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フォード H シリーズ カートランスポーター (キャリモア) アメリカ 1961年
フォード UKの商用トラックの概要についてD800 トラックの欄に記載しました。フォード USAの商用トラックについて概要を説明します。1930年代までは乗用車のT型/A型/V8型をベースにしたピックアップやバンがほとんどでした。1940年代になると中型商用トラックのFシリーズが登場します。Fシリーズはピックアップ、パネルバン、トラック、バス用シャーシなど様々な用途で幅広く使われています。なおアメリカではピックアップは乗用車と同じような感覚で使われますので、ピックアップは純粋の商用車ではありません。
Fシリーズの大型モデルは1960年代にボンネット式大型トラックのNシリーズに変わり、1970年代にはLシリーズに発展しました。Lシリーズは1990年代にLTL-9000やAEROMAXに発展しました。COEと呼ばれるキャブオーバー式大型トラックのCシリーズが1957年に登場しました。Cシリーズには背の高いキャブを特徴とするHシリーズが追加され、Hシリーズにはフォード トラック初のディーゼルエンジン仕様も設定されました。HシリーズはWシリーズ、CLシリーズ、1990年代のCARGOに発展していきました。フォードは1996年にこれらの大型トラックの製造権をフレイトライナー社に売却し、大型トラック市場から撤退しました。
データーベースでフォード Fシリーズ トラックのミニカー検索
データーベースでフォード Cシリーズ トラックのミニカー検索
ミニカーはコーギー製の当時物で、Hシリーズのカートランスポーター仕様ををモデル化しています。トラクターキャブは当時としては非常にリアルな造形で、ドアミラーや屋根上のホーンなどの細部も良く再現してあり非常に良い出来ばえです。カートランスポーターは「CORGI CARS」ロゴのついたパネルやリアのランプ台などはコーギーの創作のようですが、当時のキャリモア社のMK IIIという実在するカートランスポーターをモデル化しているようです。カートランスポーターのミニカーはたくさんありますが、ビンテージ ミニカーのなかではこのコーギー製が一番優れていると思います。何故かというとカートランスポーターに車を積載するギミック動作がいかにもそれらしくて楽しいからです。
最近のEXOTOの1/43モデル(例:バルトレッティ トランスポーター)などはもっと精密にできていますが、EXOTO製では壊れることが心配で気軽に楽しむ気持ちにはなれません。以下このミニカーのギミックを簡易動画で紹介します。個人的に好きなミニカーなのでいつもより手が込んだ動画になってしまい、ファイル容量が大きいので少し動作が遅いです。(画像のマウスオーバーやタップで動画がスタートします) まずはキャブ単体とカートランスポーターです。キャブ上半分をチルトさせて開くと、そこそこリアルに再現されたエンジンが見えます。カートランスポーターの車両を載せる台の赤い車止めは位置をスライドさせて変えることができます。
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フォード H シリーズ レッカー車 ホルムズ アメリカ 1961年
レッカー車とは自走できなくなった車の前輪又は後輪を吊り上げ、牽引するための装置を備えた特種車両です。英語ではTOW TRUCK 、WRECKER、RECOVERY VEHICLEと呼びます。レッカー車には色々なタイプがありますが、現在のレッカー車の元祖はアメリカ人のアーネスト ホルムズが1913年に考案しました。
ホルムズの考案の基本はレッカー車に2本のブーム(クレーンの腕)を備えることでした。片方のクレーンのフックを安定した物に接続してレッカー車を固定すれば、レッカー車が傾くことなく安定した状態で、もう片方のクレーンで車が回収できるというものです。(以下はこのミニカーの箱絵で、ここに描かれているような作業です) ホルムズは特許取得後にレッカー車関係の設備を販売するアーネスト ホルムズ社を設立しています。
ミニカーはコーギー製で、1967年に発売されました。フォードのHシリーズ キャブオーバー式トラックのホルムズ レッカー車仕様のモデル化で、作業員のフィギュアが2体付いています。(Hシリーズなどのフォード USAのトラックについてはHシリーズ カートランスポーターの欄を参照されたし) このレッカー車の実車をWEB検索してみましたが、それらしい物が見当たらないので、このレッカー車はたぶんコーギーの創作で実車は存在しないと思われます。
