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クライスラー ダッジ コロネット 4ドア セダン アメリカ 1955年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1950年代のダッジのラインナップにはエントリーレベルのコロネットとその上級車のロイヤルとカスタム ロイヤルがありました。 コロネットの初代は1949年に登場した大型車(フルサイズカー)で、当時はダッジの最高級車でした。その後1954年に上級車としてロイヤルが登場し、1955年にその上級車のカスタム ロイヤルが登場し、コロネット 3代目(1955年登場)ではダッジの一番下のモデルになりました。
1955年式ダッジには2/4ドアセダン、2ドアハードトップ、2/4ドアワゴンがあり、カスタム ロイヤルにはスポーティな2ドアコンバーチブルがありました。エンジンは6気筒3.8LとV型8気筒4.4L/5.3L/5.7L/5.9Lがあり、6気筒エンジンはコロネットだけの設定でした。ダッジは1957年のモデルチェンジで4灯式ヘッドライトを採用したデザインに変更されました。1960年のモデルチェンジでコロネットはダート、ロイヤルはマタドール、カスタム ロイヤルはポラーラに名前が変更され、1962年にダートはダウンサイジングされて中型車(インターミディエイト)となりました。
ミニカーは独特の味わいがあるホワイトメタル製クラシックカーを作っているイギリスのブルックリン製で2003年頃に発売されました。ホワイトメタル製ミニカー特有のレトロな作風ですが、実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ていました。ボディだけではなくバンパーやクロームモール類もすべて金属製ですのでずっしりと重く存在感があります。金属ボディに厚い塗装、本物の金属クロームメッキは、1950-1960年代のアメリカ車のイメージを再現するには最適の素材です。このミニカーが醸し出す実車の雰囲気は、細かいところはよく出来ていますが存在感が希薄な現在のスケールモデル的なミニカー(特にレジン製)にはない魅力だと思います。コロネット 3代目の量産ミニカーはこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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パッカード カリビアン コンバーチブル アメリカ 1955年
1950年代になると、次々と新型車を登場させて幅広い車種展開をするBIG3(GM、フォード、クライスラー)の資本力にパッカードは対抗できず次第に凋落していきました。1953年にはパッカードのボディ製造をおこなっていた関連会社がクライスラーに買収され、パッカードは自社でボディを製造することになりました。しかしあわてて作った生産ラインで不慣れな工員が作業したので、品質が低下し不具合が多発しました。この問題は徐々に改善されましたが、パッカードに対する信頼は大きく損なわれました。
1950年代には大衆車のGM シボレーやクライスラー プリムスがV型8気筒エンジンを搭載するようになり、パッカードも遅ればせながら新型V型8気筒6.1Lエンジン(310HP)を1954年に投入しました。しかしこの新型エンジンはあまり評判が良くなかったそうで、販売不振を改善出来ませんでした。そこで1954年に同じように落ち目になっていたスチュードベーカーと合併しました。落ち目どうしの合併では結局再起することはできず、1958年にパッカード ブランドの自動車製造は終わりました。
ミニカーは2008年頃に発売されたシグネチャー製のクラシックカーシリーズの1台です。パッカード最後の最上級車であったカリビアン 1955年式をモデル化しています。シグネチャーのこのシリーズは1/32と中途半端な縮尺でしたが、そのサイズを生かしてボンネット/ドア/トランク開閉と前輪操舵などのギミック付きで、室内やエンジンもそこそこ再現してありました。このカリビアンもプロポーションが良く実車に即したカラーリングで、良く出来ていました。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジンルーム内や室内などの細部もそこそこ再現してあります。これ以外のカリビアンのミニカーは、ヤトミンの1/18、フランクリン ミントの1/43と1/24などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM オールズモービル 98 スターファイアー コンバーチブル アメリカ 1956年
オールズモービルは1897年に設立されたアメリカで最も古い自動車メーカーで1908年にGM傘下となりました。GMグループではビュイックに次ぐ中級車で、1950-1960年代には先進的な技術やデザインを特徴とするブランドでした。オールズモービルの98シリーズはオールズモービルの最上級モデルで初代は1941年に登場しました。(実車画像→ オールズモービル 98 初代 1941) 1954年に98シリーズ 4代目が登場し、その最上級仕様のコンバーチブルにつけられた名前がスターファイアーでした。(スターファイアーとは当時のジェット戦闘機の名前にちなんだものです) 1958年には98のシリーズ名が消えて単にスターファイアーとなりました。
1961年にスターファイアーの2代目が登場し、この世代ではハードトップクーペも追加され1966年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 2代目 1961)その後スターファイアーの名前は一時的に消滅し、1975年にスターファイアーの3代目はサブコンパクトカーとして登場しました。この車はシボレー モンザの姉妹車で1980年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 3代目 1975)
