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リライアント ボンド パグ 700ES イギリス 1970年
イギリスの3輪車の代表的なメーカー リライアント(RELIANT)社は、1935年に創立されました。前1輪後2輪の構造の3輪車としてリーガル(REGAL)、ロビン(ROBIN)、リアルト(RIALTO)などがあり、創業当時から2000年頃まで長い間作られていました。またリライアント社はシミター(SCIMITAR)というV型6気筒2.5-3Lエンジンを搭載した高性能なスポーツカー(4輪車)も手がけており、こちらも1990年頃まで生産していました。なおリライアント社は2002年に自動車生産を止めました。(実車画像→ リライアント リーガル MK III、リライアント シミター)
ボンド バグは同じような3輪車を作っていたボンド社が、リライアント社の傘下となって1969年に登場させた3輪のスポーツカーでした。(実車画像→ ボンド 3輪車) リーガルをベースにしていましたが、若者向けとして思い切ったウエッジシェイプを採用したかっこいいスタイルが特徴でした。通常のドアではなくキャノピー全体を大きく上に開いて乗り降りします。水冷4気筒700cc(29HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速120km/hと結構高性能でした。ただ当時人気のあったミニよりも値段が高かったそうで、その為4年間で2000台ほどしか生産されなかったようです。
ミニカーは1971年に発売されたコーギー製の当時物です。実車はもう少し全体的にシャープな感じですが、このミニカーはフロントの顔つきなど子供向けのかわいらしい感じにコーギー流のデフォルメがされていました。また実車のキャノピー側面はキャンバス生地のようですが、そこは黒いラベルを貼って済ませています。ただ未来的なキャノピー開閉をギミックとして実現させていたのは、コーギーらしいところでした。リア車軸の上にある銀色のレバーを押すことでキャノピーのロックが外れ、バネの力でキャノピーが自動的に開きます。ナンバープレートの「JB 007 GB」も遊び心の感じられる番号です。2023年現在でもボンド バグの量産ミニカーはこれしかないようです。(1/18のレジン製モデルを「DNA Collectibles」という新興ブランドが手掛けていて、オックスフォードからも1/76で2024年に発売される予定です) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー シリーズ IIa 109 ピックアップ イギリス 1970年
ランドローバー シリーズ IIは、1961年にマイナーチェンジされてシリーズ IIaに変わりました。シリーズ IIとシリーズ IIaは外観はほとんど同じで、ディーゼルエンジンが4気筒2.3Lに変わりました。1967年にはロングホイールベース仕様に6気筒2.6L(83HP)エンジンが追加されました。1969年には法規制に対応する為にヘッドライトがフェンダーに移動し、特徴的な寄り目スタイルが変更されました。ランドローバーは1970年頃には年間約6万台が生産され絶好調でした。(半数以上は世界中に輸出されていました) 1971年にシリーズ IIIにモデルチェンジしました。
1950年代後半から1960年代にはフォワード コントロールと呼ばれるエンジンを座席下に搭載したキャブオーバー式商用車が多く登場しました。(実車画像→ フォード テームズ 400E、ベッドフォード CA) ランドローバーもシリーズ IIa 109をベースにしたキャブオーバー式商用車 シリーズ IIa FC(FOWARD CONTROLの略)を1962年に登場させました。1966年にはホイールベースを110インチに延ばした改良型のIIb FCに変わりました。FCは消防車などの特殊車に使用されたようですが、あまり売れなかったようで、1974年には生産中止となりました。(FCは鼻が短いですが、顔つきはランドローバーでした) (実車画像→ ランドローバー FC 消防車)
ミニカーは1970年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。シリーズ IIa 109のピックアップをモデル化しています。(年式は不明なので、シリーズ IIaの最終年式にしています) ディンキーらしいがっちりとした作風で、当時のミニカーの標準的な出来ばえでした。ドアとボンネットが開閉するギミック付きです。同じ型を使った消防車、爆弾処理車、レッカー車などのバリエーションが数種類ありました。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/荷台の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランドローバー レンジローバー イギリス 1970年
ランドローバーで培ったオフロードカー技術に、ローバー P5/P6の高級車の味付けを行った全く新しい概念の高級車レンジローバーが1970年に登場しました。発売されるとすぐに高い評価を得て、「4WDのロールスロイス」としてイギリス上流階級のステータスシンボルとなりました。虚飾を廃したシンプルな外観のボディに、V型8気筒3.5L(128HP)エンジンを搭載し、4段変速機と2段のトランスファーによるフルタイム4WD車でした。室内は大人5人が快適にくつろげ、最高速155km/hの高速巡航から悪路走行までエレガントにこなしました。当初は2ドアだけでしたが、1982年に4ドアが追加されました。
