ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

NISSAN (PRINCE) R380 II 1967 JAPAN

NISSAN (PRINCE) R380 II
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN (PRINCE) R380 II


EBBRO 43384 1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.98m 全幅約1.69m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 2L 220HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースで日産 R380/390のミニカー検索

日産 (プリンス) R380 II 日本 1967年

 

 プリンス自動車はスカイラインにグロリアの6気筒2Lエンジンを搭載したスカイライン GT(S54型)で1964年の第2回日本グランプリに参戦しました。このレースではポルシェ 904(ドライバー 式場壮吉)が優勝しました。プリンス自動車はポルシェ 904に対抗できるレースカーとして、プリンス R380 Iを1965年に開発しました。(1965年にプリンス自動車と日産自動車が合併した後は日産 R380 Iと改名した) (実車画像→ プリンス R380 I)

 

 R380 Iは日本初のグループ6 プロトタイプスポーツカーで、イギリスから輸入したブラバムの鋼管フレーム構造のシャーシを流用しボディはアルミ製でした。(デザインはポルシェ 904に似ています) エンジンはスカイライン GTのものをベースにDOHC化し、3連装キャブレターで200HPの性能でした。参戦する予定だった1965年日本グランプリが開催されなかったので、R380 Iは矢田部の高速試験場で速度記録に挑み国内速度記録(時速238.15km SS50㎞平均速度)を樹立しています。1966年日本グランプリでは、R380 Iは1-2フィニッシュで優勝しました。ちなみに3位はトヨタ 2000GTのレース仕様でした。

 

 

 1967年にボディを大幅に変更したR380 IIが登場しました。1967年の日本グランプリでは、ポールポジションを獲ったポルシェ 906が優勝し、R380 IIは2-3-4位となりました。同年にノーズ形状を変更したR380-II改が矢田部で速度記録に挑戦し世界速度記録を樹立しています。R380はボディを大型化しルーカスの機械式燃料噴射で245HPにパワーアップしたR380 IIIに発展しました。1968年には後継車のR381が登場しましたが、R380 IIIはR381のバックアップとして併用され、1970年まで国内外のレースに参戦していました。(実車画像→ 日産 R381) 1969年にR382が登場しました。

 ミニカーは2002年に発売されたエブロ製です。1967年日本グランプリで4位となった車をモデル化しています。(同日本グランプリ出場車は4台ともモデル化されています) エブロらしい手堅い作りで、良くできています。エブロはR380 I、R381、R382もモデル化しています。R380の当時物ミニカーとしてはダイアペットがありましたが、かなりのレア物です。それ以外では京商が1/64の日産 レーシングカー コレクションでR380 I、R380 II、R381、R382をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN (PRINCE) R380 II 1
NISSAN (PRINCE) R380 II 2

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FORD GT40 (MK I) 1969 USA

FORD GT40 (MK I)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I)


JOUEF 7204 1/43 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.29m 全幅約1.78m エンジン 変速機: V型8気筒 7L 475HP 5段変速
性能: 最高速330km/h  データーベースでフォード GT40のミニカー検索

フォード GT40 (MK I) アメリカ 1969年

 

 フォード社は自社のイメージを上げる為に、耐久レース(ルマン、デイトナ、セブリングなど)で活躍することを計画しました。その手っ取り早い方法としてフェラーリを買収する交渉を始めましたが、この交渉は失敗しました。そこでイギリスのローラ社と提携し、フォードのエンジンを搭載するローラ MK VI GTをベースにしたレーシングカーの自社開発に乗り出しました。(実車画像→ ローラ MK VI GT 1963)

 

 1964年にフォード GT (MK I)が完成しました。鋼鉄製モノコックシャーシにFRP製ボディを載せる構造で、エンジンはインディカー用に開発されたV型8気筒4.7L(350HP)をミドシップ搭載していました。 この車は公開時に車高が40インチ(1016mm)であることに驚いた記者がつけたGT40という通称で呼ばれるようになりました。(正式な名前はGTで、GT40とは厳密にはスポーツカークラスに認証された市販レーシングカーを示すようですが、当サイトでは全て通称のGT40で統一しています)

