Sorry Japanese Only
フェラーリ 250 GTE 2+2 イタリア 1960年
フェラーリ 250シリーズのレーシングカーには250 テスタロッサ、250 GTO、250LMなどがあり、いずれも成功していました。250シリーズのGTカー(市販車)には、ホイールベースの異なるショートホイールベース(SWB 2400㎜)とロングホイールベース(LWB 2600㎜)がありました。最初のGTカーは1954年に登場した250 ヨーロッパ GTでした。LWB仕様でV型12気筒3L(220HP)エンジンを搭載し、4段変速、最高速218㎞/hの性能でした。受注生産で16台だけ生産されたとのことです。1956年からレースを主目的とする250 GTの生産が始まり、250 GT TDF、250 GT SWBなどが登場しました。(実車画像→ フェラーリ 250 ヨーロッパ GT)
1960年に登場した250 GTEは市販スポーツカーとして企画された車で、エンジン搭載位置を前進させてリアに2座のシートを設けたフェラーリ初の4シーター車(実際には2+2レベル)でした。GTEのEは1954年に発表された最初のヨーロッパ(EUROPE) GTの名前に因んだものでした。ボディはピニンファリーナがデザインした美しいクーペで、エンジンは250 GTOと同じでしたが、圧縮比を落として235馬力にデチューンしてありました。それでも最高速は230km/hと、当時最速の4シーター車でした。250 GTEは3年間で約1000台が生産され、商業的には大成功でした。250 GTEは1964年に330 GTにモデルチェンジしました。
250 GTE以外の市販スポーツカーとしては、1960年に250 GT SWBをベースにした250 GT スパイダー カリフォルニアが登場し、1962年に高級車として企画された250 GT ルッソ(GTL)が250シリーズ最後のモデルとして登場しました。(実車画像→ フェラーリ 250 GT ルッソ) 250 GT スパイダーは1964年に275 GTSに、250 GT ルッソは1966年に330 GTCにモデルチェンジしました。
ミニカーは1963年に発売されたディンキー(仏)製の当時物で、60年ほど昔のビンテージミニカーです。ディンキー(仏)はプロポーションのとらえ方が巧みで、この250もピニンファリーナによる優雅なボディをうまく再現しています。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きで、大雑把な造形ですがエンジンも再現されています。これ以外の250 GTEの当時物ミニカーとしては、ソリド(ベレムも同じ)とポリトーイのプラスチック製がありました。最近のものでは、バン、イクソなどがあります。 以下はフロントを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=731
マセラティ ティーポ 61 ’バードゲージ’ イタリア 1960年
1957年にマセラティは250FでF1 ワールドチャンピオンシップを獲得し、その後F1から撤退しましたが、レーシングカーの開発は続けていました。A6GCSの後継車として150S(DOHC 4気筒1.5L)/200S(DOHC 4気筒2L)が1955年に登場し、同じ頃に300S(6気筒3L)、350S(6気筒3.5L/V型12気筒4.5L)、450S(V型8気筒4.5L)と排気量の異なるレーシングカーが開発されており、各種レースで活躍していました。
1959年に4気筒2.9L(250HP)エンジンをフロントに搭載するレースカー ティーポ 61が登場しました。ティーポ 61は鋼管スペースフレーム構造で軽量化と高剛性を両立させた独特のボディ構造で有名で、この構造は鳥籠に似ていることからバードゲージと呼ばれました。ティーポ 61はデビューレースで優勝し、1960-1961年のニュルブルクリングで優勝し、1960年ルマンに出場(結果はリタイア)するなど活躍しました。ティーポ 61にはティーポ 60/63/64/65の派生車があり、60は4気筒2Lエンジンを搭載、63から65は4気筒やV型8/12気筒エンジンをミドシップ搭載していました。
ミニカーはミニチャンプス製で、2008年に発売されました。バハマのナッソーにあるサーキットで行われた1960年のナッソー トロフィの優勝車(ドライバー J.ホール)をモデル化しています。ミニチャンプスの絶頂期に作られたモデルなので、最大の特徴であるバードゲージ構造がかなりリアルに再現されています。また軽減孔の開いた構造材で組まれたコクピット、精緻なワイヤースポークホイールなど非常に気合いの入った素晴らしい出来ばえでした。ただし当時のミニチャンプスの平均的な価格の1.5倍(定価約6000円)と高価でした。ミニチャンプスは1/18も含めて数種類のバリエーションを出しています。これ以外のティーポ 61のミニカーはプロゲットKの1/43や鋼管スペースフレーム構造を完全に再現したCMCの1/18超精密モデルなどがあります。またマセラティ 150Sから450Sのミニカーはバン(BANG)やジョリー(JOLLY MODEL)などがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1723
オースチン FX4 タクシー イギリス 1960年
初代のロンドンタクシー オースチン FX3の後を引き継いだのがFX4で、1958年に登場しました。FX3同様のセパレートフレーム構造ながら、コーチビルダーのカーボディーズ社が担当したボディは近代的になりました。ドアが付いた運転席の左側は依然として荷物スペースでしたが、暖房や照明が付けられて室内の乗り心地は向上しました。初期のFX4DはBMC製の4気筒2.2L(54HP)ディーゼルエンジンを搭載し、3段オートマティックで最高速95km/hの性能でした。
1961年にオースチンの2.2Lガソリンエンジンとマニアル ミッションを搭載したFX4Gが追加されましたが、経済的なディーゼルエンジンのFX4Dが主流でした。オースチンはFX4のライセンスをカーボディーズ社に譲渡し、1982年からはカーボディーズ社のブランドで改良されたFX4Rに発展しました。FX4Rにはローバー製の2.2Lディーゼルエンジンが採用され、5段変速機やパワステなどの最新装備が搭載されていました。
