Sorry Japanese Only
フォード カプリ MK III 3.0S イギリス 1978年
フォード カプリは1974年に3ドアハッチバックのカプリ IIに発展しました。ベースはMK Iながらエンジンはイギリスとドイツで共通化され、エスコートと同じ4気筒1.3L(54HP)/1.6L(88HP)やアメリカ フォードのピント用の4気筒2L(98HP)、高性能版のV型6気筒3L(138HP)が搭載されました。4年間で約50万台が生産され、初代同様ヒットしました。(実車画像→ フォード カプリ II 1974)
1978年にマイナーチェンジしてMK IIIとなりました。MK IIとほぼ同じ構造で、デザインは丸型4灯式ヘッドライトの採用で初代の高性能版のイメージに戻りました。エンジン構成もMK IIと同じで、新しいV型6気筒2.8L(188HP)ターボエンジンを搭載した高性能版は最高速220km/hの性能でした。1984年以降はイギリスだけで販売されることになり、1986年まで生産されました。カプリの累計生産台数は約190万台でした。
ミニカーは2010年に発売されたバンガーズ製です。バンガーズはプロポーションが良くて昔風の味わいのあるミニカーを比較的安価で販売しているので好きなブランドですが、最近は新製品が出ていないようです。このカプリ MK IIIも、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていて、かなり良いできばえでした。昔風の作風ながら、エッチング材のワイパーなど細部も良く仕上げてあります。 1970年代はコストダウンされた安っぽいミニカーが主流となったミニカーの冬の時代でしたので、カプリ MK IIの当時物のミニカーはマッチボックスのKシリーズ、ポリトーイの1/55、シュコーの1/66、ルーソトイなどあまり出来の良くない物しかありませんでした。 MK IIIはコーギーの1/36、ポリトーイの1/25がありました。当時物以外ではMK IIはミニチャンプス、オックスフォードの1/76、MK IIIはミニチャンプス、ノレブ、イクソなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=857
ジャガー XJ12 シリーズ II イギリス 1979年
1966年にジャガーはイギリス民族資本系グループのBMC(ブリティッシュ モーター コーポレーション)と合併し、BMH(ブリティッシュ モーター ホールディングス)が設立され、その2年後にはローバーも参入しBMLC(ブリティッシュ レイ ランド モーター コーポレーション)に発展しました。
1968年にジャガーの新型としてXJシリーズが登場しました。最初に設定されたXJ6はMK IIの発展型の420の後継車で、デザインは独特の顔つきを持つMK X(420G)のイメージを引き継いだものでした。ボディはMK IIよりも少し大きくなり、DOHC 6気筒2.8L(180HP)/4.2L(245HP)エンジンを搭載し、3速自動変速機および4速マニアルで最高速199km/h(4.2L)の性能でした。1969年にはジャガー XJシリーズのディムラー版のディムラー ソブリンが登場しました。(実車画像→ ジャガー XJ6 1971)
1972年にはMK Xの発展型の420Gの後継車となるXJ12が登場しました。XJ6と同じボディなのでMK Xに比べるとサイズが小さくなりました。V型12気筒5.4L(253HP)エンジンを搭載し、3速自動変速機で最高速223km/hの性能でした。XJシリーズは好評を博し、その個性的なスタイルはその後長い間継承されました。1972年にロングホイールべース仕様のXJ6L/XJ12Lが設定されました。
1973年にアメリカの安全基準を満たすためにバンパーが変更されてシリーズ IIとなりました。1975年に標準ホイールベースが廃止されて全てロングホイールベースとなりました。XJ6は2.8Lエンジンが廃止されて3.5L(163HP)エンジンに切り替わりました。1979年のマイナーチェンジでシリーズ IIIとなり、フロントフェンダーにウインカーが追加され屋根が形状変更され、バンバー/フロントグリル/リアライトの意匠が変更されました。1981年に12気筒エンジンが高効率(HE)タイプに改良され、その後もクルーズコントロールなどの電子制御装備が追加されるなどの改良が行われました。1986年にXJシリーズ 2代目のXJ40系にモデルチェンジし、上級仕様のソブリンには丸型4灯式ヘッドライトによる独特の顔つきが角形ヘッドライトのモダンなものに変わりました。(オプション設定で丸型4灯式もありました) なお12気筒エンジン搭載のXJ12だけは1992年まで生産されました。XJシリーズ 初代の総生産台数は約30万台でした。(実車画像→ ジャガー XJ40 ソブリン 1989)
ミニカーは1979年に発売されたソリド製の当時物です。1979年と底板に銘記されているので、XJ12 シリーズ IIの最終型(左ハンドル)をモデル化しています。ソリドらしいシャープな造形でプロポーションが良く、実車の独特な雰囲気がうまく再現され、当時のミニカーとして良く出来ていました。ドアが開閉するギミック付きで、室内の造形は簡素でソリドのミニカーとしては物足りないレベルでした。XJシリーズ 初代の当時物ミニカーはポリトーイのXJ12 1/25と1/43、トミカ ダンディのXJ6L 1/49、マッチボックスのXJ6 1/36などがありました。当時物以外ではバンガーズのXJ6、ミニチャンプスのXJ12、ブレキナのXJ6 1/87、ヘルパのXJ12 1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=808
ロータス エリート S2 イギリス 1980年
ロータス エリート 2代目が1974年に登場しました。ロータス初の4シーター車でエラン +2を後継する車でしたが、エアコンやパワステがオプション設定されるなど、コアなスポーツカーだったエランとは異なりスポーティな高級車に変わりました。ロータス流のバックボーン フレームにFRPボディの構造で、ボディはシューティングブレーク風のデザインですが、リアシート後ろにはリアウインドーがあり荷室と室内は分離されていました。エンジンはヴォクスホール製をベースにしたDOHC 4気筒2L(160HP)を搭載し、5段変速、最高速は最高速212km/hでした。1980年にS2(シリーズ 2)となり、エンジンが2Lから2.2Lに代わり、1982年に生産中止となりました。総生産台数は約2500台でした。