 

 

 1964年のデビュー戦はニュルブルクリングでリタイア、ルマンでもリタイアといった結果でした。1965年にはキャロル シェルビーがレースを統括することになり、デイトナで初めて勝利しましたが、あとは散々な結果でした。この経験を踏まえて、エンジンを7L(472HP)にパワーアップしたMK IIが1966年に登場しました。1966年ルマンでMK IIは1-2-3フィニッシュで優勝し、これはルマンでのアメリカ車の初優勝でした。

 1967年にJカーという名前で新規開発した車がMK IVとして登場し、ルマンとセブリングに出場しどちらも優勝しています。(実車画像→ フォード Jカー) 1968年のレギュレーション変更で5Lを超える大排気量エンジンが使えなくなったので、フォードは1967年限りでワークス活動を中止しました。その後も1968年と1969年にMK Iが優勝し、ルマン4連覇を達成しています。なおスポーツカークラスの認証用に生産されたMK Iの市販仕様がMK IIIで、ヘッドライトが丸形4灯になり、内装などが変更されています。2005年にフォード100周年を記念して、GT40をリメイクしたGTが限定生産されました。(実車画像→ フォード MK III 1966) (実車画像→ フォード GT 2005)

 ミニカーは1992年頃に発売されたジョエフ製で、細部まで精密に再現したことを売り物にして数種類だけ製作されたシリーズの1台です。 GT40 (MK I) 1969年ルマン優勝車(GULFカラー)をモデル化しています。ドアや前後パネルが開閉し、1/43サイズながらエンジンやシャーシなどがかなりリアルに再現されています。プロポーション的にはやや平板でダイナミックさが物足りない感じも少しありますが、メカ部分の精密な再現は非常に高く評価できます。 以下はフロント/フロントパネルを外した状態の画像とリア/リアカウル開閉の画像です。フロントパネルの下にはスぺタイヤやエアダクトが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD GT40 (MK I) 1
FORD GT40 (MK I) 2

以下はドアを開いた室内の画像とリアカウルを開いたエンジンルームの画像です。ルーフと一体化されたドアがスムーズに開閉し、室内もインパネが良く再現されています。リアカウルを開くとエンジンと複雑な形状の排気管、ギヤボックス、リアサスペンションのコイルスプリングなどが実にリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 3
FORD GT40 (MK I) 4

 フォード GT40のミニカーは非常にたくさんあります。当時物ではメーベトイ、ソリド、ディンキーなどがあり、少し古いところでバン(BANG)、ボックスモデルなど、最近ではイクソ、ミニチャンプス、スパーク(レジン製)などがあります。またGT40の前身である ローラ MK VI GTとMK IVのプロトタイプであるJカー(GT J)をポリトーイが当時物でモデル化していました。以下は1989年頃に発売されたボックスモデル製のフォード GT40(1/43 型番8453)の画像です。1966年のルマンで、エンジンのトラブルで完走できなかった59号車をモデル化しています。ボックスモデルらしいリアルな造形で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。リアカウルが開きエンジン部が再現されていますが、簡素な表現のエンジンだけなのであまりリアルではありません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 5
FORD GT40 (MK I) 6

 以下は2018年に発売されたルマン24時間レース カーコレクションのフォード GT40 #9 ルマン 優勝 1968 (1/43 No.4)の画像です。メーカーはスパークで、スパークのミニカーはレジン製がメインですが、これはダイキャスト製です。スパークがレジン製でモデル化しているGT40をベースにしているので、とても良く出来ています。また雑誌付きの安価なミニカーながらタイヤ/ホイールがリアルで、細かいところまでデカールがきちんと貼られています。(ただこれはヘッドライト左側の取付けがやや雑ですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 7
FORD GT40 (MK I) 8

