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フィアット 131 アバルト ストラダーレ イタリア 1976年
フィアット グループのラリーカーとして1974年からランチア ストラトスが活躍していましたが、ストラトスはラリー専用車故にフィアットの乗用車販売には貢献しませんでした。そこでフィアットのスポーツイメージを高める為に、大衆車フィアット 131をWRCカーに仕立てることになりました。車両開発はアバルトが行いベルトーネがボディ製作を担当し、131 アバルトが1976年に登場しました。FRP製のフェンダー/ボンネットなどで軽量化したボディに機械式燃料噴射式エンジン(4気筒2L 140-215HP)を搭載し専用設計の後輪サスペンションとなっていました。WRC グループ4の認証用に400台のストラダーレ(ストリート仕様)が市販され、総生産台数は約1000台でした。
初戦は1976年のモロッコ ラリーで結果は12位(#8)でした。1000湖ラリーで初優勝しましたが、この年はランチア ストラトスがマニファクチャラータイトルを獲得しました。(フィアット グループ内でも競争していたのです) 1977年はポルトガル、ニュージーランド、サンレモなどで5勝し、マニファクチャラータイトルを獲得しました。1978年にはストラトスのワークス活動が終了し、131 アバルトがポルトガル、アクロポリス、1000湖などで5勝し、マニファクチャラータイトルを連覇しました。
1979年は1000湖での1勝しかできず、マニファクチャラータイトルはフォード エスコート MK IIが獲得しました。1980年はモンテ カルロ、ポルトガル、1000湖などで5勝し、3回目のマニファクチャラータイトルを獲得しました。1981年はポルトガルの1勝しかできず、1982年にはWRCのレギュレーションに追加されたグループB(ラリー専用車)として開発されたランチア ラリー 037が後を引継ぎました。
ミニカーは1978年に発売されたトミカ ダンディ製の外国車シリーズです。このシリーズはほとんどが縮尺1/43でモデル化され当時としては出来の良い物が揃っていました。この131 アバルトも派手なオーバーフェンダーで迫力のある実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。ボンネット/ドアの開閉ギミック付きです。131 アバルトのラリー仕様はたくさんモデル化されましたが、ストラダーレ(ストリート仕様)でのモデル化は私のような乗用車仕様が欲しいコレクターにはうれしいものでした。これ以外の131 アバルトのミニカーはBブラーゴの1/43と1/24、メーベトイのラリー仕様、ポリトーイの1/24 ラリー仕様、ノレブのストラダーレ、ソリドのラリー仕様、デルプラドの世界の名車シリーズのストラダーレ、イクソのラリー仕様、京商のラリー仕様 1/18、トミカのストラダーレとラリー仕様、トロフューのストラダーレとラリー仕様(50種類以上もある)などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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イノチェンティ ミニ デ トマソ イタリア 1976年
1974年にイノチェンティ ミニはベルトーネがデザイン した直線的なハッチバックボディを載せたミニ 90/120にモデルチェンジしました。90は4気筒1L(49HP)、120は4気筒1275cc(65HP)エンジンを搭載し、120は最高速155km/hの性能でした。1976年には高性能版の1275cc(71HP)エンジンを搭載したデ トマソが追加されました。なおこの当時イノチェンティの親会社がデ トマソでしたので、この名前が付けられました。1980年のマイナーチェンジでスラントノーズを採用して外見を変更したミニ ミッレが登場しました。本家BLのミニ クーパー Sは1971年に生産中止となっていたので、ミニ デ トマソは高性能な小型車として人気を博しました。(実車画像→ イノチェンティ ミニ ミッレ 1980)
