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クライスラー ダッジ ピックアップ アメリカ 1950年
ダッジ兄弟が1901年に設立した自動車部品会社「ダッジブラザース バイシクル&モーターファクトリー社」は同時期に創立されたフォード社と提携し、フォード T型の製造をおこない業績を拡大していきました。同社は1914年にフォード社から独立し、フォード系ディーラーを取り込んで「ダッジブラザース バイシクル社」を設立しました。同社は一時的にはフォードに迫る業績を上げましたが、1920年代に業績が悪化して1928年にクライスラー社に買収されクライスラー社のブランドになりました。
ダッジは1917年にアメリカの自動車産業として初めてアメリカ陸軍に輸送用トラックを供給し、第1次大戦中の活躍で高い評価を得ました。その後ダッジは軍用トラックの主要な供給先となり、第2次大戦中の軍用トラック WC/WDシリーズは良く知られています。またそのノウハウを生かして生産した民間向けの商用車(ピックアップやバン)も高い評価がされました。1948年にダッジは戦前のトラックを一新してBシリーズのピックアップを登場させました。Bシリーズは6気筒エンジンを搭載し積載量1/2tから3/4tまで様々なバリエーションがありました。1954年にBシリーズはCシリーズにモデルチェンジしました。
(実車画像→ ダッジ Bシリーズ ピックアップ 1948)
(実車画像→ ダッジ Cシリーズ ピックアップ 1954)
ミニカーは1986年に発売されたソリド製です。ダッジのピックアップをモデル化していますが、モデル化した実車が明確ではありません。フロントグリルは1940年頃のダッジの乗用車とほぼ同じデザインなのですが、このフロントグリルを持つピックアップをWEB検索しましたが見当たりません。ソリドが実在しない車をモデル化したとも思えませんので、確証はないのですが、ダッジがヨーロッパ向けに生産したヨーロッパ仕様のピックアップをモデル化したのではないかと思われます。ドアには「SHIP CHANDLERS FOSTER.Co」と表示されていますが、SHIP CHANDLERSとは帆やロープなどの帆船設備販売業者の意味で、FOSTER.Coとは会社名でしょう。ソリドは同じ型を使ってタンカーなど15種類ほどのバリエーションを作っています。 以下はフロント/リアの拡大画像と荷台(カバーを外した状態)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー C-300 アメリカ 1955年
クライスラー ブランドの1950年代のラインアップは下位からウインザー、サラトガ、ニューヨーカー、インペリアルがありました。1955年に登場したC-300は高性能エンジンを搭載した特別仕様車で、1960年代のマッスルカーの元祖のような車でした。 デザインは同時期の高級車ニューヨーカーとほとんど同じで見た目は派手ではないですが、V型8気筒5.4L(300HP)の高性能ヘミエンジンを搭載し最高速206km/hと高性能でした。NASCAR(アメリカで人気のあるストックカーレース)で勝利して宣伝効果を上げるために開発された車で、実際にシボレーやフォードを圧倒していたそうです。マニア向けの車でしたから、販売台数は約1700台と少量でした。
クライスラーのヘミ エンジンとは半球型(Hemisphere)シリンダーヘッドを持つ当時最強の高性能エンジンで、C-300という名前はそのエンジン出力300HPに由来していました。C-300はシリーズ化され、1966年に300B、その後1965年まで毎年末尾のアルファベットが更新され300Lまで続きました。(ただし300Iはない) 最後の300LはV型8気筒6.8L(360HP)エンジンを搭載していました。(実車画像→ クライスラー 300L 1965) 2005年にV型8気筒5.7L/6.1L(425HP)ヘミエンジンを搭載した4ドアセダンの300Cが登場して300という名前が復活し、2023年現在も300C 2代目が現役のようです。
