ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

VANWALL F1 1957 UK

VANWALL F1
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VANWALL F1


BRUMM R199 1/43 全長 97㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 2.5L 285HP 5段自動変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでバンウォール F1のミニカー検索

バンウォール F1 イギリス 1957年

 

 ベアリング会社バンダーベル(VANDERVELL)社の創業者トニー バンダーベル(Tony Vandervell)はレースマニアでBRM(British Racing Motors)を支援していました。彼はフェラーリのレースカーを購入して改良し、自社のベアリングの商標であるシンウォール(THINWALL)を冠した「Thinwall Special」(シンウォール スペシャル)の名前でプライベーターでレースに参加するようになりました。1954年にはレースカー製作に乗り出し、バンダーベルとシンウォールを合成したバンウォールという名前を自社開発のレースカーに付けました。

 

 最初のバンウォールは、バイクで有名なノートン社の4気筒2Lエンジンをクーパーのシャーシに搭載したもので、1954年に登場しました。当初は勝てませんでしたが、ロータス社のコーリン チャップマンの協力でシャーシを改良し、エンジンを2.5Lに拡大するなどして競争力を上げていきました。1956年のベルギー GPでは4位となり、結果を出しました。(実車画像→ バンウォール F1 1954)

 

 

 1957年にスターリング モスがドライバーに加わり、イギリス GPで初勝利を挙げました。その後のペスカーラ GP、イタリア GPでも優勝し、フェラーリマセラティを脅かす存在となりました。1958年にはスターリング モスとトニー ブルックスが共に3勝して、シリーズ11戦中6勝の成績でコンストラクターズ チャンピオンとなりました。ただこの頃に創業者トニー バンダーベルが健康を害したことで、レース活動は1958年限りとなりました。バンウォールの活躍はクーパー、BRM、ロータスなどのイギリス勢のF1マシンが台頭する先駆けとなりました。

 ミニカーは1993年頃に発売されたブルム製です。1958年のイタリア GPでリタイアした #26(ドライバー S.モス)をモデル化しています。(優勝したのは#28 ドライバー T.ブルックス) 上記の実車参照画像と見比べると、実車の雰囲気がうまく再現されていて良く出来ていました。ブルムはこれ以外にもバンウォール F1のミニカーを数車種モデル化していました。それ以外のバンウォール F1のミニカーはディンキー(英)の当時物、コーギーの当時物、ソリドの当時物、ポリトーイの当時物などがあり、当時の老舗ブランドが揃ってモデル化していることから、当時のバンウォール F1の人気が高かったことがわかります。当時物以外ではスパーク(レジン製)とTECNO MODEL(レジン製)があります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VANWALL F1 1
VANWALL F1 2

 以下は1983年に発売されたブルム製のバンウォール F1 イギリス GP 1957 (1/43 型番R98)の画像です。1957年のイギリス GPでリタイアした#18をモデル化しています。(このレースでは#20のバンウォール F1が優勝しています) ブルムのバンウォール F1としては最初に発売されたもので、上記の型番R199とはフロントノーズにエアインテークが付いていないなど外観が多少違っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VANWALL F1 3
VANWALL F1 4

 以下は1958年に発売されたディンキー(英)製の当時物 バンウォール F1 1957 (1/43 型番239)の画像です。約65年前に作られた1950年代のビンテージミニカーですので素朴な作りです。作りは簡素ですが、プロポーションが良く実車の雰囲気がうまく再現されていたので、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。当時のレースカーのミニカーにはドライバーフィギュアが付いているものが多く、これもそれらしい格好をしたドライバーが乗っています。これは1985年頃にコレクター仲間から譲っていただいたものでしたが、ボディに比べるとタイヤが綺麗なので、タイヤは交換されているかもしれません。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VANWALL F1 5
VANWALL F1 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VANWALL F1 7
VANWALL F1 8

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1744

JAGUAR MK IX 1958 UK

JAGUAR MK IX
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
JAGUAR MK IX


OXFORD JAG9002 1/43 全長 118mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.99m 全幅約1.85m エンジン 変速機: DOHC 6気筒 3.8L 220HP 4段変速
性能: 最高速183km/h  データーベースでジャガー MKのミニカー検索

ジャガー MK IX イギリス 1958年

 

 前述したジャガー MK IVの後継車として戦後型の新型サルーンとしてジャガー MK Vが1948年に登場しました。シャーシは新設計され、ボディは3.5 サルーンより大きくなり、ヘッドライトがフェンダーに組み込まれて少しだけ新しい外観になりました。エンジンはMK IVと同じ6気筒2.7L/3.5Lを搭載していました。4ドアセダンと2/4ドア ドロップヘッド クーペがあり、4段変速で最高速155km/h(3.5L)の性能でした。(実車画像→ ジャガー MK V)

 