その後カーボディーズ社はタクシー総合管理会社LTI(ロンドン タクシー インターナショナル)社の一員となり、LTIからは1985年にFX4S、FX4Qが登場しました。1989年には日産製の2.7L(86HP)ディーゼルエンジンを搭載しサスペンションを改良した最終型のフェアウェイが登場しました。フェアウェイは約55000台が生産され1997年に生産中止となり、後継車のTX1が登場しました。(実車画像→ LTI TX1) TX1は2002年にTX2に発展し2007年にはその後継車のTX4が登場しました。(有名なFX4の名前と合わせる為に、TX3は意図的に飛ばされたようです) (実車画像→ LTI TX4) 2018年には最新型のTX5が登場しました。
ミニカーは1960年に発売されたコーギー製の当時物ですが、画像のミニカーはそのビンテージ物ではなく、1971年に再生産された物なのでホイールがフリーホイール仕様になっていました。元々は1960年代に作られたミニカーでしたので素朴な出来ばえですが、1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。このレトロな感じがFX4の雰囲気に良く合っています。コーギーは最近でもイギリスを象徴する車としてFX4を1/36や1/32でモデル化していて、各種の記念品やセット物が非常にたくさんあります。約40年間も生産された有名なロンドンタクシー FX4のミニカーは新旧たくさんあります。コーギー以外ではディンキー、スポットオン、ポリトーイの1/25、ミニチャンプスの1/18、トミカ、イクソ、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=784
ジャガー MK II 3.8 イギリス 1960年
1959年にジャガー MK Iの改良版のMK IIが登場しました。ボディ全体のフォルムはほとんど同じでしたが、キャビン部分が設計変更されて窓枠部分が細くなりウインドー面積が広がり開放的で近代的なキャビンとなりました。フロントグリル形状とヘッドライトなど灯火類の配置も変更されました。また先代の6気筒2.5L/3.4Lエンジンに加えて、MK IXに搭載されていた6気筒3.8Lエンジン(220HP)が追加され、リアトレッドの拡大などで操縦安定性が改良されました。パワーステアリングや3速自動変速機の設定もありました。
1960年にジャガーは業績の悪化したディムラーを吸収合併しました。1962年にはMK IIのフロントグリルなどを変え内装を豪華にしたディムラー版の2.5 V8 サルーンが登場しました。ディムラー版はディムラー製のV型8気筒2.5L(140HP)エンジンを搭載し、自動変速機仕様のみで最高速183km/hの性能でした。1963年にはMK IIの発展型のS タイプが登場しました。(実車画像→ ジャガー S タイプ)
1960年代中頃になると売り上げが低迷したため、値段を下げるべく1967年にコストダウンを主体としたモデルチェンジが行われました。このモデルチェンジでMK IIは3.8Lエンジンが外されて名前が240/340に変わり、ディムラー版は250に変わり、1969年まで生産されました。1968年に実質的な後継車であるXJ6が登場しました。
ミニカーは1996年頃に発売されたビテス製です。3.8Lエンジン搭載のMK II 3.8をモデル化しています。プロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。またフロントグリル上のジャガーのマスコットや室内の木目パネルのインパネなど細かいところも良く再現されていて、かなり良い出来ばえでした。ビテスはバリエーションで3.4L仕様、ラリー仕様、ディムラー版の2.5 V8など20車種以上をモデル化していました。MK IIの当時物ミニカーはディンキー(英)、マッチボックスがありました。当時物以外では、コーギー、バンガーズ、マイスト、ミニチャンプス、オックスフォードの1/43と1/76、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=804
ランドローバー シリーズ II 88 イギリス 1960年
ランドローバーは、1958年にシリーズ IIに変わりました。基本的なデザインはシリーズ Iと変わりませんが、サイドパネル上端に丸みが付き特徴的な横一線のウエストラインを持つデザインとなりました。(このウエストラインは最新のディフェンダーまで継承されています) シリーズ IIでエンジンは4気筒2.3L(72HP)に変更されました。1961年にはディーゼルエンジンも4気筒2.3L(62HP)に変更されました。2.3Lガソリンエンジンはディーゼルエンジンが主流となった1980年代中頃まで使われました。
ショートホイールベース 88インチのステーションワゴン仕様は7人乗りで、前列が3人掛けのベンチシートで後は2人掛けシートが対面式に配置されていました。ロングホイールベース 109インチのステーションワゴン仕様は10人乗りで、前列と2列目が3人掛けのベンチシートで、その後ろに2人掛けシートが対面式に配置されていました。さらにオプションで3人掛けシートが対面式に配置された12人乗りもあったそうです。(参照サイト→ランドローバーの歴史) なおこの12人乗りは税制上バスとみなされて税金が安かったそうで、ディフェンダーにも2002年までバスの設定があったそうです。
ミニカーはビテス製で、1989年頃に購入しました。シリーズ IIで一番良く知られているホイールベース 88インチのハードトップ仕様をモデルしています。ビテス初期のモデルですが、フロントの造形など結構リアルで当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。画像では分かり難いですが、左ハンドルの輸出仕様で後席は対面シートになっています。ビテスにはバリエーションが約10種類ほどありました。シリーズ IIの当時物ミニカーとしてはスポットオン、コーギー、ディンキーなどで色々な仕様がありました。当時物以外ではバンガーズ、オックスフォード、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=814
ページ « 前へ 1...117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 ...371 次へ »
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.