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フォード マーキュリー モントレー アメリカ 1951年
GMの中級車(ビュイックやオールズモービル)に対抗して、フォードは1938年に新ブランドのマーキュリーを設定しました。マーキュリーは大衆車フォードと高級車リンカーンの間を埋めるブランドで、最初に登場したマーキュリー エイトはリンカーンの廉価版ゼファーに似せたデザインでV型8気筒3.9L(95HP)エンジンを搭載していました。4ドアセダン、2ドアクーペ/コンバーチブル、4ドアステーションワゴンなどが揃っていました。(実車画像→ フォード マーキュリー エイト 1939)
戦後の1950年にエイトの上級グレードの2ドアクーペとしてモントレーが設定されました。基本設計は前述した大衆車のフォードと同じでした。デザイン的にはまだ前フェンダーが残りボンネット位置が高い戦前型のオーソドックスなスタイルでした。このクラシックな外観ゆえにこのマーキュリーは当時もその後の時代でもホッドロッドなどの改造車のベースとして人気がありました。V型8気筒4.2L(110HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速140km/hの性能でした。1952年にエイトはフラッシュサーフェースの戦後型ボディに一新されモントレーに改名されました。(実車画像→ フォード マーキュリー モントレー 1953)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代のアメリカ車をモデル化した1950年代シリーズの1台です。1951年式のモントレー クーペをモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風なのですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしているように思います。プロポーションが良く丁寧な仕上げで良く出来ています。ボンネット/ドアが開閉し、室内やエンジンもリアルに再現されています。(インパネのメーターは紙のシールです) これ以外のモントレー 初期型のミニカーはミニチャンプスやジャダトイ(JADA TOYS)のホットロッド仕様 1/24などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード フェアレーン クラウン ビクトリア アメリカ 1955年
1951年にフォードの上級グレードとして2ドアハードトップのビクトリアが追加されました。(フォードはハードトップ仕様をビクトリアと呼んでいました) 1952年のモデルチェンジではフォードの最上級モデルとしてクレストライン(CRESTLINE)が登場しました。クレストラインは次の1955年のモデルチェンジでフェアレーンに名前が変わりました。フェアレーンには2/4ドアセダン、2ドアハードトップのビクトリア、コンバーチブルがあり、ステンレス製トリム(フェアレーン ストライプ)を境目にして塗り分けられたツートンカラーで下級グレードと差別化していました。
フェアレーン 2ドアクーペで最上級グレートのクラウン ビクトリアのデザインは1953年に発表されたコンセプトカー X100のイメージを取り入れたもので、ハードトップのルーフ前半は透明プラスチックかスチールが選択できました。透明プラスチックのルーフは既にこの時代に実用化されていました。(実車画像→ コンセプトカー X-100 1953) フェアレーンのエンジンは6気筒3.7L(120HP)とV型8気筒4.5L/4.8L(200HP)が搭載されました。1956年に4ドアのビクトリア ハードトップが追加され、新型のV型8気筒5.1L(228HP)エンジンも追加されました。1957年にフェアレーン2代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ フォード フェアレーン 1957)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製です。フランクリン ミントがモデル化している1/43のアメリカ車はいずれもボンネット/ドアの開閉ギミック付きで細部まで細かく再現されていました。コンチネンタル キットと呼ぶスペアタイヤをリアに搭載するオプションを装備したフェアレーン クラウン ビクトリアをモデル化しています。プロポーションが良くフロントグリル、ボディ各部のトリム、スペアタイヤ、室内などの細部が良く再現されていました。実車に忠実なツートンカラーと透明ルーフもきれいに出来ています。なお当方が保有するこれはフロントスクリーンが欠品していますが、あまり気にならないです。これ以外のフェアレーン初代のミニカーはジクの当時物、同じフランクリンミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マッチボックス、ヤトミン、ビテス、ホワイトボックス(イクソ)などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード リンカーン コンチネンタル MK II アメリカ 1956年
この当時のフォード リンカーンにはマーキュリーをベースにしたスタンダードと高級なコスモポリタンの2シリーズがありました。リンカーン コスモポリタン 1950年式は大統領専用車「コスモポ リタン スペシャル」として有名でした。フォードは1956年にヨーロッパ的な高級車を担当するコンチネンタル部門を新設し、戦前のコンチネンタルをコンチネンタル MK IIとして復活させました。リアトランクに搭載したスペアタイヤなど初代のイメージを残しながら近代化した優雅なデザインで、初代同様に品があって美しい車でした。(当時のアメリカ車につきものだった派手なクロームモールも極力抑えてありました)
コンチネンタル MK IIは月100台の限定(手作り!)生産で、価格1万ドル(普通のリンカーンの2倍 現在の貨幣価値で約1000万円くらい)もするロールス ロイス並みに高価な車でした。ただ1万ドルでも手作りゆえに赤字だったそうで、約3000台が生産されただけで1957年には生産中止となりました。1957年以降コンチネンタル部門は、ヨーロッパ風高級車ではなく、GM キャディラックなどの他社製高級車に対抗する車を担当する部門にかわりました。1958年に3代目のコンチネンタル MK IIIが登場しました。
