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ルノー 8 フランス 1962年
前述したルノー ドーフィンの上級車として同じリアエンジン方式のルノー 8が1962年に登場しました。ドーフィンより大きく近代的なボディに、新設計の1L(48HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。サスペンションの改良で操縦性が向上し、4輪ディスクブレーキを装備するなど当時の1Lクラスの車としてはかなり進歩的な車でした。1964年にはエンジンを1.1L(50HP)に強化したマジョール(MAJOR 最高速134km/h)が追加されました。
ツーリングカーレースやラリー用の高性能仕様として、1964年にゴルディーニが追加されました。シリンダーヘッド改造、ツインチョーク キャブレター化などドーフィンのゴルディーニよりも高度なチューンが施され、エンジンはマジョールの2倍の95HPにパワーアップし、最高速は170km/hでした。さらに1966年には1300ccクラスのライバルBMC ミニ クーパー Sに対抗するため、1255cc(103HP)までエンジンを拡大しました。ルノー 8 ゴルディーニはツール ド コルスで1964年から3年連続で優勝するなど大活躍しました。1973年に生産中止となりました。後継車はルノー 12でした。
ミニカーは1962年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ルノー 4の解説に記載したようにディンキー(仏)のミニカーは、当時としてはプロモーションモデル的でリアルな造形が特徴でした。このルノー 8も素朴な作りですが、実車の雰囲気が良く再現されていました。なおこの時代のディンキーのミニカーは底板がまだ鉄板で出来ていて(1960年代後半にはプラスチック製が多くなった)、ホイールも簡単な作りでした。室内の造形が再現されて、ワイパーがウインド スクリーンにモールドされるようになったのはこの頃からです。ディンキー(仏)は高性能版のゴルディーニ仕様もモデル化していました。これ以外の当時物ミニカーはノレブのプラスチック製がありました。当時物以外ではソリド(べレム)の1/43と1/18、エリゴール、イクソ、ミニチャンプス、最近のノレブ、スパーク(レジン製)のレース仕様などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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ファセル ヴェガ ファセリア F2 フランス 1962年
前述したようにファセル社のファセル ヴェガは北米である程度成功しました。ファセル社はさらなる販路拡大を目指して小型高級車の開発に乗り出しました。1960年に登場したファセリアはファセル ヴェガのイメージを継承し小型化したものでした。ファセリアにはファセル社が独自設計したDOHC 4気筒1.6Lエンジン(115HP)が搭載されました。このエンジンは1.6Lで110HPと当時としては非常に高性能でしたが、強度設計に問題があり信頼性がなくトラブルが多発しました。
1962年にエンジンをボルボ製4気筒1.8L(108HP)に切り替えたファセリア F2(ファセル ヴェガ IIIとも呼ぶようです)で問題は解消しましたが、ファセリア F2は信頼を回復することが出来ませんでした。さらに上級車のファセル ヴェガも販売不振となりファセル社は1964年に倒産しました。ファセリアは約1000台が生産され、ファセル社の車としては一番多く売れました。ファセル社全体では10年間で約3000台が生産され、そのほとんどは北米に輸出されました。
ミニカーは1988年に発売されたソリド製です。ソリドの型番45**シリーズは、1970年代のレベルの低い廉価版から脱却して、当時の値段で約2000円の手ごろな値段ながらコレクションに値するレベルのミニカーに仕上がっていました。なお同時期の国産ミニカーのダイヤペットは約1000円ぐらいでしたから約2倍でしたが、外国製ミニカーとしては安価でした。このファセリアもソリドらしいシャープな造形で、実車の雰囲気がうまく再現されていました。灯火類や室内などの細部もそこそこリアルで良く出来ていました。これ以外のファセリアのミニカーはフランスのCIJ(セーイージー)製の当時物、ネオ(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フィアット アバルト 1000 (モノミッレ) イタリア 1962年
アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 600をベースにしてアバルト製のオリジナル ボディを持つ車には
排気量 747㏄ アバルト 750 クーペ
排気量 696-850㏄ アバルト 700/750/850 ビアルベーロ レコルト モンザ
排気量 982㏄ アバルト 1000 ビアルベーロ/モノミッレ
などがありました。ビアルベーロ(BIALBERO)とはイタリア語でツインカム(DOHC)の意味で、そのDOHCエンジン搭載車がモンザ(モンツァ) サーキットで速度記録を達成したことを記念してレコルト モンザという名前がつけられました。
最初(1956年)に登場したのは排気量を747ccに拡大し42HPまでパワーアップしたエンジンを、ザガート製のクーペ ボディに搭載したアバルト 750 クーペでした。この車はルーフが低くヘッドスペースを確保するためにルーフ左右にこぶ状の膨らみがあったのでダブル バブルと呼ばれました。次にこのエンジンをDOHC化し、ザガート製の新しいクーペ ボディに搭載したのが「レコルト モンザ」シリーズで、1958年に登場しました。このシリーズには排気量が異なる700/750/850のバリエーションがありました。(実車画像→ アバルト 750 クーペ)
