ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

DUESENBERG J SEDAN 1931 USA

DUESENBERG J SEDAN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SEDAN


SOLIDO 156 1/43 全長 130mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速180km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J セダン アメリカ 1931年

 

 ドイツから移民してきたデューセンバーグ兄弟が、レーシングカーを作る目的で1914年に設立したのがデューセンバーグ社でした。当初は航空機用エンジンを製造し、ブガッティの航空機用エンジンの国産化を行いました。1920年に8気筒4.3Lエンジンを搭載し世界初の油圧ブレーキを備えた、自社初の市販車モデル Aを発売しました。(実車画像→ デューセンバーグ モデル A) デューセンバーグのレースカーは1923年のフランスGPでアメリカ車として初めてのGP優勝、1924年と1925年のインディで優勝などレースで大活躍しています。ただモデル Aは高価すぎて売れず、ビンテージ期で述べたエレット ローバン コードが経営する企業連合体 「コード帝国」に1926年に買収されました。

 

 コード傘下で1928年に発表されたモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発され、値段も当時最高の超豪華車でした。サイズは全長約5.6m(リムジーン)、性能は当時レーシングカーしか採用していなかったDOHC方式8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し最高速180km/hと高性能でした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。デュアル カウル フェートンの後席のスクリーンはその下にあるハンドルで上下させることが出来ました。(実車画像→ デューセンバーグ モデル J デュアル カウル フェートン)

 デューセンバーグの最も高価なモデルは当時の価格が2万ドルであったことから「トゥエンティ グランド」と呼ばれていました。その価格は大衆車T型フォードの約40倍でしたので、この車を買えたのは当時のハリウッドの大スターや王侯貴族だけでした。

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたソリド製で、1960-1970年代に作られたソリドのクラシックカーシリーズ(AGE D'EOR シリーズ)の1台でした。デューセンバーグとしてはおとなしいオーソドックスなセダンをモデル化しています。このクラシックカーシリーズは大人のマニア向けでしたので、スケールモデル的でリアルな造形がされ、当時としては素晴らしい出来ばえでした。「デューセンバード」と呼ばれる鳥のマスコットの付いたフロントグリル、ボンネット内に再現されたリアルなエンジン、ドアが開閉するキャビンなど細かいところもよく再現されていました。ソリドはバリエーションでスパイダーもモデル化していました。これ以外のモデル Jのミニカーとしては、ビンテージ物ではドゥグー、リオ、マッチボックスなど、最近の物ではフランクリンミントの1/43と1/24、シグネチャーの1/32、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)とボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J SEDAN 1
DUESENBERG J SEDAN 2

 以下は1967年に発売されたイタリアのドゥグー製のデューセンバーグ SJ タウンカー (1/43 型番13)の画像です。タウンカーとはこの車のように客席部分にだけ屋根があるフォーマル用途のボディ形式を意味します。SJはエンジンにスーパーチャージャーを追加して320HPにパワーアップしたモデルで、ボンネット右側面から排気管が出ていました。ドゥグーは大人のクラシックカー マニア向けのミニカーで、同時期のリオ同様に当時のミニカーとしてはリアルな造形で良く出来ていました。このデューセンバーグ SJもプロポーションが良く、灯火類やボンネット右横の排気管などの細部も良く仕上げてありました。(ヘッドライトがやや大きすぎますが) ドゥグーのミニカーには合成ゴムのタイヤに含まれる可塑剤(有機溶剤)がプラスチック製ホイールを溶かすという問題があり、このデューセンバーグ SJも程度が軽いながらホイールの一部が溶けています。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TOWNCAR 1
DUESENBERG SJ TOWNCAR 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TOWNCAR 3
DUESENBERG SJ TOWNCAR 4

