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ロールス ロイス シルバー ドーン イギリス 1949年
1946年に登場したベントレー MK VIは同時期に登場したロールス ロイス シルバー レイスのホイールベースを短縮したものでした。ベントレー MK VIにはメーカー標準のスチール製ボディが設定されていました。当時のアメリカ市場のコンパクトセダンの需要に対応して、ロールス ロイス初の標準ボディ設定で低価格化したMK VIのロールス ロイス版が検討され、ロールス ロイス シルバー ドーン(DAWN:夜明けの意)として1949年に発表されました。当初のシルバー ドーンは全てが左ハンドル(輸出仕様)でした。
シルバー ドーンとベントレー MK VIはエンジンのチューンとグリルが異なるだけで基本的には同じ車でした。(ベントレーはツインキャブ、シルバー ドーンはシングルキャブで少しだけパワーが小さい) 当初のエンジンは直列6気筒4.3Lで、1951年にはシルバー レイスの変更に合わせて4.6Lに拡大されました。1952年には4段自動変速がオプションで設定されました。シルバー ドーンは1955年にシルバー クラウド Iに切替わって生産中止となり、生産台数は約760台でした。なお標準ボディではなく、従来通りのコーチビルダー製ボディのシルバー ドーンもあったようです。
ミニカーは2017年に発売されたオックスフォード製です。シルバー ドーンの標準スチール製ボディ仕様をモデル化しています。品の良いツートンカラー、良くできたフロントグリルとその上のマスコット、そこそこ再現された室内など、実車の雰囲気が良く再現されている良い出来ばえでした。ただ屋根のラジオのアンテナは、少し目立ち過ぎで目障りです。このオックスフォードはロールス ロイスはブランドが登場した当初より仕上げレベルが向上していましたが、それでも当時の値段は約6000円とそんなに高くはありませんでした。 シルバー ドーンのミニカーは最近までウエスタンモデル(ホワイトメタル製)の物しかなかったのですが、2014年にトゥルースケール(レジン製)でモデル化されました。このオックスフォードのシルバー ドーンはトゥルースケールの約半値ですが、出来ばえはほぼ同等でした。以下はフロント(マスコットの拡大)の拡大画像とリアの拡大画像です(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー クラウド I フーパー エンプレス イギリス 1956年
1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプにモデルチェンジしました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この時点で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。シャーシは新設計でエンジンはシルバー レイス用の6気筒4.9Lを大幅に改良して搭載し、最高速は170km/hとロールス ロイスとしては初めて100mp/h(160km/h)を越えた車となりました。
フーパー エンプレスという名前はコーチビルダーのフーパーが1950年代半ばにデザインしたフロントフェンダーが長く裾を引いたエレガントなデザインのボディのことを示します。もともとはベントレー用として使われたデザインだったようですが、同じデザインがロールス ロイスにも使われたようです。この時期からロールス ロイスはボディとシャーシを一体化したモノコック構造を本格的に採用し始めたので、仕事が減ったコーチビルダー フーパーは1959年に廃業しました。その為このフーパー エンプレス ボディを架装したシルバー クラウド Iは十数台しか製作されなかったようです。
ミニカーは2018年に発売されたオックスフォード製です。オックスフォードの1/43は以前から出来が良かったのですが、このフーパー エンプレスも特徴的なエレガントなボディをうまく再現していました。またツートンカラーの塗装、フロントグリルの造形、そこそこ良く再現された室内などもとても良い出来ばえでした。なおロールスロイスのマスコットを大きめのサイズでリアルに作っているのは、マニアの嗜好をよくわかっているからです。(正確にスケールダウンすると小さくなってみすぼらしく見えますので) この出来ばえで定価6300円ですから、ミニカーの価格が高騰している現在では実にリーズナブルな価格設定でした。(イクソの1/43ダイキャスト製ミニカーは2022年現在でも約7500円ですから、この値段ぐらいで充分やれるはずです) これ以外のフーパー エンプレスのミニカーは、モデルカーグループのシルバー レイス(1/18)やネオ(レジン製)のシルバー レイスなどがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー クラウド I イギリス 1956年
1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプに発展しました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この時点で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。エンジンはシルバー レイス用の6気筒4.9Lを大幅に改良してものが搭載され、シャーシは新設計で最高速は170km/hと、ロールス ロイスとしては初めて100mp/h(160km/h)を越えた車となりました。
