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アルファ ロメオ アルファスッド イタリア 1972年
イタリアの南北経済格差解消を目的にして、南イタリアのナポリ近郊に自動車工場を新設し雇用を増やすといった国策を、当時国有公社であったアルファ ロメオが担当することになりました。その国策の対象となった新型車がアルファスッドで1971年に登場しました。(スッドとはイタリア語で「南」の意) アルファスッドはアルファ ロメオにとって初の前輪駆動車でした。前輪駆動による広い室内、低重心の水平対向4気筒1.2L(63HP)エンジン、インボード4輪ディスクブレーキなどの高度な技術による優れた操縦性とブレーキ性能など当時の小型車として非常にレベルの高い車でした。イタル デザインによるスタイリングも魅力的でした。
当初は4ドア/2ドアセダンだけで、1975年に3ドアワゴン、1976年に1.3L(76HP)エンジンを搭載する3ドアクーペのスプリント、1981年に3/5ドアハッチバックも追加されました。1973年にエンジンを68HPにパワーアップした高性能版2ドア TIが設定されました。1978年に1.4L/1.5Lエンジンが追加され、1980年には内外装を一新してシリーズ2となり、1984年まで生産されました。アルファスッドはセダン系だけで約90万台が生産されヒットしましたが、同時期のアルフェッタ同様に初期には製造品質の問題がありました。後継車は1983年に登場した33でした。
ミニカーは1973年に発売されたポリトーイ製の当時物です。縮尺1/25と大きなサイズですが、それまでのポリトーイのMシリーズ(1/43)を単純に大きくしたような出来ばえでした。プロポーションが良くフロント周りの造形もまずまずリアルで、実車の雰囲気がうまく再現されていました。ボンネットとドアが開閉するギミック付きで、サイズが大きいのでボンネット内のエンジンは結構リアルに再現されています。ポリトーイは廉価版のE/ELシリーズ(1/43)でもアルファスッド 2ドアとTIをモデル化していました。ポリトーイ以外の当時物ミニカーでは、メーベトイ、ソリドがありましたが、いずれも廉価版ミニカーであまり良い出来ばえでありませんでした。当時物以外では、ミニチャンプス、ヘルパ、エジソン、KESS MODEL(レジン製)などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア ベータ クーペ イタリア 1972年
前述したランチア フルビアは大衆車クラスながら、高度な技術が採用され同クラスのフィアットに比べると価格が約1.5倍と高価でした。その上性能向上の改良やモデル追加が繰り返されるなど、ランチアは技術至上主義な車作りをしていました。これが原因でランチアの経営はまたもや悪化し、1969年にランチアはフィアットに吸収合併されました。フィアット傘下で最初に開発されたベータが1972年に登場しました。ベータはファーストバックの5ドアセダンで、フィアット製のDOHC 4気筒1.6/1.8L(110HP)エンジンでランチアお得意の前輪駆動方式とフィアットとランチアの技術が融合した進歩的な車でした。5段変速で最高速176km/h(1.8L)と高性能でした。(実車画像→ ランチア ベータ セダン 1972)
1973年に2ドアクーペ、1974年にザガート製のスパイダー、1975年にスポーツワゴンのHPEが追加され、ボディ形式が多いのもランチアらしいところでした。派生車としてシャーシをミッドシップ化しピニンファリーナ製のクーペボディを載せた2シータースポーツカーのモンテカルロが1975年に登場しました。セダンは1980年にノッチバックボディのベータ トレビに変わりました。1984年まで生産され全モデルの総生産台数は約43万台、後継車はプリズマでした。(実車画像→ ランチア ベータ スパイダー 1974 ) (実車画像 →ランチア ベータ モンテカルロ 1975) (実車画像 →ランチア プリズマ 1982)
ミニカーは1977年に発売されたソリド製の当時物で、ベータ クーペをモデル化しています。プロポーションは悪くないのですが、この当時のソリドはコストダウンを推進していた時期でしたので、テールライトの塗装が省略されているなど出来ばえは簡素でいまひとつでした。ドアが開閉するギミック付きで、室内も簡単な仕上げでした。これ以外のベータ クーペのミニカーはマーキュリーの当時物、ミニチャンプス、ノレブなどがあります。ベータ セダンのミニカーはポリトーイの当時物、Bブラーゴの当時物 1/24、ペゴ(PEGO)などがあります。ミニチャンプスはスパイダーとHPEもモデル化しています。派生車のベータ モンテカルロはレース仕様がベストモデルやスパーク(レジン製)などでモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア ストラトス イタリア 1972年
ラリーで勝つことだけを目的として開発された特別な車ストラトスは1974年に登場しました。元々は1970年に発表されたデザイン実験車(ストラトス ゼロ)でしたが、ベルトーネとランチアが共同で強力なラリー車に仕立て上げました。最大の特徴は2180mmと極端に短いホイールベースで、ミドシップエンジン配置とあいまって非常に優れた回頭性でした。これはラリー車としては優れていましたが、直進安定性が悪く扱い難いと言うことでもありました。エンジンはフェラーリ ディノ用の6気筒2.4L(190HP)を搭載し、5段変速で最高速は230km/hの性能でした。なお一般市販もされましたが、実用性が無いことからホモロゲーションに必要な400台が生産されただけでした。
