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ゴーティエ ウエラ (電気自動車) フランス 1897年
1894年にロッセル(?douard Rossel)、ゴーティエ(Charles Gautier)、ウエラ(Wehrl?)は自動車を生産するロッセル ゴーティエ ウエラ(Rossel Gauthier & Wehrle)社をパリに設立しました。ブランド名はゴーティエ ウエラでした。最初は蒸気自動車を開発しましたが、エンジンを内燃機関に変更することになり1897年に蒸気自動車の生産は終わり、社名をコンチネンタル自動車(Soci?t? Continentale d'Automobiles)に変更しました。1896年に登場した「Mignonnette(ミニチュアという意味)」と呼ばれるモデルは、2気筒エンジンをシート下に搭載し3段変速で、サスペンションが付いた後輪をギヤ駆動する当時としては革新的な構造の車でした。(実車画像→ ゴーティエ ウエラ Mignonnette 1896)
その後単気筒エンジンを搭載したモデルや、水平対向2気筒エンジンを搭載したモデルも登場しました。1898年には単気筒エンジンを搭載した自転車や3輪車に加えて電気モーターを搭載した電気自動車も登場しました。(1900年当時は蒸気機関、内燃機関、電気モータを使った自動車が開発されていました) 理由は分かりませんが、コンチネンタル自動車は1900年に解散?したようです。設立者の一人ゴーティエは1902年に新しい自動車会社Gautier et Cieを設立しましたが、この会社も1907年に消えました。
ミニカーは1960年代に発売されたラミー(R.A.M.i.)製です。ミニカーがモデル化している実車は詳細が分かりませんが、上述したMignonnetteに電気モーターを搭載した初期のプロトタイプのようです。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、実車のイラストを見ると、実車が忠実に再現されています。ヘッドライト、ランタン、操作レバー、モーター収納部の通気孔など細部も当時のミニカーとしては良く再現されていてカラーリングも洒落ています。ゴーティエ ウエラのミニカーはこれしかありません。 以下はフロント/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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パナール ルヴァッソール タイプ A フランス 1898年
前述したように1894年に史上初の自動車レース「パリ-ルーアン」が開催され、このレースでパナールはプジョーに次ぐ2位となっています。その翌年に開催された「パリ-ボルドー」ではパナール ルヴァッソールが優勝し、さらに1896年の「パリ-マルセイユ」ではパナール ルヴァッソールが1-2-3フィニッシュしましたが、このレースで創業者のエミール ルヴァッソールが事故を起こして重傷を負いました。このようにパナール ルヴァッソールは初期の自動車レースで大活躍し、その先進性を実証して有名になり、当時最大の自動車メーカーとなって行きました。また車種も小型車からだんだん高級な大型車へシフトしていきました。
ミニカーは前述したタイプ Aの発展型をモデル化しています。ボンネットの下にダイムラー製の水冷2気筒1.2L(4HP)エンジンが搭載され、ラジエータは後部床下に配置されています。(床下にみえる2本の円筒状の物がラジエーターのようです) ステアリングはレバー式から丸ハンドルに変わっています。運転席右側にあるレバーは3段ギヤボックスの変速レバーと後輪のブレーキレバーです。なおタイプ Aには2気筒1.6L(7HP)エンジンが搭載された車もありました。タイプ Aは1902年まで生産され総生産台数は約1300台でした。
ミニカーは1960年-1970年代に発売されたサフィール製です。サフィールのクラシックカーのなかでもこの型番17のパナール ルヴァッソールは特に細部が非常にリアルに作り込まれている当時の傑作ミニカーでした。(2023年現在のミニカーにも引けを取らない出来ばえです) 台形で角を落とした特徴的なボンネットなど実車の雰囲気が良く再現され、カラーリングも綺麗です。灯火類やレバー、シャーシ底面にはエンジン、変速機、変速機から後輪を駆動するチェーン、前後輪のサスペンション、円筒形ラジエータなどがリアルに再現されています。 以下はフロント/リアの拡大画像と床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アウティエ 電気自動車 フランス 1898年
欧米各国では1800年代末から1900年代始めにかけて、蒸気機関、内燃機関、電気モーターを搭載した自動車が開発され、それらの自動車が最高速度などの性能を競っていました。1899年にはベルギーのジェナッツィ「ジャメ コンタント号」が電気自動車で当時の自動車速度記録(105.88㎞/h)を達成しています。
フランスのアウティエ社(Soci?t? Hautier)は1899年に自動車メーカーとして創立されました。最初の自動車は電気モーターを搭載した電気自動車でした。この電気自動車は1900年には使わなくなったとのことで詳細は不明ですが、当時撮られたと思われる実車の写真からタクシーとして開発されたようです。(写真は1898年式なので開発初期のプロトタイプのようです 実車画像→ アウティエ 1898) アウティエ社は1900年にガソリンエンジンを搭載したモデルをパリ モーターショーで発表しました。この車は単気筒902㏄エンジンを搭載した小型車でした。その後同じエンジンで気筒数を増やした2気筒/4気筒エンジンを搭載したモデルも発売したようですが、1905年には自動車生産を終了しました。
