ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

BENTLEY 3L 1926 UK

BENTLEY 3L
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L


IXO CLC016 1/43 98mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.34m 全幅約1.74m エンジン 変速機: 4気筒OHC 3L 90HP 4段変速
性能: 最高速150km/h  データーベースでベントレー 戦前のミニカー検索

ベントレー 3L イギリス 1926年

 

 ベントレー社は第1次大戦中に航空機エンジン設計を手がけたウォルター オーエン ベントレー (Walter Owen Bentley)が1919年に設立しました。1921年に発売された最初のモデル 3Lは、当時のレーシングカー並のOHC 4バルブ4気筒3L(70HP)エンジンを搭載し4輪ブレーキを備えた高性能車でした。1923年に80HPにパワーアップしたスピード、1925年に85HPにパワーアップしたスーパースポーツが追加されました。1929年まで生産され、総生産台数は約1600台でした。

 

 ベントレーは1923年から始まったルマン 24hレースに参戦し、1924年のルマンで3Lが初優勝しました。当時の自動車レースではベンツ、プジョーなどが活躍していてイギリス車は不振でした。そんな訳でベントレーがルマンで初優勝したことはずいぶん画期的なことだったようです。当時のベントレーのレース活動を資金援助やアマチュアドライバーとしてサポートしたファクトリーチームは「ベントレー ボーイズ」と称されました。このベントレーボーイズの活躍で、ベントレーは1927年からルマンで4連勝してイギリスのスポーツカーとして有名になりました。なお1931年にベントレー社はロールス ロイス社に買収されレース活動から撤退しました。

 

 

 ミニカーは2002年に発売されたイクソ製です。イクソが作るクラシックカーはいずれも出来が良いのですが、このベントレーも実車のスパルタンな雰囲気がうまく再現されていて、ホイールや泥よけフェンダーなどの細部もリアルで良い出来ばえです。フロンスクリーンの横についたクラクションが時代を感じさせます。イクソは同じ型で1924年と1927年のルマン優勝車もモデル化しています。イクソ以外のベントレー 3Lのミニカーは1960年代のコーギーがストリート仕様と1927年のルマン優勝車をモデル化していました。 以下はフロント/リアの拡大画像です。ヘッドライトがやや下を向いていますが、これは多少のガタがあって撮影時に少し傾いたものです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY 3L 1
BENTLEY 3L 2

 以下は同時期に発売された上記のバリエーションでベントレー 3L 1924年 ルマン 優勝車 (1/43 型番LMC012)の画像です。ルマン仕様車といってもヘッドライトのストーンガードとゼッケンがついているぐらいしか外観の違いはありません。当時はストリート仕様車をパワーアップしただけの車がルマンで優勝できたのです。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L LE MANS 1
BENTLEY 3L LE MANS 2

 以下は1964年に発売されたコーギーのベントレー 3L 1927年 ルマン優勝車 (1/43 型番9001)の画像です。1960年代のコーギーのクラシックカーのミニカーは数種類しかありませんが、いずれもマニア向けで当時としてはかなり出来の良いミニカーでした。このベントレーもホイール内側のドラムブレーキや真鍮パイプ製の排気管など凝った作りで、当時のミニカーとしては実に良く出来ていました。コーギーお得意のドライバーフィギュアが付いています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L LE MANS 3
BENTLEY 3L LE MANS 4

 以下はフロント/リアの拡大画像と床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 3L LE MANS 4
BENTLEY 3L LE MANS 5

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=200

BENTLY 6.5L SPEED-SIX GURNEY NUTTING ’BLUE TRAIN’ 1930 UK

BENTLY 6.5L  SPEED-SIX GURNEY NUTTING ’BLUE TRAIN’
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY 6.5L  SPEED-SIX GURNEY NUTTING ’BLUE TRAIN’


MINICHAMPS 436139500 1/43 112㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.8m エンジン 変速機: 6気筒 6597cc 160HP 4段変速
性能: 最高速141km/h  データーベースでベントレー 戦前のミニカー検索

ベントレー 6.5L スピード シックス ガーニー ナッティング ’ブルー トレイン’  イギリス 1930年

 

 成功したベントレー 3Lをベースにしてホイールベースを延長してSOHC6気筒6.6L(140HP)エンジンを搭載したベントレー 6.5Lが1926年に登場しました。4段変速で最高速135㎞/hの性能でした。6.5Lにはツインキャブレターと高圧縮比で160HPにパワーアップされた高性能版スピード シックスが設定され、4段変速で最高速148㎞/hの性能でした。スピード シックスのレース仕様(200HP)は1929年ルマンと1930年ルマンで優勝しています。6.5Lはレースで活躍しましたが、高価な6.5Lはベントレーが期待したほどは売れませんでした。6.5Lは1930年まで生産され、総生産台数はスピード シックスも含めて約550台でした。

