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マツダ ルーチェ 日本 1966年
マツダ(東洋工業)がファミリアの次に発売したのは高級車のルーチェでした。(ルーチェとはイタリア語で光の意です) トヨタ クラウンや日産 セドリックのような法人用途ではなく、オーナードライバー向けのパーソナルカーを目指した車でした。ルーチェの最大の特徴はその美しく上品なスタイルで、ベルトーネ時代のG.ジウジアーロのデザインでした。4気筒1.5L(78HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速150km/hの性能でした。
ただ大柄なボディに1.5Lエンジンはややアンダーパワーで、1967年にエンジンを86HPにパワーアップし、内外装をスポーティに仕上げたSSが追加され、さらに1.8L(100HP)エンジンも追加されました。(1.8Lの最高速は160km/h) 当時の日本ではこのようなパーソナル用途の高級車の需要は少なかったので、あまり売れなかったようです。ただし美しいボディデザインが評価されて欧州向け輸出は好調だったそうです。1969年にルーチェ ロータリー クーペが追加され、1972年にルーチェ 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは1967年に発売されたダイヤペット製の当時物です。アンチモニー製で、フロントグリル/バンパーやクロームモールは下地をメッキ処理して表現しています。実車を正確にスケールダウンした秀作ですが、シンプルなデザインゆえにこの1/40のサイズではそのイメージがやや希薄になっています。多分もう少し意図的にデフォルメしたほうが良いのかもしれませんが、現状でも当時のミニカーとしてはうまい造形だったと思います。なおヘッドライトにダイヤカットガラス(ラインストーン)を使ったのは、ダイヤペットではこれが初めてのはずです。前述したモデルペットのファミリアに比べるとこちらはノーズ先端部分など少し塗装が剥がれていますが、これは子供のころに遊んで何かにぶつけたことが原因です。ボンネットとトランクが開閉するギミック付きです。最近までルーチェ 初代のミニカーはこのダイヤペット製の当時物しかありませんが、2024年になってシュコーがレジン製で左ハンドルの輸出仕様をモデル化しました。(ミクロペットの当時物でルーチェがありましたが、それはルーチェのプロトタイプでしたので外観が異なります) 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ホンダ S800 クーペ 日本 1966年
前述したホンダ S500が発売された5ヶ月後(1964年)にホンダ S600が登場しました。エンジンを606cc(57HP)に拡大し、最高速が145km/hに向上していました。構造的な変更は無くフロントグリルが変更され、それに合わせてバンパー形状も変更されていました。1965年には密閉されたキャビンを持つクーペが追加されました。
1966年にホンダ S600はS800にモデルチェンジしました。エンジンを791cc(70HP)に拡大し、最高速が160km/hに向上しました。リアをチェーン駆動する独特の構造は、ホンダ S800登場の数ヶ月後には一般的なシャフトドライブのリジッドアクスルに変更されました。エンジンフードにはパワーバルジが追加されていましたが、これはダミーでした。高性能なS800は国内のモータースポーツで活躍し、海外でも1967年のニュルブルクリングでクラス優勝するなど活躍しました。モナコのグレース王妃に愛用されるなど、海外で高評価を得た初めての日本車となりました。1970年までに約11000台が生産されました。
ミニカーはディンキー(仏)製の当時物で1969年に発売されました。ディンキー(仏)らしいスケールモデル的なリアルな造形でよく出来ていました。ボンネットが開くギミック付きです。このミニカーはフロントグリルのホンダのエンブレムの「H」の上下を間違えていたことでも有名です。当時の国産車が海外でモデル化された物としては、トヨタ 2000GTに次ぐ2番目で、S800に人気があったことがよく分かると思います。ホンダ S800の海外での当時物ミニカーはこれしかなかったので、絶版ミニカーとしての人気も高かったです。S600の当時物ミニカーとしてはミクロペットとその型を引き継いだダイヤペットがありました。最近のミニカーではトミカ リミッテド(クーペ)、エブロ(オープン/クーペ)、国産名車コレクションのクーペがあります。 S800の当時物ミニカーはダイヤペットとモデルペット(オープン/クーペ)がありました。最近のミニカーではオートアートの1/18、エブロ(オープン/レース仕様ハードトップ)、トミカ、トミカ リミッテド(オープン/クーペ)、ビテス、ノレブ、国産名車コレクション、京商サークルK、レジン製のMARK43などたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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スバル 1000 日本 1966年
スバル 360の成功を追い風にして小型車市場に進出する為に開発されたのがスバル 1000で、1966年に登場しました。360開発の際に時期尚早として見送った前輪駆動方式を採用したのが最大の特長でした。これには前輪を駆動する必須パーツである等速ジョイントが必要でしたが、東洋ベアリング(現:NTN)と共同で開発しました。エンジンは現在でもスバルの特徴である水平対向4気筒1.1L(55HP)で、これをフロントに縦置きに搭載していました。4段変速で最高速度130km/hの性能でした。