 以下は1987年に発売されたフランクリン ミント製の デューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/24 型番KD09)です。映画俳優ゲイリー クーパーが購入した、コーチビルダー ダーハム(DERHAM)社が架装したデュアル カウル フェートンをモデル化しています。フランクリン ミントの1/24は現在のオートアートなどの大スケールミニカーの先駆けで、シャーシ/エンジン/サスペンションなどのメカ部分が金属製パーツ主体で再現されドアやボンネットが全て可動する、当時としては最も精密なミニカーでした。(なお当時フランクリン ミントのミニカーは国内では同社の通信販売でしか購入できませんでした) このデューセンバーグもプロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていました。4ドアが開閉しリアシート手前のカウルの下にウインドー開閉用ハンドルが再現されているなど室内は細部まで良く再現されていました。またボンネットを開くとエンジンがリアルに再現されていました。さらにステアリングホイールと連動した前輪操舵ギミック付きでした。当時の価格は18000円(2024年現在では約30000円相当)と安いものではなかったのですが、その価格に見合った素晴らしい出来ばえでした。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 1
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 2

 以下はフロント(マスコット拡大 前輪操舵動作)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DUAL COWL PHAETON 3
DUESENBERG J DUAL COWL PHAETON 4

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と床下部分の画像です。床下のドライブトレーンやサスペンションがそこそこリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 5
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 6

 以下はソリド製のデューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/43 型番CS2)の画像です。上記のソリド製 セダンのバリエーションで、ソリドのファンクラブ限定品として1988年に発売されました。限定品なのでケース台座にシリアル番号が表示されていて、値段は通常品の約2倍(定価5000円)と高価でした。キャビン部分がデュアル カウル フェートンに変更されリアに荷物棚が追加されています。ボンネットは取り外せないように変更されたので、エンジンは再現していません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 7
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 9
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 10

 以下は1971年頃に発売されたリオ製のデューセンバーグ SJ トルペード フェートン 1934 (1/43 型番45)の画像です。これもデュアル カウル フェートンをモデル化していますが、上記のフランクリン ミントのデュアル カウル フェートンよりキャビンが小さくスポーティなデザインで、アメリカのコーチビルダーのブルン(BRUNN)が架装しました。ミニカーはこのスポーティなボディがうまく再現されていて、とても良く出来ていました。ボンネットの上部を取り外すことができ、特徴的な排気管の付いたエンジンが再現されていました。(なお実車のボンネットはこのように上部だけが外れることはありません) またシャーシなどの下回りのメカがリアルに再現されていたのも、リオのクラシックカーの特長でした。幌を収納した色違いのバリエーション(型番46)もありました。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TORPEDO 1
DUESENBERG SJ TORPEDO 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。フロントグリル上に付いたデューセンバードのマスコットは鳥のオブジェで「デューセンバード」と呼ばれています。
DUESENBERG SJ TORPEDO 3
DUESENBERG SJ TORPEDO 4

 以下はボンネット右側面の画像とボンネットを取り外したエンジンルームの画像とボディ下回りの画像です。エンジンの排気管がボンネット側面から取り出されている構造がリアルに再現されていました。さらにこの排気管は床下の排気管に接続されています。床下にはシャーシ、エンジン/変速機、ドライブシャフト、サスペンションもリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SJ TORPEDO 5
DUESENBERG SJ TORPEDO 6

 以下は2006年に発売されたシグネチャー製のデューセンバーグ J フェートン 1934 (1/32 型番32110)の画像です。これも上記と同じコーチビルダー ブルンが架装した車のモデル化ですが、こちらはスーパーチャージャー付のSJではなくJです。(ボンネット横の排気管がありません) 上記SJと良く似たデザインですが、リアに外付けのトランクを背負っています。黒と緑の派手なツートンカラーは実車に準じたカラーリングです。(実車画像→ デューセンバーグ J フェートン 1934) シグネチャーのクラシックカーのシリーズは縮尺が1/32で1/43より一回り大きいかったです。サイズが大きい(全長153㎜)のですが、細部の仕上げは上記のリオ製と同じようなレベルとなっていました。(サイズを無視すればリオ製並みの良い出来ばえであると言えます) シグネチャーのクラシックカー シリーズの特長はサイズと出来ばえのわりに安価なことで(当時の定価は2000-25000円ほど)、細かなパーツが多いクラシックカーを1/32という組付けが容易なサイズとしたことで組付けコストを低減して低価格を実現していました。ボンネットと前ドアが開閉するギミック付きで前輪操舵ギミック(ステアリングホイールとは連動しない)も付いていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 1
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 3
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 4