 

 ミニカーがモデル化している実車はコーチビルダー ガーニー ナッティング製のクーペで、この車には「ブルー トレイン」という愛称が付いていました。これはベントレーの会長であったウルフ バーナート(Woolf Barnato)が同じタイプのベントレーでフランスの特急列車「トラン ブルー(ブルー トレイン)」と競争し、南仏カンヌ~仏カレー港のルートで、約4時間もの大差をつけて勝ったことに由来するそうです。(列車の終着駅はカレー港でしたが、列車がカレー港に到着する前にベントレーはドーバー海峡をフェリーで渡ってロンドンに到着していたとのことです)

 

 

 ミニカーは2006年に発売されたミニチャンプス製です。リアに大きなトランクがあってリアウインドーが小さい独特のスタイルをうまく再現しています。2006年頃がミニチャンプスの1/43ミニカーの品質が一番良かった時期だと思いますが、このベントレー スピード シックスもフロントグリル/ヘッドライトや室内などの細部が実にリアルに出来ています。またサイドウィンドーが小さいので見難いのですが、室内もかなりリアルに仕上げてあります。ベントレー 6.5Lの実車にはセダン系もあったのですが、ミニカーはレース仕様がほとんどで、セダン系は同じミニチャンプス製のコルシカ クーペとこのブルー トレインぐらいしかありません。これ以外では同じブルー トレインをイクソ、ブルムがモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。なおフロントグリル上部と最先端部のエンブレムが緑色なのはスピード シックスのみで、標準の6.5Lは青色でした。 以下はフロント(エンブレム拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLY SPEED-SIX 1
BENTLY SPEED-SIX 2

 以下は2006年に発売されたイクソ製のベントレー スピード シックス ブルートレーン (1/43 型番MUS003)の画像です。同じ車をモデル化していますが、上述のミニチャンプス製と屋根の形が少し違っています。実車画像を見るとミニチャンプスの方がそれらしい造形となっています。フロントグリルの出来ばえはミニチャンプスと同等ですが、サイドウィンドー上のドアバイザーや前輪のサスペンション部分を見るとミニチャンプスのほうがよりリアルにできていることがわかります。ただし価格はミニチャンプスが7100円でイクソは3400円でしたので、価格が倍以上のミニチャンプスのほうがリアルなのは当然で、逆にイクソはコスパが良いともいえます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 3
BENTLY SPEED-SIX 4

 以下はフロント(エンブレム拡大)/リアの拡大画像です。こちらもベントレーのエンブレムが緑色となっています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 5
BENTLY SPEED-SIX 6

 以下は1990年に発売されたブルム製のベントレー スピード シックス ブルートレーン (1/43 型番R185)の画像です。上述した2台より10年前に発売されていますので、細かいところは見劣りしますが、1990年当時のミニカーとしては良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 7
BENTLY SPEED-SIX 8

 以下はフロント/リアの拡大画像です。ナンバープレート「GJ 3811」は上記のミニチャンプス製と同じですので、同じ実車をモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 9
BENTLY SPEED-SIX 10

 以下は2002年に発売されたイクソ製のベントレー スピードシックス 1929年 ルマン優勝車 (1/43 型番LMC020)の画像です。これはイクソのルマン優勝車シリーズの1台で、2000年以降に発売されたミニカーですのでなかなか良い出来ばえです。イクソは同年のルマンで2位となった2号車も型番LMC081でモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 11
BENTLY SPEED-SIX 12

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 13
BENTLY SPEED-SIX 14

 以下は1983年に発売されたブルム製のベントレー スピードシックス 1930年 ルマン優勝車 (1/43 型番R099)の画像です。ブルムはベントレーのルマン レース仕様車を3種類モデル化していますが、何れも1980年代に作られたミニカーとしては良い出来ばえでした。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 15
BENTLY SPEED-SIX 16

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLY SPEED-SIX 17
BENTLY SPEED-SIX 18

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=204

BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 1930 UK

BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS


MINICHAMPS 436139530 1/43 ㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.5m エンジン 変速機: 4気筒OHC 4398cc 240HP 4段変速
性能: 最高速160km/h  データーベースでベントレー 戦前のミニカー検索

