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ボルボ 66 DL スウェーデン 1975年
オランダのDAF社のDAF 30シリーズの上級車として850cc(34HP)エンジンを搭載したDAF 44が1966年に登場し、さらに1968年にルノー製の4気筒1.1L(46HP)エンジンを搭載したDAF 55が追加されました。1972年にDAF 55はフロントのデザインを変更しサスペンションを改良したDAF 66にモデルチェンジしました。ボディ形式は2ドアセダン/クーペと3ドアエステートがありました。同社の独自技術である無段変速機バリオマチックも改良され、最高速は135km/hの性能でした。エンジンを52HPにパワーアップした高性能版マラソン、さらに排気量を1.3L(57HP)に拡大した1300 マラソンがありました。
1975年にDAFは大型トラック製造に専念することとなり、乗用車部門をボルボに売却しました。それに伴いDAF 66はボルボ 66に名前が変わりました。ボルボ 66は衝撃吸収バンパーやドアのサイドインパクトビーム追加などボルボ流の安全対策が施されました。バリオマチックにも変速機をロックする駐車用のPレンジが追加されました。2ドアクーペは廃止されスタンダードはDL、高性能版(マラソン)はGLとなりました。1976年に後継車のボルボ 300シリーズが登場した後も、ボルボ 66は1980年まで生産されました。(ボルボ 66の総生産台数は約10万台でした) (実車画像→ ボルボ 340 1976)
ミニカーは1977年に発売されたオートピレン製の当時物です。この当時スペインのオートピレンはディンキー(仏)のミニカーを製造していて、それはスペイン ディンキーとして知られています。オートピレンの初期物は他社のコピーでしたが、ディンキーの技術を学んだことで1970年代後半にはレベルの高いミニカーを作るようになりました。このDAF 66も1970年代後半に作られたもので、ディンキー(仏)的な正確なプロポーションの造形で、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。フロントグリルのボルボのロゴ、樹脂製衝撃吸収バンパーなどの細部も良く再現してあります。またこの当時のミニカーは安っぽいプラスチック製ホイールがほとんどでしたが、オートピレンは質感の高い金属製ホイールを使っていてその点も高く評価できます。さらにソリド流のスプリングを使った隙間が目立たないドア開閉ギミックも高評価です。これ以外のボルボ 66のミニカーはイクソ(ホワイトボックスとプレミアムX)とブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ 760 GLE スウェーデン 1982年
1982年にボルボ 200シリーズの後継車として700シリーズが登場しました。ボルボ 760は260から引継いだPRV V型6気筒2.8L(155HP)エンジンを搭載し、4段自動変速で最高速190km/hの性能でした。ボディは260同様に角張っていましたが、キャビン形状などがスタイリッシュになっていました。2/4ドアセダン、5ドアエステートワゴンが設定され、4気筒2.3Lターボ(182HP)や6気筒2.4Lディーゼル(109HP)エンジンが追加され、1990年まで生産されました。
1984年には760と同じボディに4気筒2.3L(117HP)エンジンを搭載し、装備を簡素化した740が登場しました。こちらは4段自動変速/5段変速で最高速180km/hの性能でした。2Lターボ(158HP)や6気筒2.4Lディーゼル(109HP)エンジンなどが追加され、1992年まで生産されました。先代の200シリーズのクーペ 262Cはアメリカ市場で人気があり、760にも同じベルトーネ製の2ドアクーペ 780が1985年に追加されました。780はセンスの良いデザインのクーペボディに、ウッドパネルと革張りの豪華な内装を持つボルボの最上級パーソナルカーで、V型6気筒2.8L(170HP)エンジンを搭載し4段自動変速で最高速200km/hの性能でした。
1970年代にボルボは生産工場の作業環境改善の為、ベルトコンベアーによる流れ作業の生産方式を廃止し、行程毎に数人の作業チームが担当する生産方式を採用しました。作業環境は改善されましたが、生産コストが上昇しボルボは高級車に移行せざるを得ませんでした。安全性と信頼性を売り物にした戦略は成功し、ボルボは高級車ブランドとなりました。そのボルボも世界的な自動車会社再編で1999年に乗用車部門がフォードに売却されました。以後ボルボはフォードの1ブランドとなり、2010年以降は中国の自動車メーカの傘下となっています。
