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イノチェンティ ミニ マイナー イタリア 1965年
BMCのADO16シリーズをライセンスしたイノチェンティ IM3に次いで、ADO15シリーズ(モーリス ミニ マイナー 1959)のイノチェンティ版が1965年に登場しました。イノチェンティのエンブレムがついて左ハンドルとなっている点が、イギリス本国仕様との外観的な違いでした。当初はオリジナルと同じ4気筒848cc(37HP)エンジン(最高速125km/h)が搭載され、翌年には4気筒1L(56HP)エンジン(最高速145km/h)のミニ クーパーが追加されました。多連メーターなどの独自内装が施され、IM3同様にスポーティな味付けがされていたようです。
1968年にはミニ クーパー MK IIに発展し1972年にはミニ クーパーS用の1275cc(71HP)エンジン(最高速160km/h)も搭載されました。当初はBMCのパーツを使ったノックダウン生産でしたが、すぐにイタリアで調達されたパーツを使用するようになり、1975年まで生産されました。1974年にベルトーネがデザインしたハッチバックスタイルで外観を一新させた後継車のイノチェンティ 90/120が登場しました。
1971年にイノチェンティ社はスクーター ランブレッタの生産を終了しました。イノチェンティ社は1972年にBL(旧BMC)に買収され、1976年にBLが破綻してデ トマソに譲渡されました。その後、1990年にフィアットに買収されてフィアット傘下となりました。
ミニカーは1968年に発売されたメーベトイ製の当時物です。プロポーション的にはキャビンより前のフロント部分が小さめでドアの上下サイズが小さく、屋根に少し丸みが付きすぎているなど、メーベトイ流のデフォルメ?で本家のミニとは少し違った感じのミニに仕上がっていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きです。ライト周りに付いている茶色の汚れはラインストーン製ヘッドライトを固定する接着剤が変色した物で、初期のメーベトイ製ミニカーでよく見られる経年変化です。これ以外のイノチェンティ ミニのミニカーはポリトーイの当時物でミニ クーパー(1/25と1/43)、ビテスのミニ クーパーがありました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 2600 SZ イタリア 1965年
アルファ ロメオの最上級車として、6気筒2.6Lエンジンを搭載した2600が1962年に登場しました。2600にはセダン、クーペのスプリント、オープンのスパイダーがありました。1965年に2600 シリーズに追加されたのが、少量生産された2600 SZ(スプリント ザガート)でした。ザガートのデザインによるクーペで、2600 シリーズでは一番高価なモデルでした。空気抵抗が少ない軽量なボディに165HPにチューンしたスプリントのエンジンを搭載し最高速215km/hと高性能でした。前述したジュリエッタ SZはレース専用車でしたが、この2600 SZは高級GTカーという位置づけでした。角型ヘッドライトを埋め込んだ個性的なフロント造形は、当時としては未来的でかっこいいデザインでした。
2600 シリーズは1968年まで生産され、総生産台数は約12000台でした。(後継車は1750でした) その中でもSZはたった100台ほどしか生産されていません。日本にも1台輸入されたことがあり、当時の価格で500万円以上(現在価格にすると3000万円以上?)もした超高級車でした。自動車メーカーがシャーシを供給し、それにカロッツェリアが特注ボディを架装するといった少量生産の特注モデルが戦前のアルファ ロメオにはたくさんありましたが、戦後はこのSZあたりぐらいが最後となったようです。
ミニカーは1967年に発売されたポリトーイ製の当時物です。ポリトーイ流のかっこいいデフォルメでプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現されていました。個性的なフロント周りも当時のミニカーとしてはうまく再現していました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンや室内も結構リアルに再現されています。2600 SZの当時物ミニカーはこれしかなく、当時物以外では最近のレジン製でネオの1/43とテクノモデルの1/18があります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ グラン スポルト クアットロルオーテ ザガート イタリア 1965年
この車はクラシックカーのように見えますが、戦前の名車6C 1750を模して1965年に作られたレプリカでした。イタリアの自動車雑誌「QUATTRORUOTE」(クアットロルオーテ)誌が企画したプロジェクトで、アルファ ロメオがジュリア TIのシャーシを提供し、オリジナルの6C 1750と同じザガートがボディを担当して約100台が限定生産されました。レプリカですので見た目は6C 1750に似せていますが、近代的なタイヤとハンドルの位置(6C 1750は右ハンドル)から戦前の6C 1750とは別物であることが分かります。 、
ボディはアルミニウム パネルを使い、ザガートが伝統的な方法で架装していました。またブレーキはジュリア TIのディスクブレーキをあえてドラム ブレーキに変えていました。ただエンジンは6気筒ではなくジュリア TI用の4気筒1.6L(106HP)エンジンを搭載し、車重は750kg、5段変速機で155km/hの性能でした。この動力性能はオリジナルの6C 1750 GS(グラン スポルト)と同じような性能になっていました。
