ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FACEL VEGA FV 1955 FRANCE

FACEL VEGA FV
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FACEL VEGA FV


IXO CLC091 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.57m 全幅約1.76m エンジン 変速機: V型8気筒 4.5L 180HP 4段変速
性能: 最高速186km/h  データーベースでファセル ヴェガのミニカー検索

ファセル ヴェガ FV フランス 1955年

 

 ファセル社は第2次大戦前の1939年に実業家ジャン ダニノによって家具や工作機械のメーカーとして設立され、戦後は自動車 メーカーからの委託でボディ製造を行っていました。特にパナール向けのアルミボディ製造はファセルの収入源でしたが、パナールがボディを内製化したので、ファセルは1954年からその製造設備で自社ブランドの高級車ファセル ヴェガの製造を始めました。ファセル ヴェガの主たる市場は北米で、戦前の超高級車ブガッティやドラージュの伝統を背景にした華麗なデザインのボディに、当時最強であったクライスラーのV型8気筒(4.5L 180HP)エンジンを搭載していました。

 

 元々家具メーカーだったので、内装などの仕上げは高級で、高性能エンジン搭載で動力性能も高かったようです。ただ操縦性やブレーキ性能に関してはあまり期待できなかったようです。1954年に最初に作られたFVは、全長が4.6mほどの大型の2ドアクーペでした。当時の高級スポーツカー メルセデス ベンツ 300SLあたりを彷彿させるデザインになっていましたが、クロームモールの使い方などがフランス風の感じになっていました。1958年にはエクセレンスと称する4ドア仕様が追加されました。FVは1959年にV型8気筒5.8L(335HP)エンジンを搭載したファセル ヴェガ HK500に発展し、1962年にはV型8気筒6.3L(355HP)エンジンを搭載したファセル ヴェガ ファセル II (ヴェガ II)に発展しました。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたイクソ製です。このミニカーは元々はフランスのミニカー付雑誌「Nos cheres voitures d'antan」(英訳:Our dear Cars of Yesteryear)シリーズのNo.16として作られたようで、これはそれをイクソのカタログ仕様としたものです。元の雑誌付きミニカーよりフロントグリルや灯火類の仕上げレベルが上げられていて、高級な雰囲気がするカラーリングも綺麗で、かなり良い出来ばえとなっています。ファセル ヴェガ FVの量産ミニカーはこれが初めてだと思います。これ以外のFVのミニカーはネオ(レジン製少量生産)があります。HK500のミニカーはイクソ系のノスタルジーとホワイトボックス、サンスターの1/18など、エクセレンスはイクソ、ヴェガ IIはノレブがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FACEL VEGA FV 1
FACEL VEGA FV 2

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RENAULT DAUPHINE 1956 FRANCE

RENAULT DAUPHINE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT DAUPHINE


DELPRADO 47 1/43 92mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 845cc 32HP 3段変速
性能: 最高速115km/h  データーベースでルノー ドーフィンのミニカー検索

ルノー ドーフィン フランス 1956年

 

 ルノー 4CVの上級車として1956年にドーフィンが登場しました。エンジンをリアに搭載する基本的な構造は4CVを踏襲し、サイズを大型化して装備を充実させていました。ボディは4ドアセダンのみで、デザインは上級車のフレガートをイメージさせるシンプルでオーソドックスな3ボックススタイルで、リアエンジン車なのでフロントにトランクがありました。4CVより大きな4気筒845cc(32HP)エンジンを搭載し、最高速も115km/hに向上しました。

 

 1961年に4段変速を採用した豪華仕様のオンディーヌ(ONDINE)が登場し、1962年まで販売されました。1964年にゴルディーニ社がエンジンを37HPにチューンし、4段変速と4輪ディスクブレーキを採用した高性能版のゴルディーニが登場しました。さらに高性能なレース用のホモロゲーションモデルのゴルディーニ 1093も限定生産されました。ドーフィンは大人しい外観でしたが、1958年のモンテ カルロ ラリーで優勝するなど高性能なツーリングカーでもありました。ドーフィンは国内で大ヒットし、世界各地に輸出(ライセンス生産)されました。アメリカではフォルクスワーゲン ビートルに次ぐ輸入車となりました。1967年まで生産され、総生産台数は200万台を超えました。 後継車は1962年に登場したルノー 8でした。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズです。メーカーは不明ですがイクソが似たようなものを作っているのでイクソ系のメーカーだと思います。ドアミラーが付いていてリアエンジン車の特徴であるリアの放熱グリルが良くわかる(ややオーバーですが)造形となっているなど、発売された当時の雑誌付きミニカーとしては上々の出来ばえでした。ドーフィンの当時物ミニカーはCIJ、ノレブのプラスチック製、ディンキーなどがありました。当時物以外ではソリド、イクソ、ノスタルジーのオンディーヌ、最近のノレブの1/18と1/43などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT DAUPHINE 1
RENAULT DAUPHINE 2