1986年に4気筒2.4L(106hp)ターボディーゼルエンジンが追加され、ガソリンエンジンは1988年に3.9Lに拡大され、最終型では4.2Lになりました。1982年に3段自動変速機が設定され、1983年に5段変速機が追加されました。フルタイム4WDシステムでは1988年にABSを採用するにあたり、当初のベベルギア式センターデフがビスカスカップリング式に変更されました。1992年には4WD車として初の車高調整機能付きのエアサスペンションが採用されました。1995年に2代目が登場した後も、1996年まで生産されました。初代の生産台数は約32万台でした。
ミニカーは1970年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。左ハンドルなので輸出仕様をモデル化しています。メタル製のフロントグリルなどディンキーのやや骨太な作風がこのレンジローバーにはよく合っていて、当時物ミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。ボンネット/ドア/テールゲートが開閉するギミック付きで、テールゲートは実車同様の2分割で開閉します。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/テールゲートの開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ スタッグ イギリス 1970年
トライアンフ スタッグの開発はトライアンフ 2000を使ったミケロッティのスタイリング実験車として始まりました。このデザインが気に入ったトライアンフ社は、前述した1969年に登場した2000 MK IIにこのデザインを採用しました。さらにその翌年にはメルセデス ベンツ SLクラスに匹敵するオープンの高級4座スポーツカーとしてスタッグが登場しました。完全なオープンカーではなくアメリカの安全基準に対応するために、強固なロールバーを備えていました。なお脱着式のハードトップも設定されていました。
シャーシやサスペンションは2000を踏襲していましたが、ホイールベースは短縮され、トライアンフが新規開発したV型8気筒3L(145HP)エンジンが搭載されていました。4段変速(3段AT)で、最高速190km/hと高性能でした。グループ内にはローバーのV型8気筒エンジンもあったのですが、トライアンフは自社製エンジンをあえて使ったようです。ただこのエンジンは当初からトラブルが多く発生し評判を落としました。また当時の英国病(労使紛争の多さと経済不振による開発力低下)による品質低下もあってスタッグはあまり良い評価はされませんでした。1978年に生産中止となり、8年間で25000台ほどしか生産されませんでした。
ミニカーはマッチボックス傘下で一時的に復活したディンキー製で1991年頃に発売されました。灯火類を塗装だけで表現したフロントグリルの出来がいまひとつで、特徴的なロールバーが少し目立ちすぎですが、全体的には当時のミニカーとしては合格点以上の良い出来ばえでした。これ以外のスタッグの当時物ミニカーはないですが、当時物以外ではバンガーズ、オックスフォード、ノレブなどがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ヴォクスホール SRV コンセプト イギリス 1970年
ヴォクスホール SRVは1970年 ロンドン モーターショーで公開されたコンセプトカーでした。SRVとはStyling Research Vehicleの略で、純粋なスタイリング実験車で、ヴォクスホールのブランドイメージを高めることを目指したものでした。GMのデザイナーによるデザインで、当時としては独創的なアイデアが盛り込まれていました。外観は当時のルマン用レースカーを思わせるショートノーズ/ロングテールで、低い車高(約1m)ながら4人乗りの広い室内を実現しています。2ドアのように見えますが、実際は4ドアでリアドアは前開きでドアハンドルを無くして目立たないようにしていました。このリアドアを隠すデザインは最近では一般の車にも採用されるようになりました。
ノーズ先端の中央部はスポイラーになっていて、角度を可変して空力特性を変えられます。ヘッドライトはフロントウインド下の黒いルーバー部分の中に隠されていました。メーターの付いたインパネは運転席正面にはなく運転席ドアに組み込まれていて運転時に引き出すようになっていました。それ以外にも電動の車高調整機能を持つリアサスペンションなど未来的なアイデアが提案されていました。エンジンはミドシップ横置き搭載ですが、エンジンや変速機はモックアップなので走行はできませんでした。SRVが生産されることはありませんでしたが、提案されたアイデアのいくつかはその後実用化されています。
ミニカーは1974年頃に発売されたオートピレン製の当時物です。オートピレンのミニカーは当初はコーギーやディンキーのコピーでしたが、単なるコピーから徐々に脱却してオリジナルを開発するまでになりました。このヴォクスホール SRVはオートピレンのオリジナルで、当時のミニカーとしてはレベルの高い出来ばえでした。プロポーションが良くドア/リアパネルが開閉し、室内やエンジンなどもそこそこリアルに再現してあります。また当時は安っぽいプラスチック製ホイールのミニカーが多かったのですが、オートピレンのメタル製ホイールはリアルで見ばえが良いです。なおヴォクスホール SRVのミニカーはこれしかないようです。以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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