 以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と前輪操舵ギミックの画像です。ボンネットが実車同様に開くのは良いのですが、エンジンの出来ばえは1/32サイズとしてはやや物足らないレベルです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 5
DUESENBERG J TORPEDO PHAETON 6

 以下は1979年に発売されたダイヤペット製のデューセンバーグ J デュアル カウル フェートン (1/27 型番G124)の画像です。ダイヤペットのクラシックカーのシリーズで1/27と中途半端なサイズでしたが、ダイヤペットとしては初のクラシックカーのモデル化で意欲的なミニカーでした。ダイヤペット初のクラシックカーながらなかなかの良い出来ばえで、サイズが大きいので少し凝ったギミックが付いていました。4ドアが開閉しリアカウルが上下します。ボンエットを取り外すとエンジンが再現されていて、さらに運転席のハンドブレーキ風のレバーを操作することでライトが点灯します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 11
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 12

 以下はフロント(ヘッドライト点灯)/ボンネットを外した状態のエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。ヘッドライトを点灯させる為の単3電池2本を収納する電池ボックスが底下部分にありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 13
DUESENBERG J DOUBLE COWL PHAETON 14

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DUESENBERG J SPIDER 1931 USA

DUESENBERG J SPIDER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SPIDER


SOLIDO 35 1/43 全長 130mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.6m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 8気筒 6.9L 265HP 3段変速
性能: 最高速186km/h  データーベースでデューセンバーグのミニカー検索

デューセンバーグ J スパイダー アメリカ 1931年

 

 デューセンバーグは1926年にコードに買収されました。コード傘下で1928年に発表したモデル Jはデューセンバーグを一躍有名にしました。モデル Jはアメリカ最大、最速、最高品質を目指して開発されました。当時はレーシングカーしか採用していなかったDOHC方式の8気筒6.9L(265HP)エンジンを搭載し、3段変速で最高速180km/hと高性能でした。ボディは有名なコーチビルダーが担当し華麗なデザインのボディが架装されました。ボディ形式としては4ドアセダン、2ドアクーペ、スパイダー、フェートン(4座オープンカー)、デュアル カウル フェートン (前席/後席にスクリーンが付いた4座オープンカーで、オープンカーとしては最も高級な形式)などがありました。

 

 1932年にはスーパーチャージャーでエンジンを320HPにパワーアップし最高速208km/hとした高性能版のSJが追加されました。SJのスーパーチャージャーはエンジンの横に配置されていたので、排気管の取り回しが変更されボンネット右側面から排気管が出ていました。SJの最高速は209㎞/hで、当時の乗用車では最速でした。SJのスパイダーにはホイールベースを短縮したさらに高性能なSSJが2台だけ製造されました。この2台は映画俳優のゲイリー クーパーとクラーク ゲーブルがレースで使用していたそうです。(実車画像→ デューセンバーグ SSJ 1935 )

 

 

 ミニカーは1976年に発売されたソリド製です。前述したソリドのJ セダンのバリエーションで、ボディ後半を変更して2シーター スパイダーをモデル化しています。巨大なボディに小さな2シーターのキャビンという贅沢なスペース配置は、当時のアメリカ製高級車のスタイルでした。前述したソリドのJ セダンと同様にプロポーションが良く、実車の雰囲気がうまく再現され良く出来ていました。室内はインパネが紙シールで再現され、ボンネットを取り外すとエンジンが再現されています。これ以外のデューセンバーグ J スパイダー(クーペ)のミニカーは、リオ、シグネチャーの1/32、デルプラドのSSJ、ミニチャンプスのコンバーチブル クーペ、イクソのSSJ、マトリックス(レジン製)のSJなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを外したエンジンルームの画像とリアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DUESENBERG J SPIDER 1
DUESENBERG J SPIDER 2

 以下は1990年代に発売された上記ソリド製のバリエーションで、幌を収納した状態のデューセンバーグ J スパイダー(1/43 型番4164)の画像です。上記の発売から10年以上後になって発売されたので、コストダウンでボンネットが固定されエンジンの再現がなくなりました。また幌が付いていなくて室内の造形も少し簡素化されていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG J SPIDER 3
DUESENBERG J SPIDER 4

