ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

SAUBER MERCEDES C9/88 #63 LE MANS WINNER 1989 GERMANY

SAUBER MERCEDES C9/88 #63 LE MANS WINNER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
SAUBER MERCEDES C9/88 #63 LE MANS WINNER


LE MANS CAR COLLECTION (SPARK HACHETTE) No.23 1/43 111㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約1.98m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 ツインターボ 5L  720HP 5段変速
性能: 最高速400km/h  データーベースでザウバーのミニカー検索

ザウバー メルセデス C9/88 #63 ルマン 優勝 ドイツ 1989年

 

 ザウバー モータースポーツ AG (Sauber Motorsport AG)はスイスのレーシングカー コンストラクターで、レーシングドライバーでもあったペーター ザウバー(Peter Sauber)が1970年に創立しました。1970年に製作したザウバー C1と1973年に製作したC3は国内のスポーツカーレースで活躍しました。(実車画像→ ザウバー C1 1970) 1975年に自社初のモノコックシャシーを採用したC4、1976年にはBMWエンジンを搭載したC5を製作し、インターセリエでチャンピオンとなりました。1977年からルマンに参戦し1978年のルマンでは、2Lクラスの2位となりました。

 

 1982年にコスワースDFLエンジンを搭載したグループCカーのC6、1983年にはBMWエンジンを搭載したC7を製作しルマンに参戦しました。1985年にメルセデス ベンツと提携し同社のエンジンを搭載したC8を開発しルマンに参戦しましたが、予選で車体が空中に舞い上げるトラブルが発生し棄権しました。C8は1986年のニュルブルクリングで初優勝し、C8の重量バランスを改良したC9が1987年に登場しました。

 

 

 1988年にメルセデスは1955年ルマンでの事故以来離れていたレース(WSPC 世界スポーツプロトタイプカー選手権)に公式に復活することになり、C9はワークスチーム ザウバー メルセデスとして活動することになりました。C9は開幕戦から優勝するなど11戦中5勝を挙げ、チーム 2位となりました。なおルマンでは予選でタイヤのバーストが発生し決勝を棄権しました。1989年にはエンジンをDOHC化してパワーアップし、ボディカラーをシルバーアローと呼ばれた伝統のシルバーに変えました。C9は1989年のルマンで1-2フィニッシュで37年ぶりに優勝し、WSPCでは8戦中7勝と圧倒的に強くチーム/ドライバーの2タイトルを獲得しました。1990年にはC9の後継車C11が登場しWSPCのタイトルを連覇しました。1991年を最後にしてメルセデスは耐久レース活動を終了し、ザウバーは1993年からF1に参戦しました。

 ミニカーは2019年に発売されたアシェット製 ルマン レースカーコレクション製です。メーカーはスパーク(ダイキャスト製)で、1989年ルマンで優勝した#63をモデル化しています。ルマン レースカーコレクションは定価2540円と安価な雑誌付きミニカーでしたが、いずれも値段以上によく出来ていました。(スパークはレジン製で同じ車をモデル化していることがほとんどなので、型設計などを省略でき安く作れるのでしょう) このザウバー C9も実車画像と見比べると、プロポーションが良くカラーリングも含めて実車が正確に再現されていることが分かります。灯火類、ホイール、エアダクト、ロゴステッカーなどの細部もリアルに再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

SAUBER MERCEDES-BENZ C9/88 #63 LE MANS WINNER 1
SAUBER MERCEDES-BENZ C9/88 #63 LE MANS WINNER 2

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MERCEDES-BENZ 190E (W201) 2.5-16 EVO.II STREET 1991 GERMANY

MERCEDES-BENZ 190E (W201) 2.5-16 EVO.II STREET
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MERCEDES-BENZ 190E (W201) 2.5-16 EVO.II STREET


MINICHAMPS 430G03100 1/43 109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.54m 全幅約1.72m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 2.5L 235HP 5段変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでメルセデス ベンツ 190E (W201)のミニカー検索

