ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

ALPINE RENAULT A210 1968 FRANCE

ALPINE RENAULT A210
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A210


LE MANS CAR COLLECTION (SPARK HACHETTE) No.21 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.35m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 4気筒 1470cc 140HP 5段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでアルピーヌ ルマン参戦車のミニカー検索

アルピーヌ ルノー A210 フランス 1968年

 

 1963年にアルピーヌはルマンに参戦する為に初のスポーツ プロトタイプカー M63を開発しました。エンジンはゴルディーニがチューンしたルノー製の4気筒1L(95HP)をミドシップ搭載し、ボディはイギリスの技術者T.テリーが設計した空力的に優れたデザインでしたので95HPと非力ながら最高速は220㎞/hを超えました。M63は1963年のルマンに参戦しましたが完走できませんでした。1964年ルマンにはエンジンを1.1Lに拡大した改良型のM64で参戦し、最高速240㎞/hを達成し熱効率指数賞を獲得しました。1965年ルマンにはさらなる改良型M65で参戦しましたが、完走できませんでした。(同年のニュルブルクリングでは優勝している)

 

 この結果を受けて新規に4気筒1.3Lエンジンを搭載するA210が開発されました。A210は1966年ルマンで9、11、12、13位に入賞し、熱効率指数賞では1-3位を独占しました。1967年ルマンでもA210は9、10、12、13位に入賞しています。ゴルディーニはA210用のV型8気筒3Lエンジンを開発し、1967年にそのエンジンを搭載したA211が登場しました。1968年にはA211の改良型A220が登場し、同年のルマンではA220が8位、1.5LエンジンのA210が9位、1.3LエンジンのA210が10、11位に入賞しました。3LクラスのA220は成績が振るわなかったことで、アルピーヌはプロトタイプカーのレース活動を休止しました。

 

 

 ミニカーは2019年に発売されたアシェット製のルマン レースカーコレクションです。メーカーはスパークで1968年ルマンで9位入賞したA210をモデル化しています。スパークはカタログモデルでもレジン製でA210を数種類モデル化していますが、これは製作台数が多いのでダイキャスト製です。メタル製のワイパーなどレジン製とほとんど変わりがない仕上げとなっているようですので、安価な雑誌付きミニカーながら、かなりレベルの高い出来ばえとなっていました。(室内の仕上げは簡略化されているようですが、レースカーの場合室内は殺風景ですからあまり重要ではありません) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALPINE RENAULT A210 1
ALPINE RENAULT A210 2

 1973年にアルピーヌはルノーに買収されて子会社となりました。ルノー傘下でアルピーヌはレース活動に復帰し、ルノー ゴルディーニのV型6気筒2Lターボエンジンを搭載するスポーツ プロトタイプカー A440を開発し、ヨーロッパ選手権に参戦しました。A440はA441、A442と改良されて1976年にはルマンに復帰しました。1976年と1977年は善戦するもリタイアしましたが、1978年には悲願の初優勝を遂げました。A442Aは屋根のないオープン仕様で、A442Bは屋根付きの仕様でした。(実車画像→アルピーヌ ルノー A442B 1978) その後このV型6気筒ターボエンジンでルノーはF1 GPに参戦することになりました。 以下は2019年に発売されたアシェット製 ルマン レースカーコレクションのアルピーヌ ルノー A442B #2 ルマン 優勝 1978 (1/43 No.8)の画像です。メーカーはスパークで、総合優勝したA442B 2号車をモデル化しています。スパークはレジン製でも同じくマシンをモデル化していますので、これもそのダイキャスト版となります。上記のA210同様に安価な雑誌付きミニカーながら、細部までリアルでかなり良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 1
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 1
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 2