サスペンションは360と同じトーションバーを使った4輪独立懸架で、インボード ブレーキを採用するなど、独創性のある設計がされていました。前輪駆動方式のメリットで室内が広く、ボディのデザインもシンプルで開放的な良いデザインでした。 1967年に2ドアとバンが追加され、68HPにパワーアップして前輪ディスクブレーキを採用した高性能仕様のスポーツも追加されました。1969年にエンジンを1.1Lに拡大し、名前をff-1に変更しました。トヨタ カローラや日産 サニーとは一味違った小型車としてスバル車ファンを獲得し、小型車市場でスバルの基盤を固めました。1000は前輪駆動小型車の先駆けとして、アルファ ロメオのアルファスッドなどの欧州車がお手本としたほど技術的に優れた車でした。
ミニカーは2006年に発売されたアシェット製 国産名車コレクションで、メーカーはノレブです。リアルなフロント周りの造形など実車の雰囲気がうまく再現されていました。また室内などの細部もそこそこ良く再現されていて安価な雑誌付ミニカーながらかなり良い出来ばえでした。スバル 1000の当時物ミニカーはダイヤペットのアンチモニー製しかありませんでした。そのダイヤペット製の1000はff-1の登場後にフロントグリルを変更してff-1として再発売されましたが、ff-1の当時物ミニカーもそれだけでした。最近になって、コナミから2ドア、トミカ リミッテドからは2ドアと4ドアが発売され、エブロからは1000ではなくff-1のスポーツが発売されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM キャディラック フリートウッド シックスティ スペシャル ブロアム アメリカ 1967年
フリートウッドはキャディラックのV型8気筒エンジンを搭載した最上級セダンに付く名前で、シックスティ シリーズ(60 Sixty Serise)とセブンティ シリーズ(70 Seventy Serise)の2タイプがありました。1965年に登場したキャディラック 9代目は、縦型4灯式ヘッドライトを採用したことが外観上の一番大きな特徴でした。最上級セダンの75は全長6.2m 全幅2m、安価な60は少し短いですが全長5.78mとどちらも車重2tを超える巨体でした。V型8気筒7L/7.7L(375HP)エンジンを搭載し3段自動変速で最高速194km/hの性能でした。この車の公称燃費は3.5km/Lでしたが、実燃費は3㎞/L以下だったでしょう。
この縦型ヘッドライトを特徴とするデザインは1960年代の高級車に流行ったデザインでした。このデザインの車はoldsmobile_toronado_corgiboatあたりから始まって、フォード ギャラクシー、オペル ディプロマット、日産 グロリア(A30型)などがありました。キャディラックの縦型ヘッドライトは1969年のデザイン変更で一般的な横型4灯式ヘッドライトに変わりました。1971年に75シリーズはキャディラック 10代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ GM キャディラック 75 フリートウッド 1973)
ミニカーは2009年に発売されたイクソのプレミアムX製の初期物でレジン製です。プロポーションが良く、大きなサイズの実車の雰囲気がうまく再現されていました。フロントグリルや室内の造形もリアルに仕上げてありました。ただしレジン製なのでに大きさの割に軽いのは、中身がからっぽな感じがして個人的にはいまいちの感じがしました。ただ大きくて豪華であったかつてのアメリカ車の代表としてこのキャディラックのミニカーは実に貴重なものです。その意味では60ではなく75をモデル化してくれたほうが良かったのかもしれません。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM ポンティアック ファイアーバード アメリカ 1967年
GM シボレー カマロのポンティアック版としてポンティアック ファイアーバードが1967年に登場しました。基本的なデザインはカマロと同じでしたがフロントバンパーをボディと一体化し、そこにポンティアックの伝統である2分割のフロントグリルと突き出たノーズを配してポンティアックらしくなっていました。搭載されたエンジンはカマロ同様にベーシックな6気筒3.8L/4.1Lから高性能なV型8気筒5.3L/5.7L/6.6Lエンジンまでありました。最強モデルはV型8気筒6.6L(400CI 立方インチ 325HP)エンジン搭載の400で、最高速180km/h以上の性能でした。
1969年のマイナーチェンジでカマロと同様にボディが拡大されフロントグリルの意匠が大幅に変更されました。同年にリアスポイラーを装備した高性能版のオプションパッケージとしてトランザムが追加されました。トランザムという名前はアメリカのレース「Trans-American Sedan Championship」にちなんだものでした。その後トランザムはファイアーバードの最強モデルとして定着していきました。1970年にファイアーバード 2代目にモデルチェンジしました。
ミニカーは2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズです。メーカーはアーテル(ERTL)で、高性能版の400をモデル化しています。地味なボディカラーのせいで損をしていますが、よく見ると安価な雑誌つきミニカーながら結構良く出来ていました。プロポーションが良く、室内などの細部もまずまずの良い出来ばえでした。またリアサスペンションのリーフスプリングが再現され、運転席の前のボンネット上にオプションのフード タコメーターがあるなどなかなか凝った仕上げでした。なおフード タコメーターとはタコメーターをボンネット上にマウントした物でした。(実車画像→ フード タコメーター) これ以外のファイアーバード 初代のミニカーはコーギーの当時物、ダンバリーミントの1/24、ヤトミン(シグネチャー)の1/43と1/18、M2マシーンの1/64、ジョニーライトニングの1/64などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)