ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

LANCIA FERRARI D50 1955 ITALY

LANCIA FERRARI D50
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LANCIA FERRARI D50


BRUMM R076 1/43 91㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.85m 全幅約1.45m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2.5L 285HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでランチア フェラーリ D50のミニカー検索

ランチア フェラーリ D50 イタリア 1955年

 

 ランチアはF1に進出することを計画し、1954年にD50が登場します。開発はアルファ ロメオでP2/P3を設計し、1937年にランチアに移籍したヴィットリオ ヤーノが担当、彼らしい先進的な設計を行っています。ドライブシャフトがドライバーの左側を通るように、エンジン(DOHC V型8気筒2.5L)を斜めに配置することで、ボディ全高を下げて空気抵抗を下げています。またエンジンをシャーシと一体化しボディ剛性を上げています。燃料タンクはボディ左右に張り出したポンツーン内に収め、このポンツーンは空力的な効果もありました。そんな訳でD50は当時のF1としてはユニークなスタイルをしています。

 

 D50のデビュー戦は1954年スペインGPで、メルセデス ベンツ W196が勝利したレースでしたが、A.アスカリのドライブでポールポジションと最速ラップタイムを記録しD50は能力の高さを示しました。1955年モンツァ サーキットのテスト中にA.アスカリが事故死しました。エースドライバーを失ったことと資金難からランチアはF1を撤退することになりました。D50についてランチア、フィアット、フェラーリで交渉が行われ、D50がフェラーリに移譲され、フィアットがフェラーリに資金援助することとなりました。そんな訳でD50は フェラーリ (ランチア) D50となり、V.ヤーノら技術陣はフェラーリに移籍しました。

 

 

 ミニカーはブルム製で、1982年頃発売されました。1956年のイギリスGP 優勝車(ドライバー J.M.ファンジオ)をモデル化しています。1956年式ですからフェラーリに移譲された後のランチア D50です。サイドポンツーンを持つユニークなスタイルが良く再現されています。ブルムのD50にはノーズの形状が異なる2タイプがあり、バリエーションが数種類あります。(画像はノーズコーン的なものが付いたノーズがやや長いタイプです) これ以外ではマーキュリーの当時物、マテル、イクソなどがあり、移譲される前の1955年式D50 モナコGP仕様をノレブがモデル化しています。  以下はフロント/リアの拡大画像とコクピット/俯瞰の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LANCIA FERRARI D50 1
LANCIA FERRARI D50 2

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HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 1955 UK

HEINKEL TROJAN BUBBLECAR
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HEINKEL TROJAN BUBBLECAR


CORGI 233 1/40 65㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.55m 全幅約1.37m エンジン 変速機: 空冷単気筒 204cc 10HP 4段変速
性能: 最高速90km/h  データーベースでハインケルのミニカー検索

ハインケル トロージャン バブルカー イギリス 1955年

 

 1920年代にオートバイ用の単気筒や2気筒エンジン、タイヤ、ホイールを流用した簡素な4輪車/3輪車が作られました。(代表的な車種はモーガンなど) これらはサイクルカーと呼ばれ、そのほとんどは第2次大戦後には消滅しました。ただイギリスにおいては大戦後も3輪車に対する免許制度や税制上の優遇が残されていたので、3輪車に対する需要が残りました。

 

 ドイツの航空機メーカーであったハインケル社は、戦後民生用のスクータを生産するようになり、その発展型として3輪車も作っていました。この3輪車はBMWのイセッタを露骨に真似た車で、BMW社から訴訟を起こされてドイツ国内では販売できなくなりました。困ったハインケル社が目をつけたのが、イギリス市場でした。ただロンドンを攻撃した戦闘機でもあったハインケルの名前をそのまま使うわけにもいかず、トロージャン バブルカーという名前で売り出したようです。4サイクル空冷単気筒204cc(10HP)エンジンをリアに搭載し、最高速90km/hほどの性能でした。(後輪はイセッタのようなダブルタイヤではないので普通の3輪車です) 約2万台程が生産されました。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1962年に発売されました。ビンテージ物のミニカーなので素朴な作りですが、実車の雰囲気をうまく再現した良い出来ばえです。ミニカーになっているくらいなので、実車にはある程度の人気があったのでしょう。BMW イセッタと非常に良く似ていますが、ヘッドライトの取付やリアのエンジンカバー部分の形状が少し違っています。なおミニカーの底板にはTROJANではなくHEINKELと書かれていますので、正体はばれていたようです。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 1
HEINKEL TROJAN BUBBLECAR 2

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BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 1955 UK

BENTLEY R TYPE CONTINENTAL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL


DINKY (MATCHBOX) DY13 1/43 126mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.25m 全幅約1.82m エンジン 変速機: 6気筒 4.6L 150HP 4段変速/(4段自動変速)
性能: 最高速182km/h  データーベースでベントレー R タイプのミニカー検索