 以下は1968年に発売された、メーベトイ製の当時物 フォード GT40 MK II (1/43 型番A24)の画像です。フォード GT40 MK IIをモデル化していますので、リアカウルの形状などが GT40 (MK I)と異なっています。プロポーションが良く、実車の雰囲気が良く再現され、1960年代のミニカーとしてとても良い出来ばえです。ドアとフロント/リアカウルが開閉するフルギミックです。リアカウル下のエンジン部も当時としてはリアルな造形になっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 9
FORD GT40 (MK I) 10

 以下は2002年に発売されたデルプラド カーコレクションシリーズのフォード GT40 MK II(1/43 No.69)の画像です。これも上記メーベトイ製と同じGT40 MK IIをモデル化しています。ボディ起伏形状がややオーバー気味にデフォルメされているので、実車より迫力ある感じに仕上がっています。製造メーカーは不詳ですが、安価な雑誌付きミニカーながら細部もそこそこきちんと仕上げてあって、このカーコレクションシリーズのなかでは上出来の部類でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 11
FORD GT40 (MK I) 12

 以下は1966年に発売されたソリド製の当時物 フォード GT40 ルマン 1965 (1/43 型番146)の画像です。1965年ルマンでリタイアした2号車をモデル化しているようです。フロントノーズの位置が上がり過ぎていることと、デカールで表現したヘッドライトがリアルさに欠けることなど、当時の一級品であったソリド製ミニカーとしてはやや残念な出来ばえでした。リアパネルが開閉するギミック付きで、エンジン部は上記のメーベトイ製と同じようなレベルで再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD GT40 (MK I) 13
FORD GT40 (MK I) 14

 以下は1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物 フォード 40 RV (1/45 型番132)の画像です。モデル化しているフォード 40 RVとはGT40をベースにして特別なクライアント向けに作られたロードカーでした。ディンキー(英)は1966年に型番215でGT40をモデル化していますが、この40 RVはそれとはフロントカウルの形状を大幅に変えてあります。これも実車の雰囲気がうまく再現されていて当時のミニカーとしては良く出来ていました。フロントパネル/フロントカウル/リアカウルが開閉するギミック付きです。エンジン部は別パーツではなく塗装で再現していますので、上述したソリド製などよりややしょぼい造形です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD 40 RV GT 1
FORD 40 RV GT 2

 以下は1967年に発売されたポリトーイ製の当時物 ローラ MK VI GT(1/43 型番534)の画像です。ローラ MK VI GTは上述したようにフォード GT40のベースとなった車でした。(実車画像→ ローラ MK VI GT 1963) 実車画像と見比べるとまずまずの出来ばえであると思います。リアウィンドー下に見えるエンジンがリアルに再現されているなどポリトーイらしい仕上がりとなっています。ドア開閉ギミック付きです。これ以外のローラ MK VIのミニカーはスパーク(レジン製)があります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LOLA GT 1
FORD LOLA GT 2

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MCLAREN M8B CANAM 1969 UK

MCLAREN M8B CANAM
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MCLAREN M8B CANAM


SOLIDO 176 1/43 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.9m 全幅約1.9m エンジン 変速機: V型8気筒 7L 650HP 4段変速
性能: 最高速360km/h?  データーベースでマクラーレン M6/M8のミニカー検索

マクラーレン M8B カンナム イギリス 1969年

 

 F1ドライバーであったB.マクラーレンがマクラーレン レーシング チームを1963年に設立しました。当時のB.マクラーレンはクーパーのドライバーでしたが、クーパーのF1活動に影響しないレースカーの開発/販売などを行ないました。1966年にクーパーから離れ自ら開発したマクラーレン M2BでF1に参戦します。また1966年からカンナム(CAN-AM:カナディアン アメリカン チャレンジカップ)にもマクラーレン M1Bで参戦しています。

 

 F1ではマクラーレン M7Aが1968年のベルギーGPでF1初優勝し、このシーズンは3勝してコンストラクターとしてロータスに次ぐ2位となっています。1969年シーズンは1勝しコンストラクターの4位となっています。

