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アルピーヌ ルノー A310 フランス 1971年
アルピーヌ A110の後継車としてA310が1971年に登場しました。バックボーンフレームにFRP製ボディを載せたリアエンジンのスポーツカーという基本的な構造はA110を踏襲していました。ただしA110はコアなスポーツカーでしたが、A310は豪華なGTカーという位置づけに変わりました。したがってA310のライバルは同じリアエンジンのポルシェ 911あたりで、4気筒1.6L(127HP)エンジンを搭載し最高速210km/hというA310の性能は911と同じぐらいに高性能でした。
性能もさることながら、A310の魅力は前衛的なフロントの6灯式角形ヘッドライトやウエッジの効いた独特のボディスタイルでした。1977年にはヘッドライトが4灯式に変えられ、V型6気筒2.7L(150HP)のPRVエンジンが搭載されました。1982年にはエンジンを2.8L(193HP)にパワーアップし、オーバーフェンダーやスポイラーを追加したGTが設定されました。1985年に生産中止となり後継車はV6 ターボ(GTA)でした。総生産台数は約1.2万台で、そのほとんどがV型6気筒エンジン搭載車でした。
ミニカーは1971年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。やや腰高の感じもありますが、特徴的な角形ヘッドライトがうまく再現されていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。特に凝っているのはリアパネルの開閉ギミックで、リアウィンドーとその下のエンジンカバーも開閉します。これ以外のA310の当時物ミニカーはソリド、ノレブ、ダイヤペット、トミカ、エイダイ グリップの1/28がありました。当時物以外ではイクソ、エリゴール、ミニチャンプス、最近のノレブの1/43と1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とリアパネル開閉ギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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リジェ JS2 フランス 1971年
レーシング ドライバーだったギ リジェ(Guy Ligier)が、スポーツカーを製作するリジェ社を1969年に創業しました。最初の車リジェ JS1はフォード コスワース 1.6Lエンジンをスペースフレームにミドシップ搭載したスポーツカーでした。車名のJSはギ リジェの親友でレース中に事故死したジョー シュレッサーの名前に由来していました。JS1は1970年のルマンに参戦しましたが、結果はリタイアでした。(実車画像→ リジェ JS1 1969)
1970年に後継車のJS2が登場しました。JS2はマセラティのV型6気筒2.7L(178HP)をミドシップ搭載した2シーター スポーツカーで、プジョーやシトロエンのパーツを多く流用していました。1971年のルマンにはリジェ初のレーシングカー JS3で参戦し完走しています。1972年のルマンからはJS2のレース仕様で出場し、1975年にはフォード コスワース 3Lエンジンを搭載したJS2が総合2位となっています。JS2は1975年まで生産され総生産台数は約200台でした。(実車画像→ リジェ JS3 1971)
マトラ MS630の解説に記載したようにレース活動を中止したマトラから技術者がリジェに移籍し、マトラ製V型12気筒3Lエンジンを搭載したJS5で1976年からF1に参戦することになりました。JS5は初年度から活躍し、コンストラクターズ5位となりました。(実車画像→ リジェ JS5 1976) 1977年にはJS7が登場し、スウェーデンGPで初優勝しています。その後JS9、JS11、JS17、JS19、JS21と発展し、1990年代までF1で活躍していました。最近では2014年のルマンにJS P2で参戦しレース活動を再開しています。
ミニカーは1972年に発売されたノレブのJET CARシリーズの当時物です。JET CARシリーズはノレブがプラスチック製からダイキャスト製に移行した時期のミニカーでした。ホイールが安っぽいですが、プロポーションは悪くなく、当時のミニカーとしてはそこそこの良い出来ばえでした。ドア開閉ギミック付です。ルマン仕様などバリエーションが数種類ありました。JS2はイクソやスパークもモデル化しています。JS3はソリドやノレブが当時物でモデル化していて、その後のF1のJSシリーズもミニチャンプスやスパークなどがたくさんモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー 5 TL (サンク) フランス 1972年
全く新しいコンセプトの小型車として1972年に登場したのがルノー 5(フランス語の読みは「サンク」)でした。縦置エンジン方式の前輪駆動、全輪独立懸架などの基本構造はルノー 4を踏襲していましたが、ボディはきわめてモダンな2ボックススタイルで、市販車初の樹脂製バンパーの採用など斬新な設計の車でした。この先進的なデザインは大好評で、フランスだけではなくヨーロッパのベストセラーカーとして1980年代まで大ヒットしました。 (個人的にもこのデザインは素晴らしいと思います)
当初のエンジンは4気筒800cc(33HP)と950cc(44HP)の2種類で、4段変速で最高速が135km/h(950cc)の性能でした。1972年に850cc(36HP)/1.3L(46HP)エンジンが追加され、1979年に5ドアが追加されました。1976年に1.4L(93HP)エンジンを搭載し足回りを強化した高性能版のアルピーヌが登場し、さらに1979年にはターボで110HPにパワーアップしたアルピーヌ ターボが登場しました。1985年にフランス国内生産が中止となり、後継車のシュペール 5にモデルチェンジしました。ルノー 5の総生産台数は558万台でした。
