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スカニア バビス 3241 郵便バス スウェーデン 1923年
スカニア社はスウェーデンの重工業会社で、1900年に設立されました。最初に2輪車を製造しすぐに自動車製造をはじめ、1902年にはトラック(1.5t)を製造しました。1911年に同じスウェーデンの乗用?/トラック メーカーのバビス社(VABIS)と合併し、スカニア-バビス社となり、同年にスウェーデン初の国産バスを製造しました。1939年に乗用車市場から撤退し商用車に特化しました。
第2次世界大戦中は軍需対応で自動車以外に戦車も生産しました。1950年代には生産した車の半分以上が輸出されるようになり、国際的な企業に発展しました。1969?にスウェーデンの乗用車メーカー サーブ社(SAAB)と合併し、サーブ-スカニア社となりました。1995年にはサーブと分離し、スカニア社となりました。現在のスカニア社はフォルクスワーゲン グループに属し、ダイムラー、ボルボに次ぐ世界第3位の大型商業車メーカーです。1970年代までのトラックはL**という名前、それ以後はボンネット式はTやH(HAUBER)、キャブオーバー式はRやR TL(TOPLINE)という名前が付いているモデルが多いです。
ミニカーは1988年に発売されたマッチボックスのYシリーズです。通常の安価なYシリーズとは異なる専用の梱包箱に収められたマニア向けの特別仕様品でした。スカニア-バビス時代の3241型の郵便バスをモデル化しています。このバスは農村部にて郵便サービスや公共交通サービスに使われたそうです。前輪にソリを付け後輪はクローラー(キャタピラ)となっている雪上車仕様で、スウェーデンの厳しい風土を反映しています。実車諸元の参照画像と見比べてみると、実車をかなり忠実に再現していることがわかります。縮尺が1/49と中途半端なのが今一つですが、スカニア初期の雪上車仕様のバスということで、車種的に珍しく面白いミニカーです。バリエーションで同じモデルの屋根にもみの木を積んだクリスマス仕様や雪上車仕様でない郵便バスもモデル化されています。スカニアのミニカーはトラックやバスといった商用車がほとんどですが、ヘルパの1/87、ブレキナの1/87、コーギーの1/50と1/76、オックスフォードの1/76など結構たくさんモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ PV544 スウェーデン 1958年
ボルボ(VOLVO)はラテン語で「私は回る」という意味があり、スウェーデンのベアリング メーカーSKF社の子会社の名前でした。このSKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。最初の車は4気筒2Lエンジンを搭載したオープンカーで、1929年には6気筒3Lエンジンを搭載した中型セダンのPV650が発売されています。1930年代にアメリカ GMの技術者を雇い入れ、その技術で小さなアメリカ車的な設計の車が開発されました。
スウェーデンは過酷な環境の広大な国土を持つため、信頼性の高いエンジンを搭載した頑丈な車体が必要とされました。1930-1940年代のアメリカ車はまさにそのような条件を満たす車でした。スウェーデンは中立国でしたので、第2次大戦には参戦しておらず、ボルボは1946年にPV60シリーズを発表しました。PV60は6気筒3.7Lエンジンを搭載した大型車で、同時期のアメリカ車と同じようなスタイルをしていました。(実車画像→ ボルボ PV60 1946)
1944年にボルボ初の小型車PV444が登場しました。PV444の444は4人乗り、40HP、4気筒(1.4L)エンジンを意味し、モノコックボディを採用し大量生産によって低価格で提供されました。デザインはやはりアメリカ車的なデザインで、3段変速で最高速100km/hの性能でした。1958年までに約20万台が生産され、信頼性や耐久性が高く評価されました。1958年にPV444を改良したPV544が登場しました。フロントとリアのウインドーが拡大され、室内は5人乗りになりました。4気筒1.6L(60HP)エンジンを搭載し、4段変速が採用され最高速は137km/hに向上しました。PV544は1.8L(68HP)エンジンが追加されて1965年まで約24万台が生産された人気車種で、ラリーでも活躍しました。
ミニカーは1959年に発売されたテクノ製の当時物です。北欧デンマークのテクノは1950-1970年代にボルボやサーブなど他社がモデル化しない北欧車を多くモデル化しており、しっかりした塗装で独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このPV544も実車の雰囲気がうまく再現され細部も良く仕上げてあり、当時としてはかなりレベルの高いミニカーでした。なお現在のテクノはオランダに移転しており、主に商用車/トラックを1/50でモデル化しています。これ以外のPV544のミニカーはシュコー ピッコロの当時物 1/90、イクソのラリー仕様、ブッシュの1/87、ヴィーキングの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ 122S アマゾン スウェーデン 1958年
ボルボの大型車として120シリーズ アマゾンが1956年に登場しました。当初のアマゾンという名前はギリシャ神話の女性戦士アマゾンに由来したものでしたが、車名に3桁数字を使うようになってからは120シリーズに改名されました。当初は4ドアセダンだけで、ボディはボルボで初めてフラッシュサーフェースを採用しそれまでのPVシリーズと同様にアメリカ車的なスタイルでした。ボルボ 121は4気筒1.6L(60HP)、122は1.6L(78HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速143km/h(122)の性能でした。
1958年に85HPにパワーアップした高性能版の122Sが追加され、1961年には1.8L(82HP)エンジンに切り替わり2ドアセダン(131/132)や5ドアワゴン(221/222)が追加されました。1967年に追加された高性能版(104HP)の123GTはラリーで活躍しました。合わせガラスを使ったフロントウインド、クラッシュパッドが貼られたダッシュボード、世界初の3点式シートベルトの採用など120シリーズにはボルボの安全に対する進んだ姿勢が見られました。2Lエンジンが追加され1970年まで生産されました。総生産台数は約67万台でした。
