ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’ 1932 USA

FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD AA TRUCK ’CARLS BERG’


MATCHBOX YGB05 1/46 108㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5m 全幅約1.7m エンジン 変速機: 4気筒 3.3L 40HP 3段変速
性能: 最高速40km/h?  データーベースでフォード AA型のミニカー検索

フォード AA型 トラック ’カールスバーグ’ アメリカ 1932年

 

 フォード T型の商用車(トラック)仕様としてTT型がありましたが、T型をモデルチェンジしたA型にも商用車仕様のAA型がありました。なお商用車仕様としてはA型の商用バンもありました。4気筒3.3Lエンジンなどの主要パーツはA型と共通でしたが、ホイールベースは大幅に延長され3.3mと4mの2タイプがありました。リアサスペンションは強化され、後輪駆動力を上げる為ギヤ比が変更されていたので、最高速はかなり遅くなっていました。ピックアップ、ダンプトラック、メールトラック、パネルトラック、救急車、消防車など様々なタイプのカスタムボディが架装されました。1932年にA型がB型にモデルチェンジし、AA型もBB型にモデルチェンジしました。

 

 A型とAA型はアルゼンチン、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、日本など世界中のフォードの工場で生産されました。また当時のソ連の国営企業GAZとの合弁会社でもライセンス生産されました。ソ連版のA型はGAZ-A、AA型はGAZ-AA(後期型はGAZ-MM)と呼ばれ、軍用車などの派生車がたくさん作られました。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたマッチボックス製のフォード AA型 トラック 'カールスバーグ'の画像です。この型番Y****のシリーズは1990年代に発売されたマニア向けのYシリーズで、クラシックな商用車などがモデル化されていました。このAA型はフロントグリルの中央に縦バーが付いていますが、これはイギリスで製造したAA型に特有な形状だそうですので、欧州仕様のAA型をモデル化しています。全長5mほどの中型ボックストラックで、実車画像と見比べると実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ています。なおサイドに表示された「CARLS BERG PILSNER (カールスバーグ ピルスナー)」はデンマークの有名なビール会社です。この類の商用車ミニカーは鮮やかなカラーリングや車体に表示された商品ロゴが楽しいのですが、マニア向けですのでその辺は抜かりなく綺麗に仕上げてあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD AA TRUCK 'CARLS BERG' 1
FORD AA TRUCK 'CARLS BERG' 2

 フォード A型の商用車もマッチボックスが様々なバリエーションをたくさん発売していました。以下は1993年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 バン CASTLEMAINE (1/40 型番YGB01)の画像です。サイドに表示された「CASTLEMAINE(カッスルメーン) XXXX(フォーエックス)」とはオーストラリアのラガービールの代表的なブランドだそうです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A PANELVAN 1
FORD A PANELVAN 2

 以下は1983年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 トレイズマン (TRADESMAN) ウッディ ワゴン (1/40 型番Y21)の画像です。フォードのカタログモデルとして実車が存在した木製ボディの商用車です。木製ボディに似せた塗装で実車の雰囲気がうまく再現されています。サイドに表示された「A & J GENERAL STORE」とは「A & J 雑貨店」という意味で個人商店の名前でしょうか? (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A PANELVAN 3
FORD A PANELVAN 4

 以下は1985年に発売されたマッチボックス製のフォード A型 レッカー車 (1/40 型番Y07)の画像です。ピックアップの荷台に牽引用クレーンを搭載したレッカー車をモデル化しています。サイドに「BARLOW MOTOR SALE QUALITY CARS」と表示されていますので、中古車販売店のサービスカーのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD A TOW TRUCK 1
FORD A TOW TRUCK 2

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GM CADILLAC 452C V16 PHAETON FLEETWOOD 1933 USA

GM CADILLAC 452C V16 PHAETON FLEETWOOD
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC 452C V16 PHAETON FLEETWOOD


SIGNATURE 32302 1/32 163㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m エンジン 変速機: V型16気筒 7.4L 165HP 3段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでキャディラック 戦前のミニカー検索

GM キャディラック 452C V16 フェートン フリートウッド アメリカ 1933年

 