 1978年ルマンから35年後の2013年にアルピーヌはFIA世界耐久選手権(WEC) LMP2クラスにアルピーヌ A450で参戦しました。日産製のV型8気筒4.5Lエンジンを搭載したA460は、2016年ルマンでクラス優勝しています。その後も改良型のA470(ギブソンテクノロジーズ社のワンメイク用V型8気筒4.2Lエンジン搭載)でWECに参戦しています。以下は2020年に発売されたアシェット製 ルマン レースカーコレクションのアルピーヌ A470 ギブソン #36 ルマン 2018 (1/43 No.34)の画像です。メーカーはスパークで、2018年ルマンで5位(LMP2クラス優勝)となったA470 36号車をモデル化しています。上記の2台同様に安価な雑誌付きミニカーながら、アンテナや空力パーツなどの細部までリアルに再現されていてかなり良い出来ばえです。(実車画像→アルピーヌ A470 ギブソン #36 ルマン 2018) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 1
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 3
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 4

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FIAT 500 ABARTH RECORD MONZA 1968 ITALY

FIAT 500 ABARTH RECORD MONZA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500 ABARTH RECORD MONZA


BRUMM 363 1/43 67㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約2.97m 全幅約1.32m エンジン 変速機: 空冷2気筒 499cc 26HP 4段変速
性能: 最高速118km/h  データーベースでフィアット アバルト 500/595/695のミニカー検索

フィアット 500 アバルト レコード モンザ イタリア 1968年

 

 アバルトは量販車のチューニングやパーツ開発を行っていた会社で、フィアット車のチューニングで有名でした。1971年にフィアットに買収され、現在はフィアットグループの一員となっています。フィアット 500をベースにしたアバルトのモデルとしては
 排気量479ccの500 アバルト (20HP) 1957年登場
 排気量594ccの595/595 SS アバルト (32HP) 最高速130m 1963/1964年登場
 排気量689cc)の695/695 SS アバルト (30-38HP)  最高速140m/h 1964年登場
などがありました。SSは高性能版でグループ2のレース仕様です。

 

 アバルトはフィアットから未完成車を受け取り、アバルト製パーツを組み付けてアバルト仕様車に仕上げました。組み付けるアバルト製パーツはエンブレム、ダッシュボードのスピードメーター/タコメーター/油圧メーター、ステアリングホイール、キャブレターやマフラーなど吸排気系パーツ、エンジンのバルブ、ピストン、オイルパンなど非常に多岐にわたっていました。フィアット 500のレース仕様車はエンジン冷却を良くする為、リアフードを開いた状態に固定したものもありました。595/695の最終仕様は1971年まで生産されました。

 

 

 ミニカーは2004年に発売されたブルム製です。1958年にモンザ サーキットでの1週間連続耐久走行で総走行距離18186.440km 平均時速108.252km/hの世界記録を達成した500 アバルトをモデル化しています。ボディカラー、フロントとサイドに表示された「500 ABARTH」のロゴなど実車がリアルに再現されていて良く出来ています。ブルムはこれ以外にも500ベースのアバルトをレース仕様車を含めて10数種類ほどモデル化しています。ブルム以外の500系 アバルトのミニカーはメーベトイの当時物 695SS アバルト、マーキュリーの当時物 595SS アバルト、ポリトーイの当時物 595 アバルト 1/25、ビテスの595/695 アバルト、ピンコ(レジン製)の500 レース仕様車などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FIAT 500 ABARTH RECORD MONZA 1
FIAT 500 ABARTH RECORD MONZA 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 595SS アバルト (1/43 型番R407)の画像です。594㏄(32HP)エンジンを搭載したグループ2のレース仕様車 595SS アバルトをモデル化しています。市販車の595はベースの500Dとほぼ同じ外観ですが、595SSのレース仕様はこのミニカーのように安全性確保の為キャンバストップがハードトップに変更されたものがあり、メーターパネルもタコメータや油圧計などが備わったアバルト製のオプション品に変更されていました。ミニカーはそれらの変更点が再現されていて良く出来ています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 595SS ABARTH 1
FIAT 595SS ABARTH 2

