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トライアンフ 2000 MK I イギリス 1963年
1946年にトライアンフの自動車部門はスタンダード社に吸収合併されました。そのスタンダード社も1960年にレイランド社に吸収合併されました。スタンダード社の戦後の主力モデルであったバンガードの後継車として、1963年にトライアンフ 2000/2500が登場しました。ミケロッティのデザインによる斬新なスタイルの乗用車で、モノコックボディや全輪独立サスペンションなどを採用した進歩的な設計の車でした。直列6気筒2L(90HP)/2.5L(132HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速154km/h(2L)の性能でした。なおトライアンフ 2000/2500が登場した時点でスタンダード ブランドの車は消滅しました。
1969年のマイナーチェンジでフロントのデザインが変更されたMK IIとなりました。MK Iの総生産台数は約12万台でした。当初のトライアンフ 2000/2500のライバルはBMCのローバー P6で、4気筒エンジンを搭載したローバーに対して、トライアンフは6気筒エンジンで対抗していました。1968年にレイランド社はBMCと合併してBLMC(ブリティッシュ レイランド モーター カンパニー)となりましたが、ローバー P6の後継車であるローバー SD1が登場するまではローバーとトライアンフは併売されました。当時のBLMCはこんな具合に似たような車種が併売される効率の悪い経営をしていましたので破綻寸前となり、1975年に国有化されBL(ブリティッシュ レイランド)社となりました。
ミニカーは1963年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。60年前のビンテージミニカーですから素朴な作りですが、実車の雰囲気をうまく再現した味のあるミニカーでした。ボンネットとトランクが開閉するギミックが付いています。エンジンルームには簡単ですがエンジンがモールドされ、トランク内にはおまけとして大きな旅行鞄が付いていました。この独特のフロントグリルを持つ2000 MK Iの当時物ミニカーはこれだけでした。当時物以外では2013年にNEO(レジン製がMK Iをモデル化しています。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。
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トライアンフ 1300 イギリス 1965年
トライアンフ ヘラルドの後継車として1965年に1300が登場しました。レイランド グループとして初の前輪駆動車で、BMCのミニに対抗する車でした。この車は通常の縦置きエンジンを前後逆に配置するルノー式の前輪駆動方式を採用していました。4気筒1.3L(61HP)エンジン、4段変速で最高速133km/hの性能でした。ボディは2000と同じミケロッティのデザインで、フロントグリル以外は上級車の2000のイメージをダブらせています。(フロントはライバルのモーリス 1100に良く似ている気がします)
モノコックボディ、全輪独立サスペンションなど上級車2000と同じ進歩的な設計で、上級小型車としてヒットして商業的に成功しました。1970年に前後のデザインを変え1.5Lエンジンを搭載した1500にモデルチェンジしました。1300の総生産台数は約14万台でした。なお1970年には1300を後輪駆動車に変更したトレド(TOLEDO)が登場しています。トレドは1300の廉価版で、前輪駆動車になじめないユーザー向けの車でもありました。
ミニカーは1967年に発売されたディンキー(英)製の当時物です。前述したトライアンフ 2000と同じ50年前のビンテージミニカーで素朴な作りですが、これも実車の雰囲気をうまく再現した味のあるミニカーに仕上がっていました。2000と同じでボンネットとトランクが開閉するギミックが付いています。ヘッドライトにラインストーン(ダイヤカットガラス)が使われるなど、2000よりも少しだけ目新しい仕上げになっていました。トライアンフ 1300の量産ミニカーはこの当時物しかないようです。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ TR5 イギリス 1967年
1961年にトライアンフ TR3はミケロッティのデザインによる新しいボディのTR4にモデルチェンジしました。ラダーフレームによる旧式なシャーシはTR3と同じながら、トレッドが拡大されラック&ピニオン式ステアリングが採用されました。エンジンは2.1L(100HP)に拡大され、最高速176km/hの性能でした。巻き上げ式のサイドウインドウなど居住性は向上したものの、TR4はライバルのMGBなどに比べると操縦性や乗り心地が見劣りするようになっていました。
1965年にリアを独立懸架に変更し乗り心地を改善したTR4Aに発展しました。1967年にはエンジンを燃料噴射式の6気筒2.5L(150HP)に強化して性能を向上したTR5となりました。1969年にはボディを一新してこのシリーズ最終型のTR6にモデルチェンジしました。TR4/5は約8万台が生産され、アメリカを中心とする世界各国に輸出されました。 トライアンフは1960年にレイランド グループの傘下となり、1963年にはスタンダード ブランドが消滅し、1967年にはブリティッシュ レイランドに統合されました。