 以下は2002年に発売されたデルプラド製のミニカー付雑誌 カーコレクション シリーズのデューセンバーグ SSJ スパイダー (1/43 No.66)の画像です。ミニカーの箱にはSSJではなくJと書かれていましたが、ボンネット右側面から排気管が出ているので、スーパーチャージャーを追加してパワーアップしたSJのショートホイールベース版であるSSJをモデル化しています。メーカーは不明ですが、このシリーズの製造を手掛けていた中国のメーカーです。プロポーションが良くフロントグリルや室内のインパネなど結構細かいところまで良く仕上げてありました。このカーコレクション シリーズのミニカーとしては出来の良い部類でした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 1
DUESENBERG SSJ SPIDER 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 3
DUESENBERG SSJ SPIDER 4

 以下は2007年に発売されたイクソ製のデューセンバーグ SSJ スパイダー (1/43 型番MUS006)の画像です。イクソの型番MUS***は1/43のダイキャスト製クラシックカーのシリーズで、いずれも良く出来ています。これもボンネット右側面から排気管が出ているSJのショートホイールベース版であるSSJをモデル化しています。派手な赤と黒のツートンのカラーリングが実車のイメージに良く似合っていました。デューセンバーグのマスコットが付いたフロントグリル、ワイヤースポークホイール、リアのスぺアタイヤ カバー、ナンバープレートなどがリアルで、とても良く出来ていました。また室内のインパネも良く再現されていて、インパネの上に付いている丸い物はバックミラーのようです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 5
DUESENBERG SSJ SPIDER 6

 以下はフロント(マスコット部拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
DUESENBERG SSJ SPIDER 7
DUESENBERG SSJ SPIDER 8

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STUDEBAKER PRESIDENT ROADSTER 1931 USA

STUDEBAKER PRESIDENT ROADSTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
STUDEBAKER PRESIDENT ROADSTER


BROOKLIN 88 1/43 全長 112㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m エンジン 変速機: 8気筒 5.5L 122HP 3段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでスチュードベーカーのミニカー検索

スチュードベーカー プレジデント ロードスター アメリカ 1931年

 

 スチュードベーカー社の前身は19世紀から馬車製造を行っていた歴史のある会社で、19世紀後半には世界最大の馬車メーカとなっていました。1904年に他社のガソリンエンジン車の販売を開始し、1911年にスチュードベーカー社を設立し1914年から自社ブランドの自動車を発売しました。当初は4気筒エンジンと6気筒エンジン搭載車があり安価であったので良く売れたそうです。1920年代には6気筒エンジン搭載車が3車種あり、1925年には10万台以上を生産していました。1928年には高級車メーカーのピアス アロー社を吸収合併しました。

 

 最上級モデルであった6気筒5.8Lエンジンを搭載したプレジデントに8気筒5.1Lエンジンが1928年に追加されました。同時期に6気筒エンジン搭載車はディクテーター(DICTATOR 独裁者)とコマンダー(COMMANDER 司令官)という名前になりました。どちらも大げさな名前で、プレジデントは大統領車だったわけではありません。1931年にプレジデントののエンジンは8気筒5.5L(122HP)に拡大され、スチュードベーカーの最上級車であることを示す為に楕円形のヘッドライトが採用されました。当時のプレジデントはGM キャディラックやパッカードと同等レベルの高級車でした。

 

 

 ミニカーはこの時代のアメリカ車を多くモデル化していたイギリスのブルックリン製です。ブルックリンのミニカーは全てホワイトメタル製でハンドメイドの少量生産品です。少量生産なのでほとんどのパーツが金属製で、手に持つとずっしりと重く存在感があります。(個人的な好みですがこのような重量感のあるミニカーが好きです) ホワイトメタル製ミニカー独特のごつい感じの造形ですが、プロポーションは良く、フロントグリルや楕円形のヘッドライトもうまく再現されています。またフロントグリル上の鳥のマスコットや室内などの細部もそれらしく再現されています。この当時のスチュードベーカーのミニカーはほとんどないのでその点で貴重なミニカーです。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