 以下は2007年に発売されたブルム製のフィアット 695SS アバルト ストラダーレ (1/43 型番R462)の画像です。689㏄(38HP)エンジンを搭載した695SS アバルトのストラダーレ(ストリート仕様)をモデル化しています。1965年から595/695は500Fをベースにするようになったのでドアが前ヒンジとなりました。この695SSはストリート仕様ですので外観はベースの500Fとほぼ同じですが、フロントとボディサイドのアバルトのロゴ、ホイール、メーターパネルなどの変更点がミニカーでも再現されています。ブルムは型番461で500Fをベースにした595SS アバルト ストラダーレもモデル化していますが、595SSと695SSはフロント/ボディサイド/リアに付いているアバルトのロゴとホイールが違っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 695SS ABARTH 1
FIAT 695SS ABARTH 2

 以下は1971年に発売されたメーベトイ(マテル グラントロス)製の当時物 フィアット 695SS アバルト (1/43 型番6608) の画像です。メーベトイは型番A36で500Fをモデル化していますが、これはそれの底板のバンパー部分を変更してラジエーターや大径マフラーなどを追加して、695のレース仕様車風に仕上げています。昔のミニカーですので695SSをリアルにモデル化している訳ではないですが、実車の雰囲気を十分に感じることができるものになっています。ドア/リアパネルの開閉ギミック付でエンジンが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 695SS ABARTH 3
FIAT 695SS ABARTH 4

 以下は1970年に発売されたポリトーイ製の当時物 フィアット 595 アバルト (1/25 型番599) の画像です。1969年から発売されたポリトーイの1/25は大スケールミニカーのパイオニアで、この595 アバルトもその1台でした。これも上記メーベトイ製と同様に500Lを595 アバルト風に仕立てたもので、フロントのエンブレムはフィアットのままであるなど595をリアルに再現している訳ではありません。プロポーション的にはサイドウィンドーが小さいことが今一つですが、それ以外はまずまずの出来ばえです。フロントボンネット/ドア/リアパネルが開閉するギミック付で、エンジンやスペアタイヤが再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 595 ABARTH 1
FIAT 595 ABARTH 2

 以下はフロント/フロントトランクを開いた画像とリア/リアカバーを開いたエンジンルームの画像です。トランク内にはスペアタイヤがあり、エンジンもそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 595 ABARTH 3
FIAT 595 ABARTH 4

 以下は2000頃年に発売されたピンコ(PINKO)製の フィアット 500 アバルト カスタム (1/43 型番PI12) の画像です。レジン製の少量生産ミニカーで、実車の詳細は不明ですが、500をベースにしたレース仕様車をモデル化しています。低い車高、オーバーフェンダー、カンパニョーロ風のマグネシウムホイール、ドアミラーなどいかにもそれらしい感じに仕上げてありかっこいいです。アバルトのサソリのロゴもいいですね。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FIAT 500 ABARTH CLIENTI 1
FIAT 500 ABARTH CLIENTI 2

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ALFA ROMEO CARABO BERTONE 1968 ITALY

ALFA ROMEO CARABO BERTONE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO CARABO BERTONE


SOLIDO 172 1/43 98㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.18m 全幅約1.79m エンジン 変速機: DOHC V型8気筒 2L 230HP 6段変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでアルファ ロメオ カラボのミニカー検索

アルファ ロメオ カラボ ベルトーネ イタリア 1968年

 

 アルファ ロメオ カラボは1968年のパリ サロンで公開されたデザイン コンセプトカーでした。直線的で鋭くとがったウエッジシェイプを基調にした極めて前衛的なデザインはベルトーネのM.ガンディーニによるものでした。シャーシはアルファ ロメオ ティーポ 33で、V型8気筒エンジンをミドシップ搭載していました。前方に跳ね上がるドアの開閉方式(シザードア)はこの車で初めて採用された目新しいものでした。ボディ後方はエンジンの排熱の為ルーバーで覆われていて、後方視界はそのルーバーの隙間から見るようです。このルーバーのモチーフはフロントノーズやボディ前後の下部にも反復されています。

 

