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スチュードベーカー プレジデント ロードスター アメリカ 1931年
スチュードベーカー社の前身は19世紀から馬車製造を行っていた歴史のある会社で、19世紀後半には世界最大の馬車メーカとなっていました。1904年に他社のガソリンエンジン車の販売を開始し、1911年にスチュードベーカー社を設立し1914年から自社ブランドの自動車を発売しました。当初は4気筒エンジンと6気筒エンジン搭載車があり安価であったので良く売れたそうです。1920年代には6気筒エンジン搭載車が3車種あり、1925年には10万台以上を生産していました。1928年には高級車メーカーのピアス アロー社を吸収合併しました。
最上級モデルであった6気筒5.8Lエンジンを搭載したプレジデントに8気筒5.1Lエンジンが1928年に追加されました。同時期に6気筒エンジン搭載車はディクテーター(DICTATOR 独裁者)とコマンダー(COMMANDER 司令官)という名前になりました。どちらも大げさな名前で、プレジデントは大統領車だったわけではありません。1931年にプレジデントののエンジンは8気筒5.5L(122HP)に拡大され、スチュードベーカーの最上級車であることを示す為に楕円形のヘッドライトが採用されました。当時のプレジデントはGM キャディラックやパッカードと同等レベルの高級車でした。
ミニカーはこの時代のアメリカ車を多くモデル化していたイギリスのブルックリン製です。ブルックリンのミニカーは全てホワイトメタル製でハンドメイドの少量生産品です。少量生産なのでほとんどのパーツが金属製で、手に持つとずっしりと重く存在感があります。(個人的な好みですがこのような重量感のあるミニカーが好きです) ホワイトメタル製ミニカー独特のごつい感じの造形ですが、プロポーションは良く、フロントグリルや楕円形のヘッドライトもうまく再現されています。またフロントグリル上の鳥のマスコットや室内などの細部もそれらしく再現されています。この当時のスチュードベーカーのミニカーはほとんどないのでその点で貴重なミニカーです。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スチュードベーカー コマンダー ロードスター アメリカ 1935年
1920年代のスチュードベーカーのラインナップにはライト フォー(4気筒3.1L)、ライト シックス(6気筒2.8L)、スペシャル シックス(6気筒4.7L)、ビック シックス(6気筒5.8L)がありました。1928年に4気筒エンジン搭載車がなくなり、ライト シックスはディクテーター(DICTATOR 独裁者の意)、スペシャル シックスはコマンダー(司令官の意)、ビック シックスは8気筒5.1Lエンジン搭載のプレジデントに変わりました。コマンダーは1929年に8気筒4.1L(107HP)エンジンが搭載されました。コマンダーは極端な縦長のフロントグリルが特徴的なデザインで、2ドアクーペ/ロードスターや4ドアセダンなどがありました。1935年に一旦モデルレンジから外れ1937年に名前が復活しました。
1929年から始まった世界大恐慌による販売不振でスチュードベーカーは資金繰りが悪化し1928年に買収したピアス アローを売却しましたが、1933年に一旦破産しました。その後経営陣が変わり運転資金を調達してディラー網を整備し車種を6気筒エンジン搭載車に絞るなどして1935年に会社は再建されました。1939年に低価格の6気筒搭載車チャンピオンで大衆車市場に進出し、この車は成功しました。(実車画像→ スチュードベーカー チャンピオン 1939)
ミニカーは1990年代に発売されたイギリスのブルックリン製です。スチュードベーカー コマンダー 1935年式のスポーティなクーペをモデル化しています。ブルックリンはハンドメイドのホワイトメタル製少量生産ミニカーで、ほとんどのパーツが金属製なのでずっしりと重く存在感があります。縦長のグリルや小さめの幌など実車の雰囲気がうまく再現されています。またフロントグリル上の鳥のマスコットや室内などの細部も良く再現されています。戦前のスチュードベーカー コマンダーの量産ミニカーは2023年現在でもこれしかないようです。このようなニッチなクラシックカーのミニカーはブルックリンなどのホワイトメタル製少量生産品でモデル化されることが多いです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スチュードベーカー チャンピオン 2ドア クーペ アメリカ 1950年