ベントレー R タイプ コンチネンタル イギリス 1955年

 

 1952年にロールス ロイス シルバー ドーンがマイナーチェンジしました。兄弟車であったベントレー MK VIもマイナーチェンジとなりましたが、こちらはベントレー Rタイプ(又はMK VI Rタイプ)と名前を変えました。エンジンが4.3Lから4.6L(132HP)に拡大されシャーシも改良されました。標準スチール製ボディは全長が少し長くなり、トランクが大きくなりました。

 

 R タイプにはベントレーのスポーティさを追求したコンチネンタルというモデルが追加され、H.J.マリナー製の華麗なファーストバック クーペ ボディが架装されました。エンジンは圧縮比を高めて150HPにチューンされており、重量も10%程軽量化されていました。その結果最高速は180km/hを越え「サイレント スポーツカー」と称されたコンチネンタルは戦後ベントレーの傑作車として知られています。コンチネンタルにはH.J.マリナー製クーペ以外にもパークウォードなどがボディを架装していました。1955年にロールス ロイス シルバー ドーンがシルバー クラウドにモデルチェンジした際に、ベントレー R タイプはS タイプにモデルチェンジしました。R タイプの総生産台数は約2300台(コンチネンタルは約200台)でした。

 

 

 ミニカーはマッチボックスがディンキー ブランドで1993年頃に発売したものです。コレクター向けのミニカーで、灯火類の表現などが往年のディンキー風のややレトロな作風になっていましたが、当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。特にコンチネンタルの古典的で伸びやかなファーストバックスタイルがうまく再現され魅力的なミニカーに仕上がっています。これ以外のR タイプのミニカーは、ミニチャンプスの1/43と1/18のコンチネンタル、ウエスタン モデル(ホワイトメタル製)のセダンとコンチネンタル、スパーク(レジン製)のセダンなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 1
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 2

 以下は2004年頃に発売されたミニチャンプス製のベントレー コンチネンタル 1954 (1/43 型番436139420)の画像です。ミニチャンプスらしいそつのない上手い造形で、実車の雰囲気がうまく再現されています。さらに灯火類や室内などの細部もリアルに再現されていて素晴らしい出来ばえです。特に室内のインパネのメーターとステアリングホイールは良く再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 1
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 2

 以下はフロント(エンブレム/マスコット拡大)/リアの拡大画像です。フロントグリル上のエンブレムとマスコットも良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 1
BENTLEY R TYPE CONTINENTAL 2

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JAGUAR D TYPE 1955 UK

JAGUAR D TYPE
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JAGUAR D TYPE


VITESSE VML010 1/43 96㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m (ロングノーズ)/3.91m 全幅約1.66m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 3.4L 270HP 4段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでジャガー D タイプのミニカー検索

ジャガー D タイプ イギリス 1955年

 

 ルマンで優勝したジャガー C タイプの後継車としてジャガー D タイプが1954年に登場しました。C タイプをベースにしており、ロングノーズとショートノーズの2タイプがありました。ボディはC タイプより空力的に優れていて、コクピット後方につけられた垂直フィンが特徴で これには直進安定性の効果がありました。(フィンが付いてない仕様もありました) ボディは総アルミ製で、6気筒3.4Lエンジンは250HPまでパワーアップされ、4輪ディスクブレーキを装備していました。

 

 1954年ルマンでは、フェラーリ 375に僅差で優勝をさらわれ2位でした。1955年ルマンにはロングノーズのボディで参戦しました。このルマンでは、メルセデス ベンツ 300SLRがルマン歴史上最悪の事故を起こしました。その事故のきっかけとなったのはD タイプだったのですが、D タイプは事故を免れて最終的に優勝しました。なおメルセデス ベンツはこの事故を契機にして1988年のルマンまでレース活動を自粛することになりました。1956年と1957年のルマンでもD タイプが優勝し、3年連続優勝の快挙を成し遂げました。1956年にD タイプを公道走行仕様としたXKSSがごく少数生産されました。1957年に生産工場が焼失したことで、D タイプは生産中止となりました。

 

 

 ミニカーは2001年頃に発売されたビテス製のミレニアム コレクションという西暦2000を祝う企画物の一つでした。1955年ルマン優勝車(ドライバー M.ホーソン)をモデル化しています。付属品として車に飛び乗ろうとしているドライバーとコクピット背後の給油口にジョーゴで給油するメカニックのフィギュアが付いていました。D タイプもフィギュアもかなり良い出来なので、ちょっとしたミニジオラマ仕立ての楽しいミニカーとなっていました。D タイプの当時物ミニカーはソリド、ディンキー、マッチボックスなどがあり、当時物以外ではブルム、カルツォ、イクソ、オックスフォード、スパーク(レジン製)などたくさんあります。またXKSSのミニカーもスポットオンのレアな当時物やオートアートなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