 1930年に登場したV型16気筒エンジンを搭載したGM キャディラック 452は初年度に約3000台が生産されました。コーチビルダーのフリートウッドがリムジーンやコンバーチブルなどのボディを架装し、価格は最低でも5000ドル(現在の2000万円ぐらい)と非常に高価でした。1929年に世界大恐慌が起こりアメリカは不況の真っ只中でしたので、452のような高級車を購入できたのはごく限られた富裕層だけでした。

 

 V型16気筒エンジンを搭載したキャディラックは初年度以降は年間100台ほどしか売れませんでした。1933年には限定生産車種となり、シリアルナンバーを記したプレートが車に取り付けられたそうです。画像のミニカーがモデル化している実車は1933年にマイナーチェンジされた452Cにフリートウッドが架装したフェートン(4ドア オープン)で、1930年代の有名な歌手/俳優 アル ジョンソン(Al Jolson)が発注したシリアルナンバー56番の車ということです。当時の価格は8000$(現在の3200万円ぐらい)だったそうで、実車はアメリカの国立自動車博物館(NATIONAL AUTOMOBILE MUSEUM かつてのハーラー自動車ミュージアム)に保管されているようです。

 

 

 ミニカーはシグネチャー製のクラシックカーシリーズで、2006年頃に購入しました。1/32と中途半端なスケールですが、そのサイズを生かしてドア/ボンネット開閉などのギミック付きで室内やエンジンもそこそこ再現してありました。ただし1/18ほど精密ではないので、その分値段は控えめ(約3500円)で、財布の軽い私のお気に入りのクラシックカーシリーズでした。このキャディラック V16もプロポーションが良く、室内/エンジンなどの細かいところもきちんと作ってあります。フロントグリル上のマスコット(FLYING LADYと呼ばれる女神像)も大きめですが、うまく再現されています。キャディラック前ドア/ボンネットが開閉し前輪の操舵ギミック(ハンドルと連動しない)も付いています。 以下はフロント(マスコット拡大)/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM CADILLAC V16 452C FLEETWOOD 1
GM CADILLAC V16 452C FLEETWOOD 2

 以下は1990年に発売されたマッチボックス製のGM キャディラック 452 V16 1933 (1/46 型番Y34)の画像です。年式から後期型のV16 452Cで、運転席がオープンになっているフォーマルなクーペ デビル形式のセダンをモデル化しています。マッチボックスのYシリーズ初期物は安価故に細部が簡略化されているものが多かったのですが、1990年代以降のYシリーズは少しレベルの高い物になりました。(価格も少し高くなりました) この452 V16も内装などの仕上げは簡素ですが、クラシックカーのミニカーとして結構良く出来ています。ただし縮尺が1/46と中途半端なのが今一つです。またフロントグリルは結構リアルですが、グリル上のマスコットが少し大き過ぎます。(大きめに作るのは良いのですが、これは見た目のバランスが悪いです) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC 452A 3
GM CADILLAC 452A 4

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC 452A 5
GM CADILLAC 452A 6

 以下は1990年に発売されたマッチボックス製のキャディラック V16 消防車 1933 (1/43 型番YFE03)の画像です。これはクラシックな消防車をモデル化したマニア向けのFIRE SERIESの1台で、マニア向け故にかなりレベルの高い出来ばえとなっていました。ミニカーの紙箱にはモデルとなった消防車の簡単な説明が記載されていました。それを翻訳すると「1930年代、自動車メーカーが頑丈な自動車を消防車に置換えることは珍しいことではありませんでした。このキャデラック シリーズ 452 フェートンは水冷直列16気筒エンジンを搭載した、まさに最高級の1台でした。175HPのエンジンを搭載し、従来の自動車よりも早く火災現場に駆けつけることができました。」とのことです。最上級車であったキャディラック 452 フェートンを消防車に改造したのではなく、そのシャーシを使って消防車を架装したのでしょう。452ではありませんが、V型8気筒エンジンを搭載した353の消防車の実車画像はWEB上にありましたので、この452ベースの消防車も多分実車があったのでしょう。消防車のボディの後部には送水ポンプ/接続配管が再現され、消防ホースやはしごなどもリアルに仕上げてあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 1
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 3
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 4

