ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BMW 502 1954 GERMANY

BMW 502
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502


SCHOCO 2015 1/43 109㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型8気筒 2.6L 100HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでBMW 501/502のミニカー検索

BMW 502 ドイツ 1954年

 

 1952年に登場したBMW 501には高級車に見合う新型のV型8気筒エンジンを搭載する予定でしたが、開発が遅れていました。1954年にV型8気筒2.6L(100HP)が完成しそれを搭載した502が追加されました。502は戦後初のV型8気筒エンジン搭載の高級車で、メルセデス ベンツのV型8気筒エンジン搭載車600より9年も早かったのでした。ボディは501と同じですが、クロームメッキの装飾トリムが多くフォグランプが標準装備されていました。なお1958年には501にもV型8気筒エンジンが搭載されましたので、501は502の廉価版という扱いになりました。

 

 502の最高速は160㎞/hで、これはメルセデス ベンツの同じクラスのセダンよりも早く、当時のドイツでは最速の4ドアセダンでした。最終モデルはV型8気筒3.2L(160HP)エンジンを搭載し、最高速は190Km/hに向上していました。502はBMWのイメージ再興に寄与しました。しかし前述したように敗戦直後のドイツではこのクラスの高級車の需要は限られていましたので、実績のあるメルセデス ベンツにはかないませんでした。501/502は1964年まで生産され、総生産台数は6気筒エンジン車が約9000台、V型8気筒エンジン車が約5500台でした。

 

 

 ミニカーはBMW 501と同じシュコー製で、1995年頃に発売されました。シュコーは1970年代に一度倒産しその後1990年代に再起していますが、これはその再起したころに作られたものです。前述した501と同じように見えますが型が変更されていて、フロントグリルや室内がよりリアルに再現されています。(501には付いてなかった左側フェンダーミラーが再現されています) ただしギミックが全て削除されているのに501とほぼ同じ値段(当時の定価4500円)だったのは、あまり納得できませんでした。(ギミック削除はコストダウンですから) これ以外の501/502のミニカーは、ジク(SIKU)の当時物、ミニチャンプス、ディテールカー、オートアートの1/18などがあります。 以下はシュコーのフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 502 1
BMW 502 2

 以下は1996年に発売されたミニチャンプス製のBMW 502(1/43 型番430022400)の画像です。キャビン部分がやや小さめで、プロポーション的にはいまひとつの感じがします。室内など細部の仕上げはミニチャンプスらしいリアルな仕上げがされています。これも左側フェンダーミラーが再現されています。ミニチャンプスは501もモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 5
BMW 502 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 7
BMW 502 8

 以下は1995年に発売されたディテールカー製のBMW 502 クーペ(1/43 型番245)の画像です。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。この502 クーペもクーペボディが良く再現され、ツートンカラーのカラーリングも綺麗で、当時としてはかなり良い出来ばえでした。これは左右のフェンダーミラーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 COUPE 1
BMW 502 COUPE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 COUPE 3
BMW 502 COUPE 4

 以下は1995年に発売されたディテールカー製のBMW 502 カブリオレ(1/43 型番242)の画像です。上記のクーペのバリエーションで、これもツートンカラーのカラーリングが綺麗で良く出来ています。オープンカーなので、そこそこ良く再現された室内を見ることができます。これは左のフェンダーミラーが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 502 CABRIOLET 1
BMW 502 CABRIOLET 2

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BMW ISETTA 250 1955 GERMANY

BMW ISETTA 250
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250


SCHUCO 02302 1/43 54㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.3m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 空冷単気筒 250cc 12HP 4段変速
性能: 最高速84km/h  データーベースでBMW イセッタのミニカー検索

BMW イセッタ 250 ドイツ 1955年

 

 戦後のBMWが進めた高級車路線は、敗戦直後のドイツではうまくいきませんでした。そこでBMWは高級車路線を転換して、小型大衆車の生産を始めました。量産に適した車種としてBMWがライセンス契約を結んだのはイタリアのイソ社の超小型車イセッタでした。おそらくBMWのモータサイクルのエンジンが流用できるので、イセッタが選択されたのだと思います。ただ高級車メーカーがこのような小型車に切り替えたのですから、よほど財政的に苦しかったのでしょう。

 

 リアに搭載する2サイクル単気筒エンジンの騒音振動対策としてエンジンを自社の4サイクル強制空冷単気筒250cc/300ccエンジンに切り替えて、1955年に発表したイセッタ 250/300は大成功を収めました。この車は2人乗りで、前面にあるドアはステアリングホイールやメーターパネルもろとも前方に開く独特の構造でした。なお3輪車のように見えますが、後輪はデファレンシャルギヤを省略した狭いトレッドの2輪となっているので、4輪車です。全長2.4mの非常に小さな車ですが、ライトやワイパーもちゃんとついていて最高速度も84km/hという立派な小型自動車でした。また荷物台を付けて商用車としても使ったようです。この車をコピーした車がイギリスではハインケル トロージャンとして販売されましたが、そちらは税制上優遇される3輪車でした。

