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サビエム SM 300 カートランスポーター フランス 1970?年
戦後のルノーは財政難で大型商用車の生産ができず、戦前のような商用車市場のリーダーではなくなっていました。そこでルノーは戦前からの商用車メーカーであったソミュア(SOMUA)とラティル(LATIL)を買収して、自社の商用車部門と統合して子会社のサビエム(SAVIEM : Société anonyme devéhicules Industriels et d'Equipements Mécaniques 産業車両機械有限会社)を1955年に設立しました。サビエムには大型トラック/バスから小型商用バンまで幅広いモデルがありました。
代表的なモデルとしては、1965年に登場した小型商用車のSG2(Super Goélette)、小型/中型トラックのSG4/5(Super Galion)とその後継車で1975年登場のJ、1977年に登場した中型/大型トラックのH、バスのSC(SAVIEM-CHAUSSON)などがありました。サビエムは1975年にシトロエン傘下のトラックメーカー ベルリエを買収して1978年にルノー V.I.(ビークルズ インダストリーズ)と名称変更しました。その後ルノーのバス部門は分離独立して、イタリアの商用車メーカー イヴェコ(IVECO)と合併してイリスバス(IRISBUS) となりました。2002年にルノー V.I.はボルボに売却され、ルノー トラックスと改名しました。
ミニカーは1974年に発売されたソリド製の当時物です。トレーラーを連結した大型のフルトレーラー方式のサビエム カートランスポーターをモデル化しています。サビエムのフロントグリル 右下には「SM 300」のロゴが表示されていますので、同社のSM 300というモデルであることが分かります。カートランスポーターに表示されている「CAUSSE WALON」とは当時のトラック輸送会社の名前です。全長が18mを超えるヨーロッパ仕様の大型フルトレーラーですので、ミニカーも全長422㎜の大きなサイズとなっています。同じ縮尺の乗用車8台を積載でき、実車同様の積載方法が再現できます。トラクターはキャブを持ち上げることが出来るギミック付きで、牽引するトレーラーは固定ボルトを外すと分離することが出来ます。細部までとても良く出来ているのですが、残念なことに当時のソリド製ミニカーのほとんどに発生したプラスチック製ホイールが溶解する不具合の為、ホイールが完全に変形しています。(ミニカーの材質と経年変化の参照ページ→ ホイールの溶解) ホイール変形の対策を施した物や色違いのバリエーションがいくつかありました。これ以外のサビエムのミニカーはソリドのSG4、ノレブのSC1 バス、ブレキナのSG2 1/87などがあります。 以下はトラクターのフロント/リアの拡大画像とキャブを持ち上げたエンジンルームの画像です。エンジンルームにはV8エンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード カプリ MK I ドラッグスター ”THE SANTA POD Glow-Worm” イギリス 1970?年
ドラッグレース(DRAG RACE)とは停止状態からスタートし一定の距離を走り抜けるまでの時間を競うモータースポーツです。単純に速さを競うレースで、元々はアメリカの若者が夜間に行っていた路上レースに端を発するようです。レースに使用するマシンをドラッグスター(又はドラッグカー、ホットロッドなど)と呼び、バイク、乗用車、トラック、セミトレーラーのトラクターヘッドまで多種多様な外観の車(中身は全くの別物)が使われます。走行する距離は特に決められていませんが、1/4マイル(約402m)で行われることが多く、日本では400mのレースをゼロヨンと呼んでいます。(参照ページ→ ドラッグレースの動画)