 以下は1998年頃に発売されたソリド製のドーフィン 1961 (1/43 型版4542)の画像です。サンルーフが開いた仕様をモデル化しています。ソリドの型番45**シリーズは廉価なミニカーですので細部のつくりは簡素ですが、プロポーションなどの基本的なところはしっかり作ってあります。ソリドはレース仕様もモデル化していて、同じ型を使った別ブランドのべレムでもポリス仕様などをモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT DAUPHINE 3
RENAULT DAUPHINE 4

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PEUGEOT 403 1956 FRANCE

PEUGEOT 403
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 403


IXO CLC107 1/43 104mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.47m 全幅約1.66m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 57HP 4段変速
性能: 最高速135km/h  データーベースでプジョー 403のミニカー検索

プジョー 403 フランス 1956年

 

 プジョー 203の後継車403が1955年に登場しました。基本的な構成は203と同じでしたが、フェンダーを一体化したフラッシュサーフェースの近代的なモノコックボディで一回り大きくなりました。プジョーらしいオーソドックスなデザインはピニンファリーナによるもので、同時期のフィアット 1200あたりに雰囲気が似ていました。4ドアセダン、5ドアワゴン、2ドアクーペ/カブリオレ、2ドアピックアップ、3ドア商用バンがありました。

 

 4気筒1.5L(57HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速度135km/hの性能でした。1958年には電磁式自動クラッチを採用した変速機が追加され、翌年には当時としては珍しい1.8L(48HP)のディーゼルエンジンが搭載されました。1960年に後継車の404が登場しその時点でクーペ/カブリオレは生産中止となりましたが、セダン系は404の廉価版として1966年まで生産されました。403の総生産台数は約100万台で、この車も203同様に良く売れたようです。

 

 

 1970年代に人気があったTVドラマ「刑事コロンボ」で、主人公コロンボの愛車として403 カブリオレが使われました。1950年代のフラン車ということで一般にはほとんど知られていなかった403は、このTVドラマで広く知られることになりました。劇中車は1959年式という設定で、そのポンコツ具合がいい味をだしていました。

 ミニカーは2007年に発売されたイクソ製です。ヘッドライトの下のウインカーがない初期型をモデル化しています。実車の雰囲気がうまく再現されていて、フロントグリルのプジョーのロゴ、ボンネットの先端のマスコット、室内などの細かいところまで良くできています。 当時物ミニカーとしてはディンキー、ソリドのカブリオレ、CIJ、キラルなどがありましたが、いずれもかなり古いビンテージ物です。当時物以外ではソリドとそれをベースにした別ブランドのべレム、エリゴール、ノレブの最近の物、ビテス、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

PEUGEOT 403 1
PEUGEOT 403 2

 以下は1992年頃に発売されたべレム製のプジョー 403 カブリオレ (1/43 型番V313)の画像です。ソリド初期の型番108の型を流用して再生産されたものです。たぶん上述したTVドラマ「刑事コロンボ」のヒットに乗じてモデル化したものと思われます。オリジナルは1950年代に作られた物なので素朴な作りですが、バンパー、フロントグリル、ホイールをプラスチック製メッキパーツに変更しています。したがってややレトロな作風ですが、まずまずの出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 403 CABRIOLET 1
PEUGEOT 403 CABRIOLET 2

 以下は上記のべレム製 カブリオレのフロント/リアの拡大画像と、2002年頃に発売されたLEADER(エリゴール製)の403 カブリオレ 刑事コロンボ仕様(1/43 型番140093)の画像です。LEADERの刑事コロンボ仕様はレジン製で、コロンボの飼い犬(名前はドッグ)が乗っていて、愛用のよれよれのレインコートがドアに掛けられています。劇中車は汚れたポンコツ車なので塗装がきれいな点が似てませんが、おもしろいミニカーです。なおこの画像はエリゴールのミニカーをまとめているWEBサイトGenie Miniatureから借用しました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
PEUGEOT 403 CABRIOLET 3
PEUGEOT 403 CABRIOLET 4

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TALBOT LAGO T14 LS 4.5L 1956 FRANCE

TALBOT LAGO T14 LS 4.5L
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TALBOT LAGO T14 LS 4.5L


