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サーブ 96 スウェーデン 1965年
サーブ社「Svenska Aeroplan AB」(スウェーデン航空機会社)はスウェーデンの軍用航空機の製造を目的として1937年に設立されました。、第2次大戦中は軍用機を製造していましたが、戦後に自動車製造に進出しました。1949年に完成した最初の量産車は2サイクル2気筒764cc(25HP)エンジンを前車軸上に横置き搭載した前輪駆動車のサーブ 92でした。航空機メーカーらしさが感じられる流線型のモノコックボディは、当時としては珍しく風洞実験で決められたものでした。3段変速で最高速105km/hの性能でした。(実車画像→ サーブ 92 1951)
サーブ 92は1955年に3気筒750cc(33HP)エンジンを縦置き搭載に変更した93に、1960年には3気筒841cc(42HP)エンジンを縦置き搭載してリアウインドーを拡大した96に発展しました。1965年にはラジエーター搭載位置をエンジン後方から一般的なエンジン前面に変えたので、フロントグリル開口部が大きくなりました。サーブ 92のラジエータがエンジン後部にあったのは寒冷地の北欧では都合が良かったのですが、寒冷地ではない輸出先ではオーバーヒートが問題となったのでラジエーター搭載位置を変えたのでした。
1966年にはエンジンがドイツ フォード製の4サイクルV型4気筒1.5L(65HP)に切り替わり、4段変速で最高速148km/hと性能が向上しました。1969年に前後ウィンドーが拡大されヘッドライトが角型に変更されました。サーブ 96は頑丈な足回りと優れた操縦性により1962年と1963年のモンテ カルロ ラリーで連続優勝するなどラリーで大活躍しました。サーブ 96は基本的な構造はほとんどそのままで安全基準対応などの改良がおこなわれ、1980年まで長い間生産されました。総生産台数は約54万台でした。
ミニカーは1965年に発売されたテクノ製の当時物です。フロントグリルの形状から1965年式をモデル化しています。50年以上昔に作られたビンテージミニカーなので金属パーツが主体の素朴な造形です。この当時のテクノは非常に品質の高いミニカーを作っていました。この96もプロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現され、1960年代のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。普通に箱に入れたまま保管していましたが、現在でも錆がなく塗装に艶まで有るのですから、昔のミニカーの品質はたいした物です。なおテクノはサーブ 96の初期型を1962年にモデル化していて、これはそれを1965年式に変更したものです。(型番の変更なし) フロントグリル部の造形が初期型の金属製パーツのグリルにグリル開口部を追加した形になっていることがそれを示しています。これ以外のサーブ 96のミニカーはディンキー(英)の当時物、コーギー、トロフューのストリート/ラリー仕様、イクソ(ホワイトボックス、プレミアムX、国産名車コレクション)、ブレキナの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ 99 スウェーデン 1967年
1967年にサーブ 96の後継車としてにサーブ 99が登場しました。ボディが一回り大きくなり、エンジンはイギリスのトライアンフ製4気筒1.7L(80HP)が採用されました。エンジンを縦置きする前輪駆動方式を踏襲し全輪にサーボ付ディスクブレーキを装備し、4段変速で最高速155km/hの性能でした。先代同様に空力的に優れたボディは独得の雰囲気があり、その後のサーブ車のボディスタイルの原点となりました。当初は2ドアだけでしたが、1970年に4ドア、1974年に全長が少し長い3ドアハッチバック(コンビクーペ)、1976年に5ドアハッチバックが追加されました。
当初のトライアンフ製エンジンは信頼性の問題が発生したので1972年からはサーブが内製した2Lエンジンに変わり、2ドアの高性能版EMSには燃料噴射式2L(110HP)エンジンが搭載されました。1978年には量産車として世界初の2Lターボエンジン(145HP)を搭載した99 ターボ(コンビクーペ)が登場し、この車は最高速198km/hと高性能でした。サーブ 99は様々な改良が加えられ1984年まで約60万台が生産され、アメリカ市場を中心に人気を博しました。後継車は1978年に登場したサーブ 900でした。
