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トヨタ トヨペット クラウン RSD型 日本 1955年
前述したトヨタ SA型と同時に発売されたSB型小型トラックは、ラダーフレームに固定車軸の丈夫な構造である程度売れていました。(実車画像→ トヨタ SB型小型トラック) そこでこのSB型シャシーにセダンボディを載せたSD型乗用車が1949年に発売されました。さらにこのSD型の乗り心地などを改良したSF型が1951年に登場しました。(実車画像→ トヨタ SF型) 1953年に新型の4気筒1.5L(48HP)R型エンジンが開発され、このエンジンを搭載したトヨペット スーパー RH型が登場しました。エンジンのパワーアップで最高速は100km/h以上になり、タクシーに多く使われたそうです。(実車画像→ トヨペット スーパー RH型)
このRH型の後継車として1955年に登場したのが、トヨタを代表する国産高級車であるトヨペット クラウン RS型(初代)でした。クラウンは「王冠」の意で、初代から王冠のエンブレムがフロントグリルに付いていました。RS型は新たに開発した前輪独立懸架の乗用車用シャシに、RH型と同じ1.5L(48HP)エンジンを載せ、3段変速で最高速100km/hの性能でした。当時のアメリカ車をお手本にしたボディは、観音開きのドアを採用しているのが最大の特徴でした。なおSA型で失敗した前輪独立懸架は、耐久試験を繰り返して改良され、RS型ではタクシーでも問題が起こりませんでした。この前輪独立懸架に対するトヨタの拘りには、技術者の意地が感じられます。
1955年末にRS型の高級仕様RSD型が設定されました。エンジンは55HPにパワーアップされ、外観的にはフロントウィンドーが1枚ガラスとなり、ボンネット先端のマスコット、サイドモールが追加されました。またフォグランプ、真空管式カーラジオ、時計、ヒーターなどが装備されていました。1958年のマイナーチェンジで後期型のRS20型となり、フロントグリルとサイドモールが変更されました。1959年には4気筒1.5L(40HP)ディーゼル エンジンC型が搭載された、国産初のディーゼル乗用車が設定されました。1960年には1.9L(77HP)エンジンを搭載したRS30型が追加されこの車はボディが少し大きくなり、2速AT車の設定もありました。クラウン RS型には当時の国産車として初めての技術がたくさん盛り込まれていました。1962年にクラウン 2代目(S40型)にモデルチェンジしました。
ミニカーは2006年に発売されたアシェット 国産名車コレクション製でメーカーはノレブです。クラウン RS型の初期型をモデル化しています。プロポーションが良く、灯火類/クロームモール/フェンダーミラーなどの細部もリアルで、かなり良い出来ばえです。雑誌付きミニカーですのでコストの関係で室内は無彩色ですが、コラムシフトレバーが再現されているなどそこそこリアルに作ってあります。クラウン RS型の当時物ミニカーはモデルペットがありましたが、超レア物で写真でしか見たことがありません。当時物以外ではエブロのRSD型とRS21型、エブロを流用したトサ コレクション、J-43(アンチモニー製)のRS20/30型、REAL-Xの1/72、トミカ リミッテドの1/64、国産名車コレクションの1/43と 1/24などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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GM オールズモービル 98 スターファイアー コンバーチブル アメリカ 1956年
オールズモービルは1897年に設立されたアメリカで最も古い自動車メーカーで1908年にGM傘下となりました。GMグループではビュイックに次ぐ中級車で、1950-1960年代には先進的な技術やデザインを特徴とするブランドでした。オールズモービルの98シリーズはオールズモービルの最上級モデルで初代は1941年に登場しました。(実車画像→ オールズモービル 98 初代 1941) 1954年に98シリーズ 4代目が登場し、その最上級仕様のコンバーチブルにつけられた名前がスターファイアーでした。(スターファイアーとは当時のジェット戦闘機の名前にちなんだものです) 1958年には98のシリーズ名が消えて単にスターファイアーとなりました。