IXO ALTAYA Nos ch?res voitures d'antan 55 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.2m 全幅約1.64m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 4.5L 150HP 4段変速
性能: 最高速200km/h (2.5Lエンジン)  データーベースでタルボ ラーゴのミニカー検索

タルボ ラーゴ T14 LS 4.5L フランス 1956年

 

 前述したようにタルボは元々イギリスとフランスに工場があった大衆車メーカーでした。1919年にタルボはサンビーム、ダラックと合併しSTD(サンビーム-タルボ-ダラック)グループを形成し自動車生産を行いました。STDグループは財政難から1935年にイギリスのルーツグループに吸収されて消滅しました。STDグループのフランス工場はアンソニー ラーゴが買い取りタルボ車の販売を続け、第2次大戦後はタルボ ラーゴという名前になり高級スポーツカーを1960年まで生産していました。

 

 第2次大戦後の1946年に新開発のDOHC 6気筒4.5L(170HP)エンジンを搭載した大型車T26 レコードが登場し、翌年にはボディを小型化した高性能版T26 グラン スポール(GS)が登場しました。これらは戦前のドラージュのようなコーチビルダーがボディを架装する高級車でした。T26のレース仕様車T26Cは1949年ベルギーGP 優勝、1950年ルマン 優勝などで活躍し、タルボ ラーゴの名声を高めました。1955年に新開発のDOHC 4気筒2.5L(120HP)エンジンを搭載した2シータークーペ T14 LSが登場しましたが、この車はほとんど売れずタルボ ラーゴの最後のモデルとなりました。タルボ ラーゴ ブランドは1959年にシムカに売却されました。

 

 

 ミニカーはフランスのミニカー付雑誌「Nos cheres voitures d'antan」(英訳:Our dear Cars of Yesteryear)シリーズのNo.55でメーカーはイクソです。これはオークションで入手したものですが、ほとんど同じものがイクソの別ブランドのノスタルジーの型番NO053とホワイトボックスの型番WB086で発売されてます。ミニカーの名前に4.5Lが付いているので、T26用の4.5Lエンジンを搭載したT14 LSをモデル化しています。ミニカーの出来ばえは雑誌付きミニカーの標準的なレベルです。フランス車らしい鮮やかなブルーのボディに黄色いライトで、実車の雰囲気が良く再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TALBOT LAGO T14 LS 4.5L 1
TALBOT LAGO T14 LS 4.5L 2

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ALPINE RENAULT A106 MILLE MIGLIA 1956 FRANCE

ALPINE RENAULT A106 MILLE MIGLIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A106 MILLE MIGLIA


CIJ 3/50 1/43 81mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.7m 全幅約1.45m エンジン 変速機: 4気筒 747cc 43HP 5段変速
性能: 最高速153km/h  データーベースでアルピーヌ ルノー A106のミニカー検索

アルピーヌ ルノー A106 ミッレ ミリア フランス 1956年

 

 フランスのレーシングドライバーでルノーのディーラーを経営していたジャン レデールは、ルノー 4CVをチューンした改造車でラリーなどで活躍しルマンにまで出場しました。彼は1955年にアルプス山脈にちなんだ名前のアルピーヌ社を創設し、アルピーヌのプロトタイプは1955年のミッレ ミリアで750ccクラス優勝を果たしました。翌年にルノー 4CVにFRP製のボディを搭載した軽量スポーツカー A106 ミッレ ミリアが市販されました。

 

 A106には1958年にアルピーヌ自社デザインのカブリオレが追加され、1960年にはカブリオレに屋根を付けたクーペも追加されました。1959年にはルノー ドーフィン用のエンジンを904ccに拡大し60HPにパワーアップし、最高速度170km/hという極めて高性能なA108が追加されました。アルピーヌはエンジン チューナーであるゴルディーニと提携することで、より強力なエンジンを使えるようになりました。1973年にアルピーヌはルノー傘下の会社となりました。

 

 

 ミニカーは1950-1960年代に発売されたフランス CIJ製の当時物です。50年も前に作られた古いミニカーですので、室内は何もないがらんどうです。これは後期型ですので窓ガラスが付いていますが、前期型は窓ガラスもありませんでした。そんな素朴な作りですが、実車の雰囲気は十分感じられるミニカーになっています。CIJのミニカーは当時のミニカーの中ではかなり出来の良い部類でした。これ以外のA106のミニカーはべレム(ソリド)、ノレブ、ノスタルジー、エリゴールなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALPINE RENAULT A106 MILLE MIGLIA 1
ALPINE RENAULT A106 MILLE MIGLIA 2

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