ミニカーは2000年頃に発売されたニューレイ(NEW RAY)製です。C-300 初代をモデル化しています。1950-1960年代のアメリカ車を1/43で20種類ほどモデル化していたニューレイの「CITY CRUISER COLLECTION」というシリーズの1台でした。このシリーズは1/43と箱に表示していますが、実際には1/50ぐらいで1/43よりス少し小振りにできていました。定価1500円ほどの安価なミニカーでしたので、細部の造形は値段相応で簡素ですが、実車の雰囲気はそれなりに再現していました。この300もフロントグリルの造形は悪くなく、全体的にはまずまずの出来ばえでした。これ以外の300シリーズのミニカーはフランクリン ミントの300Cと300D 1/24、ダンバリーミントの300Cと300D 1/24、マイストの300B 1/18、M2マシーンの300C 1/64、ニューレイの300E、ヤトミンの300F 1/18、ネオ(レジン製)の300Fなど結構モデル化されています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ダッジ コロネット 4ドア セダン アメリカ 1955年
クライスラーグループで戦後のダッジは高級車デソートと大衆車プリムスの間を埋めるブランドでした。1950年代のダッジのラインナップにはエントリーレベルのコロネットとその上級車のロイヤルとカスタム ロイヤルがありました。 コロネットの初代は1949年に登場した大型車(フルサイズカー)で、当時はダッジの最高級車でした。その後1954年に上級車としてロイヤルが登場し、1955年にその上級車のカスタム ロイヤルが登場し、コロネット 3代目(1955年登場)ではダッジの一番下のモデルになりました。
1955年式ダッジには2/4ドアセダン、2ドアハードトップ、2/4ドアワゴンがあり、カスタム ロイヤルにはスポーティな2ドアコンバーチブルがありました。エンジンは6気筒3.8LとV型8気筒4.4L/5.3L/5.7L/5.9Lがあり、6気筒エンジンはコロネットだけの設定でした。ダッジは1957年のモデルチェンジで4灯式ヘッドライトを採用したデザインに変更されました。1960年のモデルチェンジでコロネットはダート、ロイヤルはマタドール、カスタム ロイヤルはポラーラに名前が変更され、1962年にダートはダウンサイジングされて中型車(インターミディエイト)となりました。
ミニカーは独特の味わいがあるホワイトメタル製クラシックカーを作っているイギリスのブルックリン製で2003年頃に発売されました。ホワイトメタル製ミニカー特有のレトロな作風ですが、実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ていました。ボディだけではなくバンパーやクロームモール類もすべて金属製ですのでずっしりと重く存在感があります。金属ボディに厚い塗装、本物の金属クロームメッキは、1950-1960年代のアメリカ車のイメージを再現するには最適の素材です。このミニカーが醸し出す実車の雰囲気は、細かいところはよく出来ていますが存在感が希薄な現在のスケールモデル的なミニカー(特にレジン製)にはない魅力だと思います。コロネット 3代目の量産ミニカーはこれしかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ニューヨーカー コンバーチブル アメリカ 1957年
クライスラー ブランドの1950年代のラインアップは下位からウインザー、サラトガ、ニューヨーカー、インペリアルがありました。インペリアルは1955年から独立したブランドになったので、以後はニューヨーカーが最上級車となりました。1950年代後半にアメリカ車のフルサイズは2灯式ヘッドライトが4灯式ヘッドライトに変わっていきました。クライスラーも1957年式から4灯式ヘッドライトを採用し、当時の流行であった大型のテールフィンを持つ派手なデザインに変わりました。従来の2灯式ヘッドライトのスペースに4灯式ヘッドライトを押し込んだ独特のデザインは少しユーモラスでもありました。
1957年式のニューヨーカー 5代目は当時最大の排気量であったV型8気筒6.4L(325HP)ヘミエンジンを搭載していました。ヘミ(HEMI 半球の意)エンジンとは、半球型燃焼室でOHV方式の給排気バルブを持つクライスラーの高性能エンジンでした。同時期のGM キャディラックやフォード リンカーンはV型8気筒6Lエンジンを搭載していたので、当時のクライスラーはこの高性能ヘミ エンジンを売り物にしていたようです。1959年にフロント/リアの意匠を変更し、くさび形の燃焼室をもつV型8気筒6.8L(350HP)エンジン(ヘミではなくライオンハートと呼ばれた)に変わりました。1960年に6代目にモデルチェンジしました。(実車画像→ クライスラー ニューヨーカー 1960)