ミニカーは1971年に発売されたコーギー製の当時物で、前述した型番303のカプリの型を流用して作られました。車名のSANTA PODとはレースが行われるレース場の名前で、Glow-Wormとは「発光する芋虫?」との意でこの車の愛称のようです。モデルとなった実車は実在し外観はある程度忠実にモデル化していますが、内部構造などはコーギーが見た目重視で創作した部分があるようです。実車はボディを持ち上げて内部を見ることができますが、ミニカーもフロントバンパーを押すとスプリングでボディ全体が跳ね上がるギミックが付いています。内部はV型8気筒エンジンを搭載したシャーシが再現されていて、ドライバーも乗っています。ホイールはコーギーの初期のフリーホイール「Whizzwheels」ですが、外観はドラッグスター風になっています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ケンウォース カートランスポーター アメリカ 1970?年
ケンウォース社はアメリカのトラックメーカーで、1912年にガーリンガー兄弟が自動車車販売店 ガーリンガー モーターカー ワークス(Gerlinger Motor Car Works)として創業しました。自動車販売だけでは満足出来なかった兄弟は、1914年に自ら自動車製造会社を設立し、当時一般的であった4気筒エンジン搭載トラックではなくより強力な6気筒エンジンを搭載したトラックを開発しました。強力なエンジンを搭載し頑丈であったことから、同社のトラックは成功しました。
同社はビジネスマンのエドガー ウォージントン(Edgar K. Worthington)とハリー ケント(Harry W. Kent)に買い取られ、1923年に会社名を両者の名前を冠したケン アンド ウォース(Ken and Worth)に変更しました。1930年代にはバスと消防車も手掛けるようになり、業界をリードする会社となりました。またトラックにディーゼルエンジンを搭載したアメリカ初の会社でもありました。第2次大戦が始まると軍需産業に転換し航空機製造を行いました。戦後は現在のトラックメーカー パッカー(PACCAR)の前身であったパシフィック カー & ファウンダリー(Pacific Car and Foundry Company)に買収されました。現在はパッカーのケンウォース部門で、アメリカの主要なトラックメーカーです。
ミニカーは1979年に発売されたエイダイ グリップ製です。1960年代に創業したプラモデルメーカー 株式会社永大は1970年代にエイダイ グリップ ブランドでミニカーを販売していました。サンダーバード(国際救助隊)などのキャラクター物のグリップキャラクター、消防車や建機のグリップゼッケン、1/43と1/28サイズのスポーツカーやレースカーのグリップテクニカの3つのシリーズがありました。これはグリップゼッケンシリーズの1台で、ケンウォース カートランスポーターをモデル化しています。トラクターは1965年に登場したケンウォース W900A型をモデル化しているようです。トレーラーは当時の一般的なカートランスポーターをモデル化しています。全長が420㎜ 重量1.6㎏の大きなサイズで、金属製パーツが多く全体的に頑丈に出来ています。トラクターは煙突のような排気管、燃料タンク、後方のスリーパーキャブなどが再現されていて、とても良く出来ています。ドア/ボンエット開閉ギミック付きで、エンジンも再現されています。トレーラーとの接続は実車同様にトラクター後部のカプラーにトレーラー前部のキングピンをスライドさせて接続する方式となっています。以下はトラクターとボンネットを開いたエンジンルーム/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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イシコ K400 杭打機 日本 1970?年
杭打機(パイルドライバー)は、土木構造物や建築物の基礎杭を打撃または振動によって地中に打ち込む建設工事用機械です。杭打機にはドロップハンマー、気動ハンマー、ディーゼルパイルハンマー、および振動パイルドライバーなどがあります。ドロップハンマー式の杭打機は重錘(おもり)をワイヤロープで櫓(やぐら)の上に巻き上げ、落下させて杭を打ち込みます。杭打機としてはもっとも古くから使用され、現在では小規模な基礎工事や補助的用途に用いられます。気動ハンマー式は蒸気または圧縮空気によりピストンを上下運動させ杭を打撃して打ち込むもので、スチームハンマーまたはエアハンマーとも呼びます。