ミニカーは1990年頃に作られたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台で、スターファイアー 初代をモデル化しています。ややレトロな造形ながらもドア/ボンネットが開閉しエンジン/サスペンションや内装もリアルに再現されているなど、このシリーズに共通する凝った作りで良く出来ていました。なおこのミニカーはウインドー枠が少し太いですが、これは簡単に壊れないよう考慮されているのであって、技術的に細く作れなかった訳ではありません。この辺の事情は昔の国産のダイヤペットなども同じで、当時の国産ミニカーは購入者(主に子供)が乱暴に扱っても簡単に壊れないことという制約下で設計されていたのです。このような背景を考慮しないで昔のミニカーを一括りにして作りが大雑把だったとするのは正しい評価ではありません。(もちろん作りが稚拙なものもありましたが) これ以外の同時期のオールズモービルのミニカーはウエリー(WELLY)の1/18、ダンバリー ミントの1/24、ニューレイ、ヤトミンのシグネチャーなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード リンカーン コンチネンタル MK II アメリカ 1956年
この当時のフォード リンカーンにはマーキュリーをベースにしたスタンダードと高級なコスモポリタンの2シリーズがありました。リンカーン コスモポリタン 1950年式は大統領専用車「コスモポ リタン スペシャル」として有名でした。フォードは1956年にヨーロッパ的な高級車を担当するコンチネンタル部門を新設し、戦前のコンチネンタルをコンチネンタル MK IIとして復活させました。リアトランクに搭載したスペアタイヤなど初代のイメージを残しながら近代化した優雅なデザインで、初代同様に品があって美しい車でした。(当時のアメリカ車につきものだった派手なクロームモールも極力抑えてありました)
コンチネンタル MK IIは月100台の限定(手作り!)生産で、価格1万ドル(普通のリンカーンの2倍 現在の貨幣価値で約1000万円くらい)もするロールス ロイス並みに高価な車でした。ただ1万ドルでも手作りゆえに赤字だったそうで、約3000台が生産されただけで1957年には生産中止となりました。1957年以降コンチネンタル部門は、ヨーロッパ風高級車ではなく、GM キャディラックなどの他社製高級車に対抗する車を担当する部門にかわりました。1958年に3代目のコンチネンタル MK IIIが登場しました。
ミニカーはフランクリン ミント製で1950年代のアメリカ車を1/43でモデル化した1950年代シリーズの1台で、1989年頃に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風ですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしていて、実に良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジンルーム内のエンジンや室内のインパネなど細部がリアルに再現されていて、当時の1/43サイズのミニカーとしては最上級レベルの出来ばえでした。(ボンネット先端のエンブレムもリアルです) これ以外のコンチネンタル MK IIのミニカーとしては、マーキュリーの当時物、フランクリン ミントの1/24、ヤトミンの1/18、ミニチャンプス、オックスフォードの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード アメリカ 1956年
1955年に登場したフォード サンダーバードは2シータのオープンカーで、1953年に発表されたGMのコルベットと同様ヨーロッパのスポーツカーを意識したものでした。ただしコルベットのような本格的なスポーツカーではなく豪華でスポーティな車というコンセプトでしたオープンカーですが脱着可能なグラスファイバー製ハードトップが標準装備されていました。V型8気筒(4.81L 212HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速187km/hの性能でした。
1956年にスペアタイヤがリアに搭載されてトランクが拡大されました。ハードトップに円形の窓がオプション設定され、ハイパワーのV型8気筒(5.1L 225HP)エンジン追加されました。1957年にはフロントバンパー形状が変更されてグリルが拡大しテールフィンが大きくなり、スペアタイヤがトランク内に収納されました。V型8気筒(5.1L)エンジンにスーパーチャージャーを追加して340HPにパワーアップした高性能版が追加されました。1958年にサンダーバード 2代目にモデルチェンジしました。サンダーバード 初代の生産台数は約53000台でした。
高級なパーソナルカーというサンダーバードのコンセプトは、その後の自動車市場の動向を見通したもので先見の明がありました。実用的な自動車が普及すると必ずこのようなパーソナルな高級車の需要が出てくるものです。(日本ではトヨタのコロナ マーク II 初代あたりが似たようなコンセプトでした)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台です。このシリーズは1950年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43でモデル化していて、レトロな作風ながらボンネット/ドアが開閉するなど細部までリアルな作りでした。このサンダーバードはスペアタイヤをリアに載せた1956年式をモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現したややレトロな作風でボンネット/ドアが開閉します。エンジンやサスペンションが再現されカブリオレなので室内も良く再現されていてとても良い出来ばえでした。これ以外のサンダーバード初代の当時物ミニカーはソリド、テクノがありました。当時物以外ではフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マッチボックス、ミニチャンプス、リオ、コーギーの1/36、ジョニーライトニングの1/64、ブッシュの1/87など非常にたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)