ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

RENAULT 16 1965 FRANCE

RENAULT 16
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16


DINKY(FR) 537 1/43 100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.63m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 55HP 4段変速
性能: 最高速139km/h  データーベースでルノー 16のミニカー検索

ルノー 16 フランス 1965年

 

 ルノー フレガートの後継車として1965年にルノー 16が登場しました。当時の中型車としてはまだ珍しかった2ボックス ハッチバック スタイルを採用した前輪駆動車でした。大きく開くテールゲート(ハッチバック)を持つスタイルと折畳んで収納可能なリアシートで室内を多目的に使えるようにした発想は斬新で、その点が評価されて1966年のヨーロッパ カー オブ ザ イヤーに選出されました。当時もルノー 4など5ドア2ボックスの乗用/商用車は既にありましたが、この車の登場で大きく傾斜させたテールゲートを持つ乗用車をハッチバックと呼ぶようになりました。またこの車のシートアレンジの発想は現在のミニバンに通じる物です。

 

 前述したルノー 4と同じ横置きトーションーバーによるリアサスペンションを持つので、この車も左右のホイールベースが異なっていました。大柄な割りに980kgと軽量なボディで、4気筒1.5L(55HP)エンジンを搭載し4段変速機で最高速139km/hの性能でした。1968年に1.6L(85HP)エンジンを搭載した高性能版TSが追加され、1973年に5段変速機を備える豪華仕様のTXが追加されました。1974年にTX以外はフロントグリルが黒い樹脂製に変わりました。1975年に後継車のルノー 20/30が登場し1979年まで生産されました。総生産台数は約185万台でした。

 

 

 ミニカーは1965年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。ディンキー(仏)らしいプロモーションモデル的な作風で当時のミニカーとしてかなり良く出来ています。ボンネットとハッチバックが開閉し、この車の特徴であるシートアレンジ機能をリアシートが前後に移動するというギミックで再現しています。これ以外の当時物ミニカーはノレブ、サブロン、ソリドの1/32、コーギー、このディンキー(仏)をコピーしたオートピレンなどがありました。当時物以外ではビテス、ノレブの1/43と1/18、ノスタルジー、ミニチャンプスなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとハッチバック開閉/室内のリアシートがスライドするギミックのの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT 16 1
RENAULT 16 2

 以下は1976年頃に発売されたオートピレン製のルノー 16 (1/43 型番203)の画像です。上記のディンキー(仏)をそのままコピーしていて、ホイールぐらいしか違いがありません。開閉ギミックとリアシートがスライドするギミックも全く同じです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 3
RENAULT 16 4

 以下は1974年に発売されたノレブ製のルノー 16 TX (1/43 型番841)の画像です。ノレブは1965年にプラスチック製でルノー 16をモデル化していましたが、これはその型を流用してダイキャスト製で再生産したものです。豪華仕様TXをモデル化しているので、ヘッドライトが4灯式に変更されています。当時の廉価版ミニカーなので安っぽいホイールが付いているのが残念ですが、プロポーションは良く結構リアルな出来ばえです。ボンネットとハッチバックの開閉ギミック付で、リアシート後部の棚板が可動します。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 5
RENAULT 16 6

 以下は1971年頃に発売されたサブロン製のルノー 16 (1/43 型番03)の画像です。サブロンはベルギーのメーカーで、米澤玩具(ダイヤペット)が代理店として輸入していました。サブロンのミニカーはホイールが合成ゴムのタイヤに添加された可塑剤で溶けるという問題がありました。(参照ページ→ ミニカーの材質と経年変化) このルノー 16もホイールが溶けたので、ホイール/タイヤを別のミニカーの物に交換しています。ホイールが溶ける問題はありましたが、サブロンのミニカーは当時としては出来の良いミニカーでした。このルノー 16もプロポーションが良く、ボンネット/4ドア/ハッチバック開閉のフルギミックです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 7
RENAULT 16 8