 

 

 ミニカーは1996年に発売されたシュコー製です。全長54㎜の小さいミニカーながら、灯火類などの細かいところも良く再現されていて非常に良くできてます。特に最大の特長であるステアリング ホイールとともに前方に開くドアが、実際に開閉できるのはとても面白いギミックです。(ドアを開けるのには少しコツがありますが) シュコーは荷台の付いた商用車仕様や1/64や1/87もモデル化しています。イセッタは見た目が面白いので、ミニカーがたくさんあります。プレミアム クラシックスの1/12、BUBの1/87、ホンウェルの1/43と1/72、イクソのイソ イセッタ 1/43などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰画像/床下画像です。床下画像で4輪車であることが分かります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW ISETTA 250 1
BMW ISETTA 250 2

 以下は同時期に発売されたシュコー製のバリエーションで、キャンバストップを開いたBMW イセッタ (1/43 型番02092)の画像です。イセッタの大きさを比較する為に、軽自動車スズキ ワゴンRのミニカー(1/43 HI-STORY製)と並べてみました。現在の軽自動車よりずいぶん小さいことがわかります。ただ小さいながらも、このデザインは現在でも魅力的です。このイセッタのデザインをモチーフにした小型電気自動車が2023年にドイツで発売されました。(実車画像→ 小型電気自動車 マイクロリノ) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250 1
BMW ISETTA 250 2

 以下は1997年に発売されたシュコー製の BMW イセッタ 商用車仕様(1/43 型番02411)の画像です。上記のバリエーションでリアに荷台を追加していますが、製作時期が少し新しいので、小さなワイパーや豆粒のようなドアミラーが追加されて仕上げレベルが上がっています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 1
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 2

 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰画像です。フロントの拡大画像でワイパーと左側Aピラーに付いたドアミラーがわかります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 1
BMW ISETTA 250 LIEFERWAGEN 2

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BMW 503 1956 GERMANY

BMW 503
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503


DETAIL CARS 253 1/43 109mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.7m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.2L 140HP 4段変速
性能: 最高速190km/h  データーベースでBMW 503のミニカー検索

BMW 503 ドイツ 1956年

 

 戦後のBMWは高級車の少量生産という経営方針を立てました。その方針に従って6気筒/8気筒エンジンを搭載する高級車501/502が登場しました。さらにその延長としてよりスポーティな高級パーソナルカーも企画され、1955年に503と507が同時に発表されました。503は2+2シーターのクーペ/カブリオレで、507は2シーターのロードスターでした。見た目が派手な507はかなり有名ですが、ややおとなしい503はあまり知られていません。

 

 503はドイツ系アメリカ人デザイナーがデザインした美しいクーペ/カブリオレボディに、502のV型8気筒3.2Lエンジンを搭載していました。当初はメルセデス ベンツ 300Sと同等のスポーティな高級車として大量生産で安価提供する予定だったようですが、開発に失敗し同時期のメルセデス ベンツ 300SLと同じぐらいの高価格車となってしまいました。その為たった400台ほどしか生産されず、商業的には失敗でした。

 

 

 ミニカーは1995年に発売されたディテールカー製です。ディテールカーはイタリアのCDCグループのブランドで、1992年頃から主に1/43のダイキャスト製ミニカーを作っていました。ディテールカーはその名のとおりディテールにこだわった良い出来ばえのミニカーが多く、当時の他社ブランド(コーギーやソリドなど)でも販売されました。2000年頃に破産しフランクリン ミントに売却されたようです。この503のミニカーもプロポーションが良く当時としてはかなり良い出来ばえでした。503が2+2シーターのクーペとしてやや大柄な車だったことがミニカーから分かります。オープンカーなので良く見える室内も結構リアルに再現されています。これ以外の503のミニカーは、シュコーのクーペ/カブリオレ、ユニバーサルホビーのクーペ、JADIのクーペ/カブリオレ(1/18)、ブレキナのクーペ(1/87)などがあります。 以下はディテールカーのフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 503 1
BMW 503 2

 以下は同時期に発売されたディテールカー製のバリエーションで幌を立てたBMW 503 カブリオレ (1/43 型番256)の画像です。カラーリングと幌以外は上記と同じです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503 3
BMW 503 4