ただしブームを2本使うホルムズのレッカー車はたくさん実物が見つかるので、このレッカー車部分は創作ではありません。2本のブームは自由に動き、ウインチは実際に巻き取ることができます。ウインチの巻き取りはレッカーの側面にあるタイヤ(巻き取りホイール)を回すことで行うのですが、単純な巻き取りではなく非常に凝った構造になっています。
巻き取りホイールには簡単なラチェット機構が付いていてカチカチとした操作感があり、ワイヤー側から引っ張っても簡単には緩みません。また巻取り部の上部にある赤いライトはウインチの左右連動と左右独立を切り替えるレバーになっています。なおブームなどの金属パーツは現状では錆びたくすんだ色をしていますが、新品の時は金メッキで輝いていたはずです。(50年も前のことなので覚えていませんが)
以下はトラック キャブのチルト動作と、クレーン操作部分の拡大画像です。キャブはドアミラーや屋根上のホーンなどの細部が良く再現してあり、非常に良い出来ばえです。上半分をチルトさせて開くと、そこそこリアルに再現されたエンジンが見えます。クレーン操作部の赤いライトは巻き取り動作の切り替えレバーで、中央位置にすると左右のウインチが連動します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
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フォード サンダーバード スポーツ ロードスター アメリカ 1962年
サンダーバード 3代目が1961年に登場しました。デザインは未来の車をイメージしたというスタイリング 実験車レバーカーのイメージを取り込んだ流線型の極めて斬新なものでした。シンプルで独創的なフロントは今見ても魅力的ですし、ジェット機の排気口をイメージした丸型のリアライトはかっこいいです。300HPのハイパワー車でしたが、柔らかいサスペンションを持つ極めてアメリカ的な高級車でした。ハードトップとコンバーチブルの設定があり年間7万台以上も販売されるほど大ヒットし、フォード車のイメージアップに大きく貢献しました。
サンダーバードはT-BIRDと呼ばれ、当時の若者にも人気があったようです。1960年代のビーチ ボーイズの流行歌「FUN FUN FUN」には父親のT-BIRDでドライブする娘の話が出てきます。1962年にはコンバーチブルのリアシートをFRP製のカバーで覆って2シータに見せかけた、スポーツ ロードスターが登場しました。またハードトップにビニールレザーを張りランドージョイント(開閉金具)を付けて幌風に見せかけたランドー仕様がハードトップに次ぐ人気となり、以後のサンダーバードにも継承されました。
ミニカーはフランクリン ミント製の1/43で、1991年に発売されました。これは「1960年代のクラシックカー」という1960年代の名車12台を1/43でモデル化したシリーズの1台です。このシリーズは1台9500円と高価でしたが、ドアやボンネットが可動し、エンジンやシャーシのメカ部分が再現された当時最も精密な1/43のミニカーでした。(「1950年代のクラシックカー」シリーズもありました) このサンダーバードはヘッドライトが透明プラでないところなどがややレトロな作風ですが、かなり良く出来ています。 以下はフロント/リアの拡大画像とエンジン部/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マーキュリー モントレー マローダー アメリカ 1964年
1960年代前半のマーキュリーのフルサイズカーにはモントレー、モンテクレア、パークレーン、S-55がありました。S-55のSはSPECIALの意味でこの車は1962年から1963年と1966年から1967年の各2年間だけ生産された特別仕様の高性能車で、1957年のターンパイククルーザーの後継車でもありました。標準でV型8気筒6.4L/6.7L(385-405HP)エンジン、オプションのレース仕様ではV型8気筒7L(425HP)エンジンを搭載していました。S55とは別にモントレーの2ドアハードトップクーペに高性能エンジンを搭載したスポーツ パッケージとしてモントレー マローダーが1963年に設定され、1964年には4ドアハードトップにも設定されました。