メルセデス ベンツ 190E (W201) 2.5-16 EVO.II ストリート仕様 ドイツ 1991年

 

 メルセデス ベンツ 190E(W201)のレース仕様車 190E 2.3-16は、1988年にDTMレギュレーション変更に合わせて排気量を2.5L(200HP)にボアアップし190E 2.5-16になりました。190E 2.5-16 EVO.(エボリューション)は、ツーリングカーレース用ベースマシンとして開発された車で、1989年に登場したEVO.Iと1990年途中から登場したEVO.IIがありました。どちらもホモロゲーションを取得するため500台が生産されました。太いタイヤをカバーするオーバーフェンダー、フロントスポイラー、リアスポイラーなどのエアロパーツを装着しています。

 

 市販仕様のエンジンは、EVO.Iは231HP、EVO.IIは235HP 実際のレース仕様では350HP以上にチューンされていました。1992年のDTMではEVO.IIがメルセデス ベンツに初のマニファクチャーズチャンピオンのタイトルをもたらしています。BMWなどに対抗してメルセデス ベンツのイメージにスポーティさを加えるべく始めたDTM参戦は大成功しました。

 

 

 ミニカーはミニチャンプス製で、1992年に発売されたストリート仕様のモデル化です。幅広タイヤをカバーする派手なエアロパーツがややオーバー気味に再現されていますが、この種の車はこのぐらい派手なほうが楽しいです。ミニカーでは杓子定規で正確にスケールダウンするよりも、多少オーバーな演出をした方が良いと個人的には思っています。これはEVO.IIですが、EVO.Iもモデル化されています。またミニチャンプスはレース仕様など80車種以上もモデル化しています。これ以外の190E レース仕様のミニカーは、オートアートの1/18、ソリドの1/18、TRUE SCALEの1/43と1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MERCEDES-BENZ 190E 2.5-16 EVO.II STREET (W201) 1
MERCEDES-BENZ 190E 2.5-16 EVO.II STREET (W201) 2

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MAZDA 787B LE MANS 1991 JAPAN

MAZDA 787B LE MANS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS


STARTER LM016 1/43 110mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.78m 全幅約1.99m エンジン 変速機: 4ローター 654x4cc 700HP 5段変速
性能: 最高速336km/h  データーベースでマツダ 787Bのミニカー検索

マツダ 787B ルマン 日本 1991年

 

 ロータリーエンジンを実用化したマツダは、エンジンの性能/耐久性を実証する為に国内外のレースに参戦します。国内レースではサバンナ(RX-3)が日産 GT-Rの49連勝を1971年に阻止し、その後1978年までRX-3が通算で100勝しています。海外レースでは1968年から1970年にかけて、コスモ スポーツファミリア ロータリー クーペでニュルブルクリングやスパに参戦し上位入賞しています。またサバンナ RX-7(SA)は1979年デイトナでクラス優勝、1981年スパで日本車初の総合優勝するなど好成績を残しています。

 

 マツダがルマンに参戦したのは国産メーカーでは一番最初でした。マツダオート東京(マツダスピードの前身)が1974年にシグマ オートモーティブ(現在のサード)のマシンに12Aロータリーを搭載したシグマ MC74をエントリーして参戦し、規定周回不足ながら完走しています。1979年には13Bエンジンを搭載したRX-7(SA) 252iがマツダ車として初参戦しましたが予選で敗退、1980年にはプライベーターがエントリーしたRX-7(SA)が日本車として初完走しています。1981年にはRX-7(SA) 253で参戦しリタイア、1982年にはRX-7(SA) 254で参戦し14位で完走しています。

 

 

 1983年以降は13Bエンジンを搭載したプロトタイプスポーツカーでルマン挑戦を続けました。1983年は717Cで完走 12位、1984年は727Cで完走 15位、1985年は737Cで完走 19位、1986年は757でリタイア、1987年は757で7位 GTPクラス優勝、1988年は767で17位と757で15位 GTPクラス優勝、1989年は767Bで7位 GTPクラス優勝、1990年は787がリタイアと767Bで20位 GTPクラス優勝、そして1979年から数えて13回目の挑戦となる1991年に787Bが日本車初の総合優勝を果たしました。