 特徴的な前方に跳ね上がるドアというと真っ先にランボルギーニ カウンタックが思い浮かびます。このシザードアはカラボが公開された3年後の1971年に発表されたランボルギーニ カウンタックに市販車として始めて採用されました。(カウンタックのデザインはカラボと同じM.ガンディーニでした) なおカラボという名前は昆虫のオサムシ(CARABIDAE)に由来していて、ボディカラーの緑とオレンジもその虫の色にあわせたようです。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。ソリドらしいシャープな造形でカラーリングも含めて実車を忠実に再現したソリドの傑作でした。俯瞰した画像ではボディ全体が上から見てもウエッジシェイプになっていることが分かります。また跳ね上げ式のドア(シザーズドア)が開閉するギミック付きで、その動作はスムーズかつ開閉部の隙間も最小でソリドの鋳造技術の高さを示しています。(ソリドやメルクリン等の可動部のある1960-1970年代のダイキャスト製ミニカーの鋳造技術は、現在の可動部のないミニカーよりレベルが高いです) ソリド以外の当時物ミニカーではディンキー(仏)、ポリトーイの1/25、マーキュリー、マッチボックスなどがモデル化しており、当時の実車の人気の高さを反映していました。エンジンなども再現しているポリトーイの1/25やディンキー(仏)の1/43も結構良い出来ばえでした。当時物以外ではスパーク(レジン製)とTOPMARQUES(レジン製 1/43と1/18)でもモデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO CARABO BERTONE 1
ALFA ROMEO CARABO BERTONE 2

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ALFA ROMEO 1750 BERLINA 1968 ITALY

ALFA ROMEO 1750 BERLINA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALFA ROMEO 1750 BERLINA


STARLINE 510967 1/43 103mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.39m 全幅約1.57m エンジン 変速機: DOHC 4気筒 1779cc 122HP 5段変速
性能: 最高速176km/h  データーベースでアルファ ロメオ 1750/2000のミニカー検索

アルファ ロメオ 1750 ベルリーナ イタリア 1968年

 

 アルファ ロメオ 2600の後継車として、1967年に1750 ベルリーナが登場しました。ジュリアのホイールベースを延長して室内を拡大し、ジュリアのエンジンを1779cc(122HP)に拡大したエンジンを搭載し最高速176km/hの性能でした。エンジン排気量が1779ccなのに名前が1750というのは、戦前の名車6C 1750に因んだものでした。ボディはジュリアをシンプルにしたようなスタイルで、ベルトーネのデザインだったそうです。

 

 なお1750 シリーズには2ドアクーペのGTV、2シーター オープン仕様のスパイダーもありましたが、それらはジュリア シリーズのボディを流用していました。1971年にはエンジンを2L(132HP)に拡大した2000 ベルリーナが追加され、アルファ ロメオの最上級車として1977年まで生産されました。1750シリーズの後継車として1972年にアルフェッタが登場しました。アルフェッタの内外装を豪華にして2Lエンジンを搭載した高級仕様のアルフェッタ 2000が1976年に追加され2000 ベルリーナの後継車となりました。

 

 

 ミニカーは2009年頃に発売されたスターライン製です。スターラインは2005年に設立されたドイツのメーカーです。主に1950-1980年代のアルファ ロメオやフィアットなどのイタリア車のダイキャスト製ミニカーをモデル化しています。(最近は新製品を出していないようですが) プロポーションが良く室内などの細部も結構リアルに出来ているのですが、ヘッドライトが小さめなので肝心のフロントグリルの顔つきがいまひとつ似ていないのが残念です。ただ1750 ベルリーナは当時物のミニカーがなく、2022年現在でもこれぐらいしかミニカーがないので、車種的には貴重なミニカーになります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALFA ROMEO 1750 1
ALFA ROMEO 1750 2

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FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 1968 ITALY

FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA


SOLIDO 165 1/43 103㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.73m エンジン 変速機: DOHC V型 12気筒 4.4L 352HP 5段変速
性能: 最高速280km/h  データーベースでフェラーリ 365 デイトナのミニカー検索

フェラーリ 365 GTB/4 デイトナ イタリア 1968年

 