1963年式のモントレーのセダンは逆傾斜したリアウィンドーが特徴だったのですが、マローダーはNASCAR(アメリカで人気のあるストックカーレース)へ参戦することを目的としていたので、空力特性を良くする為余計な飾りがないシンプルなハードトップクーペでした。(実車画像→ マーキュリー モントレー セダン 1963) エンジンはS-55と同じ高性能エンジンを搭載していました。レース仕様がNASCARで活躍したことで、マローダーはマッスルカーとして人気がありました。 1969年にマローダ 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーはヤトミン製で2007年頃に発売されました。1950-1970年代のアメリカ車をモデル化したシリーズの1台でした。このシリーズは定価1400円ほどの安価なミニカーでしたのであまり細かいところまでは仕上げられていませんが、実車の雰囲気は良く再現されていました。このモントレー マローダーもフロント/リアの造形がそこそこリアルで、シンプルで伸びやかなスタイルのマローダーがうまく再現されています。昔のアメリカのフルサイズカーはサイズが大きいのですが、特にリアは今ではとても考えられないほど長いです。現代的な観点では無駄の塊のようなデザインなのですが、無駄があるからこそ成立するこの車のようなデザインも捨てがたいです。これ以外のモントレー マローダーのミニカーは同じヤトミンの1/18、アーテルの1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード マスタング I コンバーチブル アメリカ 1964年
1964年に登場したフォード マスタングは大規模な市場調査結果から企画された小型スポーティカーでした。既存のコンパクトカー ファルコン(初代 1963年型)をベースにしており、その外観をスポーティに変えたものでした。(実車画像→ フォード ファルコン 1963) マスタングは2ドア車だけでしたが、2年間で100万台も売れるほどの大成功を収めました。低価格ながら個性的なデザインが、財布の軽い若者と大きな車が苦手な女性に支持されたのが大ヒットの要因でした。
また単なる低価格車ではなく各種の内外装オプション設定でカスタマイズができ、エンジンも6気筒2.8L(101HP)/3.3L(120HP)から高性能なV型8気筒4.3L(164HP)/4.7L(200-270HP)までありました。このフルチョイス システムと呼ばれる豊富なオプション設定もマスタングが成功した要因でした。ボディバリエーションとしては、ハードトップとコンバーチブル、1965年に追加されたファーストバックがありました。1967年にボディが大型化され前後の意匠が変更されました。1969年にもボディが大型化されフロントの意匠が大きく変更され、ファーストバックに高性能版のマッハ Iが追加されました。
ミニカーはミニチャンプス製で、2003年頃に発売されたフォード100周年記念モデル 12台セットのひとつでした。フォードの特注品だったこともあり、このマスタング コンバーチブルは1/43ではベストのミニカーといえるほど非常に素晴らしい出来ばえです。プロポーションが抜群で実車のイメージが見事に再現され、細部の仕上げも1/43量産ミニカーでは限界と思われるところまでリアルに仕上げてあります。2005年には色違いが単体でも発売されました。初代マスタングのミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではテクノ、コーギー、ディンキーなどがあり、当時物以外ではフランクリン ミント、ダンバリー ミント、マッチボックス、ミニチャンプス、シュコー、グリーンライト、M2マシーン、ジョニーライトニングなどがあります。その一部ですが、当サイトのマスタングのページでまとめて紹介しています。 以下はミニチャンプスのコンバーチブルのフロント/リアの拡大画像と前フェンダー/室内の画像です。前フェンダー、ステアリングホイールのセンターに再現されたマスタングのロゴは拡大画像でないと良く見えませんが実に見事です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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