1982年にはデ トマソとBLの契約が終了し、BLのエンジンが入手できなくなりました。そこで1982年にエンジンを日本のダイハツ シャレード用の直列3気筒1L(52HP)(ガソリンとディーゼル)に変更し、エンジンが3気筒となったことから、名前をトレ(TRE イタリア語で3の意)に改名しました。このトレにもターボーチャージャーを追加した高性能版(72HP) デ トマソ ターボが1983年に追加されました。さらに1984年にダイハツ製の2気筒617㏄エンジンを搭載したミニ 650(1987年からは550㏄エンジンのミニ 500)が追加されました。1986年には全長を伸ばしたミニ 990が追加されました。このイノチェンティのミニ シリーズは人気があり、1993年まで生産されました。なおイノチェンティ社は1990年にフィアットに吸収合併され、その時点でミニはスモールに改名され、1993年にイノチェンティ ブランドは消滅しました。(実車画像→ イノチェンティ スモール 1990)
ミニカーは1980年頃に発売されたメーベトイ製の当時物です。メーベトイは型番A86でミニ 90をモデル化していましたが、これはそれをデ トマソ仕様に変更したものでした。同じメーベトイ製のBL ミニはやや変わった感じの造形でしたが、このベルトーネ製ボディのミニの造形は実車のデザインをうまく再現していました。デ トマソ仕様なのでバンパーが変更されボディサイドには黒い紙シールが貼ってありますが、ボンネット上のエアダクトがないなどデ トマソ仕様への変更は中途半端でした。ドアが開閉するギミック付きです。これ以外のベルトーネ製ボディのミニのミニカーはマーキュリーの当時物、Bブラーゴの当時物 1/24、KESS MODEL(レジン製)のデ トマソなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ ジュリエッタ 1.6 イタリア 1977年
アルファ ロメオ ジュリアの後継車としてジュリエッタの名前が復活し、ジュリエッタ 2代目として1977年に登場しました。ジュリエッタ 2代目(116系)はアルフェッタをベースにしていましたので、アルフェッタのトランスアクスルやインボード式リアディスクブレーキといった高度なメカを引き継いでいました。ボディはウエッジシェイプが強めになりトランクリッドをスポイラー形状とするなど、アルフェッタよりスポーティな外観でした。当初は4気筒1.4L(95HP)/1.6(109HP)エンジンを搭載し、車格はアルフェッタより下でした。
内外装の仕上げがアルフェッタより上質になっており、1979年に1.8L(122HP)、1980年に2L(130HP)エンジンが搭載されてからはアルフェッタの高性能版といった扱いになっていきました。1983年にターボ付1.9L(175HP)エンジンを搭載したターボ デルタが限定生産され、2L(82HP)ディーゼルエンジンが追加されました。ジュリエッタ 2代目の後継車として1985年に登場した75にモデルチェンジしました。
ミニカーは2013年に発売されたネオ(NEO)製(レジン製)です。ネオは他社があまり手掛けていないニッチな車種をモデル化するといった、レジン製ならではの車種選択をしています。(たくさん売れる車種ならばダイキャスト製とするのがベストです) ネオの初期のミニカーはあまり出来が良くなかったのですが、最近はレベルの高い出来ばえになりました。新興ブランドのレジン製ミニカーは平板なフロントウィンドー、回転しないタイヤなどメーカー都合で手抜き設計をしていますが、ネオは成型されたフロントウィンドー、回転するタイヤなどダイキャスト製同等の仕上げとなっています。その分だけ値段が高いですが、レジン製ながら車種によっては買っても良いと思うブランドです。このジュリエッタ 2代目も全体的なプロポーションが良く実車がうまく再現されています。またフロントグリルや室内などの細部もリアルに再現されていて非常に良い出来ばえでした。また底板が金属製ですので、適度な重量感がありレジン製の軽くて安っぽい感じがしません。ジュリエッタ 2代目の当時物ミニカーとしてはポリトーイ(1/40と1/25)、メーベトイ、ブラーゴ(1/24と1/43)などがありました。当時物以外ではプロゲット K、エジソンなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット リトモ 75 イタリア 1979年
1978年にフィアット リトモがフィアット 128の後継車として登場しました。(RITMOとはイタリア語でリズムの意) 小さなフロントグリルと一体化したフロントバンパーを持つやや角ばったデザインはベルトーネによるもので、それまでのフィアットとは一味違っていました。ボディは3/5ドアハッチバックの2タイプでした。ダンテ ジアコーサ方式の横置エンジンの前輪駆動車で、当初のエンジンは4気筒1.1L(タイプ60 60HP)/1.3L(タイプ65 65HP)/1.5L(タイプ75 75HP)でした。