1961年にスターファイアーの2代目が登場し、この世代ではハードトップクーペも追加され1966年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 2代目 1961)その後スターファイアーの名前は一時的に消滅し、1975年にスターファイアーの3代目はサブコンパクトカーとして登場しました。この車はシボレー モンザの姉妹車で1980年まで生産されました。(実車画像→ オールズモービル スターファイアー 3代目 1975)
ミニカーは1990年頃に作られたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台で、スターファイアー 初代をモデル化しています。ややレトロな造形ながらもドア/ボンネットが開閉しエンジン/サスペンションや内装もリアルに再現されているなど、このシリーズに共通する凝った作りで良く出来ていました。なおこのミニカーはウインドー枠が少し太いですが、これは簡単に壊れないよう考慮されているのであって、技術的に細く作れなかった訳ではありません。この辺の事情は昔の国産のダイヤペットなども同じで、当時の国産ミニカーは購入者(主に子供)が乱暴に扱っても簡単に壊れないことという制約下で設計されていたのです。このような背景を考慮しないで昔のミニカーを一括りにして作りが大雑把だったとするのは正しい評価ではありません。(もちろん作りが稚拙なものもありましたが) これ以外の同時期のオールズモービルのミニカーはウエリー(WELLY)の1/18、ダンバリー ミントの1/24、ニューレイ、ヤトミンのシグネチャーなどがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード リンカーン コンチネンタル MK II アメリカ 1956年
この当時のフォード リンカーンにはマーキュリーをベースにしたスタンダードと高級なコスモポリタンの2シリーズがありました。リンカーン コスモポリタン 1950年式は大統領専用車「コスモポ リタン スペシャル」として有名でした。フォードは1956年にヨーロッパ的な高級車を担当するコンチネンタル部門を新設し、戦前のコンチネンタルをコンチネンタル MK IIとして復活させました。リアトランクに搭載したスペアタイヤなど初代のイメージを残しながら近代化した優雅なデザインで、初代同様に品があって美しい車でした。(当時のアメリカ車につきものだった派手なクロームモールも極力抑えてありました)
コンチネンタル MK IIは月100台の限定(手作り!)生産で、価格1万ドル(普通のリンカーンの2倍 現在の貨幣価値で約1000万円くらい)もするロールス ロイス並みに高価な車でした。ただ1万ドルでも手作りゆえに赤字だったそうで、約3000台が生産されただけで1957年には生産中止となりました。1957年以降コンチネンタル部門は、ヨーロッパ風高級車ではなく、GM キャディラックなどの他社製高級車に対抗する車を担当する部門にかわりました。1958年に3代目のコンチネンタル MK IIIが登場しました。
ミニカーはフランクリン ミント製で1950年代のアメリカ車を1/43でモデル化した1950年代シリーズの1台で、1989年頃に発売されました。ヘッドライトをメッキパーツで表現するなどややレトロな作風ですが、その作風が実車の雰囲気にうまくマッチしていて、実に良い出来ばえでした。ボンネット/ドアが開閉するギミック付きで、エンジンルーム内のエンジンや室内のインパネなど細部がリアルに再現されていて、当時の1/43サイズのミニカーとしては最上級レベルの出来ばえでした。(ボンネット先端のエンブレムもリアルです) これ以外のコンチネンタル MK IIのミニカーとしては、マーキュリーの当時物、フランクリン ミントの1/24、ヤトミンの1/18、ミニチャンプス、オックスフォードの1/87などがあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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フォード サンダーバード アメリカ 1956年
1955年に登場したフォード サンダーバードは2シータのオープンカーで、1953年に発表されたGMのコルベットと同様ヨーロッパのスポーツカーを意識したものでした。ただしコルベットのような本格的なスポーツカーではなく豪華でスポーティな車というコンセプトでしたオープンカーですが脱着可能なグラスファイバー製ハードトップが標準装備されていました。V型8気筒(4.81L 212HP)エンジンを搭載し3段変速で最高速187km/hの性能でした。