ミニカーは1960年代に発売されたラミー(R.A.M.i.)製です。ラミーはフランスのミニカーメーカーJMK社のブランドで、この車のような初期の自動車を1/43サイズでモデル化していました。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、実車の写真を忠実に再現しています。車体後部の高い位置にに丸ハンドルが付いた運転席がありますが、この形態は昔の辻馬車(馬車タクシー)とそっくりですので、この車は辻馬車に電気モーターをつけた構造だったようです。(参照画像→ 1800年代中期のロンドンの辻馬車) 客室の正面にドアがありその奥にはシートがありましたが、このミニカーにはシートが再現されていません。(初期に作られた物には赤いシートが付いていたようですが、当方の物は後期型なので省略されています) ランタンがついた飾り枠は時代を感じさせる造形で、黒/オレンジ/赤のカラーリングも洒落ています。自動車創世記のマイナーな車ですので、ミニカーはこれしかありません。以下はフロント(ドア開閉ギミック)/リアの拡大画像と運転席周りの画像です。(参照ページ→ ラミーのミニカー一覧) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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オーディベール & ラヴィロッテ フランス 1898年
技術者モーリス オーディベール(Maurice Audibert)は1982年にガソリンエンジンを製作し、友人のエミール ラヴィロッテ(Emile Lavirotte)と共同してドイツのベンツ ビクトリアの構造を真似た自動車を1994年に製作しました。1996年に2人はオーディベール & ラヴィロッテ有限会社(Soci?t? Anonyme des Anciens ?tablissements Audibert et Lavirotte)を設立し、単気筒エンジンを搭載した小型車の販売を始めました。同社は1896年から1901年の間に、3輪車から商用車、バスなどさまざまなモデルを約300台生産しました。
同社の車は信頼性が高く評判は良かったそうですが、1901年に経営状況が悪化して会社が破産し、工場はベルリエなどに引き継がれました。なおモーリス オーディベールが考案した鋼管シャーシやドライサンプ式ギアボックスはその後の自動車に広く採用されました。画像のミニカーがモデル化しているのは、フランスの博物館に保管されていた2気筒(16HP)エンジンを搭載したダブルフェートンで、1898年にニース-ラ テュルビー(Nice-La Turbie)レースで優勝した車だそうです。なおこの車の実車画像を見ると、丸型のステアリングホイールの下に少し径が小さいホイールがありますが、それはギヤチェンジを行うホイールだそうです。
ミニカーは1960年代に発売されたラミー(R.A.M.i.)製です。ラミーはフランスのミニカーメーカーJMK社のブランドで、この車のような初期の自動車を1/43サイズでモデル化していました。1960年代のミニカーですから素朴な作りですが、博物館に保管されていた実車を忠実に再現しています。実車の特徴であるフロントの大きなラジエターはかなりリアルに再現してあり、スカットル左右のランタンと右サイドのブレーキレバーも再現されています。もう一つの特徴である2段重ねのステアリングホイールも再現して欲しかったところですが、それは再現されていません。カラーリングは基本的には実車に準じていますが、ミニカーとして見ばえがするよう明るい色調に変えてあります。自動車創世記のマイナーな車ですので、オーディベール & ラヴィロッテのこれ以外のミニカーはありません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ルノー タイプ A (ヴォワチュレット 1号車) フランス 1898年
車体前部にエンジンを配置し後輪を駆動するガソリン自動車のFR方式は「システム パナール」と呼ばれ、1891年にフランスのパナール ルヴァッソール社が実現していました。発明家を目指していたフランス人のルイ ルノーは彼が21歳の時(1998年)にド ディオン ブートン製のガソリン 3輪車を改造して4輪車を製作しました。この改造車はFR方式でしたが、プロペラシャフトとベベルギアを使って後車軸を駆動するシャフトドライブ方式が初めて使われました。それまでの後車軸の駆動方式は効率の良くないベルトやチェーンを使っていたので、これは画期的な発明でした。
ルイの兄弟が出資して1899年にルノー フレール(ルノー兄弟)社が設立され、シャフトドライブを採用したヴォワチュレット(VOITURETTE フランス語で小型車の意) タイプ Aが販売されました。この車は半円形のフロントグリルが特徴的な小さな車で、単気筒 273cc(1.75HP)エンジン(ド ディオン ブートン製)を搭載し3段変速機を備え最高速45km/hの性能でした。この車は商業的に成功し、ルイはシャフトドライブの特許権を取得し、他の自動車メーカーから莫大な特許使用料が得られました。ルノー フレール社はその資金で自動車生産工場を作り、フランスで最大の自動車会社に発展していきました。
ミニカーは1997年頃に発売されたビテス製です。実車が小さいのでかわいらしいサイズのミニカーですが、灯火類、ステアリングレバー/変速レバー、エンジン/ドライブトレーンなど細部がリアルに再現されていてとても良く出来ています。座席の塗り分けや細い金ラインなどの塗装も綺麗です。なおこのミニカーはルノーの100周年記念モデルとして、ウィリアムズ ルノー F1 1997とセットにして販売された物です。タイプ A単品でも型番VCC99004で1999年に発売されました。 以下はフロント/リアの拡大画像と床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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