ミニチュアカー ミュージアム

自動車の歴史 時代/自動車メーカー別

 

VOLKSWAGEN TYPE 166 SCHWIMMWAGEN 1944 GERMANY

VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN  TYPE 166 SCHWIMMWAGEN


VITTES VICTORIA RMV99001 1/43 93㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4m 全幅約 エンジン 変速機: 空冷 4気筒 1131cc 24HP 4段変速 パートタイム4WD
性能: 最高速80km/h 水上10km/h 4輪駆動 データーベースでシュビムワーゲンのミニカー検索

フォルクスワーゲン タイプ 166 シュビムワーゲン ドイツ 1944年

 

 シュビムワーゲンはフォルクスワーゲン KdFをベースにした水陸両用軍用車で、前述したのキューベルワーゲンの発展型でした。独語のシュビメン(SCHWIMMEN)は英語のSWIMで泳ぐという意味なので、シュビムワーゲンは泳ぐ車という意味です。車台がバスタブのような構造になっているので、船のように水に浮きます。車体後部にはエンジンによって駆動される3枚羽のスクリュウ式推進装置を持ち、それを使って水上では10km/hで走行できました。スクリュウ式推進装置は使わないときは駆動軸とのカップリングを外して、上に跳ね上げておくことができました。

 

 空冷4気筒エンジンは985㏄から1131cc(24.5HP)に強化され、水上から陸に上がる際などの悪路走破性を高める為に4輪駆動方式(パートタイム式)が採用されました。1941年にタイプ 128 シュビムワーゲンが完成し、1942年からはホイールベースを短縮して悪路走破性を向上させた改良型のタイプ 166に変わりました。構造が複雑なのでキューベルワーゲンほど多くは生産されておらず、高い機動性が必要な部隊に配備されました。1944年まで生産され総生産台数は約15000台でした。

 

 

 ミニカーはビテス グループのブランドで軍用車をモデル化していたビクトリア(VICTORIA)製で1998年に発売されました。プロポーションが良く、水上で使われる手漕ぎ用オールやスコップなどの細かな備品がプラスチック製パーツで再現されていてとても良く出来ています。水上走行で使われるスクリュウ式推進装置の跳ね上げもできます。同じ仕様で幌付のバリエーションもありました。見た目が面白いユニークな車ですので、軍用車マニアでなくても一台欲しくなるミニカーです。これ以外のシュビムワーゲンのミニカーはミリタリー物をモデル化しているホビー マスターの1/48、童友社の1/43、シュコーの1/87などがあります。 以下はフロント/リアの拡大画像とスクリュウ式推進装置を下す動作の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 1
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 2

 以下は車体床下部分の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
VOLKSWAGEN SCHWIMMWAGEN 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=236

戦後の日本国産自動車メーカーの動向 1945 JAPAN

 戦後日本の自動車産業はGHQ(連合国最高司令官総司令部)による統制下に置かれました。GHQはまず1945年9月にトラックの生産を許可し、1949年には乗用車の生産制限が解除されました。戦時中からの自動車産業の停滞により、国産メーカーの技術力は欧米メーカーに大きく遅れをとっていました。当時の通産省は自動車産業を保護・育成する政策を打ち出し、国産自動車技術の向上を図る為に「道路運送車両法」(1949年6月)を公布し、「乗用自動車関係提携及び組立契約に関する取扱方針」 (1952年10月)によって外国自動車メーカーとの技術提携の道を開きました。

 その方針に従って国産メーカー各社は優れた技術を吸収するべく、欧州メーカーとの技術提携を始めました。三菱自動車の前身の東日本重工業がアメリカのカイザー フレイザーと、日野自動車はフランスのルノーと、日産自動車はイギリスのオースチンと、いすゞ自動車はイギリスのヒルマンと技術提携を結び、ノックダウン方式による乗用車の生産を始めました。なお国産技術にこだわりを持つトヨタ自動車は欧米メーカーとの技術提携は行わず、独自技術による自動車開発を進めました。こうして1950年代になると、国産自動車メーカーから次々と自動車が発売されるようになりました。

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1401

ARMSTRONG SIDDELEY LANCASTER 1945 UK

ARMSTRONG SIDDELEY LANCASTER
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ARMSTRONG SIDDELEY LANCASTER


OXFORD ASL001 1/43 111㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約4.78m 全幅 約1.73m エンジン 変速機: 6気筒 2L 70HP 4段変速
性能: 最高速 不詳  データーベースでアームストロング シドレーのミニカー検索

アームストロング シドレー ランカスター イギリス 1945年

 

