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トヨタ (トヨペット) クラウン RS41型 日本 1963年
1960年に小型車規格が全長4.7m全幅1.7mまで拡大され、1962年に登場したトヨペット クラウン 2代目は一回り大きいボディとなりました。ボディはトヨタのTをイメージしたフロントグリルを特徴とする直線的なデザインで、アメリカ車をお手本としていました。当初のエンジンは4気筒1.9L(80HP)のR型で、3段変速(2段オート トヨグライド)で最高速140km/hほどの性能でした。カスタムという名前のワゴン、商用車のマスターラインもありました。1963年のマイナーチェンジで、バックアップライトをテールライトと一体化しました。
1964年にボディーを大型化し(全幅1.85m)、新設計したアルミ製V型8気筒2.6L(115HP)エンジンを搭載した上級車のクラウン エイト(8)が登場しました。1965年のマイナーチェンジで、テールライトの形状を丸型から横長形に変えるなどフロント/リアの意匠が変更されました。同年に新設計の6気筒2L(99HP)のM型エンジンも追加されました。この6気筒エンジン搭載車にはディスクブレーキ、フロアシフト、タコメータを装備したスポーティ仕様もありました。このM型エンジンはその後のトヨタの高級車の主力エンジンとなりました。1967年にクラウン 3代目(S50型)にモデルチェンジしました。
ミニカーは2003年に発売されたエブロ製です。バックアップライトをテールライトと一体化した1963年式をモデル化しています。王冠のエンブレムが付いた良くできたフロントグリルや凝った内装の室内などがリアルで、クラウン 2代目の雰囲気がうまく再現された良い出来ばえです。当時物ミニカーはミクロペット、モデルペット(1963/1964年式 2タイプ)、ダイヤペット(1963/1966年式 2タイプ)があり、いずれもレア物です。当時物以外のミニカーはファイン モデル(アンチモニー製)がパトカーやタクシーなども含めて10数種類、国産名車コレクション、ファースト43(国産名車コレクションと同じ)、トミカ リミッテドの1/64などたくさんあります。なお2011年にエニフ(ENIF)がクラウン 8をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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三菱 コルト 1000 日本 1963年
前述した三菱 コルト 600がモデルチェンジして、1963年にコルト 1000が登場しました。三菱初の4ドア小型乗用車で、よく言えばシンプルな(悪く言うと何の特徴もない真四角の)セダン スタイルをしていました。水冷4サイクル4気筒1L(51HP)エンジンをフロントに搭載し、4段変速で最高速80km/hの性能でした。2/4ドアセダンとバンの設定がありました。
1965年に1.5L(70HP)エンジンを搭載してボディを拡大し丸型4灯式ヘッドライトを採用したコルト 1500が追加されました。(実車画像→コルト 1500) 1966年に1Lエンジンが1.1L(58HP)エンジンに変更され、1000のボディに1.5Lエンジンを搭載し全輪ディスクブレーキを採用した1500 スポーツセダン(最高速145km/h)も登場しました。1968年のマイナーチェンジでセダンは角形ヘッドライトとなり、1.1Lエンジンが1.2Lに変更され、コルト 1200となりました。1969年に後継車のコルト ギャランが登場しました。
ミニカーは1965年に発売されたモデルペットの当時物です。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、実車の雰囲気は良く再現されています。ボンネットが開閉するギミックが付いていますが、これはボンネットのヒンジが折損しましたので、ボンネット後端が少し沈み込んでいます。これ以外の当時物としてはミクロペットのセダンとそのレース仕様がありました。三菱車としては初めてのミニカーでしたので、当時のコルト1000はそこそこ人気があったのでしょう。なお2023年現在でも当時物以外のミニカーは作られていません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ホンダ S500 日本 1963年
技術者の本田宗一郎氏が1946年に静岡県浜松市に創立した本田技術研究所が自動車メーカー ホンダ(本田技研工業株式会社)の前身でした。本田技研は陸軍の無線用小型エンジンを改良した2サイクルエンジン(50cc)を自転車に取り付けて原動機付自転車を開発し、その製造/販売を始めました。 1947年にはA型エンジンを独自開発し、それを搭載した原動付自転車を完成させました。