ミニカーは1967年に発売されポリトーイ製の当時物です。ポリトーイが当時の技術力の全てを注ぎ込んで作った、ギミック満載の傑作ミニカーでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ボンネット内にはリアルに再現されたエンジンが収まっていました。ポリトーイは足回りのメカを再現するのも特徴でしたが、このグラン スポルト ザガートでは実車に即した構造のコイルスプリングで吊ったリアサスペンションと、実車と同じ構造のラック & ピニオン方式で可動する前輪操舵を再現していました。このラック & ピニオン方式の前輪操舵ギミックは現在の1/18クラスのミニカーでもほとんど採用していない構造で、実に凝っていました。ミニカーコレクターなら是非オークション等で入手してその素晴らしさを実感してもらいたいミニカーです。なおグラン スポルト ザガートのミニカーはこのポリトーイの物しかありません。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/付属品の幌を取り付けた状態の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ランチア フルビア クーペ イタリア 1965年
前述した小型車ランチア フルビアのスポーティモデルとして、クーペが1965年に追加されました。短縮されたホイールベースにセダンとは打って変わった軽快なスタイルの2+2シーターのクーペボディを載せていました。V型4気筒1.2Lエンジンは90HPに強化され、5段変速で最高速166km/hの性能でした。(フルビア セダンは約140km/h) エンジンは1967年に1.3L(90-100HP)、1969年に1.6L(114-132HP)と強化されました。スポーティなデザインと高性能で人気がありました。1976年まで生産され、総生産台数は約14万台でした。後継車はベータ クーペでした。
フルビア クーペといえばラリーでの活躍が有名でした。1965年にラリー仕様のクーペ HFが登場しました。このHFとは「High Fidelity」の略で「高い忠誠心」を意味し、元々はランチア車でラリーを行っていたプライベーターチームの名前「HFスクアドラ コルセ(Squadra Corse)」が由来となっているそうです。このチームがワークスチームに昇格してランチアはクーペ HFでラリーに参戦しました。ラリー仕様車も1.3HF、1.6HF(115HP 最高速185km/h)とエンジンを拡大しました。1972年にはモンテ カルロとモロッコ ラリーなどで優勝しWRCチャンピオンとなり、フルビア クーペのラリー活動では最良の年でした。
ミニカーは1966年に発売されたポリトーイ製の当時物です。実車の雰囲気がうまく再現されていて、当時のミニカーとして良い出来ばえでした。ただフロントの造形でグリルが独立していないような感じになっているので、その点が今一つです。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付です。当時のポリトーイはエンジンなどのメカをリアルに再現していましたが、このフルビア クーペもエンジンがそこそこリアルに再現されています。フルビア クーペの当時物ミニカーとしてはマーキューリー、メーベトイ、国産のダイヤペットなどがありました。最近の中国製の似たような出来ばえのミニカーとは違って、昔のミニカーにはそれぞれのメーカーの作風に違いがあり、同じ車種でも少し違った感じの出来ばえとなっていました。このフルビア クーペのミニカーではポリトーイ製があっさりとした造形で、初期のフルビア クーペのイメージに一番近いのではないかと思います。 当時物ミニカー以外ではリオ、PROGETTO K、ビテス、ベストモデル、スターライン、イクソ、ミニチャンプス、オートアートの1/18などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とトランク開閉/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フェラーリ 250 LM イタリア 1965年
1950年代後半のF1 レースでは、クーパーのミドシップエンジン方式がその優位性を示していました。フェラーリは1961年にミドシップエンジン方式を156 F1で採用し、レース用スポーツカーでは1961年にディノ 246 SP(V型6気筒2.4Lエンジン搭載)で採用しました。ディノ 246 SPは、1963年にV型12気筒3Lエンジンを搭載する250Pに発展し、250Pは1963年のセブリング、ルマンなどで優勝し、マニュファクチャラー チャンピオンを獲得しました。(実車画像→ フェラーリ 250P)
フェラーリ 250 GTOの後継車として、250Pをベースにしてルーフと内装を追加したGTカー仕様の250 LMが1963年に開発されました。しかし250 LMはGTカークラス認証に必要な台数が生産できず、プロトタイプクラスとなりました。250 LMの最初の1台は3Lエンジンを搭載していましたが、それ以外は3.3Lエンジンだったので275 LMとも呼ばれました。(数字は1気筒分の排気量を示します) 250Pは1964年に275P(3.3Lエンジン)/330P(4Lエンジン)に発展し、同年のセブリング、ニュルブルクリング、ルマンで優勝しました。1965年のルマンでは250 LMが優勝しました。
ミニカーは1988年頃に発売されたボックスモデル製です。1980年代に創業したイタリアのボックスモデルは現在のベストモデルの前身でしたが、ボックスモデルが製作していたミニカーは当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは1965年のアメリカのブリッジ ハンプトン 500㎞で8位となった250 LM #69をモデル化しています。独特な形状のリアカウルの造形など実車の雰囲気が良く再現されています。今見るとホイールの出来がやや安っぽいですが、当時はこれが普通でした。ボックスモデルは250 LM プローバ(PROVA:テスト車)やレース仕様など数種類のバリエーションを作っていました。250 LMの当時物ミニカーは、コーギー、ポリトーイ、マーキュリーなどがありました。当時物以外ではベストモデル、Bブラーゴ、マテルの1/18、イクソ、京商の1/64、ルックスマート(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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