ミニカーは1990年頃に発売されたポリスティル製の当時物です。当時のポリスティルはアメリカの玩具メーカー TONKAに買収されブランド名がTONKA/POLISTILとなっていました。縮尺が1/40なので1/43より少しサイズが大きく出来ていて、プロポーションが良く特徴的なキャビン形状も良く再現されています。これでフロントグリルをもう少しリアルに仕上げてあれば、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえだったのですが。。。ドア開閉ギミック付きです。ポリスティルは760ワゴンと780クーペもモデル化していますので、それらはボルボのプロモーション用ミニカーとしても使われたと思われます。ポリスティルは同時期に1/25サイズでも760セダンと760ワゴンをモデル化していました。それ以外のボルボ 700シリーズのミニカーはミニチャンプスのセダン/ワゴン、オックスフォードのセダン 1/76、ネオ(レジン製)のクーペ、イクソ プレミアムXのセダン/クーペなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ 9000 CC スウェーデン 1985年
1985年にサーブ 900の上級車9000が登場しました。この車はサーブがイタリアのフィアットの「TIPO 4プロジェクト」に参加して共同開発したモデルでした。このプロジェクトでは、フィアット クロマ、アルファ ロメオ 164、ランチア テーマが姉妹車として開発されました。このなかでサーブだけがハッチバック スタイルで、900のスタイルを継承していました。全長は900より短いのですが、ホイールベースが長いので室内は900より広く9000はサーブの最上級車という格付けでした。
1987年にはノーズが少しスラントした4ドアセダンの9000 CDが追加されました。1990年にはハッチバックもCDと同じスラントノーズに変わりました。1991年にハッチバックはノーズを低くして横長のヘッドライトを採用した9000 CSに変わりました。(なお初期型の5ドアリフトバックは区別する為にCCと呼ぶことになりました) 1994年にはセダンのCDもCSと同じ低いノーズのデザインに変わりました。9000は1998年までに約50万台が生産されました。(実車画像→ サーブ 9000 CS 1991)
1997年に9000の後継車9-5が登場しました。GM傘下で開発された9-5はGM系列のオペルのプラットフォームを流用しており、4ドアセダンとエステート(ワゴン)の2タイプで、エンジンは4気筒2L/2.3LターボとV型6気筒3Lなどでした。(実車画像→ サーブ 9-5 1997) 2002年と2006年のマイナーチェンジでフロントやリアのデザインが変更され2010年まで生産され、9-5 2代目にモデルチェンジしました。9-5 2代目はボディが大型化され、4ドアセダンと5ドアワゴンの2タイプでした。9-5 2代目は2012年に生産中止となりました。(実車画像→ サーブ 9-5 2010)
ミニカーは1987年に発売されたコーギー製の当時物です。ヨーロッパの不況のせいで1980年代のミニカーは部品点数を減らしてコストダウンした安価で粗悪な物がほとんどでした。このコーギーの9000もその代表的なもので、プロポーションは悪くないですが雑な作りと子供だましのデカールであまりよろしくない出来ばえです。(室内も妙な形状のステアリングホイール?がついてます) ただサーブ 9000のミニカーは最近までこれしかなかったということで、その点では貴重なミニカーかもしれません。9000のミニカーとしては2010年頃にNEO(レジン製)がモデル化しています。また北欧で販売されているミニカー付雑誌「SAAB COLLECTION」で9000 CDと9000 CSがモデル化されているようです。(メーカーはイクソだと思われます) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ 480 ターボ スウェーデン 1988年
1975年にオランダのDAFは乗用車部門をボルボに売却し、ボルボは小型車DAF 66をボルボ ブランドで販売しました。DAFが66の後継車として開発していた77は、1976年にボルボ 300シリーズとして登場しました。最初に登場した343はルノー製の4気筒1.4L/1.7Lエンジンを搭載した3ドアハッチバックで、変速機を後輪部分に取り付けたトランスアクスル構造でした。当初はDAF独自の無段変速機でしたが、1979年からボルボの変速機が追加されました。1980年に5ドアの345を追加し、1983年に名前を340に統一しました。1983年にボルボ製4気筒2Lエンジンを搭載する360が追加され、1984年に4ドアノッチバックセダンが追加されました。後継車の400シリーズ登場後も1991年まで生産されました。(実車画像→ ボルボ 340 1976)