STUDEBAKER PRESIDENT CONVERTIBLE ROADSTER 1
STUDEBAKER PRESIDENT CONVERTIBLE ROADSTER 2

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GM CADILLAC 452 V16 SPORT PHAETON 1932 USA

GM CADILLAC 452 V16 SPORT PHAETON
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC 452 V16 SPORT PHAETON


DANBURYMINT 303M 1/24 全長 243mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.8m エンジン 変速機: V型16気筒 7.4L 165HP 3段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでキャディラック 戦前のミニカー検索

GM キャディラック 452 V16 スポーツ フェートン アメリカ 1932年

 

 1930年に登場したV型16気筒エンジンを搭載したキャディラック 452は初年度に約3000台が生産されました。コーチビルダーのフリートウッドがリムジーンやコンバーチブルなどのボディを架装し、価格は最低でも5000ドル(現在の2000万円ぐらい)と非常に高価でした。1929年に世界大恐慌が起こりアメリカは不況の真っ只中でしたので、452のような高級車を購入できたのはごく限られた富裕層だけでした。

 

 V型16気筒エンジンを搭載したキャディラックは初年度以降は年間100台ほどしか売れない車でしたが、その中でも特に希少であったボディ形式は「スポーツ フェートン」と呼ばれるオープンカーでした。フェートンとは4ドアのオープンカーを意味しますが、この「スポーツ フェートン」はリアシートの前のカウルにもウインドースクリーンが装備されているデュアル カウル フェートンという高級なボディ形式でした。このスクリーンが付いたリアカウルはリアシートに出入りする際には持ち上がる構造となっていました。同じボディ形式が同時代の高級車デューセンバーグ Jパッカード トゥエルブにもありました。

 

 

 ミニカーは1989年に発売されたアメリカのダンバリーミント製です。ダンバリーミントはコレクター向けの商品を扱う会社で、同業のフランクリン ミントと同時期に同じような1/24 精密ミニカーを製作していました。どちらも当時は通信販売でしか購入できませんでした。ダンバリーミントとフランクリン ミントの1/24のミニカーは同じような作風で、プラスチック製パーツが少ない重厚な作りでした。何れもドア/ボンネットなどが可動しエンジンやサスペンションなどもリアルに再現された素晴らしい出来ばえでした。このダンバリーミント製のキャディラック 452も実車の雰囲気がうまく再現されています。4ドアとリアカウルが開閉でき室内も良く再現されています。マスコットの鳥が付いたリアルなフロントグリル、ボンネットを開いたエンジンルーム内のエンジンと床下部分のドライブトレーン/サスペンションなどの細部も良く仕上げてあります。さらにステアリングホイールと連動した前輪操作ギミックも付いています。キャディラック 452 スポーツ フェートンはフランクリン ミントもモデル化していました。 以下はフロント(前輪操舵ギミック)の拡大画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

GM CADILLAC V16 SPORT PHAETON 1
GM CADILLAC V16 SPORT PHAETON 2

  以下はボンネットを開いたエンジンルームの画像と下回りメカ/前輪操舵動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
GM CADILLAC V16 SPORT PHAETON 3
GM CADILLAC V16 SPORT PHAETON 4

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FORD V8 ROADSTER (MODEL 18) 1932 USA

FORD V8 ROADSTER (MODEL 18)
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 ROADSTER (MODEL 18)


ELIGOR 1200 1/43 全長 105㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m エンジン 変速機: V型8気筒 3.6L 65HP 3段変速
性能: 最高速122km/h  データーベースでフォード V8のミニカー検索

フォード V8 (モデル18) ロードスター アメリカ 1932年

 

 フォード T型の後継車A型は4気筒エンジンを搭載していましたが、ライバルであったGMのシボレーが6気筒エンジンを搭載していたことに対抗して、1932年にV型8気筒3.6L(65HP)エンジンを搭載したフォード V8(モデル18)が追加されました。V型8気筒エンジンは現在でも高級車のエンジンですから、ずいぶん思い切った戦略をとったものです。(カローラにV型8気筒エンジンを載せるようなものですから) 画像は人気モデルであったスポーティなフォード V8 ロードスターでシンプルで魅力的なスタイルをしていました。

 