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームと4ドア/ハッチバック開閉の画像です。なお4ドアの開閉はそのヒンジの構造からフロント側を開いた後でなければリアのドアは開きません。したがってリアドアだけを開くことはできません。なお1/43で4ドア開閉可能のミニカーはこの構造の物がほとんどですが、なかにはメルクリン製のNSU Ro.80のように全て独立で開閉できる優れものもあります。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 9
RENAULT 16 10

 以下は1969年頃に発売されたコーギー製のルノー 16 TS (1/43 型番260)の画像です。これは高性能版のTSをモデル化しています。コーギー流のデフォルメで全長が短めになっていて車高が高いので、実車のイメージを外してはいないのですが、プロポーション的にはあまり正確ではありません。ただしコーギー流の凝ったギミックが付いています。ボンネットとハッチバックが開閉しリアシート後部の棚板が可動します。室内では底板部分にあるダイヤルを操作することでフロントシートのバックレストを倒すことができます。(シート横に見えるギヤ状の物がダイヤルです) フロントシートのバックレストを倒して室内をフルフラットにする機能は今では当たり前ですが、当時はこんな具合にギミック化されるほど斬新な機能だったのです。コーギーはこのルノー 16を使ってツール ド フランス 自転車レースを撮影するカメラカーも作っています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 11
RENAULT 16 12

 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームとハッチバック開閉/フロントシートバックを倒すギミックの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 13
RENAULT 16 14

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RENAULT 16 PARAMOUNT FILM UNIT TOUR DE FRANCE 1965 FRANCE

RENAULT 16 PARAMOUNT FILM UNIT TOUR DE FRANCE
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 16 PARAMOUNT FILM UNIT TOUR DE FRANCE


CORGI GS13 1/43 115mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.3m 全幅約1.63m エンジン 変速機: 4気筒 1.5L 55HP 4段変速
性能: 最高速139km/h  データーベースでツール ド フランス(自転車) 関係のミニカー検索

ルノー 16 パラマウント カメラカー ツール ド フランス フランス 1965年

 

 ツール ド フランスはフランスを中心に周辺国で行なわれる自転車のプロレーサーによるロードレースで、世界最大の自転車レースとして知られています。毎年7月に約3週間の日程で行われ、コースは平坦なステージ、山岳ステージ、タイムトライアルステージの全21ステージが設定され、全行程は約3300km(高低差2000m)になるそうです。1チームは9人編成で、20数チームが参加し、参加する選手はヨーロッパだけではなくアメリカやオーストラリアなど全世界から集まります。なお自動車レースのツール ド フランスは1899年から1986年まで開催されていて、この自動車レースをヒントにして1903年から自転車レースのツール ド フランスが始まったようです。

 

 世界最大の自転車レースですから、フランスでは国家的な規模でサポートされる一大イベントとなっています。レース中にはチームをサポートするサービスカーやバイクが選手と共に移動します。また選手が通過する前に各チームのスポンサーが宣伝カーを繰り出し、沿道の観客にお菓子や応援グッズなどを配るそうです。それらの宣伝カーは日本の祭りの山車のように趣向を凝らした面白い物が多く、それらもこのイベントの楽しみとなっているようです。

 

 

 ミニカーはコーギーの当時物で、1968年に発売されました。ツール ド フランスを撮影する映画会社パラマウントのルノー 16 カメラカーに自転車レーサーを追加したセット物で、コーギーお得意のミニ ジオラマ仕立ての楽しいミニカーです。カメラカーは型番260のルノー 16の屋根にパラマウントのロゴパネルを付け、リアにカメラ台とカメラマン(コーギーの型番479コマー PB カメラ バンと同じ物)をセットしてあります。自転車レーサーはダイキャスト製ホイールと軟質プラスチックフレームの自転車(スタンド付)に良くできたフィギュアが乗っています。(子供が乱暴に扱っても壊れないよう軟質プラスチックを使っているのは老舗らしい配慮です) コーギーは型番510でシトロエン DS ツール ド フランス 監督車もモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像とカメラマンの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT 16 PARAMOUNT FILM UNIT TOUR DE FRANCE 1
RENAULT 16 PARAMOUNT FILM UNIT TOUR DE FRANCE 2