 1950年にはボディと一体化したフェンダーを持つ近代的なデザインを採用したMK VIIが登場しました。(なおMK VIは欠番で存在しません) シャーシはMK Vのままでしたが、エンジンはXK120と同じDOHC 3.5L(160HP)を搭載し、最高速168km/hと大型車ながらもかなり高性能でした。同等の性能をもつベントレーなどの高級車よりも安く、XK120をイメージさせるダイナミックなスタイルのMK VIIはアメリカ市場で好評を博しました。MK VIIは1956年にフロントグリルを変更しエンジンを210HPにパワーアップしたMK VIIIに、1958年に3.8L(220HP)エンジンに変更したMK IXに発展しました。さらに1961年には大型化されたMK Xにモデルチェンジしました。MK VからMK IXの総生産台数は約47000台でした。

 

 

 ミニカーは2010年に発売されたオックスフォード製で、MK IXをモデル化しています。正確なプロポーションと実車に即したツートンカラーで、この古典的な大型高級車の雰囲気が良く再現されていました。フロントグリルとその上のジャガーのマスコットなどの細部もうまく仕上げてあります。オックスフォードはこの類のクラシックカーのダイキャスト製ミニカーを良い出来ばえで作ってくれる有難いブランドです。このMK IXも良い出来ばえで、出来ばえに見合った適正な価格(定価4620円)でした。オックスフォードはMK V、MK VII、MK VIIIもモデル化しています。オックスフォード以外では、ネオ(レジン製)のMK Vと MK VIII、イクソの MK VIIなどがあります。 以下はフロント(マスコット拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

JAGUAR MK IX 1
JAGUAR MK IX 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=802

LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 1958 UK

LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK


CORGI 477 1/46 全長 100㎜ (アーム除く)
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.45m 全幅約1.68m エンジン 変速機: 4気筒 2.3L 72HP 4X2段変速 4WD
性能: 最高速105km/h  データーベースでランドローバー シリーズ IIのミニカー検索

ランドローバー シリーズ II 109 レッカー車 イギリス 1958年

 

 前述したようにランドローバーは戦時中のジープをヒントにした多目的の小型車として開発されました。したがって最初はホイールベースが80インチ(2.03m)と短いオープンの小型トラックでした。ボディはアルミ製のシンプルな物で、キャンバス製の屋根とドア上半分はオプションで、ヘッドライトは最初はフロントグリルの内側についていました。(多分オフロード走行を考量しての処置?) またエンジン始動は手動のクランク式ハンドル(知らない人もいるでしょうが)でも可能でした。

 初期のランドローバーの4輪駆動方式は2段の副変速機を持つ本格的なフルタイム4WDでした。副変速機は通常は高速側で使い、極めて滑り易い路面などを極低速で走行する場合に低速側にセットします。フルタイム4WDながらトランスファーにフリーホイール機構を備えていたので、前輪の駆動力をカットすることもできました。後に高速では2WDと4WDを切り替えることもできるようにもなったようです。

 

 農業用トラクターとしての需要も見込んでいたので、農業用のスキやクワを取り付けるアタッチメント接続機構やそれを駆動する為のPTO(Power Take Off:動力取出装置)も最初から設定されていました。この構造はドイツの多目的車 メルセデス ベンツ ウニモグと同じで、ウニモグ同様にランドローバーも乗用車だけではなく、消防車やレッカー車など様々な用途で使われることになりました。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1974年に購入しました。このランドローバー ピックアップをコーギーが最初にモデル化したのは1957年で、シリーズ Iをモデル化していました。その後この型を使って様々なバリエーションが作られ、1960年頃に型が少し修正されてシリーズ IIのモデルに変わったようです。(ただ小修正なので厳密にはシリーズ IIとは言えないかも) このレッカー車仕様は1960年に型番417で登場しその後3回仕様変更されて、最終的に型番477として1977年頃まで販売されたロングセラーのミニカーでした。(約170万台以上が売れました)

 画像のレッカー車は型番477の最終型で、ホイールが見た目が良くないスピードホイールに変更されていました。1960年代に型が作られているので素朴な作りですが、プロポーションは良くできていました。クレーンは左側面のノブを回すことで巻上げることができます。単純なしかけですが、子供向けギミックとしては人気があったようです。これ以外のシリーズ IIの当時物ミニカーとしてはスポットオン、ディンキーなどで色々な仕様がありました。当時物以外では、ビテス、オックスフォード、ブレキナ、バンガーズなどたくさんあります。以下はフロント/リアの拡大画像と荷台のカバーを外したクレーンの巻上げ部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 1
LAND ROVER SERIES II 109 TOW TRUCK 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1892

TRIUMPH TR3A 1958 UK

TRIUMPH TR3A
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRIUMPH TR3A


VITESSE 240 1/43 全長 87㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.84m 全幅約1.4m エンジン 変速機: 4気筒 2.1L 100HP 4段変速
性能: 最高速177km/h  データーベースでトライアンフ TR2/TR3のミニカー検索

トライアンフ TR3A イギリス 1958年

 