ミニカーは1984年に発売されたフランスのエリゴール製です。ニューヨーカーの最上級グレードのコンバーチブルをモデルしています。エリゴールの初期物はノレブ 初期のプラスチック製ミニカーの型を流用した物が多かったのですが、これもノレブ初期のニューヨーカー(型番47)の型を流用したダイキャスト製でした。オリジナルのノレブ製はプロポーションが良く実車の雰囲気をうまく再現していましたが、プラスチック製で無塗装なので安っぽく見えました。このエリゴール製は同じ型ですがダイキャスト製で塗装してあるので、見ばえはかなり良くなっていました。ただしフロントウインドーがかなり大きめでバランスがちょっと悪いですが。これ以外のニューヨーカーのミニカーはディンキーの当時物 1948年式、ヤトミンの1/18 1948年式、ダンバリーミントの1/24 1948年式/1957年式/1958年式などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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クライスラー ギア L6.4 アメリカ 1960年
イタリアのカロッツェリア ギア社は1916年に設立されました。第2次大戦前には主にフィアット、アルファ ロメオ、ランチアなどのカスタムボディを架装していました。代表的なモデルとしてはアルファ ロメオ 6C 1500やフィアット 508 バリッラ クーペなどがありました。1950年代にギア社はクライスラーのデザイナーであったバージル エクスナー(Virgil Exner)と共同で多くのコンセプトカーを発表しました。代表的なモデルとしてはクライスラー K310やクライスラー ノースマンなどがありました。(実車画像→ クライスラー K310 1951) (実車画像→ クライスラー ノースマン 1956)
1960年にクライスラーの車体を使ってギアが製作したクライスラー ギア L6.4が登場しました。この車はハリウッドの俳優など著名人を対象にした極めて高価な特注車で、わずか26台しか作られていません。V型8気筒6.4L(335HP)エンジン搭載で、名前はエンジン排気量にちなんだものでした。オーナーには歌手のフランク シナトラやディーン マーティンなどがいました。(ディーン マーティンの車は外観がカスタマイズされていた) 当然ながら内装は豪華でエアコン、パワーウィンドー、パワステが装備されていました。(実車画像→ クライスラー L6.4 ディーン マーティンのカスタムカー)
ミニカーは1963年に発売されたコーギー製の当時物です。当時のコーギーのアメリカ車のミニカーはアメリカ車以外のミニカー(1/43サイズ)と大きさを揃える為に、縮尺を1/50ほどにしていました。このギア L6.4も縮尺1/48で1/43より一回り小さいサイズになっていました。サイズは小さいのですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。リアシート背後にはコーギー犬のフィギュアが乗っていますが、コーギー ブランドのロゴに使われていたコーギー犬が乗っているのは面白い演出でした。室内は紙のシールでセンターコンソールが再現されています。センターコンソールの上にある四角の箱はバックミラーのようです。実車はほとんど知られていないので、ミニカーのほうが実車よりも有名ではないかと思います。これ以外のL6.4のミニカーはネオ(レジン製)がデュアル ギア L6.4をモデル化していますが、このデュアル ギアとは当時ギアが製造したクライスラー系の特注車を販売していたアメリカの自動車会社の名前でした。ギア L6.4はこの会社の派生モデルでもあったのでデュアル ギア L6.4とも呼んだようです。
以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。エンジンの中央部に黄色の丸い突起が見えますが、これは前車軸と連動してボンネットを押し上げる為の突起です。つまりボディを押し下げるとボンネットの先端が少し持ち上がって、ボンネットが開けやすくなるのです。当時としては画期的であったボンネット/ドア/トランクが開閉するフルギミックが付いていたことで、このミニカーは2年間で100万台以上も売れました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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