JAGUAR D TYPE 1
JAGUAR D TYPE 2

 以下は燃料給油口の画像と、給油作業をするメカニックとコクピットに乗り込もうとするドライバーのフィギュアを配した画像です。燃料給油口は開いた状態でモデル化されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 3

 以下は1987年に発売されたブルム製のジャガー D タイプ ルマン仕様 (1/43 型番R147)の画像です。上記と同じ1955年 ルマン 優勝車をモデル化しています。1980年代のミニカーとしては良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 5
JAGUAR D TYPE 5

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 7
JAGUAR D TYPE 8

 以下は1984年に発売されたブルム製のジャガー D タイプ プロトタイプ (1/43 型番R129)の画像です。これは上記のバリエーションでプロトタイプをモデル化しています。プロトタイプなのでコクピット背後の垂直フィンがありません。画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 9
JAGUAR D TYPE 10

 以下は1957年に発売されたソリド製の当時物 ジャガー D タイプ (1/43 型番100)の画像です。1950年代に製作されたソリド初期の100番シリーズの最初の1台でした。D タイプ ショートノーズをモデル化していて、素朴な作りですが、1950年代当時としてはかなり良い出来ばえでした。当時のレーシングカーのミニカーはドライバーが付いているものが多く、これもドライバーが付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 11
JAGUAR D TYPE 12

   以下はフロント/リアの拡大画像です。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR D TYPE 13
JAGUAR D TYPE 14

 
データーベースでジャガー XKSSのミニカー検索

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JAGUAR 2.4 SALOON (MK I) 1955 UK

JAGUAR 2.4 SALOON (MK I)
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JAGUAR 2.4 SALOON (MK I)


ELIGOR 1127 1/43 106mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.6m 全幅約1.7m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 2.5L 112HP 4段変速
性能: 最高速166km/h  データーベースでジャガー MKのミニカー検索

ジャガー 2.4 サルーン (MK I) イギリス 1955年

 

 ジャガーは新しい顧客を開拓する為に、1955年に小型セダンの2.4 サルーンをラインアップに加えました。ジャガーとして初のモノコックボディを採用した車で、デザインは上級車MK VIIに似た雰囲気で高級なイメージを出していました。エンジンはスポーツカーのXK120のDOHC 6気筒3.5Lをショートストローク化した2.5L(112HP)で、4段変速で最高速166km/hと高性能でした。

 

 1957年にはXK140と同じ3.4Lエンジン(210HP)を搭載した3.4 サルーンが追加され、最高速198km/hとさらに高性能になりました。またブレーキが4輪ディスクとなり、豪華な小型車ながら非常にスポーツ性が高く、ラリーなどでも活躍しました。2.4/3.4 サルーンは1959年にモデルチェンジして、MK IIという名前になったので、2.4/3.4 サルーンはMK Iと呼ばれることになりました。MK IとMK IIは良く似たデザインですが、MK Iは窓枠が太くMK IIではそれを改良して窓枠が細くなって窓面積が増えていましたので、MK IとMK IIは窓枠で区別することができます。

 

 

 ミニカーは1988年頃に発売されたエリゴール製のジャガー MK I (1/43 型番1127)の画像です。エリゴールの初期物はノレブのプラスチック製の型を流用した物が多いのですが、これもノレブの型番17(1957年発売)の型を流用していました。(ただしエリゴールはダイキャスト製です) プロポーションが良く、当時のミニカーとしては良く出来ていました。なおエリゴールは箱にこれを1960年式と表示してあり、底板にはMK Iと表示されています。1960年式であればMK IではなくMK IIではないかと思いますが、エリゴールの母国のフランスでは1960年式もMK Iだったのかも?しれません。フロント周りの造形はMK IIのようにも見えますが、底板にMK Iと銘記しているのでそれを尊重してMK Iであるとしました。これ以外のMK Iの当時物ミニカーはコーギー、ノレブ、スポットオン、マッチボックスなどがありました。最近の物ではネオ(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

JAGUAR 2.4 SALOON (MK I) 1
JAGUAR 2.4 SALOON (MK I) 2

 以下は1957年に発売されたコーギー初期の当時物のジャガー MK I (1/47 型番208)の画像です。60年以上も前に作られたミニカーですので、非常に素朴な作りです。プラスチック製のウインドスクリーンや室内を再現していることが、この当時のコーギーのミニカーの売りでした。(他社は何も無くてがらんどうの物が多かったのです) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR 2.4L (MK I) 3
JAGUAR 2.4L (MK I) 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR 2.4L (MK I) 5
JAGUAR 2.4L (MK I) 6

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