1948年に本田技研工業株式会社を設立し、翌1949年には初の自社設計2輪車「ドリームD型」(98cc)の生産を開始しました。1952年には原動機付自転車「カブF型」(50cc)を発売、1958年にはベストセラーとなった2輪車「スーパーカブC100」が発売されました。モータースポーツでは1959年にイギリスのマン島TTレースに初参加し、1961年には125/250ccクラスで5位までを独占する優勝を果たしました。その翌年の1962年には、三重県鈴鹿市に鈴鹿サーキットを開設しました。
ホンダは1962年の自動車ショーにS360、S500、T360を展示し、4輪車への進出を表明しました。翌年の1963年に発売されたのが、小型スポーツカーのS500でした。高回転型のDOHC水冷4気筒531cc(44HP)エンジン搭載で、チェーンを使った後輪駆動といった2輪車のような設計がされていました。乗車定員は2名で、4段変速で最高速130km/hの性能でした。イギリスのMG ミジェットを参考にして自社でデザインしたという、全長3.3mの小さなボディはなかなか魅力的なスタイルに仕上がっていました。当時の価格は45.9万円と安価で、生産台数は500台ほどでした。ホンダ S500発売の5ヶ月後(1964年)に、エンジンを606cc(57HP)に拡大したS600が登場しました。1965年には密閉されたキャビンを持つクーペが追加されました。
ミニカーは2009年に発売された国産名車コレクション製です。全長78㎜ほどの小さなミニカーですが、実車の雰囲気がうまく再現されています。フロントグリルや室内などの細部も良く仕上げてあります。メーカーはノレブで、安価な(定価1790円)雑誌付きミニカーですが、値段相応以上の良い出来ばえです。ホンダ S600やS800のミニカーはたくさんあるのですが、S500のミニカーは最近までこれしかありませんでしたが、2015年になってMARK43がレジン製で、2017年にはエブロもレジン製でモデル化しました。(それ以前にもダイドーデミタスコーヒーのおまけの日本の名車シリーズや、実車販売のノベルティでホンダ純正品?があったようですが) 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ホンダ T360 日本 1963年
前述したスポーツカーホンダ S500発売より2ヶ月ほど早く、ホンダ初の4輪車として登場したのがT360でした。当時の日本では自動車メーカー認可を抑制する方針が出されていたため、ホンダは自動車メーカーとして4輪車発売を急ぐ必要があったのでした。その為スポーツカー用としても使えるように開発していたエンジンを使用したことで、DOHCエンジンを搭載した初の国産車がこの軽トラックとなりました。さらにはエンジンはシートの下にあったので、ミドシップ式エンジン搭載ということにもなりました。
水冷4気筒4連キャブレター354cc(30HP)の高性能エンジンは他社の軽自動車用エンジンの約2倍の出力で、4段変速で最高速100km/hの性能でした。「スポーツトラック」と呼ばれたこの車は、あまりに精密すぎたエンジンのトラブルや値段が高かったことなどから、あまり売れなかったようです。1964年にS500のエンジンを搭載し荷台を拡大したT500が追加され、1967年に軽自動車N360のエンジンとパワートレーンを流用した改良型のTN360が登場したことでT360は生産中止となりました。TN360は1970年にTN-III、1972年にTN-V、1975年にTN-7に発展し、1977年まで生産されました。(実車画像→ ホンダ TN360 1967)
ミニカーは2009年に発売された国産名車コレクション製です。メーカーは不明ですがイクソ系だと思われます。実車の雰囲気が良く再現され、室内などの細部もリアルで良く出来ています。また車体底板部分にもミドシップ搭載されたエンジンやリアデフなどがそこそこ再現されています。2017年に同じ型を使った色違いがFIRST43から発売されました。これ以外のT360/TN360のミニカーはエブロのT360とTN360とTN360クローラタイプ、トミカのTN360(TN-III)、トミカ リミッテドのT360、MODEL LINE(ホワイトメタル製)のノーマルとクローラタイプ、タルガ タッカーの昭和おもひで軽トラシリーズ(1/52)などがあります。2020年に刊行されたミニカー付雑誌「懐かしの商用車コレクション」でもモデル化されています。なおエブロ製のT360は全体的な造形がこの国産名車コレクション製と非常によく似ていますので、国産名車コレクションのT360はエブロの型を流用している可能性があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スバル 360 日本 1963年