 フォード V8と同じボディに4気筒エンジンを搭載したフォード B型も同時に販売されていました。V8との価格差は50ドル(当時の車両価格は500ドル程度)だったとのことで、V8のほうがよく売れたそうです。この安価なV型8気筒エンジンはフォードの中級車にも展開され、1953年まで20年間も基本設計を変えずに使われていました。ちなみにライバルのGM シボレーがV型8気筒エンジンを搭載したのは1950年代でした。フォード V8(モデル18)は1933年にモデル40に、1935年にモデル48に発展しました。1937年には外観を一新してスタンダードという名前になりました。(実車画像→ フォード スタンダード 1937)

 

 

 ミニカーは1986年に発売されたエリゴール製です。フォード V8 ロードスター 1932年式をモデル化しています。プロポーションが良く初期型のフロントグリル、フロントウィンドー手前横にある小さなライト(ウインカーかな?)やホイールなどの細部がリアルに仕上げてあり、実車がうまく再現されています。エリゴールの初期物は同時期のノレブの型を流用していた物があったのですが、これはエリゴールのオリジナルのようです。エリゴールは4ドア/2ドアセダン、ポリス、商用バン、ピックアップなどのバリエーションを約50種類ほどモデル化していました。エリゴール以外のフォード V8のミニカーはテクノのビンテージ物の商用車(戦後型)、ソリドのセダン(フォード UK版)、マッチボックス ディンキーのセダン(フォード UKの戦後型)、デルプラド 世界の名車シリーズのクーペ、イクソ(ホワイトボックス)のセダンなどがあります。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD V8 ROADSTER 1
FORD V8 ROADSTER 2

 以下は1982年頃に発売されたエリゴール製のフォード V8 ピックアップ (1/43 型番1080)の画像です。上記のV8 ロードスターのバリエーションでピックアップをモデル化しています。これも実車のの雰囲気がうまく再現されています。アメリカでは現在でもこの類のピックアップが良く売れているのですが、このピックアップはその初期型となります。この時代のピックアップほとんどモデル化されていないので、車種的には貴重なミニカーです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 PICKUP 1
FORD V8 PICKUP 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 PICKUP 3
FORD V8 PICKUP 4

 以下は1982年頃に発売されたエリゴール製のフォード V8 バン ロンジン(LONGINES) (1/43 型番1075)の画像です。これも上記のV8 ロードスターのバリエーションで、商用バンをモデル化しています。ロンジンは有名な高級腕時計のブランドで、そのサービスカー仕様となっています。高級な感じのする金茶色のボディカラーにロンジンのロゴが綺麗に印刷されています。この商用バンにはジレットやモービル オイルなど数種類のバリエーションがありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 VAN 1
FORD V8 VAN 2

 以下は1989年頃に発売されたソリド製のフォード V8 ロードスター 1934 (1/19 型番8008)の画像です。縮尺1/19と中途半端な縮尺で、全長238㎜の大きなサイズです。1934年式のモデル40Bをモデル化していますので、上述のモデル18とはヘッドライトやフロントグリル(ハート型) が異なっています。実車に忠実な造形で、当時の大スケールミニカーとしては良く出来ていました。またリアルなフロントグリル、グリル横のクラクション、グリル上のマスコット(走っているグレイハウンド犬)などの細部も良く再現されています。ドア開閉、リアのランブルシート(折り畳み式補助シート)展開、前輪操舵(ステアリングホイール連動)のギミック付きです。ソリドはバリエーションで映画スターのハンフリー ボガート仕様のロードスターやピックアップもモデル化していました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 COUPE 1
FORD V8 COUPE 2

 以下はフロント(マスコット拡大)/前輪操舵動作の画像とリア(ランブルシート展開)の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 COUPE 1
FORD V8 COUPE 2

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズのフォード V8 2ドア クーペ (1/43 No.71)の画像です。これは屋根が付いたV8 クーペ 1932年式をモデル化しています。メーカーは不明で、確証はないですがアーテル(ERTL)製ではないかと思います。プロポーションはまずまずで細部もそこそこ良く仕上げてあるので、この名車シリーズとしては良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 COUPE 1
FORD V8 COUPE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD V8 COUPE 3
FORD V8 COUPE 4

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