ミニカーは1968年に発売されたテクノ製の当時物です。微妙なボディラインを持つサーブ 99のボディを実にうまく再現しています。角型のラインストーンをヘッドライトに使ったフロントグリルや室内などの仕上げレベルも高く当時のミニカーとしてとても良い出来ばえでした。実車同様に大きく前方に開くボンネットとドアの開閉ギミック付きです。エンジンルーム内にはエンジンが金属パーツで再現されていますが、金属パーツで作られたエンジンはメッキされたプラスチック製パーツのエンジンよりリアリティがあります。これ以外のサーブ 99の当時物ミニカーはポリスティルのセダン、ナコラルのコンビ クーペがありました。当時物以外ではトロフュー、イクソ(プレミアムX)のセダンとラリー仕様、ネオ(レジン製)のコンビクーペなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ ソネット III スウェーデン 1970年
ラリーで活躍したサーブ 93をベースにしたレース仕様車として、ソネットが企画されました。初代のソネットはサーブ 93のエンジンをチューンしてグラスファイバー製の2座オープンボディを載せたスポーツカーで、1956年に発表されましたが、量産には至りませんでした。2代目ソネット IIはアメリカ向けのスポーツカーとしてサーブ 96をベースにして開発され、1966年に発表されました 。FRP製のクーペボディに、2サイクル3気筒841cc(60HP)エンジンを搭載し、最高速度150km/hの性能でした。 1967年にはベースのサーブ 96と同様にドイツ フォード製の4サイクルV型4気筒1.5L(65HP)エンジンに変更したソネット II V4に発展しました。ソネット 2代目は1969年までに約3500台が生産されました。(実車画像→ ソネット V4)
1970年にはデザインを一新した3代目のソネット IIIが登場しました。先代も個性的でしたが、そのスタイルを発展させたやや奇抜なデザインでした。当初は4気筒1.5Lエンジンでしたが、排ガス規制による性能低下を補うべく1.7L(65HP)に拡大し、最高速170km/hの性能でした。1974年までに約1万台が生産されましたが、当時のアメリカ市場でライバルであった日産 フェアレディ Zとは販売台数で勝負になりませんでした。
ミニカーは2002年に発売されたユニバーサルホビー製です。現在のユニバーサルホビーのミニカーは農耕用トラクターと建機がメインですが、2010年頃までは乗用車(1/43)もモデル化していました。それらは数が少ないですが、いずれも比較的安価ながらかなり良い出来ばえでした。このソネット IIIもその1台ですが、実車の個性的なスタイルがうまく再現されていて、室内などの細部もよく出来ています。(当時の定価は2800円と安かったです) これ以外のソネット IIIのミニカーはマッチボックスの小スケールがありました。ソネット Iはノレブとイクソ プレミアムXが、ソネット II V4はネオ(レジン製)がモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ 9000 CC スウェーデン 1985年
1985年にサーブ 900の上級車9000が登場しました。この車はサーブがイタリアのフィアットの「TIPO 4プロジェクト」に参加して共同開発したモデルでした。このプロジェクトでは、フィアット クロマ、アルファ ロメオ 164、ランチア テーマが姉妹車として開発されました。このなかでサーブだけがハッチバック スタイルで、900のスタイルを継承していました。全長は900より短いのですが、ホイールベースが長いので室内は900より広く9000はサーブの最上級車という格付けでした。
1987年にはノーズが少しスラントした4ドアセダンの9000 CDが追加されました。1990年にはハッチバックもCDと同じスラントノーズに変わりました。1991年にハッチバックはノーズを低くして横長のヘッドライトを採用した9000 CSに変わりました。(なお初期型の5ドアリフトバックは区別する為にCCと呼ぶことになりました) 1994年にはセダンのCDもCSと同じ低いノーズのデザインに変わりました。9000は1998年までに約50万台が生産されました。(実車画像→ サーブ 9000 CS 1991)