 以下は1995年頃に発売されたシュコー製のBMW 503 カブリオレ(1/43 型番02243)の画像です。上記のディテールカー製と同等の良い出来ばえですが、テールライトとウィンカーの塗装処理がされていないのでその点では少し見劣りします。また経年変化でサスペンションを支える樹脂製スプリング固定部が破損したことで、車高がかなり低い状態になっています。本来は上記ディテールカー製と同じような車高です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503 5
BMW 503 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 503 5
BMW 503 6

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BMW 507 1956 GERMANY

BMW 507
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 507


MINICHAMPS 430022508 1/43 101mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.4m 全幅約1.7m エンジン 変速機: V型8気筒 3.2L 190HP 4段変速
性能: 最高速228km/h  データーベースでBMW 507のミニカー検索

BMW 507 ドイツ 1956年

 

 戦後のBMWは高級車の少量生産という経営方針を立てました。その方針に従って6気筒/8気筒エンジンを搭載する高級車501/502が登場しました。さらにその延長としてよりスポーティな高級パーソナルカーも企画され、1955年に503と507が同時に発表されました。503は2+2シーターのクーペ/カブリオレで、507は2シーターのロードスターでした。見た目が派手な507はかなり有名ですが、ややおとなしい503はあまり知られていません。

 

 BMW 507は当時のBMWでは一番有名なモデルでした。戦前の328同様の硬派のスポーツカーで、見た目も実にかっこいい車でした。見た目だけではなく、最も高性能なモデルは502のV型8気筒3.2Lエンジンを190HPまでチューンし最高速は228km/hと、当時のスーパーカーでした。同時期のメルセデス ベンツ 300SLと同じくらいの高価格車で、たった250台ほどしか生産されていません。約1400台が生産されたメルセデス ベンツ 300SLよりもずっと希少な車でした。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたミニチャンプス製です。ミニチャンプスとしては初期の物ですが、フロント周りの造形など実車のデザインがうまく再現されていて当時のミニカーとしてかなり良い出来ばえでした。オープンカーなので良く見える室内もそれらしく彩色されていてリアルに再現されています。ミニチャンプスは車高を低く設定して実車よりもかっこよく見せるデフォルメをよく行いますが、この507もそのデフォルメがされています。これ以外の507ミニカーとしては、メルクリンの当時物、マッチボックスのYシリーズ、シュコー、ノレブの1/43と1/18、デルプラド 世界の名車シリーズなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 507 1
BMW 507 2

 以下は2001年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズ BMW 507 (1/43 No.11)の画像です。中国製ですが、メーカーは不明です。プロポーションはまずまずで、安価な雑誌付きミニカーとして値段相応の良い出来ばえです。ベージュのカラーリングがダイナミックなボディの抑揚を目立たないようにしていますので、その点でこのカラーリングは良くないです。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 507 3
BMW 507 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 507 5
BMW 507 6

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BMW 600 1957 GERMANY

BMW 600
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BMW 600


SCHUCO 02341 1/43 68㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.9m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 空冷水平対向2気筒 582cc 19.5HP 4段変速
性能: 最高速103km/h  データーベースでBMW 600のミニカー検索

BMW 600 ドイツ 1957年

 

 成功したBMW イセッタ 250に続いて1957年に上級車BMW 600が登場しました。この車にはイセッタという名前は付いていませんでした。基本的な構造はイセッタ 250と同じでしたが、ホイールベースとボディサイズを拡大しリアシートを追加して4人乗りとしたものでした。フロントシートへの乗降りはイセッタ 250と同様に前面のドアから行いますが、リアシートへの乗降りには車体右側に追加されたリアシート用ドアから行いました。また後輪トレッドが拡大されたので、後輪にデファレンシャルギアが付き本格的な4輪車となりました。

 

 エンジンはBMW R67(モーターサイクル)に搭載していたエンジンをベースにした空冷水平対向2気筒582ccエンジン(19.5HP)をリアに搭載していました。4段変速で最高速103km/hの性能でした。ただ、ここまで高級にしてしまうと値段が本格的な4輪車(フォルクスワーゲン ビートルなど)と変わらないものになってしまい、600の販売はあまり芳しくありませんでした。その為発売2年後の1959年には生産中止となり、後継車の700にモデルチェンジしました。総生産台数は約35000台でした。

 

 

 ミニカーは1996年頃に発売されたシュコー製です。プロポーションが正確で、実車の雰囲気が良く再現されています。ドア開閉などのギミックはありませんが、小さなワイパー、バックミラー、ヘッドライト/リアライトなどがリアルに再現されています。600のミニカーは当時物ではガマやジク(SIKU)、当時物以外ではオートアートの1/18があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BMW 600 1
BMW 600 2

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