 以下はミニカーの箱とカメラカーと自転車レーサーの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

DOME ZERO 3
DOME ZERO 4

 ツール ド フランス(自転車)は人気が高いので、自転車レーサー、サービスカー、宣伝カーなどがミニカーになっています。ポリスティル、ベレム、ノレブなどの当時物がありますが、ほとんどはノレブの最近の物です。ノレブにはサイクリストのフィギュアが揃っていて、変わった形の面白い宣伝カーもたくさんあります。(当方のデーターベースでは約100種類がリストアップされています →データーベースでツール ド フランス(自転車) 関係のミニカー検索)

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RENAULT 6 1968 FRANCE

RENAULT 6
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 6


DINKY(FR) 1416 1/43 90㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.85m 全幅約1.54m エンジン 変速機: 4気筒 845cc 35HP 4段変速
性能: 最高速120km/h  データーベースでルノー 6のミニカー検索

ルノー 6 フランス 1968年

 

 ルノー 6はルノー 4の上級車として1968年に登場しました。ルノー 4の上級車にはリアエンジンのルノー 8がありましたが、ルノー 6はフロントエンジンの前輪駆動車で1965年に登場したルノー 16によく似たデザインのボディをルノー 4のシャーシに載せたものでした。 内装もルノー 4より豪華で、エンジンはドーフィンのゴルディーニ仕様の845cc(35HP)を搭載し4段変速で、最高速120km/hの性能でした。 操縦性も改善されていて、全てにおいてルノー 4の上級仕様でした。

 

 1970年にはアンダーパワーとの不評に対応してルノー 8用の1.1L(45HP)エンジンが追加され、フロントディスクブレーキが採用されました。1974年にはヘッドライトが角形になりリアライトとフロントグリル/バンパーが変更されました。1978年にフロントグリルが黒い樹脂製に変わりました。1976年に後継車のルノー 14が登場し、1980年に生産中止となりました。ルノー 6をベースにしてサンパールの4輪駆動システムを採用したジープ形式のロディオ 6という4輪駆動車もありました。(実車画像→ ルノー ロデオ 6 1973)

 

 

 ミニカーは1969年に発売されたディンキー(仏)製の当時物です。前述したディンキー(仏)製のルノー 4、8、16などと同様にこのルノー 6もプロモーションモデル的な作風で、素朴ながら当時のミニカーとしては良く出来ています。ディンキー(仏)は当時のフランス車のほとんどをモデル化していたので、ルノー車だけを並べてみると同じ作風のミニカーでルノーのラインアップができあがります。(これが同じ縮尺のミニカーをコレクションすることの楽しみの一つなのです) なお同じフランスのブランドでもソリドはあまり実用車をモデル化していませんので、ソリドでラインアップを揃えることはできません。これ以外のルノー 6のミニカーはオートピレン、ポリトーイの1/55、ノレブなどがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

RENAULT 6 1
RENAULT 6 2

 以下は1976年頃に発売されたオートピレン製のルノー 6 1974 (1/43 型番204)の画像です。これは上記ディンキー(仏)製のルノー 6をコピーした物です。ただしフロントグリルとバンパーを1974年式に変更してあり、オートピレンなりの一工夫が見られます。 (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
RENAULT 6 3
RENAULT 6 4

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ALPINE RENAULT A110 MONTE CARLO 1968 FRANCE

ALPINE RENAULT A110 MONTE CARLO
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 MONTE CARLO


SOLIDO 181 1/43 90mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約1.5m エンジン 変速機: 4気筒 1.1L 95HP 5段変速
性能: 最高速200km/h  データーベースでアルピーヌ ルノー A110のミニカー検索

アルピーヌ ルノー A110 モンテ カルロ フランス 1968年

 

 前述したようにアルピーヌはルノーをベースにしたスポーツカーを製作していました。アルピーヌはエンジン チューナーであるゴルディーニと提携することで、より強力なエンジンを使えるようになりました。1962年にルノー 8が登場し、これをべースにしたA110が1963年に登場しました。A110は空力に優れたFRP製の軽量ボディにゴルディーニのチューンした高性能エンジンを搭載し、独自のサスペンションを持つ本格的なスポーツカーでした。