ミニカーはフランクリン ミント製で1950年代のアメリカ車を1/43でモデル化した1950年代シリーズの1台で、1989年頃に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風ですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしていて、実に良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジンルーム内のエンジンや室内のインパネなど細部がリアルに再現されていて、当時の1/43サイズのミニカーとしては最上級レベルの出来ばえでした。(ボンネット先端のエンブレムもリアルです) これ以外のコンチネンタル MK IIのミニカーとしては、マーキュリーの当時物、フランクリン ミントの1/24、ヤトミンの1/18、ミニチャンプス、オックスフォードの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード アメリカ 1956年
1955年に登場したフォード サンダーバードは2シータのオープンカーで、1953年に発表されたGMのコルベットと同様ヨーロッパのスポーツカーを意識したものでした。ただしコルベットのような本格的なスポーツカーではなく豪華でスポーティな車というコンセプトでしたオープンカーですが脱着可能なグラスファイバー製ハードトップが標準装備されていました。V型8気筒(4.81L 212HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速187km/hの性能でした。
1956年にスペアタイヤがリアに搭載されてトランクが拡大されました。ハードトップに円形の窓がオプション設定され、ハイパワーのV型8気筒(5.1L 225HP)エンジン追加されました。1957年にはフロントバンパー形状が変更されてグリルが拡大しテールフィンが大きくなり、スペアタイヤがトランク内に収納されました。V型8気筒(5.1L)エンジンにスーパーチャージャーを追加して340HPにパワーアップした高性能版が追加されました。1958年にサンダーバード 2代目にモデルチェンジしました。サンダーバード 初代の生産台数は約53000台でした。
高級なパーソナルカーというサンダーバードのコンセプトは、その後の自動車市場の動向を見通したもので先見の明がありました。実用的な自動車が普及すると必ずこのようなパーソナルな高級車の需要が出てくるものです。(日本ではトヨタのコロナ マーク II 初代あたりが似たようなコンセプトでした)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台です。このシリーズは1950年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43でモデル化していて、レトロな作風ながらボンネット/ドアが開閉するなど細部までリアルな作りでした。このサンダーバードはスペアタイヤをリアに載せた1956年式をモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現したややレトロな作風でボンネット/ドアが開閉します。エンジンやサスペンションが再現されカブリオレなので室内も良く再現されていてとても良い出来ばえでした。これ以外のサンダーバード初代の当時物ミニカーはソリド、テクノがありました。当時物以外ではフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マッチボックス、ミニチャンプス、リオ、コーギーの1/36、ジョニーライトニングの1/64、ブッシュの1/87など非常にたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード ランチェロ アメリカ 1957年
フォードのピックアップの歴史概要をフォード F-150の解説に記載しました。そこで述べたようにデザインを重視したピックアップとしてフォード ランチェロ 初代が1957年に登場しました。フルサイズの乗用車のシャーシをベースにしていて、ボディの前半分は当時最新の乗用車フェアレーン 2代目と同じデザインで、ボディ後半に荷台を付けた構成でした。フェアレーンと同じオプションが設定され、上級車はフェアレーンのエンブレムもついていたようです。(実車画像→ フォード フェアレーン 2代目 1957)
エンジンは6気筒3.7L、V型8気筒4.8Lや高級車サンダーバードと同じV型8気筒5.8Lも選択できました。ピックアップの実用性を持つ乗用車として、新しい市場を開拓した車となりました。ランチェロがヒットしたことで、GMからもシボレー インパラをベースにしたシボレー エルカミーノ(EL CAMINO)が1949年に登場しました。(実車画像→ GM シボレー エルカミーノ 1959)
以下は2世代目以降の概要です。
1960年に2代目が登場 コンパクトカー ファルコンをベースにして小型化されました。
1966年に3代目が登場 ファルコンがベース 1年だけの短期のモデルでした。
1968年に4代目が登場 中型車トリノがベースとなり、大型化されました。
1970年に5代目が登場 先代と同じトリノがベースでした。
1972年に6代目が登場 先代と同じトリノがベースでした。
1977年に7代目が登場 トリノが製産中止となりLTD IIがベースとなりました。1979年に中型ピックアップの需要減少によりランチェロは生産中止となりました。なおシボレー エルカミーノも1987年に生産中止となりました。
データーベースでシボレー エルカミーノのミニカー検索
ミニカーは2007年頃に発売されたヤトミン製です。1950-1970年代の著名なアメリカ車を1/43でモデル化したシリーズ物の一つでした。このシリーズは安価でしたが、そこそこ良い出来ばえに仕上がっていました。このランチェロもプロポーションが良く、特徴的なサイドのクロームモールやフロントの顔つきなど押さえるべきところはきちんと仕上げてありますので、実車の雰囲気を知るには十分です。(ただ細かいところは値段相応ではありますが) ランチェロのミニカーはあまりありません。これ以外のランチェロ 初代ではホットーホイールの1/64があるようです。その他ではホットホイールの6代目とネオ(レジン製)の6代目/7代目があります。 以下はフロント/リアの拡大画像と荷台の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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