ただしその分だけ荷台が小さいのでトラックとしての実用性はあまりありませんでした。
エンジンはセルボと同じ3気筒543㏄(28HP)で、後部が荷台になっていたので軽量で、そこそこスポーティに走ったようです。上級車には、前輪ディスクブレーキ、5段変速機、タコメータが装備されていました。1985年のマイナーチェンジで、ヘッドライトがセルボと同じ角形になりました。価格は45万円とアルト並みに安かったのですが、この車のコンセプトは理解されず売れなかったようです。「マー坊」という愛称があり独特のスタイルは一部の愛好家に人気がありました。1988年に後継車なしで生産中止となりました。
ミニカーは2011年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製で、メーカーはイクソです。マイナーチェンジ後の1985年式をモデル化しています。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。灯火類やルーフラック、室内などの細部も良く仕上げてあり雑誌付きミニカーとしては良い出来ばえに仕上がっています。この型を流用したほぼ同じ物がFIRST43でも発売されました。これ以外のマイティボーイのミニカーでは初期型をアオシマ DISMがレジン製でモデル化しています。なおベースとなったセルボ 2代目はトミカがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スズキ アルト スライドスリム 日本 1988年
スズキ アルト 2代目が1984年に登場しました。初代同様に低価格でしたが、外観は初代に比べるとスタイリッシュになりました。3気筒550㏄エンジンを搭載する前輪駆動/4WD車でした。1985年に軽初の電子制御燃料噴射式インタークーラーターボエンジン搭載のアルト ターボが追加されました。同年に軽商用車初の5ドアが追加されました。1986年のマイナーチェンジでフロントの意匠が変更され、DOHC 3気筒エンジンが追加されました。1987年に車高の高いウォークスルーバンが追加され、DOHC 3気筒ターボ(64HP)エンジンを搭載する高性能版のアルトワークス (初代)が登場しました。(実車画像→ スズキ アルト 1984)
1988年にスズキ アルト 3代目が登場しました。3ドア/5ドアハッチバックのボディは先代よりも丸みのついたデザインとなり、回転ドライバーズシートと左右スライドドアを採用したスライドスリムが設定されました。高性能版のワークスは丸形2灯ヘッドライトとエアロパーツで差別化されたデザインとなりました。1989年の税制変更で物品税が廃止されたことで商用バン(4ナンバー)の税制上のメリットがなくなり、商用バンだったアルトに乗用車仕様(5ナンバー)が設定され、乗用車仕様だったフロンテはアルトに統合されて生産中止となりました。
1990年のマイナーチェンジで軽自動車規格変更に対応して、前後バンパーが大型化して全長が長くなりエンジンが660㏄に変更されました。ワークスは商用バンから乗用車に変更され、スライドスリムは右ドアのみスライドドアに変更されました。1991年に荷室のハイルーフ化で荷室容量を拡大したハッスルが追加されました。1992年4WDのラリー仕様車 ワークス Rが追加されました。またこの世代からマツダのキャロル 2代目にプラットフォームを供給するようになりました。1994年にアルト 4代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ スズキ アルト 1994)
ミニカーは1990年に発売されたダイヤペット製の当時物です。両側スライドドアのスライドスリムをモデル化しています。この当時のダイヤペットの軽自動車のミニカーは1/35でモデル化されていました。これは軽自動車の場合ダイヤペット標準の1/40でモデル化すると、サイズが小さくなって商品として見劣りするからだと思われます。また通常の3/5ドアではなくスライドスリムをモデル化したのは、目新しいスライドドア開閉のギミックを付けることが目的だったと思われます。この当時のミニカーとしてはリアルな造形で、実車がうまく再現され良く出来ています。ボンネット/スライドドア/テールゲート開閉ギミック付きで、スライドドア開閉ギミックの動きはスムーズです。(このミニカーは出来が良いので、実車の販促品として使われていたかもしれません) なおフロントのナンバープレートは当サイトのナンバープレート作成ページで自作しした物です。(フロントのナンバープレートに封印はなく、さらに軽自動車には封印がありませんので、このナンバープレートは2重に間違っていますが無視してください) アルト 3代目のミニカーはこれしかないようです。なお高性能で人気があったアルト ワークスは初代をハイストーリー(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲート開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スズキ カプチーノ 日本 1991年