1960年に登場した1000 ビアルベーロも750 ビアルベーロと同じようなボディデザインでしたが、1963年にリアのデザインを丸っこいものから少し後に伸ばして上に反ったコードトロンカ式に変更しています。(このデザインはスコルピオーネとも呼ぶようです) 5段変速が採用され、982cc(97HP)ながら最高速は210㎞/hで1Lクラスでは世界最速でした。また1000にはモノミッレという名前でDOHCではないエンジンを搭載した乗用GT仕様がありました。(実車画像→ アバルト 1000 ビアルベーロ)
ミニカーは1962年に発売されたソリド製の当時物です。ビアルベーロではなくGT仕様のモノミッレをモデル化しているようです。実車の丸っこい感じが良く再現されています。リアが少し長く見えるのは、リアオーバーハングが長くなった後期型をモデル化しているからでしょう。これ以外の当時物としてはマーキュリーの1000 ビアルベーロがありました。当時物以外では、ベストモデル、スターラインなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 2600 ベルリーナ イタリア 1962年
1950年に登場して大成功したアルファ ロメオ 1900は1958年にモデルチェンジして一回り大きい2000となりました。サスペンションなどの主要なメカは1900を踏襲しており、既に2Lになっていた1900 スーパーのDOHC 4気筒2L(90HP)エンジンを搭載し、5段変速機で最高速160km/hの性能でした。当初は4ドアセダン(ベルリーナ)と115HPにパワーアップしたエンジンを搭載するトゥリング製の2ドア2シーターのスパイダーがありました。1960年にベルトーネ製の2ドアクーペのスプリントが追加されました。
1962年にエンジンをDOHC 6気筒2.6Lに切り替えて2600となりました。当初は2000と同じベルリーナ(エンジン 130HP)、スプリント(145HP)、スパイダー(2+2シータ 145HP)の構成でしたが、1965年にザガート製の2ドア2シータークーペの2600SZ(165HP)が追加されました。ベルリーナの最高速は175km/hでしたが、2600SZは215㎞/hと高性能でした。2600シリーズはアルファ ロメオの大型高級車として1968年まで生産され総生産台数は約11000台でした。(見た目が美しいスプリントが約7000台で売れ筋でした) 後継車は4気筒エンジン搭載の1750 シリーズでした。
ミニカーは1960年代に発売されたメーベトイ製の当時物です。オーソドックスなデザインの2600 ベルリーナをモデル化しています。プロポーションが良くフロントグリルが結構リアルに出来ているなど、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ドアが開閉するギミック付きです。なお残念なことに、中古品として入手した時点で右ヘッドライト(ラインストーン)が欠落していました。2000/2600 ベルリーナ(セダン)は実車があまり人気がなかったことを反映してか、当時物ミニカーはこれとポリトーイ初期のプラスチック製しかないようです。当時物以外では、スターライン、KESS MODEL(レジン製)などがあります。(人気があったスプリントはたくさんモデル化されていますが) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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アルファ ロメオ 2600 スプリント イタリア 1962年
1950年に登場して大成功したアルファ ロメオ 1900は1958年にモデルチェンジして一回り大きい2000となりました。サスペンションなどの主要なメカは1900を踏襲しており、既に2Lになっていた1900 スーパーのDOHC 4気筒2L(90HP)エンジンを搭載し、5段変速機で最高速160km/hの性能でした。当初は4ドアセダン(ベルリーナ)と115HPにパワーアップしたエンジンを搭載するトゥリング製の2ドア2シーターオープンカー スパイダーの構成でした。(実車画像→ 2000 スパイダー) 1960年にベルトーネ製の2ドアクーペ スプリントが追加されました。
スプリントはベルトーネ製のクーペで、当時はデザインだけではなく実際のボディ製作もベルトーネが行っていました。1962年にベルリーナ(セダン)のエンジンが6気筒2.6L(130HP)に切り替わり、スプリントも6気筒2.6L(145HP)エンジンになりました。スプリントはベルリーナよりも軽量だったので、最高速は200km/hに達しました。2600シリーズは後継車の1750 ベルリーナが1967年に登場し、1968年まで生産されて総生産台数は約11000台でした。スプリントはその高性能とスタイリッシュな外観で人気があり、ベルリーナの倍以上の約7000台が売れました。
ミニカーは1960年代に発売されたポリトーイ製の当時物です。6気筒エンジンを搭載した2600 スプリントのモデル化で、ボンネット上のエアスクープが6気筒エンジン搭載の証です。ノーズ部分を低くデフォルメしているので、キャビン部分がやや大きめ目に感じられますが、ポリトーイらしいかっこいい出来ばえになっていました。ボンネット/ドア/トランクが開閉するギミック付きで、DOHC エンジンや室内インパネなどの細部も良く再現されています。スプリントの当時物ミニカーとしては、ポリトーイよりプロポーションが良いソリド製もありました。当時物以外ではバン、M4、レジン製ではネオ(NEO)やトップスピード(TOPSPEED)などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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