1980年に4気筒1.7L(54HP)ディーゼルエンジンが追加され、1981年に1.3L/1.5LエンジンをパワーアップしたスーパーとDOHC 4気筒1.6L(105HP)エンジンを搭載した高性能版の105TCが追加されました。さらに105TCをベースにしてアバルトがチューンしたDOHC4気筒2L(125HP)エンジンを搭載したアバルト 125TC(後に130TCに発展)も登場しました。またベルトーネが製造するロールバー付のカブリオレがベルトーネ ブランドで1981年から販売されました。(実車画像→ ベルトーネ リトモ カブリオ 1981) 1982年のマイナーチェンジで丸形4灯式ヘッドライトで独立したフロントグリルを持つ後期型に変わりました。(実車画像→フィアット リトモ 1982) 1988年に後継車のティーポにモデルチェンジしました。
ミニカーは2017年に発売されたアシェットの国産名車コレクション製です。メーカーはイクソで、リトモ タイプ75をモデル化しています。特徴的なフロントの顔つきや樹脂製バンパーがうまく再現され、ホイールやドアハンドルなどの細部もリアルです。室内もそこそこ再現されていますが、彩色を省いているのはこの名車コレクションシリーズの標準的な仕上げです。当時物ミニカーではソリド、メーベトイ、マーキュリー、ポリスティルの1/25、ブラーゴなどがありました。当時物以外ではノレブ、プロゲットKの60と125TC、エジソン(EDISON GIOCATTOLI)の60Lとカブリオ、イタリアのミニカー付雑誌ミニカー付雑誌「FIAT STOY COLLECTIO」のNo.56(60L エジソン製のようです)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット パンダ 30 イタリア 1980年
1980年にフィアット 126の後継車としてパンダが登場しました。パンダという名前は動物のパンダに因んだもので、中国市場を意図したものだったそうです。この車のボディとインテリア開発はイタルデザイン(G.ジウジアーロ)がフィアットから委託されて行い、シトロエン 2CVのような簡素で安価な車を目指したそうです。コストダウンの為にボディは平面パネルだけで構成され全ての窓は平面ガラスです。内装もハンモック式シートなど実用本位です。ボディ形式は3ドアハッチバックのみで、簡素ながらも機能的な美しさを感じさせるのはジウジアーロ デザインのなせる業でしょう。前輪駆動車で、当初のエンジンはパンダ 30は縦置きの空冷2気筒652cc(30HP)、パンダ 45は横置きの水冷4気筒903cc(45HP)でした。
1982年には4気筒843㏄(34HP)エンジンを搭載する34と、45を普通のシートなどで豪華に仕立てたスーパーが追加されました。1983年にはシュタイア プフ社と共同開発したパートタイム4WDシステムを採用した4X4が追加されました。1986年のマイナーチェンジでは、エンジンが新型の4気筒769cc/999cc(45HP)に切り替わり、1.3Lディーゼルエンジンが追加され、スーパーで採用した豪華仕様が標準装備化されました。1991年のマイナーチェンジで、1.1Lエンジンが追加され、ベルト式無段変速機(CVT)を装備したセレクタが登場しました。パンダは大ヒットし2003年まで長期にわたり約450万台が生産され、フィアットの財政改善に寄与しました。2003年にパンダ IIにモデルチェンジしました。
ミニカーは2005年に発売されたブルム製です。ブルムの初期物ミニカーは細部の造形にアバウトな部分がありましたが、2000年以降に製作された物はかなりリアルな造形になりました。 このパンダはプロポーションが良く、フロントグリル/ワイパー/ドアミラー/室内インパネなど細部がリアルで、それまでのブルム製とはレベルの違う良い出来ばえになっています。前後バンパーとボディ側面下部の樹脂パネルの造形も実車の雰囲気をうまく再現しています。ブルムは得意のバリエーション展開でパンダ 30と45と4X4を約40種類ほどをモデル化しています。なお当時物ミニカーはメーベトイ、ポリスティル、ブラーゴなどがありましたが、いずれも廉価版であまり出来が良くありません。当時物以外では、ミニチャンプス、ヘルパの1/87、ノレブ、イクソ、国産名車コレクション、トミカ リミッテドなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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