 アームストロング シドレー社はアームストロング ホイットワース(Armstrong Whitworth)社とシドレー ディーシー( Siddeley-Deasy)社が合併して1919年に設立された会社で航空機エンジン製造で有名でしたが、自動車製造でも高級車メーカーとしても高い評価を得ていました。アームストロング シドレーの自動車部門は創業当初から高級車市場をターゲットとしていました。同社の乗用車は、その堅牢な作り、信頼性、そして上質な乗り心地で知られ、「英国人好みの渋い中型サルーン」と評されました。

 

 第2次世界大戦後の1945年に4ドアセダンのランカスターとそれをベースにした2ドア クーペのハリケーンが登場しました。ランカスターはトーションバーによる独立懸架式フロントサスペンションとリーフスプリングを備えたリアアクスルを特徴とし、6気筒2Lエンジンを搭載したスポーティな高級セダンでした。1950年代には4気筒2.3L/6気筒2.3L/3.4Lエンジンを搭載する4ドアセダンのサファイア シリーズが登場しました。特に6気筒3.4L(150HP)エンジンを搭載したサファイア 346は、最高速160km/hと非常に高性能でした。

 しかし同社の自動車は同じカテゴリーのジャガーのようなブランド力がなく高価であった為、あまり売れませんでした。航空機産業の再編が進み、アームストロング シドレーの航空機エンジン部門は1966年にロールス ロイスの傘下となって消滅し、自動車製造部門もライバルの台頭で1960年代に消滅しました。

 

 

 ミニカーは2011年に発売されたオックスフォード製です。アームストロング シドレー ランカスターの初期型をモデル化しています、オックスフォードは2009年頃から輸入されるようになったイギリスの新ブランドで、老舗のコーギーのブランドであるバンガーズに似たノスタルジックな作風で、主に古いイギリス車をモデル化しています。このランカスターも特別に凝ったところはありませんが、特徴的なフロントグリル周りがうまく再現されていて最近のミニカーとして良く出来ていました。また室内もそこそこ良く仕上げてありました。オックスフォードはバリエーションでアームストロング シドレー ハリケーン、サファイアなど15種類ほどをモデル化しています。アームストロング シドレーの当時物ミニカーはディンキーやスポットオンがモデル化していました。以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

ARMSTRONG SIDDELEY LANCASTER 1
ARMSTRONG SIDDELEY LANCASTER 2

 以下は同時期に発売された同じオックスフォード製のアームストロング シドレー ハリケーン (1/43 型番ASH001)の画像です。ハリケーンは上記のランカスターをベースにしたドロップヘッドクーペ(カブリオレ)でした。上記のバリエーションでしたから、ランカスターと同じような良い出来ばえでした。ただ何故かこちらにはフェンダーミラーが付いていません。(実車画像→ アームストロング シドレー ハリケーン) (画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ARMSTRONG SIDDELEY HURRICANE 1
ARMSTRONG SIDDELEY HURRICANE 2

 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
ARMSTRONG SIDDELEY HURRICANE 3
ARMSTRONG SIDDELEY HURRICANE 4

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=2078

MG MIDGET TC 1945 UK

MG MIDGET TC
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
MG MIDGET TC


MATCHBOX Y08 1/35 100mm
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約3.54m 全幅約1.42m エンジン 変速機: 4気筒 1250cc 55HP 4段変速
性能: 最高速125km/h  データーベースでMG TA/TB/TC/TD/TFのミニカー検索

MG ミジェット TC型 イギリス 1945年

 

 モーリス車のスポーティ仕様を製造していたMG社は、1935年にモーリス社に統合されモーリスのブランドとなりました。戦前のミジェットから続くMGの軽量スポーツカーは、1945年に戦後型のTC型ミジェットが登場しました。戦前型のTB型とほとんど同じ外観で、室内が少し近代化されていました。エンジンはTB型と同じ4気筒1250cc(55HP)で、4段変速で最高速125km/hの性能でした。(実車画像→ MG ミジェット TB型) 1950年に前輪独立懸架を採用し、ボディを大型化したTD型に切り替わり、1953年には傾斜したフロントグリルなどでボディをさらに近代化したTF型に発展しました。TF型には1.5L(63HP)エンジンが追加され、その最高速は138km/hまで向上しました。(実車画像→ MG ミジェット TF型)

 

 第2次戦時中にヨーロッパに駐留していたアメリカ人がアメリカに持ち帰ったヨーロッパの軽量スポーツカーが、当時のアメリカでブームとなりました。MGもその影響でアメリカ市場に大量に輸出され、MGは小型スポーツカーの代名詞となりました。 TC型からTF型は1955年までの10年間で約5万台が生産されました。ミジェット TF型の後継車は1955年に登場したMGAでした。