スチュードベーカーは戦前の1939年に低価格の6気筒エンジン搭載車チャンピオンで大衆車市場に進出し成功しました。1942年にスチュードベーカー チャンピオンは2代目にモデルチェンジしました。第2次大戦中のスチュードベーカーは軍用機エンジンや軍用トラックなど軍需品の製造を行いました。(実車画像→ スチュードベーカー チャンピオン 1942)
大戦後の1947年にチャンピオン 3代目が戦後型として登場しました。3代目のデザインは有名な工業デザイナーのレイモンド ローウィによるもので、フェンダーとボディを一体化したフラッシュ サーフェスと独立したトランクの3ボックス スタイルを量産車として初めて採用しました。ボディ形式には2/4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブルがありました。2ドアクーペのリアウィンドウは側面まで大きくラップアウンドした独特のデザインでした。(実車画像→ スチュードベーカー チャンピオン 1947)
チャンピオンは6気筒2.8L(80HP)エンジンを搭載し、1950年のマイナーチェンジで85HPにパワーアップしました。このマイナーチェンジで採用された特徴的な丸い突起を備えたフロントグリルは、同時期のフォードのデザインを模倣したようです。スチュードベーカーのフラッシュ サーフェスの3ボックス スタイルは他社に波及し、当時のセダンの基本スタイルとなりました。GMなどのBIG3は戦後の生産体制回復が遅れたので、いち早く発売された戦後型のチャンピオン 3代目は圧倒的な人気を博して大成功しました。1953年に4代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ スチュードベーカー チャンピオン 1953)
ミニカーは2007年に発売されたヤトミン製です。チャンピオン 3代目の2ドアクーペ(スターライト クーペ) 1950年式をモデル化しています。1950-1970年代の代表的なアメリカ車を1/43でモデル化したヤトミンのビンテージ アメリカ車シリーズの一つです。このシリーズは定価1500円ほどの廉価版ミニカーでしたのであまり細かいところまでは再現していませんが、実車の雰囲気はうまく再現していました。このチャンピオンもフラッシュ サーフェスのボディ、特徴的な突起の付いたフロントグリル、ラップアウンドしたリアウィンドーなど時代を先取りしたこの車のデザインが良く再現されていました。室内もそこそこ良く再現されています。これ以外のスチュードベーカー チャンピオンのミニカーはダンバリー ミントのコンバーチブルとクーペ 1/24、ブルックリン(ホワイトメタル製)のクーペ、BOS MODELS(レジン製)のクーペなどがあります。なおLUCKY DIE CAST製のチャンピオンはこれと同じ物をヤトミンがLUCKY DIE CASTブランドとして再販した物でした。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スチュードベーカー コマンダー スターライナー アメリカ 1953年
第2次大戦後の1947年に発売されたスチュードベーカー コマンダー/チャンピオンは、BIG3(GM/フォード/クライスラー)の戦後型自動車生産が遅れていたことで大ヒットし業績を伸ばしました。1953年にコマンダー/チャンピオンはモデルチェンジしました。先代同様にレイモンド ローウィがデザインしたボディは、ノーズが低い先進的なデザインで、特にクーペのフロント周りは2年後に登場したシトロエン DSのフロント周りを先取りしたようなデザインでした。2/4ドアセダンと2ドアクーペがあり、2ドアクーペにはセンターピラーのあるスターライトと、センターピラーのない上級グレードのスターライナーがありました。チャンピオンは6気筒2.7Lエンジン(1955年以降は6気筒3L(101HP)エンジン)を搭載し3段変速で最高速135km/h(3L)、コマンダーはV型8気筒3.7L(140HP)を搭載し3段変速で最高速160km/の性能でした。(実車画像→ スチュードベーカー コマンダー 4ドアセダン 1953)
