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メルセデス ベンツ ディーゼル トラック 5K3 ドイツ 1923年
ドイツのルドルフ ディーゼルは彼が考案した圧縮点火式エンジン(ディーゼルエンジン)の特許を1892年に取得しました。ベンツ社の従業員であったプロスパー ロランジュ(Prosper L'Orange)はこのエンジンの開発に取り組み、必須デバイスの燃料噴射ポンプと燃料噴射ノズルを開発し予燃焼室を備えるディーゼルエンジンの実用化に成功しました。ベンツ社は5t積みトラックのシャーシにこの予燃焼室式ディーゼルエンジンを搭載した世界初のディーゼルエンジン トラック 5K3を1923年に製作し実用化試験を開始しました。このエンジンは4気筒8.8Lで1000rpmで50hpを出力しました。このディーゼルエンジン トラックは数年後に正式に生産されるようになりました。
この車の名前は厳密にいうとメルセデス ベンツではなくベンツとなります。1926年にダイムラー社とベンツ社が合併してダイムラー ベンツ社となりその時点でメルセデス ベンツというブランド名ができたのですが、ダイムラー ベンツ社ではこの車もメルセデス ベンツと称しているようです。(なおダイムラー社も合併以前にディーゼルエンジンを開発していました) ヨーロッパでは経済性から乗用車でもディーゼルエンジンが良く使われていましたが、ディーゼルエンジンを初めて搭載した乗用車は1936年のメルセデス ベンツ 260Dでした。
ミニカーは1970年代に発売されたカーソル(CURSOR)製です。このミニカーはダイムラー ベンツ社の100周年記念品として製作されたプロモーション モデルの一台でした。このプロモーション モデルは主にダイムラー ベンツ社のディーラーで100周年記念品として販売されたようですが、一般向けにも1978年頃にデパートなどで販売されました。 (参照ページ→ カーソルのミニカー) 細かいところまでリアルに再現されたプラスチック製のスケールモデルで、当時の玩具的なミニカーとは一線を画するレベルの高い出来ばえでした。荷台に「10 Jhare im Betrieb」と書かれたパネルを載せていますが、これは「10年間実用試験された」という意味のようです。カーソルは幌を付けた物や荷物を積載したバリエーションを発売しているようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ タルガ フロリオ ドイツ 1924年
ダイムラー社からベンツ社に移籍してきたフェルディナンド ポルシェ博士(スポーツカー ポルシェの創立者)の初仕事はスーパーチャージャー付きの新しいエンジンの改良でした。ポルシェの設計変更を受けたエンジンを積んだレースカーは、1924年のタルガ フロリオ レースに出場し総合優勝しました。搭載されていた4気筒1.99Lエンジンは過給時に120HPと高性能でした。なおこの車の名前は厳密にいうとメルセデス ベンツではなくメルセデスとなります。(1926年にダイムラー社とベンツ社が合併したことで、ダイムラー ベンツ社のメルセデス ベンツというブランド名ができたので)
1920年代後半にはGPレースの規格が毎年改定されるようになり、レース専用車の開発に費用がかかるようになったので、ダイムラーはレース専用車の開発を中止しました。専用車開発はやめましたが、ポルシェが設計した市販スポーツカーを転用したレース仕様車でレースを継続することになりました。転用されたのは6気筒7Lエンジンを搭載したメルセデス ベンツ S シリーズで、1928年にはSSとそのホイールベースを短縮して高性能化したSSKが登場しました。
ミニカーは1970年代に発売されたカーソル(CURSOR)製です。このミニカーはダイムラー ベンツ社の100周年記念品として製作されたプロモーション モデルの一台でした。このプロモーション モデルは主にダイムラー ベンツ社のディーラーで100周年記念品として販売されたようですが、一般向けにも1978年頃にデパートなどで販売されました。 プラスチック製ですので塗装していないプラモデル完成品のような出来ばえです。全体的にそこそこリアルに出来ていましたので、当時の玩具的なミニカーとは異なるレベルの良い出来ばえでした。ただ無塗装のプラスチック製なのでボディの質感は今一つです。(特にフロントグリルの透明パーツはあまりリアルな感じがしません) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ SSK (W06) ドイツ 1927年