ディーゼルパイルハンマーはディーゼルエンジンのピストンの上下運動を杭の打撃に利用するものです。、単にディーゼルハンマーとも呼びます。ディーゼルエンジンの爆発力を使う為、打撃力が強力ですが騒音が大きく排ガスが出るので日本国内の市街地では使用できません。振動パイルドライバーは杭に振動を与えて土中の杭の側面および先端の抵抗を軽減し、同時に連続的振動載荷によって杭の打込みおよび引抜きを行うものです。振動の発生には電動機を使用します。
ミニカーは1975年に発売されたダイヤペット製の当時物で、ドロップハンマー式のイシコ K400 杭打機をモデル化しています。イシコは当時の建機メーカーで、現在は関連会社かどうかは分かりせんが近畿イシコが同様の杭打機を製造しています。実車のサイズが良くわかりませんが、おおよそ1/70ぐらいの縮尺になっているものと思われます。実車の画像などが見つからないので、どの程度リアルに出来ているのかは明確に分かりませんが、ドロップハンマー式の杭打ち込み動作がうまく再現されてますので、かなりきちんとモデル化されているのではないかと思われます。キャタピラーはゴム製で実際に可動します。付属品で打ち込む杭(パイル)が付いています。
ダイヤペットは同じ杭打機でサイズの小さなもの(1/90)も作っていました。 これ以外のイシコのミニカーはダイヤペットがクレーン車と油圧ショベルを作っていました。このような建機のミニカーはダイヤペットがかなりモデル化していましたが、現在は国産メーカーで手掛けているところはありません。なお欧州ではNZGなどがリアルな建機のミニカーを作っています。 以下は杭打機の正面/側面図と、杭打機が杭を打ち込む動作の画像です。巻き上げハンドルを回してホルダーを下に下げて、ホルダーが重錘(おもり)を掴みます。その後ハンドルを回してホルダーを上に上げて最上部で重錘がホルダーのフックから外れて下に落ちパイルを打ち込みます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM シボレー カマロ Z28 アメリカ 1971年
1970年にGM シボレー カマロ 2代目が登場しました。シャーシは初代と同じでエンジンなどの主要部品もそのままでしたが、ボディは大型化されてスポーツカー的なデザインに変更されました。安全基準の強化で屋根のないオープンカーの設定が無くなり、クーペだけになりました。(Tバールーフ仕様はありました) グレードは初代と同じSS、RS、高性能版のZ28とSS396があり、1973年に豪華仕様のLTが追加されました。当初のエンジンは6気筒3.8L/V型8気筒5L/5.7L(350HP Z28)/6.5L(375HP SS396)などがありました。
1974年のマイナーチェンジで、衝撃吸収大型バンパーが採用されてグリルが後傾し、丸型4灯式テールライトが横長に変更されました。1975年に排ガス規制の影響でハイパワーエンジンがなくなり、高性能版のZ28が姿を消しました。1977年にZ28は復活しましたが1971年に馬力表示がグロスからネットに変更されたことと排ガス対応で、表示馬力は185HPと大幅に低下しました。1978年のマイナーチェンジでフロント/リアの意匠が変更されました。その後1981年までモデルチェンジされずに生産されましたが、これは排ガス規制への対応が新型車開発より優先された為でした。1982年にカマロ 3代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2021年に発売されたデアゴスティーニ製のアメリカンカー コレクションの1台です。シボレー カマロ 2代目の高性能版Z28をモデル化しています。メーカーは明記されていませんがイクソ系列のメーカーだと思われます。(ミニカーを台座に固定するネジに3角溝があるネジが使われていて、このネジを使用するのはイクソ系列のメーカーの特徴ですので) プロポーションが良く、カマロ 2代目のフロントの造形がうまく再現されているなど、実車の雰囲気が良く再現されています。定価が2000円ほどの安価なミニカーながら、ナンバープレートなど細部もそこそこリアルでかなり良い出来ばえです。これ以外のカマロ 2代目のミニカーはアーテル(ERTL)の1/18、スパーク(レジン製)の1/43、マテルの1/64、ブレキナの1/87、ジョニーライトニングの1/64、グリーンライトの1/64などたくさんあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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