1956年にスペアタイヤがリアに搭載されてトランクが拡大されました。ハードトップに円形の窓がオプション設定され、ハイパワーのV型8気筒(5.1L 225HP)エンジン追加されました。1957年にはフロントバンパー形状が変更されてグリルが拡大しテールフィンが大きくなり、スペアタイヤがトランク内に収納されました。V型8気筒(5.1L)エンジンにスーパーチャージャーを追加して340HPにパワーアップした高性能版が追加されました。1958年にサンダーバード 2代目にモデルチェンジしました。サンダーバード 初代の生産台数は約53000台でした。
高級なパーソナルカーというサンダーバードのコンセプトは、その後の自動車市場の動向を見通したもので先見の明がありました。実用的な自動車が普及すると必ずこのようなパーソナルな高級車の需要が出てくるものです。(日本ではトヨタのコロナ マーク II 初代あたりが似たようなコンセプトでした)
ミニカーは1990年頃に発売されたフランクリン ミント製の1950年代シリーズの1台です。このシリーズは1950年代の代表的なアメリカ車12車種を1/43でモデル化していて、レトロな作風ながらボンネット/ドアが開閉するなど細部までリアルな作りでした。このサンダーバードはスペアタイヤをリアに載せた1956年式をモデル化しています。ヘッドライトをメッキパーツで表現したややレトロな作風でボンネット/ドアが開閉します。エンジンやサスペンションが再現されカブリオレなので室内も良く再現されていてとても良い出来ばえでした。これ以外のサンダーバード初代の当時物ミニカーはソリド、テクノがありました。当時物以外ではフランクリン ミントの1/24、ダンバリー ミントの1/24、マッチボックス、ミニチャンプス、リオ、コーギーの1/36、ジョニーライトニングの1/64、ブッシュの1/87など非常にたくさんあります。 以下はフロント/ボンネットを開いたエンジンルームの画像とリアの画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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メルセデス ベンツ 220S (W180) ドイツ 1956年
戦前のメルセデス ベンツ 170のシャーシを流用していたメルセデス ベンツ 220は1954年に220a(W180)に変わりました。220aは180のホイールベースを拡大し、全長を235mm長くしたボディに6気筒エンジン(2.2L 80HP)を搭載したものでした。車格としては現在のSクラス級の高級車でしたので、当然内装も豪華になっていました。さらに1956年にはエンジンを100HPに強化して220Sに進化しました。220Sの最高速は160km/hに向上し、その高性能ぶりは世界の注目を浴びました。
1958年には改良型の220SE(W128)が登場し1960年まで生産されました。1959年に220SE(W128)は当時流行したテールフィンがついたボディを採用した220b(W111)にモデルチェンジしました。4気筒エンジン搭載の190系も1961年のモデルチェンジでテールフィンがついたボディが採用された190c/190Dc(W110)に変わりました。この車には4段オートマチック仕様もありました。このテールフィンのついたベンツは「羽ベンツ」と呼ばれました。
ミニカーは2006年に発売されたミニチャンプス製です。メルセデス ベンツ 220Sのモデル化で、前述した同じミニチャンプス製の180より全長が5mmほど長くなっています。フォグライトが追加されサイドのモール類が増えて、室内もなんとなく豪華な感じになってます。(ミニカーでも豪華な感じにできるのは、ミニチャンプスならではです) フロントグリルの造形やウインカーの位置などが変更されていることも分かります。色違いのバリエーションが数種類ありました。ミニチャンプス以外では、古いものではジク(SIKU)、1990年代頃のファーラー(FALLER)があります。最近の物では、ブレキナのクーペが数種類あります。改良型のW128はビテスやサンスターがモデル化しています。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
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