1975年にエリートをベースにしてリアをファーストバックにした2+2座仕様のエクラ(ECLAT)が追加されました。動力性能はエリートと同じでした。エクラは1982年にエクセル(EXCEL)に名前をかえて1992年まで生産されました。エクラとエクセルの総生産台数は約3500台でした。エリート(エクラ)の高級車路線はロータスのユーザーにあまり支持されず、高級車に相応しい品質が足らなかったこともあって、人気はいまひとつだったようです。(実車画像→ ロータス エクラ)
ミニカーは2012年に発売されたスパーク製で、レジン製です。キャビン部分が大きめなのでフロントスクリーン先端の位置が高くプロポーションがあまり良くありません。その為エリートの平べったいイメージがうまく再現されていないので今一つの出来ばえです。なおワイパーや内装などの細かいところは実にリアルに出来ているので、その辺はスパークらしいところですが。 なおスパークはエクラとエクセルもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1708
ローバー SD1 3500 ビテス イギリス 1982年
1976年にイギリスを代表する高級車ローバー P6の後継車としてローバー SD1が登場しました。基本設計は保守的でしたが、外観は同時期のシトロエン CXのような雰囲気の斬新な4ドア ハッチバックでした。これはピニンファリーナのデザイン実験車BMC 1800を参考にしたデザインでした。エンジンはP6と同じV型8気筒3.5L(155HP)を搭載し、3段AT/5段MTで、最高速200km/hの性能でした。先進的なデザインが評価されて1977年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞しています。(実車画像→ BMC 1800 ピニンファリーナ)
1977年に6気筒2.3L/2.6Lエンジンが追加され、1979年に4気筒2Lと4気筒2.4Lディーゼルエンジンが追加されました。1982年にマイナーチェンジされ、V型8気筒に燃料噴射を採用して190HPにパワーアップした高性能版のビテスや豪華版のヴァンデン プラなどが追加され、1986年まで生産されました。SD1の総生産台数は約30万台で、後継車はホンダと共同開発したローバー 800(ホンダ レジェンド初代の姉妹車)でした。この後ローバーはホンダ車をベースとした車を作るようになりました。SD1は当初高く評価されましたが、当時のイギリス車は製造品質の問題があり信頼性が低かったことから、商業的にはあまり成功しませんでした。シトロエンに似ているので個人的に好きな車ですが、実車は不運でした。(実車画像→ ローバー 800)
ミニカーは2005年に発売されたバンガーズ製です。高性能版のビテスをモデル化しています。コーギーのブランドであるバンガーズは昔のコーギーを思わせるレトロな作風のミニカーが多いですが、このSD1はそのようなレトロな要素はなくリアルな作風になっていました。実車の雰囲気が良く再現されていて、灯火類などの細部もそこそこリアルで良い出来ばえでした。SD1の当時物のミニカーはコーギーの1/36、ディンキーの1/36、ポリスティルの1/25などがありましたが、何れも中途半端なサイズでした。当時物以外ではミニチャンプス、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=813
フォード エスコート MK III GL イギリス 1982年
1980年にフォード エスコート MK IIIが登場しました。先代までの後輪駆動方式を一新し、横置きエンジンによる前輪駆動方式、全輪独立懸架、ハッチバックのボディと最新技術を採用した小型車となりました。エンジンは従来の4気筒1.1L(50HP)と新設計の4気筒1.3L(69HP)/1.6l(79HP)で、4段変速で最高速167km/h(1.6L)の性能でした。ボディは当初3/5ドアハッチバックと3ドアワゴンだけでした。ハッチバックは小さなノッチが付いたもので、2.5ボックスと表現できるデザインでした。1983年には5ドアワゴン、カルマン製カブリオレが追加されました。
1981年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーを受賞し、販売は先代同様に好調でした。1984年には1.6L(54HP)のディーゼルエンジンが追加されました。またフォルクワーゲン ゴルフ GTIに対抗して登場したSOHC4気筒1.6L(96HP)エンジンを搭載するスポーティ仕様のXR3は人気を博し、1983年に燃料噴射式(105HP)のXR3i、1985年にRSターボ(135HP)が追加されました。1986年まで生産され、4代目のエスコート MK IVにモデルチェンジしました。総生産台数は約150万台でした。
ミニカーは1982年に発売されたソリド製の当時物です。エスコート MK IIIの初期型 GLをモデル化しています。ソリドの型番1300番台の1300シリーズは従来の1/43のシリーズを引き継ぐものでしたが、コストダウンで仕上げが簡素になっていました。(当時はそのようなコストダウンをした安価なミニカーが主流になっていました) このエスコート MK IIIもプロポーションは良いのですが、安っぽいホイールや塗装処理していないテールライトなど細部が簡素化されていて今一つの出来ばえでした。1986年にテールスポイラーやオーバーフェンダーを追加したRS ターボが型番1207で発売され、それをさらにラリー仕様などにした物が型番1350でも発売されました。これ以外のエスコート MK IIIのミニカーはコーギーの当時物 1/36、ノレブの当時物、ポリスティルの当時物のXR3 1/25と1/40、当時物以外ではビテス、ミニチャンプス、バンガーズ、オックスフォードの1/76などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります
https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=858
当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.