ミニカーは1985年に発売されたエリゴール製です。TR5の独特のデザインがうまく再現されていて、当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。ドア/ボンネット/トランクが開閉するギミック付きで、エンジンは簡素なモールドで再現され、室内はそこそこ良く再現されていました。なお初期のエリゴールのミニカーはノレブのプラスチック製ミニカーの型を流用したものが多いのですが、これもノレブの型番144を流用したものでした。(ただしエリゴールはプラスチック製ではなくダイキャスト製です) TR4/5の当時物ミニカーはそのノレブのプラスチック製だけしかないようで、当時物以外ではバンガーズ、オックスフォード、スパーク(レジン製)などがあります。以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリア/トランク開閉の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ TR6 イギリス 1969年
トライアンフ TR2から続いていた寄り目スタイルのフロントを一新して、近代的デザインのボディとなったTR6が1969年に登場しました。デザインはドイツのカルマン社によるもので、オプション設定でスチール製ハードトップが装着できるようになりました。フロントサスペンションのスタビライザー追加など足回りが強化されて、操縦性が向上していました。エンジンはTR5と同じ燃料噴射式の6気筒2.5L(150HP)でしたが、主たる市場の北米向けは排ガス対策の関係でキャブレター仕様(105HP)でした。
1975年に後継車のTR7が登場し、TR6は1976年に生産中止となりました。TR6はそれまでのTRシリーズとしては一番多く生産されました。総生産台数は約9万2千台でその90%以上が輸出されました。
ミニカーは2003年頃に発売されたソリド製です。フロントの雰囲気や灯火類はそこそこの良い出来ばえなのですが、何故かフロントウィンドーが小さすぎて、ミニカーで一番大事なプロポーションがどうしようもなく悪いです。(キャビンを小さめにするデフォルメは良くありますが、これはやり過ぎです) バリエーションでハードトップ仕様(型番4578)もあり、そちらはプロポーションが多少ましになっていました。なおこの頃のソリドはイタリアのディテールカー(DETAIL CARS)がOEMしたミニカーを販売していて、これもディテールカーの型番351のOEMですので、出来が悪いのはソリドの型職人のせいではなさそうです。これ以外のTR6のミニカーはミニチャンプス、ノレブ、オックスフォードなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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トライアンフ 2000 MK II イギリス 1969年
スタンダード社の戦後の主力モデルであったバンガードの後継車として、1963年にトライアンフ 2000/2500が登場しました。ミケロッティのデザインによる斬新なスタイルの乗用車で、モノコックボディや全輪独立サスペンションなどを採用した進歩的な設計の車でした。直列6気筒2L(90HP)/2.5L(132HP)エンジンを搭載し、4段変速(3段AT)で最高速154km/h(2L)の性能でした。1965年にコーチビルダーのカーボディーズ社が架装する5ドア エステートワゴンが追加されました。
1968年にはTR5用の燃料噴射式2.5L(150HP)エンジンを搭載した2.5PIが追加されました。1969年にミケロッティがフロントグリルを一般的なデザインに変更して、2000/2500はMK IIとなりました。MK Iの総生産台数は約12万台でした。1977年にローバー SD1に6気筒エンジンを搭載した廉価版が登場し、その車を後継車としてMK IIは生産中止となりました。MK IIの総生産台数は約20万台でした。MK IIはMK Iに比べるとフロントグリルのデザインに個性がなくなっていましたが、この方が一般受けしたようです。
ミニカーは2003年に発売されたバンガーズ製です。バンガーズはイギリスの老舗コーギーのブランドで、2000年頃から主に昔懐かしいイギリス車をモデル化しています。最近のミニカーなのですが、ラインストーン(ダイヤカットガラス)を使ったヘッドライトや塗装で表現したテールライトなど1960-1970年代のコーギー風のレトロな作風が特徴です。またエッチングパーツのワイパーやユーザーが取り付けるフェンダーミラーが添付されているなど細部にこだわった今風の部分もあります。(昔のコーギーのファンであった私にとって懐かしい感じがして好きなブランドです) この2000 MK IIもそのレトロな作風が功を奏して、実車の雰囲気がうまく感じられる良い出来ばえになっていました。なおMK IIの量産ミニカーはバンガーズの物しかないようです。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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