 以下はボディ両側面の拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 5
GM CADILLAC V16 FIRE ENGINE 6

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AUBURN 12-160 SPEEDSTER ROADSTER 1933 USA

AUBURN 12-160 SPEEDSTER ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
AUBURN 12-160 SPEEDSTER ROADSTER


IXO MUS037 1/43 120㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.2m 全幅約1.8m エンジン 変速機: V型12気筒 6.4L 160HP 3段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでオーバン/コード/デューセンバーグのミニカー検索

オーバン 12-160 スピードスター ロードスター アメリカ 1933年

 

 インディアナ州オーバンの馬車製造会社が1900年にオーバーン自動車を設立し自動車製造を始めました。1920年頃まで平凡ながら信頼性の高い車を生産していましたが、第一次大戦の物資不足の影響で工場が閉鎖されました。自動車ディーラーの優秀な販売員だったエレット ローバン コード(Errett Lobban Cord)はこの会社を1926年に再建し、その後の3年間でオーバン、コードデューセンバーグの3つの自動車メーカーと航空機会社などを傘下に持つ一大企業連合体「コード帝国」を作り上げました。コード帝国でオーバンは大衆向けの高性能車でした。

 

 1928年にライカミング製のV型8気筒4L(88HP)エンジンを搭載した8-88(8気筒88HPの意)が登場しました。この車は8気筒エンジン搭載車としては安い価格ながら、パッカードなどの高級車と同じ4輪油圧ブレーキとシャーシ潤滑システムを装備し美しいデザインもあいまって大いに注目されました。同年に8気筒4.9L(115HP)エンジンを搭載する8-115が追加されました。8-115は3段変速で最高速137km/hの性能でした。さらにボディ後部がボートの形状になっていることからボートテールと呼ばれる、スポーティなロードスター仕様のスピードスターも追加されました。このスピードスターはオーバンの代表的なモデルとして有名で、120HPエンジン搭載のスピードスター 120、125HPエンジン搭載のスピードスター 125に発展しました。1932年にはV型12気筒6.4L(160HP)エンジンを搭載した高性能版の12-160が登場しました。オーバンはストックカーレースで活躍しており、パイクス ピークでの優勝など多くの速度記録も達成していました。

 

 

 ミニカーは2012年に発売されたイクソ製のMUSシリーズです。オーバン スピードスターとしては後述する1935年に登場した851 スピードスターのほうが有名ですが、この12-160はその少し前のモデルとなります。このミニカーは元々はフランスのミニカー付雑誌「VOITURES CLASSIQUES」のNo.20として作られた物でした。雑誌付きミニカーは白で緑色のラインが入っていますが、これは黒で銀色のラインに変えてありワイヤースポークホイールの造形やエッティングパーツのワイパーなど雑誌付きミニカーより仕上げレベルを上げてありました。黒/銀で塗り分けられたボディ後部の造形は実車に忠実なカラーリングで魅力的に仕上がっていました。またオープンカーですので、良く見える室内もそこそこリアルに再現されていました。(実車画像→ オーバン 12-160 のリアエンド) なおオーバン 12-160のミニカーはこれしか無いようです。(イクソの別ブランドのホワイトボックスでも同じものが発売されています) 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

AUBURN 12-160 SPEEDSTER ROADSTER 1
AUBURN 12-160 SPEEDSTER ROADSTER 2

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DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA 1933 USA

DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J CONVERTIBLE VICTORIA


FRANKLIN MINT RU77 1/24 252㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速186km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J コンバーチブル ビクトリア アメリカ 1933年

 

 デューセンバーグが1928年に発表したモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発され、値段も当時最高の超豪華車でした。その価格は大衆車T型フォードの約40倍でしたので、この車を買えたのは当時のハリウッドの大スターや王侯貴族だけでした。サイズは全長約5.6m(リムジーン)、性能はDOHC方式8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し最高速180km/hでした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。最も高価なモデルは当時の価格が2万ドルであったことから「トゥエンティ グランド」と呼ばれていました。

 