1986年にボルボ初の前輪駆動車480が登場しました。リトラクタブルヘッドライトを採用した、スポーティな3ドアハッチバックで、当初のエンジンはルノー製の4気筒1.7L(109HP)で、1988年に追加されたターボ仕様(120HP)は最高速195km/hでロータスが設計したサスペンションで操縦性も優れていました。1987年に300シリーズの後継者として400シリーズが登場しました。先に登場した480をベースにしていて、440は5ドアハッチバック、460は4ドアノッチバックセダンで、エンジンは4気筒1.7L/1.8L/2Lなどがありました。DAFの無段変速機もありましたが、ほとんどは通常の5段変速/4段自動変速機になりました。400シリーズはボルボらしい高い安全性を備えた高品質な中型車でした。1995年に後継車のS40/V40シリーズが登場し、1996年に生産中止となりました。(実車画像→ ボルボ 440 1987)
ミニカーは1989年に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンの初期物は他社のコピーでしたが、ディンキー(仏)の製造を行うなどして技術を学んだことで1980年代にはレベルの高いミニカーを作るようになりました。1980年代後半にオートピレンはオランダのAHC(DOORKEY)に買収されAHCのミニカーを製造するようになり、一部はオートピレン ブランドでも販売されました。AHCは1990年代初頭に破産しオートピレンも同時に消えました。このボルボ 480はAHCの設計でオートピレンが製造したようです。プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。リトラクタブルヘッドライトとドアが開閉するギミック付きです。なお同じ物がAHC(DOORKEY)ブランドでも発売され、AHC(DOORKEY)ブランドではカブリオレ仕様がモデル化されていました。これ以外のボルボ 400シリーズのミニカーはミニチャンプスの480、イクソ系列のプレミアムXとトリプル9の480と480カブリオレ、AHCの440と460などがあります。 以下はフロント(ヘッドライト開閉)/リアの拡大画像と室内の画像です。なおリトラクタブルヘッドライトはボンネット部分を上から押さえると、前車軸がヘッドライトを押し上げる構造となっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ 240 GL ワゴン スウェーデン 1993年
1974年にボルボ 140/160シリーズの後継として240/260シリーズが登場しました。基本設計は前シリーズを踏襲していますが、1972年に発表した安全実験車「VESC」に使われた安全対策(衝撃吸収ゾーン拡大など)を採用していました。(実車画像→ ボルボ 安全実験車 VESC) 当初の240シリーズは4気筒2L(82HP)/2.1L(97HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速160km/h(2.1L)の性能でした。260シリーズはプジョー/ルノー/ボルボが共同開発したPRV V型6気筒2.7L(148HP)エンジンを搭載し、5段変速で最高速185km/hの性能でした。どちらも2/4ドアセダン、5ドアエステートワゴン(ブレーク)がありました。
240には1981年にターボ仕様の240ターボが追加され、この車はツーリングカーレースで活躍しています。260シリーズにはリムジンタイプの264TEやベルトーネ製クーペの262Cも追加されました。260シリーズは1982年まで、240シリーズは燃料噴射式2Lエンジンなどが追加されて1993年まで生産されました。240/260シリーズあたりで「エステートのボルボ」という評価が確立しました。なおボルボの車名は最後の文字がドア数を示していましたが、1980年以降は0に統一されました。またDLがスタンダードの意で、デラックスはGLでした。(実車画像→ ボルボ 262C 1978)
ミニカーは国産名車コレクション(イクソ製)で、2017年に発売されました。240 エステートワゴンの最終モデルである1993年式をモデル化しています。イクソはプレミアムXブランドで240 エステートワゴンを発売していますが、これはその型を流用しています。コストダウンで内装などの仕上げを簡略化してありますが、それ以外はプレミアムXと同じです。「煉瓦」と呼ばれた角張った独得のボディが良く再現されていて、フロントグリルや灯火類などの細部がリアルで、上々の出来ばえです。以下はフロント/リアの拡大画像と室内の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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