 12気筒エンジンをフロントに搭載した後輪駆動車というフェラーリ創立以来の伝統を突きつめた究極の車がフェラーリ 365 GTB/4でした。ピニンファリーナによる空力を考慮したクーペ スタイルは、古典的なスポーツカーの粋を極めた美しさでした。また初期の透明カバーで覆った4灯式ヘッドライトのフロントグリルは独特の魅力がありました。このヘッドライトはアメリカの安全基準に合わせる為、1970年にリトラクタブル式に変更されました。DOHC V型12気筒4.4L(352HP)エンジンを搭載し5段変速で最高速280km/hの性能でした。

 

 この車の愛称「デイトナ」とは1967年のデイトナ 24hでフェラーリ 330 P4が1-2-3フィニッシュを果たしたことから、同じ頃にデビューしたこの車がそう呼ばれるようになったそうです。365 GTB/4も1972年から1974年までルマンのGTクラスで3年連続クラス優勝するなど、レースで活躍していました。1973年まで生産され総生産台数は約1400台、そのなかの120台ほどがオープンのスパイダーでした。1973年に後継車の365 GT4 BBが登場しました。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたソリド製の当時物です。初期型のデイトナをモデル化しています。プロポーションが正確で実車の雰囲気がうまく再現されていて、デイトナのミニカーとして当時としてはトップレベルの出来ばえでした。ボンネットとドアが開閉するギミック付きです。デイトナのミニカーはたくさんあります。これ以外の当時物ミニカーではリオがスパイダーを含めて約10種類ほどをモデル化していて、当時物以外では京商の1/18、1/43、1/64や、ディテールカー、イクソ、レッドライン(レジン製)などがあります。フェラーリ デイトナは私の一番好きなフェラーリでしたので、フロントや室内をよりそれらしくしたくて、このソリドのミニカーを何台か購入して改造を行いました。透明カバー内へのヘッドライトの追加やメーターパネルの自作まで行ったのですが、満足できるものができず中途半端で諦めました。結局そのような細かい部分はかなり正確に作らないとかえって見ばえが悪くなることを思い知りました。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)

FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 1
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 2

 以下は1973年に発売されたソリド製のフェラーリ デイトナ NART(NORTH AMERICAN RACING TEAM)レーシングカー仕様 (1/43 型番16)の画像です。これは上記のバリエーションのレース仕様車で、ホイールがプラスチック製になりヘッドライト部分が変更されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA RACING 1
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA RACING 2

 以下は2006年に発売されたイクソ製のフェラーリ 365 GTB/4 デイトナ (1/43 型番FER034)の画像です。このイクソ製デイトナは非常に出来が良く、上述した私がやりたかった細部のディーテール再現をほとんど実現してくれました。フロントの透明カバー内には4灯式ヘッドライトが備わっていますが、この透明カバーは内部が見えすぎで、ソリド製デイトナの半透明処理のほうがリアルだと思います。次に室内ですが、フェラーリロゴの付いたハンドル、シフトレバー、丸形8連メーターの付いたインパネなどがかなりリアルに再現されています。(参照→実車の室内画像) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 3
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 5
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 6

 以下は1996年に発売されたリオ製のフェラーリ 365 GTS/4 デイトナ スパイダー (1/43 型番R02)の画像です。後期型のデイトナ スパイダー をモデル化しています。フロントウィンドーの傾斜がややオーバーな感じがしますが、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。室内の造形はやや物足りないレベルです。スパイダーの当時物ミニカーはこれしか無かったので、その点では貴重なミニカーでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA SPIDER 1
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA SPIDER 2

 以下は1987年に発売されたリオ製のフェラーリ デイトナ (1/43 型番R01)と1989年に発売されたリオ製のフェラーリ デイトナ レーシングカー仕様 (1/43 型番R03)の画像です。リオのフェラーリ デイトナは後期型をモデル化していますが、キャビンが小さめなのでプロポーション的にはいまひとつです。レーシングカーは1973年ルマン参戦車をモデル化しているようですが、#32は該当する記録がないので間違いのようです。リオはこれ以外にもドライバーフィギュアの付いたレース仕様などを数種類モデル化していました。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変わります)
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 5
FERRARI 365 GTB/4 DAYTONA 6

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