専門家の評価は高かったのですが、先進的なデザインの車は一般受けしないというよくあるパターンで、あまり売れなかったようです。この失敗でスチュードベーカーは苦境に陥り、1954年に同じような状況にあったパッカードと合併しました。合併後にセダンは先進的なデザインを古めかしく改変し、クーペはフロントグリルを追加したホーク(HAWK) シリーズに変わりました。1957年にチャンピオンはモデルチェンジしてスコッツマン(SCOTSMAN)に改名され、コマンダーは一時的に名前が消えましたが1963年に復活しました。(実車画像→ スチュードベーカー スコッツマン 1957)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台です。一番上級グレードのコマンダー スターライナーをモデル化しています。フランクリン ミントの1950年代シリーズは1950年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43でモデル化していて、レトロな作風ながらボンネット/ドアが開閉するなど細部までリアルな作りでした。このスチュードベーカーもプロポーションが良く、最大の特徴であるフロントの造形がうまく出来ていて、レトロな作風ながら当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ボンネット/ドアの開閉ギミック付きで、エンジンルーム内のV型8気筒エンジンや室内の造形は結構リアルです。これ以外の同時期のスチュードベーカーのミニカーはディンキー(仏)の当時物 スターライナー、ダンバリー ミントのスターライナー 1/24、スパーク(レジン製)のスターライト、BOS MODELS(レジン製)のスターライナーなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スチュードベーカー シルバーホーク アメリカ 1957年
スチュードベーカー社は1953年に発売したコマンダー/チャンピオンの失敗で経営不振となり、1954年に同じような経営状況にあったパッカード社と合併しました。合併後にスチュードベーカーのセダン系はデザインが古めかしく改変されました。先進的なデザインだったクーペ系のスターライナーもフロントグリルが追加され一般受けするデザインのホーク(HAWK) シリーズに変わりました。主力車種となったホーク シリーズにはピラーレス ハードトップのゴールデンホーク、スカイホーク、ピラー付クーペのパワーホーク、フライト(FLIGHT)ホークの4モデルがあり、それらはV型8気筒5.8L/4.7L/4.2L/3Lエンジンを搭載していました。
1957年にハードトップはゴールデンホーク、ピラー付クーペはシルバーホークの2モデルに統一されました。シルバーホークはゴールデンホークよりクロームモール類が少ないシンプルな外観でした。シルバーホークにはV型8気筒4.7L(275HP)エンジンを搭載し最高速200km/hのハイパワー仕様もありました。1959年にはシルバーホークだけが生産されるようになり、1960年にシルバーホークは単にホークと呼ばれるようになりました。1962年にグランツーリスモ ホークにモデルチェンジしました。(実車画像→ スチュードベーカー グランツーリスモ ホーク 1962)
ミニカーは1989年に発売されたソリド製です。ピラー付き2ドアクーペのシルバーホークをモデル化しています。1980年代に発売されたソリドの型番4000番台はクラシックカーのシリーズで、比較的安価で良く出来ていました。シルバーホークが前述したスターライナーをベースにして、フロントグリルを追加したデザインであることがミニカーでもよく分かります。この追加されたフロントグリル、ピラー付きハードトップ、テールフィンなどがリアルに再現され、実車の雰囲気がうまく再現されていました。定価2000円と安価なミニカーでしたが、カラーリングも綺麗で室内も結構良く再現されていて、当時のミニカーとして良く出来ていました。これ以外のホークシリーズのミニカーはゴールデンホークがほとんどですが、マーキュリーの当時物、コーギーの当時物、ディンキー(英)の当時物、ヤトミン、マッチボックス ディンキー、シグネチャーの1/32、サンスターの1/18などたくさんあります。以下はフロントの拡大画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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