 787Bは1990年にリタイアした787の改良型で、カーボンモノコック製シャシにR26B型4ローターロータリーエンジン(700HP)を搭載したグループCカーでした。グループCのレギュレーション変更でロータリーエンジンは1991年までしか使えなくなっていたので、その最後のチェンスを掴んだことになります。(ただ1993年からロータリーエンジンはまた使えるようになりましたが) 私はこのルマンカー開発初期に少しだけ仕事で関与していたこともあって、この優勝は本当に嬉しかったです。(真夜中のTV中継を見ていました)

 ミニカーはフランスのレジン組立キットメーカー スターター(STARTER)製の完成品で、2000年に購入しました。787Bが優勝した当時はあまりレースカーのミニカーが作られていなかったので、787Bのミニカーはなかなか発売されませんでした。(トミカの当時物で1/64がありましたが) 2000年になってスターターの完成品が発売されたので、高価でしたが思い切って買いました。当時のミニカーとしては良い出来ばえで、カラーリングも綺麗で気にいっています。スターター製が出たすぐ後にカルツォ(QUARTZO)からも787Bがモデル化されました。その後の数年でイクソ、オートアート、京商、hpi racingなどから次々とモデル化されました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MAZDA 787B LE MANS 1
MAZDA 787B LE MANS 2

 以下は2000年に発売されたカルツォ製のマツダ 787B ルマン優勝車 (1/43 型番QLM032)の画像です。これも上記のスターター製とほぼ同じような出来ばえです。ただ前輪のホイールカバー(エアロディスク)が省略されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS 3
MAZDA 787B LE MANS 4

 以下は2006年に発売されたhpi racing製のマツダ 787B (1/43 型番998)の画像です。これはレース仕様ではなく銀メタのプレーンカラー仕様をモデル化しています。アメリカのメーカー hpi racingはレベルの高いダイキャスト製ミニカーを作っていましたが、2013年頃にミニカー事業から撤退しました。この787Bも灯火類やワイパー/アンテナなどの細部までリアルに仕上げられていて、とてもよく出来ています。またリアカウルを取り外すと、エンジンやサスペンションがかなりリアルに再現されています。(なおhpi racingの日本でのミニカー事業部のスタッフであった方が、現在のイグニッションモデルを創業したとのことです) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS 5
MAZDA 787B LE MANS 6

 以下はフロントとリア/リアカウルを外したエンジンルームの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS 7
MAZDA 787B LE MANS 8

 以下は2018年に発売されたアシェットのルマン レース カーコレクション製のマツダ 787B ルマン 優勝車(1/43 No.2)の画像です。雑誌付の安価なミニカーながら、上述したスターター製よりレベルの高い出来ばえとなっています。(発売時期が18年も新しいので、当たり前ではありますが) なお他の物より色が濃く見えるのはカメラと写真の撮影条件が違うからで、実際には上述した2台もほとんどこの濃い色と同じ色合いです。なおこの787Bはリアスポイラーの取り付けが少し曲がっていますが、このあたりの組付け精度は多少個体差があるようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS 9
MAZDA 787B LE MANS 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MAZDA 787B LE MANS 11
MAZDA 787B LE MANS 12

データーベースでマツダ ルマン出場車のミニカー検索

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TOYOTA TS010 LE MANS 1992 JAPAN

TOYOTA TS010 LE MANS
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TOYOTA TS010 LE MANS


EBBRO 44588 1/43 113㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m 全幅約2m エンジン 変速機: DOHC V型10気筒 3.5L 600HP 6段変速
性能: 最高速 330km/h以上  データーベースでトヨタ TS0*のミニカー検索

トヨタ TS010 ルマン 日本 1992年

 

