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フィアット 24HP リムジン イタリア 1905年
1905年当時のフィアットの上級車としては24/32HPと60HPがありました。24/32HPは前述した16/24HPの上級車で、1903年に登場しました。60HPは当時の最上級車で1904年に登場しました。24/32HPは当初4気筒6371㏄(32HP)エンジンを搭載していましたが、その後排気量を6902㏄、7363㏄に拡大していきました。ホイールベースはショート、ミディアム、ロングの3タイプがあり、全長は約4m-4.4mでした。車重は約1.7tで4段変速機を介して後輪をチェーン駆動し、最高速75km/hの性能でした。
また24/32HPはフィアットとして初めてランドレー形式(幌付の密閉式客室)のボディを採用したそうです。当時の自動車メーカーはシャーシしか製作しておらず、ボディを架装するのは馬車時代からの伝統があるカロッツェリアの仕事でした。したがってこの時代はユーザーが自分好みのボディを個別に注文できたので、16/24HPで初めてランドレー形式のボディを採用したといってもフィアットの標準ボディだったわけではありません。24/32HPは1905年まで生産され、総生産台数は約400台でした。
ミニカーは1970年代に発売されたイタリアのリオ製です。リオのクラシックカーはマニア向けで灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツから、シャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されていました。これは24/32HPに半密閉型のリムジンタイプのボディを架装した車をモデル化しています。フィアットのロゴが付いたフロントグリル、ガラスの付いたウィンドーシールド、灯火類などの細部がリアルに再現されていてとても良い出来ばえです。ステアリングホイールの造形で、ホーン操作部とスカットル右横に付いたクラクション本体とを接続する管をコイルスプリングで表現しているのは面白いやり方です。床下部分ではサスペンション/ドライブシャフト/後輪駆動チェーンがリアルに再現されています。実際にこのようなカラーリングの車があったかどうかは?ですが、緑と赤のカラーリングが綺麗です。 以下はフロント/リアの拡大画像と床下部分/後輪チェーン駆動部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 60HP イタリア 1905年
フィアット 24HPの解説に記載したように、1905年当時のフィアットの上級車としては24/32HPと60HPがありました。1904年に登場した60HPは当時のフィアットで一番大きく豪華な車でした。当時の同クラスのライバルは4気筒9.2L(60HP)エンジンを搭載するメルセデス 60HPで、それに対抗してフィアット 60HPは4気筒10.6L(60HP)エンジンを搭載していました。その後1907年にフィアット初の6気筒エンジン11L(65HP)を搭載する50/60HPが登場し、1908年には6気筒7.4L(50HP)エンジンを搭載する35/45HPが登場しました。
60HPはそのほとんどがアメリカ市場に輸出され、潤滑油給油装置など先進技術を装備したこの類の高級車は富裕層に人気がありました。ホイールベースは長短2タイプがあり、アメリカのコーチビルダーが豪華なボディを架装していました。1903年のフィアット車の総生産台数は130台ほどで、その頃にアメリカ市場への輸出が始まり生産台数は増えていきました。60HPは1906年までの2年間で約80台ほどが生産されたそうですので、当時のアメリカ市場はフィアットにとって重要な市場だったはずです。
ミニカーは1970年代に発売されたイタリアのリオ製です。リオのクラシックカーはマニア向けで、灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツから、シャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されています。この60HPも3列シートに大きな幌がついた当時のフィアット最大の高級車を忠実に再現しています。底板部分にはエンジン/変速機と後輪のチェーン駆動部が再現されています。なお幌前端部を引っ張ってフェンダー部に固定している革紐は本物の皮革です。ミニカーの箱に添付されているリオの解説書ではこの車はフィアット初の6気筒7.4Lエンジンを搭載した60HPとしていますが、正しくは4気筒エンジン搭載の60HP(1905年式)だと考えます。バリエーションで幌を畳んだタイプもありました。 以下はフロント/リアの拡大画像と床下部分/後輪のチェーン駆動部の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット 18/24HP イタリア 1908年
前述したフィアット 16/24HPの後継車として、18/24HPが1908年に登場しました。車格的には16/24HPより上級の中型車として設定されたようで、ホイールベースはショート、ミディアム、ロングの3タイプがあり、全長は約4.3m-4.5mでした。18/24HPは4気筒4.5L(24HP)エンジンを搭載し、4段変速機を介して後輪をチェーン駆動し最高速65km/hの性能でした。このミニカーはイタリアのビスカレッティ自動車博物館に保存されている実車を忠実にモデル化しています。ミラノのカロッツェリアが担当したボディは後席が幌で開閉できるランドー形式でシェーファードリブンのかなり高級な車だったようです。
1900年代後期のフィアットには創業当時の8HPのような小型車はラインナップから外れていました。(小型大衆車は1910年代のフィアット 0で復活しました) 生産されていたのは中型車と大型車を中心にした数モデルでした。当時のフィアットは既にイタリア有数の自動車メーカーとなり、従業員は2500名ほどでした。生産された車の3分の2以上は輸出されていて、アメリカ市場でもある程度の顧客を確保していました。
このミニカーも1970年代に発売されたリオ製です。リオのクラシックカーはマニア向けで灯火類、操作レバー、フェンダーなどの細かいパーツから、シャーシやサスペンションなどのメカ部分までリアルに再現されています。これは24/32HPに密閉型の高いランドー形式リムジーンのボディを架装した車をモデル化しています。ミニカーはカラフルに塗りわけられていて魅力的な仕上がりです。フロントグリルの立派なロゴ「FIAT 1908」は実車に忠実に出来ています。屋根の上の飾りのようなものはルーフラックで旅行用の荷物などを載せるものです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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