 アメリカ市場で好評であったジャガー XKMG TDの間を狙って開発されたのが、トライアンフ TR1(プロトタイプ)で1952年に発表されました。このTR1の評判が良かったので、翌年にTR2が発売されました。MG TDよりも近代的ですが、イギリス風の切れ込んだドアを持つクラシックな外観のボディに、4気筒2L(90HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速160km/hの性能でした。

 

 TR2はまさしくジャガーとMGの中間のサイズと性能でした。価格的にはジャガーの半値ぐらいで、性能の割に安かったので好評だったようです。1955年にフロントに格子形状のフロンドグリルを追加してエンジンを95HPにパワーアップしたTR3となりました。1957年にはフロントグリルの幅が広くなり、エンジンを100HPにパワーアップしたTR3Aに発展しました。1961年にボディを一新したTR4にモデルチェンジしました。TR2/3シリーズは約8万台が生産され、そのほとんどがアメリカに輸出されました。

 

 

 ミニカーは1986年に発売された初期のビテス製です。左ハンドルですので輸出仕様のモデル化で、リアに荷物用のラックが付いています。 ビテスはマニア向けのブランドでしたから、1980年代のミニカーとしてはプロポーションが良くそこそこの良い出来ばえでした。ナンバープレートのデカールやドアミラーのパーツが付属していましたが、取り付けていません。TR2/3の当時物ミニカーとしてはテクノ、ディンキー、コーギー、スポットオンがありました。当時物以外では京商の1/18、 ビテスの再販物、バンガーズ、スパーク(レジン製)などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

TRIUMPH TR3A 1
TRIUMPH TR3A 2

 以下は1988年に発売されたビテス製のトライアンフ TR2 (1/43 No.243)の画像です。上記のTR3Aのバリエーションで、TR2の奥まっているフロントグリルが再現されています。(実車画像→ トライアンフ TR2) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRIUMPH TR2 1
TRIUMPH TR2 2

 以下は2002年に発売されたデルプラド製の世界の名車シリーズのトライアンフ TR3 (1/43 No.54)の画像です。これもフロントグリルの幅が広いTR3Aをモデル化しています。中国製でメーカーは不明ですが、プロポーションが良くフロントグリルやエンブレムなど細かいところもそこそこリアルでした。この名車シリーズのなかでは出来の良い部類のミニカーに仕上がっていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRIUMPH TR3 3
TRIUMPH TR3 4

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
TRIUMPH TR3 5
TRIUMPH TR3 6

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=819

HILLMAN MINX IIIA 1958 UK

HILLMAN MINX IIIA
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
HILLMAN MINX IIIA


VANGAURDS VA06800 1/43 全長 95㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.1m 全幅約1.55m エンジン 変速機: 4気筒 1.6L 53HP 4段変速
性能: 最高速127km/h  データーベースでヒルマン ミンクスのミニカー検索

ヒルマン ミンクス IIIA イギリス 1958年

 

 1919年に自動車ディーラーとして創業したルーツ社は、1920年代にイギリス最大の自動車販売会社に発展しました。ルーツ社は1930年代にヒルマン、ハンバー、サンビーム、タルボといった自動車メーカーを傘下に収め、ルーツ グループを形成しました。第2次大戦後にシンガーを買収し、ルーツ グループは1950年代後半にはBMCに次ぐ自動車メーカーとなりました。

 

 ルーツ グループ傘下となったヒルマンは自転車メーカーの創業者であったウイリアム ヒルマンが起こした老舗の自動車メーカーでした。ミンクスは戦前の1931年に発表された大衆車で、戦前はかなりヒットした車でした。信頼性が高かったので、戦時中も軍用車として生産され、戦後もそのまま生産されました。(実車画像→ ヒルマン ミンクス 1932年 参照画像→ ヒルマン ミンクス 1946年)

 

 

 ヒルマン ミンクスは1956年に著名なデザイナーのレイモンド ローウイがデザインした新型にモデルチェンジしました。新型は4気筒1.4L(51HP)エンジンを搭載し、4段変速で最高速125km/hの性能でした。セダン、コンバーチブル、エステートワゴン(ハスキー)がありました。ミンクスはルーツ グループの他のブランドであるシンガーやハンバーの名前を付けた姉妹車のプラットフォームとしても使われました。ミンクスは改良されて1970年頃まで生産されました。なお日本のイスズ自動車がこの車のノックダウン生産を行い、イスズのヒルマン ミンクスとして1953年から1964年まで販売していました。

 ミニカーは2004年に発売されたバンガーズ製です。1958年に登場したミンクス シリーズ IIIAと呼ばれるタイプをモデル化しているようです。レイモンド ローウイがデザインした一番知られているデザインのボディを正確に再現していて、当時の流行だったツートンカラーのカラーリングで仕上げてあり良い出来ばえでした。フロントグリルや室内などの細部も良く仕上げてあります。当時物ミニカーとしてはスポットオンやディンキーの物がありました。なおイスズのヒルマン ミンクスはトミカ リミッテドでもモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

HILLMAN MINX 1
HILLMAN MINX 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=831

 

ページ  « 前へ 1...13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  ...49 次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2025 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.