戦前に軍用機やそのエンジンを開発していた航空機メーカー「中島飛行機」は、戦後航空機開発が禁止されたことから、「富士産業」と名前を変えて民生品開発を始めました。進駐軍が使用していたスクーターを国産化し、1947年に「ラビット スクーター」と名付けて発売、このスクーターは使いやすかったことから人気を博しました。また航空機製造の技術を生かしてバスボディの架装を始め、1949年に日本初のモノコックボディのリアエンジンバス「ふじ号」を完成させています。その後富士産業は財閥解体の対象となり分社化されますが、1955年に中島飛行機系の6社が合併して、富士重工業株式会社が発足しました。富士重工業のシンボル「スバルの六連星」は、この6社合併を意味しています。
富士重工業株式会社は普通乗用車の開発に着手し、1.5Lの4ドア車「スバル1500」の試作車を完成させましたが、採算面などの問題で市販化を断念しています。その後大人が4人乗れる軽乗用車開発に方針を変更し、1958年に市販されたのがスバル 360でした。 スバル 360は大人4人を乗せて最高速80km/hを出すという当時としては高いレベルを目指していたので、かなり高度な設計がなされていました。非力な空冷2ストローク2気筒360cc(16HP)エンジンで速度80km/hを達成するには、車体の徹底的な軽量化が必要でした。それを可能にしたのが特徴的な丸っこいモノコックボディで、元航空機メーカーとしての軽量化技術が生かされたのでした。
強度を得る為にボディ全体が丸みを帯びており、強度の不要な屋根はFRP製、リアウインドーはアクリル製と徹底的な軽量化がされていました。(車重は385kgと非常に軽い) 駆動方式は前輪駆動も検討したようですが、技術的に時期尚早ということで、ドライブシャフトが不要なリアエンジン後輪駆動方式を採用しました。サスペンションは横置きトーションバーとコイルスプリングを組み合わせた、コンパクトで軽量な4輪独立懸架を採用していました。ステアリングはラック&ピニオン方式、タイヤは新規開発された10インチタイヤなどそこここに新規技術が採用されていました。
1958年から販売された360は4人乗りで、3段変速、最高速度83km/hの性能でした。価格は約36万円で、軽量化と低コスト化の為、室内は簡素で最低限度の物しか装備されていませんでした。実用的な自動車として大ヒットし、360をベースにして1961年に発売した商用車サンバーも大ヒットし、スバルは自動車メーカーとしての基礎を固めました。その後コンバーチブル、商用バンなどが追加され、性能や装備を充実させて軽自動車のベストセラーを長く維持しました。1968年には36HPにパワーアップしたスポーツ仕様のヤングSSが登場しましたが、さすがに時代遅れとなり1970年に生産中止となりました。後継車はスバル R-2でした。この安価で本格的な軽自動車の登場で庶民には無縁の物と思われていた自動車が身近な物となりました。実際に私が中学生だったころ(1965年頃)、学校の先生がスバル360で通勤されていました。またその車が溝にはまった時に、大人が数人で持ち上げていたほど軽量でした。
ミニカーは1999年に発売されたエブロ製で、1963年式をモデル化しています。開閉ギミック付ではないのですがフロント/リアパネルを別パーツとしているなど凝った造りで、細部も良く再現された良い出来ばえです。エブロはヤングSS、カスタム(バン)、サンバーもモデル化していて、さらに1/12の非常に良く出来た大スケールミニカーもありました。スバル 360の当時物ミニカーとしては1960年頃のミクロペットとモデルペットがありましたが、どちらも極めてレアなお宝です。当時物以外では1980年代にトミカでモデル化され、ダイヤペットからもアンチモニー製の限定生産品が作られました。その後エブロから上述の物が発売され、小スケールではコナミの1/64、トミカ リミッテドのセダン、カスタム、ヤングSS、レース仕様などが発売されました。最近では国産名車コレクション(ノレブ製)でモデル化され、その型を流用してノレブのルミノ ブランドからは珍しい初期型(1958年式 通称デメキン)と後期型(1967年式)が発売されているなど、たくさんのミニカーがあります。 以下はエブロ製のフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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