ラリー専用車でしたから当然ですが、ラリーでは圧倒的な強さを誇り、デビューの1974年から3年連続してWRCのコンストラクターチャンピオンとなりました。ただこの勝利は親会社フィアットの車両販売には貢献せず、1977年からは売れる車(フィアット 131)でのラリー出場にフィアットの方針が変わってしまいました。なおその後もストラトスはプライベートチームでラリーや耐久レースで活躍しました。
ミニカーは1999年頃に発売されたミニチャンプス製です。1972年式ですので、量産される前の最終プロトタイプ(屋根上のスポイラーが無い)をモデル化しています。室内などの細部がリアルに再現された、ミニチャンプスらしい良い出来ばえでした。ミニチャンプスはラリー仕様も含めて約20種類をモデル化しています。これ以外のミニカーでは当時物はソリド、ノレブ、ポリトーイ、日本ではスーパーカーブームのさなかだったので、トミカ ダンディ、ダイヤペット、エイダイなどがモデル化していました。当時物以外では、イクソ、ビテス、京商の1/43と1/18、サンスター、レジン製ではスパークなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 365 GT/4 2+2 イタリア 1972年
2+2としては中途半端であった365 GTC/4に代わり、アメリカ向けの豪華GTとして1972年に登場したのが365 GT/4 2+2でした。ホイールベースの延長とセダン的なデザインで、実用的なリアシーターを持つキャビン部分を確保しています。あまりフェラーリらしくない車といえますが、ピニンファリーナ製のボディはシンプルで品のあるデザインです。V型12気筒4.4L(340HP)エンジンを搭載し、最高速245km/hの性能でした。
1975年には排気量が4.8Lに拡大され400 GTとなり、GM製の自動変速機がフェラーリとして初めてオプション設定されました。1979年にボッシュのKジェトロニック型電子燃料噴射方式が採用された400iとなりました。1985年には排気量が5Lに拡大され412 GTとなり、1990年まで長く生産されました。400/412をベースにして4ドアセダンやフルオープンのカブリオレなどの特注モデルが制作されたようです。後継車は1992年に登場した458 GTとなります。
ミニカーはイクソ製で、2007年頃に購入しました。イクソのフェラーリ シリーズは何れも良い出来ばえですが、この365 GT/4 2+2は量産ミニカーでは他社があまり手がけていないモデルなので貴重です。2+2と称していますが、大人が乗れる実用的な4シーターになっていることが室内の画像を見るとわかります。これ以外のミニカーとしては、マテルの1/43、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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マセラティ ブーメラン イタリア 1972年
マセラティ ブーメランは1971年のトリノショーで公開されたコンセプトカー(モックアップ)で、イタル デザインのG.ジウジアーロのデザインです。翌年のジュネーブショーではマセラティ ボーラのシャーシを使った走行可能なプロトタイプが発表されました。平面ガラスを使うことで構成された角ばったウエッジシェイプボディが特徴です。また通常のドライーバー正面のメーターパネルが無く、メータや操作用の主なスイッチをステアリングホイールの内側にまとめて配置する斬新なアイデアが提案されていました。ただしこれはメーター類が見にくいので、あまり実用的とは思えませんが。(実車画像→ マセラティ ブーメラン コクピット)
ドアは通常の前ヒンジ式横開きで、単なるコンセプトカーではなく量産することを前提としたデザインでした。(G.ジウジアーロのデザインは基本的に生産することを前提にしていたそうです) 実際に平面ガラスを採用した同じようなイメージのボディを持つ
ミニカーは1978年に発売されたダイヤペット製の当時物です。ダイヤペットとしては意欲的な外国車のモデル化で、プロポーションはまずまずでしたが、ドアの可動部の建付けが悪いなど当時のミニカーの基準でもあまり良い出来ばえとは言えませんでした。リトラクタブルヘッドライト開閉とドア/リアパネルが開閉するギミック付きです。今回撮影のためにドアを動かしていると、ドア可動部のヒンジが左右両方とも破損してしまいました。(設計上の強度不足と粗悪な亜鉛合金の劣化が原因です) このミニカーが作られた1970年代後半の日本はスーパーカーブームの真っ只中でした。このミニカーはそのブームに乗じて作られたもので、これ以外のブーメランの当時物ミニカーはエーダイの1/43と1/28、朝日通商 SIGAM500の1/54もありました。エーダイーのブーメラン(特に1/28)は当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。国産品以外ではノレブとジク(SIKU)の小スケール物がありました。2015年にはNEO(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント(リトラクタブルヘッドライト開閉)/リアの拡大画像とリアパネルを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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