 トヨタのプロトタイプスポーツカーによるレース活動は、1970年のトヨタ 7の開発中止で一旦中断されました。1975年にシグマ オートモーティブ(現在のサード)のシグマ MC-75がトヨタの4気筒2.3Lターボ エンジンを搭載してルマンに参戦しました。(結果はリタイア なおシグマ MC-74は1974年にはロータリーエンジンを搭載して参戦) その後1982年にはグループCのトムス 童夢 セリカ Cに4気筒2.1Lターボエンジンを供給するなどして国内耐久選手権に参戦するようになり、1987年からトヨタ チーム トムスの名前でワークスのレース活動が再開されました。

 

 1985年にトヨタのエンジンを搭載したトムス 85Cがルマンに参戦し、12位で完走しました。その後1986年ルマンではトムス 86Cで未完走、1987年ルマンではトヨタ 87Cで未完走、1988年ルマンではトヨタ 88Cで12位完走でした。1989年ルマンでは新開発のV型8気筒3.2Lターボ エンジンを搭載したトヨタ 89C-Vで未完走、1990年ルマンではトヨタ 90C-Vで6位入賞、1991年はレギュレーション変更でターボ エンジンが使えなくなりトヨタは参戦していませんが、マツダ 787Bが優勝しました。

 

 

 1992年には、後にトヨタのF1に搭載された新開発のV型10気筒3.5L自然吸気エンジンを搭載したTS010で参戦し、優勝したプジョーに次ぐ2位となりました。(有力チームのジャガーやメルセデス ベンツはレギュレーション変更の為不参加で、出場したチームは少なかったのですが) 1993年ルマンではTS010が4位となりました。1991年のマツダの優勝、1992年のトヨタの2位など日本車が活躍したことで、当時の日本ではルマンがTV中継され注目を浴びました。TS010の後継車GT-ONE(TS020)が1998年に開発されました。

 ミニカーは2012年に発売されたエブロ製です。1992年ルマンで2位となったTS010をモデル化しています。エブロらしいそつのないリアルな出来ばえになっています。リアカウル(プラスチック製)を取り外すことができ、リアルに再現されたエンジンやサスペンションなどを見ることができます。TS010などが活躍した当時はこの種のレースカーが量産ミニカーになることはほとんどなかったので、当時物ミニカーはありません。2000年以降になってイクソ、エブロ、hpiレーシングなどがモデル化しています。また1980年代の83C以降のプロトタイプスポーツカーも2000年以降になってからエブロ、Qモデル、スパークなどがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TOYOTA TS010 LE MANS 1
TOYOTA TS010 LE MANS 2

 以下はリアカウルを外したエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TOYOTA TS010 LE MANS 3

 以下は2019年に発売されたアシェット ルマン24時間レース カーコレクションのトヨタ TS010 #33 ルマン 2位 1992 (1/43 No.16)の画像です。メーカーはスパークでスパークのメインはレジン製ミニカーですが、これは製作台数が多いのでダイキャスト製です。このルマンカーコレクションは安価な雑誌付きミニカーながら、いずれも値段以上の良い出来ばえになっていました。このTS010もシャープな造形で、実車がうまく再現されています。実車に即したカラーリングとスポンサーロゴ、ホイールやリアスポイラーなどの細部もリアルに出来ています。上記のエブロ製と見比べてみても、エンジンを再現していない点は別にして、ほとんど同じに見えると思います。

 余談ですがダイキャスト製ミニカーはレジン製ミニカーより細部の出来が悪いなどとWEBサイトに記載されていますが、それは10年以上も昔のミニカーの話です。最近のダイキャスト製ミニカーはスポイラーなどの細かなパーツはプラスチック製などの別パーツとなっていますので、ダイキャスト製ミニカーがレジン製ミニカーより出来が悪いなどということはありません。(ただし一部のべらぼうに高価なレジン製ミニカーは別格です。値段が高いので出来が良いのは当たり前です) このエブロとスパークのダイキャスト製ミニカーの出来をみればそれが良くわかると思います。 なおスパークがレジン製ミニカーをメインにしているのは多品種少量生産に適している為であって、出来ばえを良くする為ではありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TOYOTA TS010 LE MANS 5
TOYOTA TS010 LE MANS 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TOYOTA TS010 LE MANS 7
TOYOTA TS010 LE MANS 8