 カンナムでは1967年にシボレーのV型8気筒5.9L(525HP)エンジンを搭載したマクラーレン M6Aが登場し、1967年のシリーズ チャンピオンとなりました。1968年にはエンジンを7L(620HP)にパワーアップした改良版のM8Aが登場し、1968年のチャンピオンとなりました。その後M8Aは1969年に大きなリアスポイラーが付いたM8B、1970年の7.6L(680HP)エンジンで低いリアスポイラーの付いたM8D、1971年の8L(740HP)エンジンでボディと一体化したリアスポイラーの付いたM8Fと改良されていきました。なお1970年にはM8Dのテスト走行中にB.マクラーレンが事故死する不幸な出来事がありました。

 

 

 マクラーレンは1967年から1971年まで5年連続してチャンピオンとなり、この時期はマクラーレンのカンナムでの黄金期でした。当時カンナムといえばオレンジ色のマクラーレンというイメージが広く定着していました。マクラーレンは1972年末にカンナムから撤退し、以後はF1とインディ500に注力することになります。

 ミニカーはソリド製の当時物で1970年に発売されました。45年以上も前に作られたミニカーですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されています。当時のミニカーは左側面が見える透明フィルム付き紙箱で販売されていたので、左側面だけはデカールが最初から貼ってありました。(残りのデカールは箱に添付されているので自分で貼るのですが、これは貼っていません) これ以外の当時物ミニカーとしては、ディンキー、ポリトーイ、メーベトイなどがあります。最近のものではミニチャンプス、GMP、スパークなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰/コクピットの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MCLAREN M8B CANAM 1
MCLAREN M8B CANAM 2

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NISSAN R382 1969 JAPAN

NISSAN R382
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
NISSAN R382


DIAPET 210 1/40 107㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.05m 全幅約1.87m エンジン 変速機: DOHC V型12気筒 6L 600HP 不詳
性能: 最高速 不詳  データーベースで日産 R380/390のミニカー検索

日産 R382 日本 1969年

 

 1967年の日本グランプリでR380 IIがポルシェ 906に敗退したことから、後継車のR381は大排気量のパワフルなマシンとして企画されました。搭載を予定していたV型12気筒5Lエンジンが1968年日本グランプリに間に合わなかったので、アメリカのカンナムで使われていたシボレーのV型8気筒5.5Lエンジンが改造されて使われました。このエンジンのパワーアップに対して、シャーシやサスペンションが強化されました。(実車画像→ 日産 R381)

 

 R381にはシャパラルが先鞭をつけたリアスポイラーが付いていました。このスポイラーはサスペンションに連動して左右独立で角度が変わり、ブレーキング時には直立してエアブレーキとしても機能する凝ったものでした。 1968年の日本グランプリでは、ポルシェ 910(2位)やトヨタ 7を抑えて、R381が優勝し3-4-5位をR380 IIが占めて、日産が初めて日本グランプリを制覇しました。同年末にはV型12気筒5Lエンジンが完成し、それを搭載したR381 IIが完成しました。

 

 

 1969年には後継車のR382が登場しました。可変式スポイラーが禁止されたので、スポイラーを一体化して高く反り返ったリアエンドになっていました。1969年日本グランプリにはエンジンを6Lに拡大しパワーアップしたR382で臨みました。結果はR382が1-2フィニッシュで優勝し、日本グランプリ2連覇を達成しました。なお3-4-5位はトヨタ 7で、6-7-8位をポルシェ勢が占めました。日産は日本グランプリ3連覇とアメリカでのカンナム参戦を目指してR383を1970年に開発していました。しかし日産は公害対策に集中するということで、日本グランプリの不参加を表明しレース活動から撤退し、R383のレース参戦はありませんでした。(その後1977年の東京モーターショーで一般公開されました 実車画像→ 日産 R383)