前述したシルバー ドーン フーパー エンプレスはコーチビルダーが架装した特注ボディでしたが、こちらはロールス ロイス社が設定していた標準ボディ(モノコックボディ)です。フーパー エンプレスより少し全長が短く、前後フェンダーとトランクがボディと一体化した近代的なデザインとなっていました。このボディは標準ホイールベース仕様(3124㎜)で、ロングホイールベース仕様(3226㎜)も1957年から追加されました。1959年にエンジンをV型8気筒に変更してロールス ロイス シルバー クラウド IIとなりました。シルバー クラウド Iの総生産台数は約2300台で、そのなかでコーチビルダーが架装した特注ボディは150台ほどでした。
ミニカーは2018年に発売されたオックスフォード製です。オックスフォードの1/43は以前から出来が良かったのですが、このシルバー クラウド Iもプロポーションが良く実車の雰囲気をうまく再現していました。フロントグリルの造形、そこそこ良く再現された室内なども良い出来ばえでした。また小さなフェンダーミラーとロールスロイスのマスコットもリアルに出来ています。なおロールスロイスのマスコットを大きめのサイズでリアルに作っているのは、マニアの嗜好をよくわかっているからです。これ以外のシルバー クラウド Iのミニカーは、マーキュリーやマッチボックスのビンテージ物、フランクリンミントの1/24、マトリックス(レジン製)などがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)の拡大画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー クラウド II イギリス 1959年
1955年にロールス ロイス シルバー ドーンはシルバー クラウド Iに、ベントレー R タイプはS1 タイプにモデルチェンジしました。これ以前のロールス ロイスとベントレーはホイールベースが異なるなどの明確な違いがありましたが、この世代で両車はグリルとエンブレムだけが異なるだけのほとんど同じ車になってしまいました。エンジンはシルバー レイス用の6気筒4.9Lが大幅に改良されて搭載され、シャーシは新設計で最高速は170km/hでした。ロールス ロイスとしては初めて最高速が100mp/h(160km/h)を越えた車となりました。
1959年に新設計されたV型8気筒6.2Lエンジンが搭載され、シルバー クラウドはII型となりました。この変更は従来の6気筒エンジンが排気量拡大の限界に達したことに加えて、V型8気筒エンジンが当たり前となりつつあったアメリカ市場をにらんだものでした。なお内外装に大きな変更はありませんでしたので、見た目はほとんど変わっていませんでした。
ミニカーは1960年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドの初期物で60年以上も前に発売されたミニカーですので素朴な造形ですが、プロポーションが正確で実車の雰囲気が見事に再現された傑作ミニカーでした。(ただサイズは1/43より少し小さめです) 灯火類は塗装処理で室内はシートのみが簡単に再現され、ワイパーやマスコットなどの細かいパーツは付いていませんが、そのようなパーツが無くてもこのような魅力的なミニカーが成立することがこのミニカーを見れば分かっていただけるのではないでしょうか。ただ現在のスケールモデル的なミニカーしか知らない方は時代背景や価値観が違いますので、1960-70年代頃のビンテージミニカーの魅力を理解していただくのは難しいとは思いますが。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ロールス ロイス シルバー レイス イギリス 1959年
ロールス ロイス シルバー ドーンには前述したように標準ボディが設定されていましたが、シルバー レイスはコーチビルダーが個別に専用ボディを架装する伝統的な高級車でした。日本の皇室も1957年に天皇陛下が使用される公用車として購入していました。シルバー レイスは排気量を4.6L、4.9Lと拡大していき、ロールス ロイスの最上級車として後継車のファントム Vが登場した1959年までに約1700台が生産されました。なお1977年にシルバー シャドウがシルバー シャドウ IIにモデルチェンジした際に、そのロングホイールベース版がシルバー レイス IIと名付けられ、名前が一時的に復活していました。
ミニカーは1959年頃に発売されたディンキー(英)の当時物で、シルバー レイスの最終版をモデル化しています。シルバー レイスは大型車ですので、ミニカーのサイズがあまり大きくならないよう標準的な縮尺の1/43ではなく1/48でモデル化されていました。1950年代のビンテージミニカーですから室内は再現されておらずボディの中身は空っぽですが、外観のフォルムは実車の雰囲気がよく再現されていてディンキー(英)の傑作のひとつでした。ちなみにミニカーで最初に室内を再現したメーカーは同時期のコーギーでした。1960年頃のコーギーのミニカーには、一体成型された樹脂製の内装/シートにステアリングホイールを備えた室内が再現されていました。(当時のコーギーのミニカーの実例→ コーギー 型番230 メルセデス ベンツ 220SE)
以下はフロント/リアの拡大画像です。フロントグリル上にはロールス ロイスのマスコットがサイズに合わせてそれらしく再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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