データーベースでトヨタ WECレースカーのミニカー検索

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MCLAREN F1 1994 UK

MCLAREN F1
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MCLAREN F1


MINICHAMPS 530133430 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.28m 全幅約1.82m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 6.1L 627HP 6段変速
性能: 最高速390km/h  データーベースでマクラーレン F1(スポーツカー)のミニカー検索

マクラーレン F1 イギリス 1994年

 

 1960年後半のカンナムで一世を風靡したマクラーレンは、グループ4スポーツカーへの参入を目指していました。グループ4の認証には50台を生産する必要があり、公道走行仕様も計画されていました。カンナム用のM6Bをベースにしたクーペボディの試作車M6 GTが1969年に完成しました。しかし市販車としての完成度を高めていた開発途中の1970年に、B.マクラーレンが事故死しこの車の開発計画は頓挫してしまいました。

 

 その後1990年にマクラーレンの市販車部門としてマクラーレン カーズが設立され、高性能スポーツカー開発が再開されます。1994年にマクラーレン初の市販車 F1が登場します。前方跳ね上げ式のドアでレースカーそのものの精悍なデザインのボディは、カーボン複合材のモノコックで非常に軽量です。ミドシップ搭載するエンジンはBMW製のV型12気筒6.1L(627HP)で、当時の市販車では世界最高出力でした。最高速390km/h、お値段約1億円もほぼ世界一でした。

 

 

 F1はこのような超高性能車でしたが、従来のスパルタンな高性能車(フェラーリ F40など)とは違い市販スポーツカーとしての快適性や操縦性に重きを置いていました。ケンウッドのオーディオやエアコンが標準装備され、ドライバーシートが中央にある2列3人乗りシート配置は一人乗車時の重量バランスを考慮したものです。またスペアタイヤを廃してトランクスペースをホイールベース内に収め、重量バランスを最適化し操縦性を高めていました。レース仕様のGTRは1995年ルマンで総合優勝、1997年ルマンで総合2位になるなど活躍しています。1997年に生産中止となりました。

 その後のマクラーレンの市販車としては、開発と生産を行った2003年のメルセデス ベンツ SLR マクラーレンがあります。2009年にはマクラーレン オートモーティブが設立され、2011年にMP4/12C、2012年にP1などが登場しています。

 ミニカーはミニチャンプス製の当時物で1995年に発売されました。ミニチャンプスとしては初期のものですが、ダイナミックなボディが良く再現されていてなかなか良い出来映えです。室内も良く再現されていて、ドライバーシートが中央にありバックミラーが2つあることがわかります。ミニチャンプスにはレース仕様など約50種類ほどのバリエーションがあります。マクラーレン F1は人気があり、オートアート、イクソ、hpi レーシングなど多くのミニカーがあります。なお試作で終わったM6 GTをスパークとプレミアムXがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MCLAREN F1 1
MCLAREN F1 2

 以下は2018年に発売されたルマンカーコレクションのマクラーレン F1 GTR #59 ルマン 優勝 1995年(No.7)の画像です。メーカーはスパークの関連会社とのことで雑誌付きのミニカーながら、ノーズにある補助灯やエッチングパーツを使ったワイパーなどがリアルで、細かいところまでデカールがきちんと貼られているなどかなり良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MCLAREN F1 LE MANS 1
MCLAREN F1 LE MANS  2

以下のリンクでM6 GTや最近のマクラーレン市販車が検索できます。
データーベースでマクラーレン M6 GTのミニカー検索
データーベースでマクラーレン 市販車(F1以後) のミニカー検索"

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