 この車は往年のハリウッドの名女優グレタ ガルボ(Greta Garb もう知らない人が多いでしょうが)が所有していたとされる、デューセンバーグ J コンバーチブル ビクトリアです。全長が6mを越える長い車で少し奇抜なデザインですが、最も優美なデューセンバーグとも言われていました。極端に低いウインドシールドと大きな2ドアを持ち、リアには巨大なトランクと2本のスペアタイヤを背負っていました。幌を立てると後席に乗車しているオーナーの姿はほとんど見えないようになっていました。ボディを架装したのはフランスのコーチビルダー ダリンでした。

 

 

 ミニカーは1990年頃に発売されてフランクリン ミント製の1/24です。当時フランクリン ミントのミニカーは国内では同社の通信販売でしか購入できませんでした。フランクリン ミントの1/24は現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する、当時としては最も精密なミニカーでした。このデューセンバーグ Jもプロポーションが良く、実車の変わったデザインがうまく再現されていて、とても良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、ステアリングホイールと連動した前輪操舵ギミックも付いていました。床下部分のドライブトレーン/サスペンションなどもリアルに再現されていました。当時の価格は29500円とかなり高価でしたが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J VICTORIA 1
DUESENBERG J VICTORIA 2

 以下はボンネットを開いたエンジン部分の画像と床下のシャーシ/サスペンションなどのメカ部分の画像です。エンジンはかなりリアルに再現されていて、手前右下にステアリングホイールに直結されたステアリングシャフトが見えますが、このシャフトは先端についたギヤで実際に前輪を操舵します。(実車と同じギア駆動ではないですが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J VICTORIA 3
DUESENBERG J VICTORIA 4

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DUESENBERG SJ FISH TAIL 1933 USA

DUESENBERG SJ FISH TAIL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ FISH TAIL


RIO 86 1/43 142mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約6.1m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L スーパーチャージャー 320HP 3段変速
性能: 最高速250km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ SJ フィッシュ テール アメリカ 1933年

 

 前述したようにデューセンバーグ Jは1929年から始まった世界大恐慌の時代に成功しており、当時のユーザーはまだ不況とは無関係だったようです。このようなユーザーに向けてさらに高級な車が1932年に発表されました。スーパーチャージャーを追加して320HPにパワーアップし最高速250km/hに性能を向上させたモデル SJでした。スーパーチャージャーの追加で排気管がボンネット右側面から張り出すようになり迫力のある外観となっていました。

 ただデューセンバーグが輝いていたのはほんの数年でした。1932年にデューセンバーグ創始者のフレッドが、自分が開発したSJでの自動車事故で死亡しました。これと呼応するかのようにデューセンバーグを有するコード帝国もコード L29の販売不振から崩壊し始め、1937年にデューセンバーグ社は倒産しました。

 

 前述したデューセンバーグ J ビクトリアは全長の長い車でしたが、このミニカーがモデル化しているデューセンバーグ SJも同じくらい長い車でした。ボディはアメリカのコーチビルダー ウェイマン(WEYMANN)が架装していて、そのリアの形状からFISH TAIL(魚のしっぽ)と名付けられていました。2座のオープンボディでテール部分にはトランクらしきものがありますが、ほとんどがデッドスペース?で現在では考えられない贅沢なスペースの使い方でした。現在のような実用性重視で合理的に設計された車とは全くの別物で、このような無駄に思える虚飾を追及していることがこの類の車の魅力なのです。

 

 

 ミニカーは1993年に発売されたリオ製です。1970年代に発売されたリオ製のデューセンバーグ SJのバリエーションで、ボディ後半の型を大幅に変更してこの特徴的なボディを再現していました。ボディ全体を上から見ると、車というよりもボートのような形状をしています。ボンネットの上部を取り外すことができ、ボンネット右側面から出る排気管を持つスーパーチャージャー付エンジンもそこそこリアルに再現されていました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG SJ FISHTAIL 1
DUESENBERG SJ FISHTAIL 2

 以下はボンネットを外したエンジン部分と俯瞰/下回りシャーシの画像です。(なお実車のボンネットがこんな具合に開いたのではありませんが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ FISHTAIL 3
DUESENBERG SJ FISHTAIL 4

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