ミニカーは1976年頃に発売されたオートピレン製の当時物です。基本的な造形は以下で紹介するソリド製をコピーしていました。ただし単なるコピーではなく、ボンネットとリアハッチの開閉ギミックを上手に追加していました。さらにホイール/テールライトなどの細部の仕上げを良くして、オリジナルのソリド製を上回る完成度の高いミニカーに仕上げていました。ルノー 5の当時物ミニカーの中では断トツの良い出来ばえで、ここまでやるともはやコピーとは言えないレベルで、オートピレンのオリジナルといっても良いでしょう。なお経年変化で前輪車軸の軸受けがへたっているので、前輪下にウレタンフォームをかました状態で写真撮影しています。これ以外の当時物ミニカーはソリド、ノレブ、ポリトーイ、メーベトイ、コーギーの1/36などがありました。当時物以外ではビテス、イクソ、ノレブの1/43と1/18、ソリドの新製品などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/ハッチバック開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン DS 23 フランス 1972年
シトロエン DSは1970年にボッシュの電子制御燃料噴射をフランス車で初めて採用し、翌年には3段自動変速機が設定されました。1972年には排気量を2347ccに拡大しDS 23となりました。(トルク重視の設定で2.2Lの139HPから130HPに少しパワーダウンするも最高速は同じでした) このように改良が行われたシトロエン DSですが、基本設計が古いことはいかんともし難く、1974年に後継車のシトロエン CXが登場し1975年に生産中止となりました。
シトロエン DSは1955年の登場から1975年まで20年間生産され、廉価版のシトロエン IDを含めた総生産台数は約146万台(本国生産は約133万台)でした。シトロエン DSは世界の名車を選考したカーオブ ザ センチュリー(名車100選)において、1位のフォード T型、2位のモーリス ミニに次いで3位という評価を受けています。私は学生時代に一度だけDS 21に乗せてもらったことがありましたが、当時の国産車とは全く別物のしなやかな乗り心地だったことを憶えています。
ミニカーは1976年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。スペインのオートピレンがディンキー(仏)のライセンスで生産したミニカーで、 スペイン ディンキー(DINKY(ES))とも呼ぶこともあります。本家のディンキー(仏)はシトロエン DS 23をモデル化していないので、これはオートピレンが型を起こした物のようです。ディンキー(仏)のDS 19(型番530)の型を変更しているので、ややレトロですがシンプルな良い出来ばえです。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。オートピレンは自社ブランドでもほとんど同じ物を発売していましたが、そちらはホイールが車軸が貫通していないディスクタイプとなっていました。シトロエン DS 19/21に比べるとDS 23のミニカーは少ないのですが、これ以外のDS 23のミニカーはリオのバリエーションでセダンとラリー仕様、ノレブの1/64と1/43と1/18が10種類ほど、スパークのパリ-ダカール ラリー仕様などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像と室内/リア(トランク開閉)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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シトロエン GS カマルグ ベルトーネ フランス 1972年
シトロエン カマルグは1972年のジュネーブショーで公開されたコンセプトカーでした。シトロエン GSをベースにした2+2座のクーペで、デザインはベルトーネです。深く傾斜したフロントウインドウ、大きなガラス製のリアウインドウ、ロールバーの機能を持つBピラーが特徴で、ベースのGSより車高が200㎜低くなっていました。ロールバーを設けて小さなルーフで広いウインドウを確保する手法は、ランチア ストラトス HFのデザインと同じです。
バンパー下に小さなグリルを持つフロントの造形は、シトロエン DSのフロントを意識したものだと思います。ベルトーネのシトロエンに対する最初のアプローチはこのカマルグで、1982年に登場したシトロエン BXはベルトーネのデザインとなりました。その後もベルトーネは1986年にもBXをベースにしたコンセプトカー ザブルス(ZABRUS)を公開し、1989年に登場したシトロエン XMもベルトーネがデザインしていました。BXもXMもフロントの造形や直線的なボディラインなどに、カマルグのデザインが反映されてます。(実車画像→ シトロエン ザブルス(ZABRUS) 1986)
ミニカーは1972年に発売されたノレブ製 JET CARシリーズの当時物でプラスチック製です。ボディやウインドウが経年変化で少し変形していますが、基本的な部分は結構良い出来です。(この写真を撮った12年後の2023年には変形が進んでとてもひどい状態になりました) 当時のノレブはプラスチック製からダイキャスト製に移行していた時期で、このカマルグも後期型ではダイキャスト製になりました。プラスチック素材は経年劣化で変形していきます。レジン製ミニカーもたぶん同じようなことが起こりますので、同じモデルならダイキャスト製を買うべきです。このミニカーは2005年頃に細部をリファインした新作が発売されました。カマルグの量産ミニカーはこのノレブとマジョレーの1/55ぐらいしかないようです。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)