 

 

 ミニカーは1978年に発売されたマッチボックス製のYシリーズです。マッチボックスのYシリーズはクラシックカーのミニカーを安価でシリーズ化したもので、値段が安いのでリオなどの高価なクラシックカーのミニカーに比べるとかなり簡素な作りでした。縮尺が1/35と中途半端で出来ばえも今一つですが、実車の雰囲気は十分にわかるものになっていました。(ヘッドライトがフロントグリルの側面に接続されていますが、これはコストダウンする為のマッチボックス流の簡素化です) なおTC型はビテス製の最近の物、TD型はテクノのヴィンテージ物、TF型はディンキーのヴィンテージ物がありますが、いずれも残念ながら持っていません。最近の物ではネオ(レジン製)がTD型をモデル化しています。 以下はフロント/リアの拡大画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

MG TC 1
MG TC 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=869

FORD LINCOLN CONTINENTAL 1946 USA

FORD LINCOLN CONTINENTAL
(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)
FORD LINCOLN CONTINENTAL


BUBY C1-6D 1/43 129㎜
 実車諸元 画像参照
外形寸法: 全長約5.54m 全幅約1.98m エンジン 変速機: V型12気筒 5L 130HP 4段変速
性能: 最高速132km/h  データーベースでリンカーン コンチネンタルのミニカー検索

フォード リンカーン コンチネンタル アメリカ 1946年

 

 1940年に登場したリンカーン コンチネンタル 初代は、1942年のマイナーチェンジでエンジンが5L(130HP)にパワーアップされ、ボディが大型化され、フロントグリルとフェンダーが変更されました。太平洋戦争の勃発でマイナーチェンジ版の生産台数は数百台と僅かでした。1946年から戦後型の製造が再開されました。フロントグリルなどが当時のアメリカ車に共通する派手な大型のものに変更され、初代の上品な雰囲気はなくなりましたが、基本的なスタイルはそのままでした。(初代を発案したエドセル フォードは1943年に若くして亡くなったので、この戦後型のデザインを見ることはなかったと思いますが)

 

 戦後型は1948年までに約2800台が生産されて生産中止となり、リンカーン コンチネンタル 初代の総生産台数は約5000台でした。V型12気筒エンジンを搭載したアメリカの量産車としてはこの車が最後となりました。(アメリカ車以外ではトヨタ センチュリー GZG50型メルセデス ベンツ Sクラス W221型、ロールス ロイスなどが搭載しています) 1956年に後継車のリンカーン コンチネンタル MK IIが登場しました。

 

 

 ミニカーはアルゼンチンのブービー(BUBY)製で、2009年頃に入手しました。ブービーは1950年代から1/43や1/64のダイキャスト製ミニカーを製造していた老舗メーカーで、日本国内では正式には流通しなかったのであまり知られていません。(私はWEBオークションで入手しました) 1990年頃に1950-60年代のアメリカ車を「COLLECTORS CLASSICS」と「BUBY'S CLASSICS」シリーズとして数十種類モデル化していて、このコンチネンタル 初代 戦後型もその「COLLECTORS CLASSICS」シリーズの1台でした。プロポーションが良く、細部もそこそこリアルで良く出来ていました。フロントグリルやバンパーなどに金属製パーツを使っていますが、昔のアメリカ車の雰囲気を再現するのに金属製パーツは効果的で、特徴的なフロントグリルがうまく再現されていました。スケールモデル的な観点で評価すると最近のミニカーは優れていますが、昔のミニカーも雰囲気や質感ではまだまだ捨てたものではありません。 これ以外のコンチネンタル 初代 戦後型の量産ミニカーはこれぐらいしかないようですので、車種的には貴重な存在です。(マーキュリーの古い当時物がありますが) 以下はフロント/リアの拡大画像と室内の画像です。(画像のマウスオーバー又はタップで画像が変化します)

FORD LINCOLN CONTINENTAL 1
FORD LINCOLN CONTINENTAL 2

このページではなくこの記事へのリンクURLは以下となります

http://minicarmuseum.com/historic/his_link.php?id=1705

 

ページ  « 前へ 1...71  72  73  74  75  76  77  78  79  80  81  ...373 次へ »

 

 

 

当サイト掲載記事の無断転載を禁じます。
Copyright(C) 2004-2025 MINIATURECAR MUSEUM All rights reserved.