1991年に軽の本格派スポーツカー スズキ カプチーノが登場しました。小さいながらもロングノーズ/ショートデッキの古典的なオープン 2シータースポーツカーのスタイルでした。ルーフは取り外し可能で、フルオープンやタルガトップにもなりました。ボディだけではなく仕様も本格派でした。DOHC 3気筒657ccターボ(64HP)エンジンをフロントミドシップ搭載する後輪駆動車で、サスペンションは軽自動車初の4輪ダブルウィッシュボーン、4輪ディスクブレーキ、オプションでABSやトルセン式リミテッドスリップデフも装着できるなど、とても軽自動車のスペックとは思えませんでした。
さらに車体軽量化の為、ボディ各部にアルミニウム材を使用し、14インチアルミホイールを装備していました。ただ居住性については見れば想像がつくと思いますので、敢えて書くこともないでしょう。(狭いです) 肝心のスポーツカーとしての性能ですが、ホイールベースが短い後輪駆動車ということで、初心者向けではないですが楽しい操縦性だったようです。1995年のマイナーチェンジでアルト ワークス用のオールアルミ製エンジンに換装され、3段自動変速機が追加されました。バブルの賜物で楽しい車でしたが、バブル崩壊と軽自動車規格変更の為、1998年に一代限りで生産中止となりました。総生産台数は約26000台でした。
ミニカーは2006年に発売されたエブロ製です。軽自動車なので小さいミニカーですが、エブロらしいリアルな造形で細かいところまで再現されとても良い出来ばえです。特筆すべきは実車同様に動作する屋根を開くギミックで、リアウインドーが回転してリアシート背後に収納されるギミック動作は秀逸です。屋根を開くと見える室内も良く再現されています。これ以外のカプチーノのミニカーは京商のJ-コレクション、ホットワークス(HOTWORKS)、アシェット 国産名車コレクションの1/43と1/24、ファースト43(国産名車コレクションの型を流用)、スパーク(レジン製)、BM CREATIONSの1/64などでモデル化されていて人気があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スズキ エスクード ハードトップ 日本 1992年
1988年に小型SUV車のスズキ エスクード 初代が登場しました。ラダーフレームのシャーシに副変速機付パートタイム式4WDを採用する本格的な4輪駆動車ながら、乗用車的内装を持ち街乗り用途にも使えるといったSUV車の先駆けとなった車でした。後に同じようなコンセプトのトヨタ RAV4やホンダ CR-Vが登場しました。当初は3ドアのハードトップとコンバーチブルのボディ構成で、1990年にホイールベースを伸ばした5ドアワゴンのエスクード ノマドが追加されました。(ノマドという名前は1996年に外れ、単に5ドアとなりました)
当初のエンジンは4気筒1.6L(82HP)でしたが、1994年のマイナーチェンジでスズキ初のDOHC V型6気筒2Lエンジンと4気筒2Lディーゼルターボエンジン(マツダ製)が追加され、スズキの国内最上級車となりました。1995年にカプチーノのSUV仕様的な派生車 X-90が登場しました。(北米輸出がメインだったようです 実車画像→スズキ X-90 1995) 1996年に4気筒2LエンジンとV型6気筒2.5Lエンジンが追加され、2.5Lエンジン搭載車はスズキ初の3ナンバー車となりました。国内ではマツダにプロシード レバンテとしてOEM供給され、北米ではサイドキック(SIDEKICK)や提携していたGMのジオ トラッカー(GEO TRACKER)として、欧州ではビターラ(VITARA)/グランド ビターラ(GRAND VITARA)の名前で販売され、世界的に高く評価されました。1997年に2代目、2005年に3代目、2015年に4代目とモデルチェンジしています。(実車画像→スズキ エスクード 2000)
ミニカーは2013年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製で、メーカーはイクソです。ブリスターフェンダーを持つ角ばったボディやフロント周りの造形がうまく再現されています。灯火類や室内などの細部もリアルに再現されていて、この名車コレクション シリーズのなかでもかなり良い出来ばえとなっています。イクソはこれの型を流用してプレミアムX ブランドでハードトップとコンバーチブルを数種類ほど発売しています。エスクード 初代のミニカーはイタリアのBブラーゴの当時物のビターラ、ハイストーリー(レジン製)、ネオ(レジン製)のビターラ カブリオレ、DORLOPのビターラ 1/18などがあります。(海外での評価が高いのを反映してます) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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