ミニカーは1961年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。高性能版の122Sをモデル化しています。縮尺は明記されていませんが、1/43よりすこし小さめで1/45ぐらいで出来ています。60年以上も前に発売されたビンテージミニカーですので素朴な作りですが、プロポーションは良く実車に忠実な造形で1960年代のミニカーとしては良く出来ていました。これ以外の120シリーズの当時物ミニカーはテクノ(同じ型番で4ドアと2ドアがある)やスポットオンがありました。当時物以外ではブレキナの1/87、イクソ(ホワイト ボックス)のセダンとワゴン、国産名車コレクション、ミニチャンプスのセダンとワゴン、オックスフォードの1/43と1/76などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ P1800 スウェーデン 1960年
ボルボ初のスポーツカーとしてP1800が1960年に登場しました。ボルボ アマゾンのシャーシにイタリアのカロッツェリア フルアがデザインした2+2の美しいクーペボディを架装したもので、ボルボには生産工場の余裕がなく当初の生産はイギリスのジェンセンに委託されました。ボルボ自製の4気筒1.8L(100HP)エンジンを搭載し、4段変速機で最高速166km/hと高性能でした。美しいスタイルと高性能でアメリカを中心に人気がありました。
ジェンセンが生産したボディには塗装等に問題があり、1963年からは生産が内製に切り替わりました。これ以後スウェーデンで生産したという意味で名前にSが追加され1800Sとなり、エンジンも108HPに強化されました。1969年にはエンジンが2L(118HP)に切り替わり、最高速も180km/hに向上しました。1972年にワゴンスタイルを採用した1800ESが追加されデザインが一新されましたが、1973年に生産中止となりました。P1800シリーズの総生産台数は約4.7万台でした。
ミニカーは1960年頃に発売されたテクノ製のレアな当時物です。北欧デンマークのテクノは1950-1970年代にボルボやサーブなど他社があまりモデル化しない北欧車を多くモデル化しており、しっかりした塗装で独得の雰囲気がある高品質なミニカーを作っていました。このP1800は1960年代前半のビンテージミニカーなのでグリルやバンパーに金属製パーツが使われ、テクノらしい頑丈なミニカーに仕上がっています。(開閉ギミックはありません) このミニカーは実車のデザインを強調する為にキャビン部分が意図的に小さくデフォルメされていると思っていましたが、今回実車の外形図とミニカーの外形を比較してみたところ、かなり実車の寸法に正確であることがわかりました。これは個人的には予想外の結果で、このビンテージ物のミニカーがリアルに出来ていることを再認識しました。P1800の当時物ミニカーはディンキー、コーギー、スポットオン、ノレブの初期物(プラスチック製)がありました。当時物以外ではミニチャンプス、イクソ(プレミアムX ホワイトボックス)、オックスフォードの1/76、ヘルパの1/87、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ボルボ FB88 トラック スウェーデン 1965年
スウェーデンのベアリング メーカー SKF社によって自動車メーカーのボルボ社が1927年に創業されました。1928年に最初のトラックシリーズ1(4気筒エンジン搭載 積載量1.5t)を発売しました。このトラックは密閉された運転室(キャビン)を持つ頑丈な構造で、スウェーデンの気候と道路事情を考慮した信頼性の高い設計でした。このトラックは高い評価を受けて大ヒットし、ボルボの業績に寄与しました。
その後国内だけではなくヨーロッパ各国へと輸出されるようになり、ボルボ社の生産する車の中でトラックは大きな割合を占めていました。1980年代にボルボはアメリカのトラック会社のホワイト社と提携し、ボルボ ホワイト トラック社となり、さらに1980年代後半にはGMCの大型トラック部門も加わりました。2001年にはアメリカのマックを傘下に持つルノーのトラック部門を買収し、2006年に日産ディーゼル工業(現在はUDトラックス)も傘下に収めています。
現在ボルボ トラックス社はダイムラー(メルセデス ベンツ ブランド)に次ぐ世界第2位の大型トラックメーカーです。ちなみに3位は同じスウェーデンのスカニアです。ボルボの乗用車部門は1999年にフォードに買収されてボルボ カーズとしてフォード傘下のブランドとなり、2010年には中国企業に売却されています。
ボルボのトラックの型式名について説明すると、Nがボンネット型でFはキャブオーバー型です。概略ですがFHが一番大きなトラクター系、FMが中型で平ボディやバンのカーゴ系、FLが小型となります。またアルファベットの後の数字は1980年代以降のモデルではエンジン排気量(単位L)を示します。つまりFH16とはキャブオーバーの大型トラックで排気量が16Lとなります。
ミニカーはテクノ製(デンマーク)の当時物で、1968年頃に発売されました。1965年に登場した当時の傑作大型トラックであったF88をモデル化しています。FB88のFはキャブオーバー型、Bは3車軸、88はシリーズ名を示します。車体に表示された「ASG TRANSPORT SPEDITION」とはスウェーデンの物流会社ASG社のロゴです。テクノのミニカーはプロポーションが良く、プラスチック製パーツをあまり使わないがっちりとした作りで、塗装もしっかりしています。このFB88も縮尺が1/50と少し小さめに出来ていますが、テクノらしい素晴らしい出来ばえです。(脱着できる幌はプラスチックではなく板金製で頑丈です)
このミニカーには色々な企業のプロモーション用モデルのバリエションがあったようです。F88のこれ以外の当時物ミニカーはないようで、最近の物ではコーギーやイクソなどがあります。現在の主流であるFHシリーズはヘルパやAWMが約200種類以上をモデル化しています。 以下はドアの開閉ギミックとキャブのチルトギミックの画像です。ドアが開閉し室内もリアルに再現され、キャブをチルトさせるとエンジンが金属パーツで再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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