 

 当初は4気筒1.1Lエンジン搭載でしたが、1966年に1.3L、1967年に1.5L、1968年に1.6L(102-140HP)など排気量を拡大し様々なエンジンが搭載されました。外観も少し変更され、1968年から埋め込み式補助灯を標準で装備する良く知られたフロントノーズとなりました。少数ですがカブリオレ仕様もありました。1973年にアルピーヌはルノー傘下の会社となりました。A110は軽量ボディと高い後輪荷重による後輪駆動力を強みにしてラリーで大活躍し、1973年にはWRC マニファクチャラー チャンピオンとなりました。しかしこのリアエンジン方式は次第に時代遅れとなりラリーで勝てなくなりました。A110は1977年に生産中止となり、後継車は1971年に登場したA310でした。

 

 

 ミニカーは1970年に発売されたソリドの当時物です。1968年のモンテ カルロ ラリー出場車のモデル化で本来はデカールが付いていたのですが、ノーマル仕様が欲しかったのでデカールを剥がしています。ソリドらしいシャープな造形で、当時のミニカーとしてはかなり良い出来ばえでした。よく見ると後輪にネガティブキャンパーが付けられています。ソリドは同じ型の再生産品やべレム ブランドでレース仕様などを20種類以上モデル化しています。当時物ミニカーとしてはノレブのプラスチック製、ポリトーイの1/25、Bブラーゴの1/24などがありました。当時物以外ではトロフューがレース仕様を多くモデル化していて、ミニチャンプス、ノレブ、京商の1/18などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALPINE RENAULT A110 7
ALPINE RENAULT A110 8

 以下は1977年に発売されたポリトーイの当時物のアルピーヌ ルノー A110 モンテ カルロ 1973 (1/25 型番S21)の画像です。1973年モンテ カルロ ラリーの優勝車#18をモデル化しています。ポリトーイのSシリーズ(1/25)は大スケールミニカーのパイオニアで、同シリーズ初期の数点は精密な作りで当時としては非常に良く出来ていました。このA110はシリーズ初期物よりレベルが落ちますが、ボンネット/ドア/トランク開閉のフルギミックでエンジンや室内もそこそこリアルに出来ています。ラリー車に付き物のゼッケンやロゴはまだデカールではなく紙のシールが使われています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 1
ALPINE RENAULT A110 2

 以下はフロント/フロントフードを開いたトランクの画像とリア/リアフードを開いたエンジンルームの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 3
ALPINE RENAULT A110 4

 以下は2000年に発売されたミニチャンプス製のアルピーヌ ルノー A110 1963 (1/43 型番430113604)の画像です。ミニチャンプスらしいそつのない良い出来ばえです。  (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 11
ALPINE RENAULT A110 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。リアバンパーの下に大きな排気管があります、ややオーバー気味ですが実車の排気管もこんな具合に大きいです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 13
ALPINE RENAULT A110 14

 以下は2003年に発売されたデルプラドの世界の名車シリーズ製のアルピーヌ ルノー A110 1963 (1/43 型番181)の画像です。メーカーは不明ですが、ちょっと見ただけでは上記のミニチャンプス製と同じように見えますので、当時の雑誌付きミニカーとしてはかなり良い出来ばえです。(よく見ると明らかに仕上げレベルが違いますが) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A110 13
ALPINE RENAULT A110 14

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ALPINE RENAULT A210 1968 FRANCE

ALPINE RENAULT A210
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A210


LE MANS CAR COLLECTION (SPARK HACHETTE) No.21 1/43 100㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.35m 全幅約1.52m エンジン 変速機: 4気筒 1470cc 140HP 5段変速
性能: 最高速270km/h  データーベースでアルピーヌ ルマン参戦車のミニカー検索

アルピーヌ ルノー A210 フランス 1968年

 