 ミニカーは1970年に発売されたダイアペット製の当時物です。1969年日本グランプリの優勝車(#21)をモデル化しています。ゼッケンなどは添付されていた紙シールを貼り付けています。実車と同じ黄色のバリエーションもありました。当時のダイヤペットとしては、異例のリアルな造形で非常に良い出来ばえです。ホイールやエンジンもリアルで、小さな蝶板でドアが手前に開くギミックも凝っています。(当時のミニカーはドア開閉が必須だったので、頑張ってつけたのでしょう) これ以外のR382の当時物ミニカーは同じダイヤペットのチェリカ80の1/58と香港製50シリーズの1/50、トミカの1/69がありました。当時物以外では、京商の1/64、エブロの日本グランプリ仕様(約10種類)などがあります。なおエブロはR383もモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰/ドア開閉ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

NISSAN R382 1
NISSAN R382 2

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TOYOTA 7 CAN-AM 1969 JAPAN

TOYOTA 7 CAN-AM
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TOYOTA 7 CAN-AM


EBBRO 43711 1/43 89㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.75m 全幅約1.88m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 5L 530HP 5段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでトヨタ 7のミニカー検索

トヨタ 7 カンナム仕様 日本 1969年

 

 1960年代のトヨタは量産車ベースの車で行うレースを重視していたので、本格的なプロトタイプ スポーツカーの開発には消極的でした。日本GPには2000GTのレース仕様で参戦していましたが、日産 R380などのプロトタイプ スポーツカーには勝ち目がありませんでした。そこで1967年にプロトタイプ スポーツカーの開発を行うことになり、2000GTの開発と同じようにヤマハ発動機に開発を依頼しました。ヤマハはフォード GT40を購入して開発を進め、1968年にトヨタ 7 初代(415S)が完成しました。(実車画像→ トヨタ 7 初代)

 

 トヨタ 7 初代はアルミ製モノコックのシャーシに、新開発したアルミ合金製V型8気筒3L(328HP)エンジンを搭載するグループ7(カンナム仕様)のオープンカーでした。エンジンを3Lとしたのは、グループ6としてヨーロッパの耐久レース参戦も予定していたからだそうです。その為5Lクラスの大排気量エンジンが一般的なカンナムマシンとしてはパワー不足で、国内の耐久レースでは健闘したものの、1968年の日本GPでは優勝した日産 R381などについていけず、大敗しています。

 

 

 1968年日本GPの結果を踏まえて、1969年には新開発したV型8気筒5L(530HP)エンジンを搭載したトヨタ 7 2代目が登場しました。シャーシは一般的な鋼管スペースフレームに変更され、ボディは直線的なデザインに変更されました。なおこのマシンのテスト走行中に福沢幸雄が事故死しています。1969年の日本GPでは日産 R382が1-2フィニッシュで優勝し、トヨタ 7は3-4-5位でした。同年のワールドチャレンジカップ 富士200マイル(通称 日本カンナム 第2回)ではトヨタ 7 カンナム仕様が優勝しています。

 1970年に5Lエンジンをターボ過給して800HPにパワーアップしたトヨタ 7 3代目が登場しました。鋼管をアルミ合金に変えてシャーシを軽量化、サスペンションも軽合金で軽量化されています。外観的にはコクピット左右にあった吸気孔がボディ側面のNACAダクトに変わったのが目立ちます。トヨタはアメリカでのカンナム参戦も予定していましたが、日産が参戦しないことで日本GPが中止され、トヨタ 7のテスト走行で河合稔が事故死したこともあって、トヨタ 7の開発は中止され3代目のレース参戦はありませんでした。(実車画像→ トヨタ 7 3代目)

 ミニカーは2006年に発売されたエブロ製です。トヨタ 7 2代目のカンナム仕様で1969年の日本カンナム出場車をモデル化しています。ホイールやエンジン周りがリアルに再現されていて、かなり良い出来ばえです。エブロは初代の日本GP/カンナム仕様、2代目の日本GP/カンナム仕様もモデル化しています。なお2代目の日本GP仕様の5種類は型番が異なるものが出ていますが、単なる同じ物の型番変更のようです。エブロ以外ではQモデル(レジン製)の初代と3代目、トミカの3代目やデルプラドの3代目があります。 以下はフロント/リアの拡大画像とエンジン周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TOYOTA 7 CAN-AM 1
TOYOTA 7 CAN-AM 2

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