ベントレー 4.5L ブロワー ルマン イギリス 1930年

 

 ベントレー 6.5Lの販売不振で経営が悪化したベントレーは、売り上げを増やすために1927年に4気筒4.4L(110HP レース仕様170HP)エンジンを搭載した4.5Lを追加しました。エンジンは6.5Lの6気筒から2気筒分を外した設計で、4段変速で最高速148km/hの性能でした。同時にルマンに参戦するために、スーパーチャージャーを追加して175HP(レース仕様240HP)にパワーアップした4.5L ブロワーが開発されました。(BLOWERとは送風機でスーパーチャージャーの意です) フロント部分に追加されているのがふたつのローターがかみ合い送風するルーツ式スーパーチャージャーです。4.5Lは1931年まで生産され、総生産台数は約720台(ブロワーは約50台)でした。

 

 4.5Lは1928年のルマンで優勝し、1929年のルマンでは優勝した6.5Lに次いで2位から4位までを独占しました。4.5L ブロワーは1930年のフランス GPでは2位となっていますが、1930年ルマンではエンジンのトラブルでリタイアしています。4.5L ブロワーはパワーはあっても信頼性は低かったようです。同時代に活躍したブガッティの設計者エットール ブガッティはベントレーを「世界一早いトラック」といったそうですが、当時のベントレーはいかにもタフで頑丈そうな独特のイメージがありました。ベントレーはルマンで活躍しましたが販売不振が続き、1931年にロールス ロイス社に買収されレース活動から撤退しました。その後のベントレーはロールス ロイスのスポーティ版として存続していましたが、1998年にフォルクスワーゲンがベントレーを買収したことで、ロールス ロイスとの関係は解消されました。

 

 

 ミニカーは2005年に発売されたミニチャンプス製です。1930年のルマン出場車をモデル化しています。前述したようにミニチャンプスの1/43ミニカーはこの頃に作られたものが一番出来が良く、これは4.5L ブロワーの1/43量産ミニカーとしてベストだといえるほど良い出来ばえでした。スーパーチャージャー本体とその右横の保護カバー、フロントサスペンション、メータが並ぶインパネ、ボンネットの開口部から見えるエンジンなど実にリアルにできています。定価7350円と当時としては高価でしたが、それだけのことはありました。ミニチャンプスは1/18でもモデル化しています。これ以外の4.5Lのミニカーは、スポットオンのビンテージ物、マッチボックスのビンテージ物、フランクリン ミントの1/24、ブルム、最近のオックスフォードなどがあります。 以下はフロント(スーパーチャージャー拡大)/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 1
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 2

 以下はボンネット部分の拡大画像と床下部分の拡大画像です。ボンネット開口部から内部のエンジンが見えます。床下のスーパーチャージャー、サスペンションもリアルに再現されています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 3
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 4

 以下は1984年に発売されたブルム製のベントレー 4.5L ブロワー ルマン 1930年(1/43 型番R114)の画像です。ブルムのカタログではこれをスピード シックスとしていますが、フロントにスーパーチャージャーが付いているので正しくは4.5L ブロワーで、1930年ルマン参戦車をモデル化しています。(ブルムのカタログには間違いが結構あります) 上記のミニチャンプス製と見比べると見劣りしますが、1980年代に作られたミニカーとしては良く出来ていました。ブルムには型番R114Bで同じルマン出場車の#9もありました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 5
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 6

 以下はフロント/リアの拡大画像です。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 7
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 8

 以下は1985年に発売されたマッチボックス製のベントレー 4.5L ブロワー(1/40 型番Y02)の画像です。マッチボックスは4.5L ブロワーを3回モデル化しています。最初は1958年、次に1962年、最後は1985年でした。これはその最後に作られたもので、1/40なので1/43より少し大きめにできています。これも1980年代に作られたミニカーとしては良く出来ていました。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 9
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 10

 以下はフロント/リアの拡大画像です。。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 11
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 12

 以下は1962年に発売されたマッチボックス製のベントレー 4.5L ブロワー (1/52 型番Y05)の画像です。マッチボックスは4.5L ブロワーを3回モデル化しています。最初は1958年、次に1962年、最後は1985年でした。これはその2回目に作られたものです。60年以上も昔にここまでリアルなミニカーを作っていたわけですから、マッチボックスのビンテージ物のコレクターが多いことが納得できます。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 13
BENTLEY 4.5L BLOWER LE MANS 14

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

https://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=202

 

エドワード期 ← ページ 1   → サラブレッド期

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2024 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.