 1963年にアルピーヌはルマンに参戦する為に初のスポーツ プロトタイプカー M63を開発しました。エンジンはゴルディーニがチューンしたルノー製の4気筒1L(95HP)をミドシップ搭載し、ボディはイギリスの技術者T.テリーが設計した空力的に優れたデザインでしたので95HPと非力ながら最高速は220㎞/hを超えました。M63は1963年のルマンに参戦しましたが完走できませんでした。1964年ルマンにはエンジンを1.1Lに拡大した改良型のM64で参戦し、最高速240㎞/hを達成し熱効率指数賞を獲得しました。1965年ルマンにはさらなる改良型M65で参戦しましたが、完走できませんでした。(同年のニュルブルクリングでは優勝している)

 

 この結果を受けて新規に4気筒1.3Lエンジンを搭載するA210が開発されました。A210は1966年ルマンで9、11、12、13位に入賞し、熱効率指数賞では1-3位を独占しました。1967年ルマンでもA210は9、10、12、13位に入賞しています。ゴルディーニはA210用のV型8気筒3Lエンジンを開発し、1967年にそのエンジンを搭載したA211が登場しました。1968年にはA211の改良型A220が登場し、同年のルマンではA220が8位、1.5LエンジンのA210が9位、1.3LエンジンのA210が10、11位に入賞しました。3LクラスのA220は成績が振るわなかったことで、アルピーヌはプロトタイプカーのレース活動を休止しました。

 

 

 ミニカーは2019年に発売されたルマン レースカーコレクション製です。メーカーはスパークで1968年ルマンで9位入賞したA210をモデル化しています。スパークはカタログモデルでもレジン製でA210を数種類モデル化していますが、これは製作台数が多いのでダイキャスト製です。メタル製のワイパーなどレジン製とほとんど変わりがない仕上げとなっているようですので、安価な雑誌付きミニカーながら、かなりレベルの高い出来ばえとなっています。(室内の仕上げは簡略化されているようですが、レースカーの場合室内は殺風景ですからあまり重要ではありません) 以下はフロント/リアの拡大画像と俯瞰/室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ALPINE RENAULT A210 1
ALPINE RENAULT A210 2

 1973年にアルピーヌはルノーに買収されて子会社となりました。ルノー傘下でアルピーヌはレース活動に復帰し、ルノー ゴルディーニのV型6気筒2Lターボエンジンを搭載するスポーツ プロトタイプカー A440を開発し、ヨーロッパ選手権に参戦しました。A440はA441、A442と改良されて1976年にはルマンに復帰しました。1976年と1977年は善戦するもリタイアしましたが、1978年には悲願の初優勝を遂げました。A442Aは屋根のないオープン仕様で、A442Bは屋根付きの仕様でした。(実車画像→アルピーヌ ルノー A442B 1978) その後このV型6気筒ターボエンジンでルノーはF1 GPに参戦することになりました。 以下は2019年に発売されたルマン レースカーコレクション製のアルピーヌ ルノー A442B #2 ルマン 優勝 1978 (1/43 No.8)の画像です。メーカーはスパークで、総合優勝したA442B 2号車をモデル化しています。スパークはレジン製でも同じくマシンをモデル化していますので、これもそのダイキャスト版となります。上記のA210同様に安価な雑誌付きミニカーながら、細部までリアルでかなり良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 1
ALPINE RENAULT A442B LE MANS 2

 1978年ルマンから35年後の2013年にアルピーヌはFIA世界耐久選手権(WEC) LMP2クラスにアルピーヌ A450で参戦しました。日産製のV型8気筒4.5Lエンジンを搭載したA460は、2016年ルマンでクラス優勝しています。その後も改良型のA470(ギブソンテクノロジーズ社のワンメイク用V型8気筒4.2Lエンジン搭載)でWECに参戦しています。以下は2020年に発売されたルマン レースカーコレクション製のアルピーヌ A470 ギブソン #36 ルマン 2018 (1/43 No.34)の画像です。メーカーはスパークで、2018年ルマンで5位(LMP2クラス優勝)となったA470 36号車をモデル化しています。上記の2台同様に安価な雑誌付きミニカーながら、アンテナや空力パーツなどの細部までリアルに再現されていてかなり良い出来ばえです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 1
ALPINE RENAULT A470 LE MANS 2

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