メルセデス ベンツ SSKは前述したメルセデス ベンツ SSのホイールベースを短縮しサーキットでの性能を高めた高性能版でした。Kはドイツ語のKURZ(短いの意)です。エンジンは225HPに強化され最高速200km/hで、ヘッドライト/フェンダーなどを取り外せば即レーシングカーになりました。当時のグランプリレースはレーシングカーやスポーツカーが混在する状態でしたので、レースを意識して開発されたSS、SSKは各種レースで大活躍していました。
ベンツ SSKの純粋なレーシング仕様として、ファクトリーチーム用にはベンツ SSKLが数台だけ製作されました。SSKLのLはドイツ語のLeicht(軽いの意)で、SSKLは徹底的な軽量化をするためにフレーム各部に軽減穴が開けられていました。SSKLについてはサラブレッド期に記載してしていますので、こちらのページ→ メルセデス ベンツ SSKLをご覧ください。
ミニカーは1984年頃に発売されたイタリアのリオ(RIO)製です。リオのクラシックカーはほとんどが1990年以前に作られていますが、いずれも当時のミニカーとしては非常に出来が良いものでした。このSSKも実車の迫力のあるスタイルがうまく再現されていて、最近までこれを上回る出来ばえの1/43サイズの量産ミニカーはありませんでした。ただスケールモデル的な観点で見ると、ボンネット部の高さが少し高めなのですが、これは迫力を出すための意図的なデフォルメだと思います。また1/43よりも少し大きめにできているので、1/43の別のミニカーと並べた場合に少し違和感があるのが唯一の難点です。リオは同じ型を使ってSSKLもモデル化していました。リオ以外では1980年代以前の古いものばかりですが、ラミー、ガマ、ノレブのプラスチック製、ブラーゴの1/18などがありました。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ SS トルペード (W06) ドイツ 1928年
前述したベンツ レースカーのスーパーチャージャーエンジンを成功させたフェルディナンド ポルシェ博士は6気筒スーパーチャージャーエンジンを設計し、メルセデス ベンツのツーリングカーに搭載しました。1926年に登場した最初のモデルはKヴァーゲンと呼ばれ、6気筒6.3L(110HP 過給時160HP)エンジンを搭載し、当時最速のツーリングカーでした。それをさらに発展させたのがSヴァーゲンで、その後のメルセデス ベンツのスポーツカー Sシリーズの最初のモデルとなりました。Sヴァーゲンは6気筒6.8L(120HP 過給時180HP)エンジンを搭載し、さらにそのエンジンを6気筒7L(140HP 過給時200HP)にパワーアップしたのがSSでした。
Sシリーズは当時のスポーツカーとしては非常に高価でしたが、その高性能と魅力的なデザインで富裕層に人気がありました。またSシリーズは市販スポーツカーでしたが、レーシングカーとしても1920年代後半から1931年までヨーロッパのレースで活躍しました。1928年にSSのホイールベースを短縮したSSKが登場し、1931年にはSSKを軽量化したSSKLが登場しました。SシリーズはスポーツカーレースだけではなくGPレース(現在のF1相当)にまで参戦していました。
ミニカーは1965年に発売されたフランスのソリド製です。ソリドが1960年代に発売したクラシックカーシリーズ(約10種類)は当時としては非常に出来が良いミニカーでした。このメルセデス ベンツ SSもその一つで型番を4137に変更して、その後20年以上も生産された傑作でした。ソリドの別ブランドのベレム(VEREM)でも発売されました。ドア開閉ギミック付きで、インパネのメーターは紙のシールで再現してありました。ソリド以外のメルセデス ベンツ SSのミニカーとしては、古いマッチボックスのYシリーズ、イクソとその廉価版ホワイトボックス(WHITE BOX)の物があります。イクソの物は元々はフランスのミニカー付き雑誌「VOITURES CLASSIQUES」(No30)用として作られた物でした。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)