1997年に9000の後継車9-5が登場しました。GM傘下で開発された9-5はGM系列のオペルのプラットフォームを流用しており、4ドアセダンとエステート(ワゴン)の2タイプで、エンジンは4気筒2L/2.3LターボとV型6気筒3Lなどでした。(実車画像→ サーブ 9-5 1997) 2002年と2006年のマイナーチェンジでフロントやリアのデザインが変更され2010年まで生産され、9-5 2代目にモデルチェンジしました。9-5 2代目はボディが大型化され、4ドアセダンと5ドアワゴンの2タイプでした。9-5 2代目は2012年に生産中止となりました。(実車画像→ サーブ 9-5 2010)
ミニカーは1987年に発売されたコーギー製の当時物です。ヨーロッパの不況のせいで1980年代のミニカーは部品点数を減らしてコストダウンした安価で粗悪な物がほとんどでした。このコーギーの9000もその代表的なもので、プロポーションは悪くないですが雑な作りと子供だましのデカールであまりよろしくない出来ばえです。(室内も妙な形状のステアリングホイール?がついてます) ただサーブ 9000のミニカーは最近までこれしかなかったということで、その点では貴重なミニカーかもしれません。9000のミニカーとしては2010年頃にNEO(レジン製)がモデル化しています。また北欧で販売されているミニカー付雑誌「SAAB COLLECTION」で9000 CDと9000 CSがモデル化されているようです。(メーカーはイクソだと思われます) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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サーブ 900S スウェーデン 1994年
1978年にサーブ 99の後継車としてサーブ 900が登場しました。主たる輸出先であるアメリカ市場の衝突安全基準に対応させる為に、99のボディ前後を延ばしてクラッシャブルゾーンを設け、同時にフロントのデザインをモダンにしてインテリアも一新しました。中身は基本設計が古い99のままでしたが、独特のクラシックなボディデザインをあまり変えなかったのが功を奏して人気がありました。4気筒2L(108HP)エンジンを縦置き搭載する前輪駆動車で、5段MT/3段ATで最高速172km/hの性能でした。当初は3/5ドアのハッチバックだけでした。(実車画像→ サーブ 900 1980)
1982年に2/4ドアのノッチバックセダンが追加され、1986年にソフトトップを持つフルオープンの2ドア4シーター コンバーチブルが追加されました。コンバーチブルは900のクラシックな雰囲気に良くマッチしたデザインでした。1987年のマイナーチェンジでノーズがスラントしてバンパーとより一体化したフロントグリルとなりました。エンジンの16バルブ化、ターボ チャージャー追加、ターボ用インタークーラー追加などの改良が行われ1993年まで生産されました。基本設計を変更せず1978年から1993年の15年間で約90万台が生産されました。
サーブ社は1969年にスウェーデンの商用車メーカー スカニア社(SCANIA)と合併し、サーブ-スカニア社となりました。その後1990年代にアメリカのGMから出資を受けてサーブ-スカニアから分離しGM傘下のサーブ オートモービル社となり、2000年からGMの完全子会社となりました。GM傘下の1994年にサーブ 900 2代目が登場しました。2代目はGM系列のオペル ベクトラのプラットフォームを流用していましたが、内外装のデザインはサーブの独特なスタイルを継承していました。エンジンは先代のDOHC 4気筒2L ターボ(185HP)/2.3L(150HP)に加えて、オペル オメガ用のDOHC V型6気筒2.5L(170HP)も設定されました。サーブ 900 2代目は1998年まで生産され後継車サーブ 9-3にモデルチェンジしました。(実車画像→ サーブ 900 1994)
ミニカーは2001年に発売されたミニカー付雑誌の元祖デルプラド製の世界の名車シリーズの一台です。年式が1994年となっていますので、サーブ 900 初代の最終型の高性能版900Sをモデル化しているようです。プロポーションが良く、スラントノーズ化されたフロントグリル、灯火類、室内などの細部もそこそこリアルに再現され、デルプラドのこのシリーズとしては良い出来ばえとなっていました。ほぼ同じ出来ばえのサーブ 900をユニバーサルホビーが発売していますので、これはそれを流用しているようです。これ以外のサーブ 900 初代のミニカーはBブラーゴの当時物 1/24と1/43、ノレブのターボとカブリオレ、イクソ系のトリプル 9のセダンとカブリオレ、ネオ(レジン製)のセダンとカブリオレなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)